有価証券報告書-第87期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営成績等の状況
① 業績の概要
当期における世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により歴史的な落ち込みを記録したのち、各国政府の施策等により徐々に持ち直してきました。しかしながら、コロナ感染の再拡大に対応した局所的な活動制限・自粛が経済成長の重荷となり、先行き不透明な状況が続いています。
当社グループが属する電子部品業界では、コロナ・ショックによる影響から部品需要が大きく落ち込んだのち、感染再拡大や半導体チップ不足等の懸念を抱えつつも、中国経済の回復にけん引され、自動車関連市場を中心に年央以降需要は回復基調に転じました。また、脱炭素に向けた電気自動車の開発は加速し、自動運転の開発を含め今後の部品需要への期待が高まりました。
こうした中、当社グループは、自動車市場の需要回復を捉え受注を確保し、下半期にはほぼ当初予想の売上高に回復してきました。同時に不透明な市場環境に対処すべく、経費削減、設備投資の抑制、業務の合理化、リモートワークを含むさらなる働き方改革等、企業体質の強化を図ってきました。しかしながら、昨年10月以降のコロナ禍に端を発した世界的なコンテナ海上運賃の急騰、局所的なサプライチェーンの寸断、原材料価格の高騰、また今年に入ってミャンマーでの政変、半導体チップ不足の顕在化等により利益水準の低下を余儀なくされ、通期では減収減益となりました。
以上の結果、当期連結業績における売上高は、85,220百万円(前期比20.6%減)、営業利益は0.7百万円(前期比100.0%減)、経常利益は219百万円(前期比91.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、固定資産の減損や特別早期退職優遇措置実施に伴う特別退職金等の特別損失を計上したため、3,363百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,565百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[スピーカ事業]
車載用スピーカ・スピーカシステムの販売は、コロナ・ショックの影響を受け第1四半期は大きく落ち込みましたが、年央以降は中国市場の立ち直りにけん引され顧客自動車工場の稼働率が上がり、当社グループの売上高も回復し下半期にはほぼ期初の見込み程度に回復しました。しかしながら、第3四半期以降は世界規模でのコンテナ海上運賃の急騰、局所的なサプライチェーンの寸断、原材料価格の高騰、ミャンマーでの政変、半導体チップ不足の顕在化等により損益が大きく圧迫されました。その結果、売上高は56,736百万円(前期比11.3%減)、営業利益は377百万円(前期比85.3%減)となりました。
[モバイルオーディオ事業]
民生用アクチュエータの出荷はほぼ計画通りでしたが、期初の見込み通り主要顧客向けヘッドセットの販売が引き続き減少したことから、売上高は21,574百万円(前期比41.8%減)、営業損失は424百万円(前期は営業損失187百万円)となりました。
[その他事業]
車載向け小型音響部品は堅調に売上を伸ばし、「フォステクス」ブランドの製品を含むその他の売上高は、7,244百万円(前期比12.2%増)、営業利益は47百万円(前期は営業損失320百万円)となりました。
② 販売の状況
当連結会計年度における販売の状況は下記のとおりです。
スピーカ事業 車載用スピーカ・スピーカシステム、薄型テレビ用スピーカ・スピーカシステムや、オーディオ用等のスピーカ製品の製造・販売
モバイルオーディオ事業 携帯電話用ヘッドセット、ヘッドホン、小型スピーカ、振動アクチュエータ等のモバイルオーディオ製品の製造・販売
その他事業 警報音用等のブザー・サウンダ等の小型音響部品、「フォステクス」ブランドの製品の製造・販売並びに物流サービス等の提供
(注)1 受注高、受注残高及び生産高につきましては、主として見込生産方式を採用しているため、記載を省略しています。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、ヘッドセットの販売数量が低下したこと等によるものです。
4 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
下記における今後または将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在 当社グループ(以下「当社」という)が判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測が必要とされます。当社経営陣は、継続的に、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される範囲での様々な仮定に基づきその見積り・予測を評価します。その様な評価の結果は、他の方法からは即時に判定しえない資産・負債の簿価あるいは収益・費用の報告金額についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社は、以下の重要な会計方針が、当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期等を含む仮定に関する情報は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しています。
a 投資有価証券
長期的な取引関係の維持等のために、特定の金融機関及び取引先等に対する非支配持分を所有しています。これらの株式は、価格変動性が高い公開会社の株式です。公開会社への投資の場合、決算日における株価が取得価額を50%以上下回った場合及び2期連続して取得価額を30%以上下回り、かつ、回復する見込みがあると認められない場合に評価損を計上しています。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
b 貸倒引当金
顧客等の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しています。顧客等の財務状況が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c 固定資産の減損
固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、この前提条件に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
d 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得を検討することによって回収可能性のある金額を検証しており、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現困難と判断した場合は、相応の評価性引当額を計上しています。これは財務諸表上、法人税等調整額として表示され、当期純利益を減額させることとなります。
② 財政状態の分析
総資産は、主に有価証券の減少により前連結会計年度末に比べ3,592百万円減少して77,233百万円となりました。
主な増減の内訳ですが、流動資産は、有価証券の減少等により、912百万円減少の59,040百万円となりました。また、固定資産は減損損失の計上等により2,679百万円減少の18,193百万円となりました。
負債は、主に長期借入金の減少により前連結会計年度末に比べ590百万円減少して21,239百万円となりました。純資産は、主に利益剰余金の減少により前連結会計年度末に比べ3,002百万円減少して55,993百万円となり、また自己資本比率は前連結会計年度末比0.9ポイント減少して65.6%となりました。
③ 当連結会計年度の経営成績の分析
当期の連結売上高は、主要顧客向けヘッドセットの販売数量の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により自動車生産台数が減少し、これに伴い車載スピーカ・スピーカシステムの販売が減少したことから、前期比20.6%減の85,220百万円(前期売上高107,298百万円)となりました。利益面につきましては、売上高の減少に加え、コロナ禍に端を発した昨年10月以降の世界的なコンテナ海上運賃の急騰、局所的なサプライチェーンの寸断、原材料価格の高騰、また今年に入ってミャンマーでの政変、半導体チップ不足の顕在化等により利益水準の低下を余儀なくされ、営業利益は前期比100.0%減の0.7百万円(前期営業利益2,064百万円)、経常利益は前期比91.6%減の219百万円(前期経常利益2,599百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、固定資産の減損や特別早期退職優遇措置実施に伴う特別退職金等の特別損失を計上したため3,363百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純利益1,565百万円)となりました。
④ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,557百万円減少し、当連結会計年度末には20,373百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金の増加は、仕入債務の増加等により739百万円(前年同期比93.3%減)となりました。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金の減少は、有形固定資産の取得等により1,960百万円(前年同期は、516百万円の資金の増加)となりました。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金の減少は、長期借入金の減少等により2,624百万円(前年同期比70.3%減)となりました。
当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりです。
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務指標により計算しています。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により計算しています。
※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
a 資本政策の基本方針
当社は、持続的な成長による企業価値及び株主価値の向上を図るため、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを考慮し、資本政策を実施します。
また、適時適切な情報開示や投資家との積極的な対話等のIR活動を通じて資本コストの低減に努めると同時に、資本と負債の最適な構成に鑑み資本効率を高めていきます。
b 利益配分に関する基本方針
当社は、利益配分について、企業価値の向上を経営課題としつつ、業績に対応した利益配分と長期的な視野に立った内部留保の充実との調和を図りながら、総合的に株主利益の向上を図ることを基本的方針とし、連結ベースでの配当性向20%以上を目標としています。
C 資金の流動性
2022年3月期の設備投資は約40億円、研究開発費は約30億円を予定しており、所要資金については自己資金及び借入金を充当する予定です。また、(連結貸借対照表関係)及び(貸借対照表関係)に記載のとおり、コミットメントライン契約を締結しております。(当連結会計年度末融資枠設定金額14,000百万円。提出日現在融資枠設定金額14,000百万円、当連結会計年度末借入実行残高ゼロ)
事業展開に伴う所要資金に対する機動的な対応のため、またコロナ禍での不測の事態に備えて、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていません。
⑥ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当連結会計年度の連結業績目標の達成状況は以下のとおりです。
当社グループは、中期財務目標として売上高1,200億円、営業利益50億円、営業利益率4.2%を目標としています。当期におきましては、コロナ禍に端を発した昨年10月以降の世界的なコンテナ海上運賃の急騰、局所的なサプライチェーンの寸断、原材料価格の高騰、ミャンマーでの政変、半導体チップ不足の顕在化等により利益水準の低下を余儀なくされました。当社グループは、前期から続く懸念材料に適時適切に対応し、中期事業計画を着実に実行することで拡大するビジネスチャンスを確実に捉え、企業価値・株主価値の向上に努めていきます。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営成績等の状況
① 業績の概要
当期における世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により歴史的な落ち込みを記録したのち、各国政府の施策等により徐々に持ち直してきました。しかしながら、コロナ感染の再拡大に対応した局所的な活動制限・自粛が経済成長の重荷となり、先行き不透明な状況が続いています。
当社グループが属する電子部品業界では、コロナ・ショックによる影響から部品需要が大きく落ち込んだのち、感染再拡大や半導体チップ不足等の懸念を抱えつつも、中国経済の回復にけん引され、自動車関連市場を中心に年央以降需要は回復基調に転じました。また、脱炭素に向けた電気自動車の開発は加速し、自動運転の開発を含め今後の部品需要への期待が高まりました。
こうした中、当社グループは、自動車市場の需要回復を捉え受注を確保し、下半期にはほぼ当初予想の売上高に回復してきました。同時に不透明な市場環境に対処すべく、経費削減、設備投資の抑制、業務の合理化、リモートワークを含むさらなる働き方改革等、企業体質の強化を図ってきました。しかしながら、昨年10月以降のコロナ禍に端を発した世界的なコンテナ海上運賃の急騰、局所的なサプライチェーンの寸断、原材料価格の高騰、また今年に入ってミャンマーでの政変、半導体チップ不足の顕在化等により利益水準の低下を余儀なくされ、通期では減収減益となりました。
以上の結果、当期連結業績における売上高は、85,220百万円(前期比20.6%減)、営業利益は0.7百万円(前期比100.0%減)、経常利益は219百万円(前期比91.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、固定資産の減損や特別早期退職優遇措置実施に伴う特別退職金等の特別損失を計上したため、3,363百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益1,565百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[スピーカ事業]
車載用スピーカ・スピーカシステムの販売は、コロナ・ショックの影響を受け第1四半期は大きく落ち込みましたが、年央以降は中国市場の立ち直りにけん引され顧客自動車工場の稼働率が上がり、当社グループの売上高も回復し下半期にはほぼ期初の見込み程度に回復しました。しかしながら、第3四半期以降は世界規模でのコンテナ海上運賃の急騰、局所的なサプライチェーンの寸断、原材料価格の高騰、ミャンマーでの政変、半導体チップ不足の顕在化等により損益が大きく圧迫されました。その結果、売上高は56,736百万円(前期比11.3%減)、営業利益は377百万円(前期比85.3%減)となりました。
[モバイルオーディオ事業]
民生用アクチュエータの出荷はほぼ計画通りでしたが、期初の見込み通り主要顧客向けヘッドセットの販売が引き続き減少したことから、売上高は21,574百万円(前期比41.8%減)、営業損失は424百万円(前期は営業損失187百万円)となりました。
[その他事業]
車載向け小型音響部品は堅調に売上を伸ばし、「フォステクス」ブランドの製品を含むその他の売上高は、7,244百万円(前期比12.2%増)、営業利益は47百万円(前期は営業損失320百万円)となりました。
② 販売の状況
当連結会計年度における販売の状況は下記のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| スピーカ事業 | 56,736 | △11.3% |
| モバイルオーディオ事業 | 21,574 | △41.8% |
| その他事業 | 6,909 | 9.9% |
| 合計 | 85,220 | △20.6% |
スピーカ事業 車載用スピーカ・スピーカシステム、薄型テレビ用スピーカ・スピーカシステムや、オーディオ用等のスピーカ製品の製造・販売
モバイルオーディオ事業 携帯電話用ヘッドセット、ヘッドホン、小型スピーカ、振動アクチュエータ等のモバイルオーディオ製品の製造・販売
その他事業 警報音用等のブザー・サウンダ等の小型音響部品、「フォステクス」ブランドの製品の製造・販売並びに物流サービス等の提供
(注)1 受注高、受注残高及び生産高につきましては、主として見込生産方式を採用しているため、記載を省略しています。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、ヘッドセットの販売数量が低下したこと等によるものです。
4 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
下記における今後または将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在 当社グループ(以下「当社」という)が判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測が必要とされます。当社経営陣は、継続的に、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される範囲での様々な仮定に基づきその見積り・予測を評価します。その様な評価の結果は、他の方法からは即時に判定しえない資産・負債の簿価あるいは収益・費用の報告金額についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社は、以下の重要な会計方針が、当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期等を含む仮定に関する情報は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しています。
a 投資有価証券
長期的な取引関係の維持等のために、特定の金融機関及び取引先等に対する非支配持分を所有しています。これらの株式は、価格変動性が高い公開会社の株式です。公開会社への投資の場合、決算日における株価が取得価額を50%以上下回った場合及び2期連続して取得価額を30%以上下回り、かつ、回復する見込みがあると認められない場合に評価損を計上しています。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
b 貸倒引当金
顧客等の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しています。顧客等の財務状況が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c 固定資産の減損
固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、この前提条件に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
d 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得を検討することによって回収可能性のある金額を検証しており、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現困難と判断した場合は、相応の評価性引当額を計上しています。これは財務諸表上、法人税等調整額として表示され、当期純利益を減額させることとなります。
② 財政状態の分析
総資産は、主に有価証券の減少により前連結会計年度末に比べ3,592百万円減少して77,233百万円となりました。
主な増減の内訳ですが、流動資産は、有価証券の減少等により、912百万円減少の59,040百万円となりました。また、固定資産は減損損失の計上等により2,679百万円減少の18,193百万円となりました。
負債は、主に長期借入金の減少により前連結会計年度末に比べ590百万円減少して21,239百万円となりました。純資産は、主に利益剰余金の減少により前連結会計年度末に比べ3,002百万円減少して55,993百万円となり、また自己資本比率は前連結会計年度末比0.9ポイント減少して65.6%となりました。
③ 当連結会計年度の経営成績の分析
当期の連結売上高は、主要顧客向けヘッドセットの販売数量の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響により自動車生産台数が減少し、これに伴い車載スピーカ・スピーカシステムの販売が減少したことから、前期比20.6%減の85,220百万円(前期売上高107,298百万円)となりました。利益面につきましては、売上高の減少に加え、コロナ禍に端を発した昨年10月以降の世界的なコンテナ海上運賃の急騰、局所的なサプライチェーンの寸断、原材料価格の高騰、また今年に入ってミャンマーでの政変、半導体チップ不足の顕在化等により利益水準の低下を余儀なくされ、営業利益は前期比100.0%減の0.7百万円(前期営業利益2,064百万円)、経常利益は前期比91.6%減の219百万円(前期経常利益2,599百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、固定資産の減損や特別早期退職優遇措置実施に伴う特別退職金等の特別損失を計上したため3,363百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純利益1,565百万円)となりました。
④ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,557百万円減少し、当連結会計年度末には20,373百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金の増加は、仕入債務の増加等により739百万円(前年同期比93.3%減)となりました。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金の減少は、有形固定資産の取得等により1,960百万円(前年同期は、516百万円の資金の増加)となりました。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金の減少は、長期借入金の減少等により2,624百万円(前年同期比70.3%減)となりました。
当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりです。
| 2017年 3月期 | 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | 2021年 3月期 | |
| 自己資本比率 | 58.2% | 61.5% | 59.5% | 66.5% | 65.6% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 47.9% | 66.0% | 41.1% | 31.2% | 37.6% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 3.1 | 1.4 | 0.8 | 0.6 | 7.0 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 35.9 | 35.6 | 95.9 | 86.3 | 10.9 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務指標により計算しています。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により計算しています。
※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
a 資本政策の基本方針
当社は、持続的な成長による企業価値及び株主価値の向上を図るため、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを考慮し、資本政策を実施します。
また、適時適切な情報開示や投資家との積極的な対話等のIR活動を通じて資本コストの低減に努めると同時に、資本と負債の最適な構成に鑑み資本効率を高めていきます。
b 利益配分に関する基本方針
当社は、利益配分について、企業価値の向上を経営課題としつつ、業績に対応した利益配分と長期的な視野に立った内部留保の充実との調和を図りながら、総合的に株主利益の向上を図ることを基本的方針とし、連結ベースでの配当性向20%以上を目標としています。
C 資金の流動性
2022年3月期の設備投資は約40億円、研究開発費は約30億円を予定しており、所要資金については自己資金及び借入金を充当する予定です。また、(連結貸借対照表関係)及び(貸借対照表関係)に記載のとおり、コミットメントライン契約を締結しております。(当連結会計年度末融資枠設定金額14,000百万円。提出日現在融資枠設定金額14,000百万円、当連結会計年度末借入実行残高ゼロ)
事業展開に伴う所要資金に対する機動的な対応のため、またコロナ禍での不測の事態に備えて、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていません。
⑥ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当連結会計年度の連結業績目標の達成状況は以下のとおりです。
当社グループは、中期財務目標として売上高1,200億円、営業利益50億円、営業利益率4.2%を目標としています。当期におきましては、コロナ禍に端を発した昨年10月以降の世界的なコンテナ海上運賃の急騰、局所的なサプライチェーンの寸断、原材料価格の高騰、ミャンマーでの政変、半導体チップ不足の顕在化等により利益水準の低下を余儀なくされました。当社グループは、前期から続く懸念材料に適時適切に対応し、中期事業計画を着実に実行することで拡大するビジネスチャンスを確実に捉え、企業価値・株主価値の向上に努めていきます。
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 売上高(百万円) | 160,896 | 184,800 | 140,303 | 107,298 | 85,220 |
| 営業利益(百万円) | 2,963 | 9,307 | 3,937 | 2,064 | 0.7 |
| 営業利益率(%) | 1.8 | 5.0 | 2.8 | 1.9 | 0.0 |