有価証券報告書-第86期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 業績の概要
当期における世界経済は、米中貿易摩擦に代表される保護主義化の流れに影響され混沌とした状況が続きました。さらに年度終盤にかけて、新型コロナウイルス感染拡大により世界各地で経済活動が停滞しました。
当社グループが属する電子部品業界においても、スマートフォン用や自動車用の部品需要が漸減する中、新型コロナウイルス感染拡大の影響から供給、需要の両面において大きな打撃を受けました。一方で、技術変化が加速し、環境対応への要求が厳しくなる中、5Gや次世代自動車に代表される新しい領域での新技術が、今後の部品需要を増加させるものと期待されています。
こうした中、当社グループは、引き続き主要顧客向けヘッドセットビジネスの見直しを図り、車載ビジネスを中心におく事業変革を推進しました。組織面では、市場変化に迅速に対応するため事業本部制から機能別組織に移行しました。生産面では、米国でのスピーカ自動化生産に向けて取り組みました。また、新規ビジネスを展開するため、ベトナムでの新製品立ち上げを着実に進めました。
新型コロナウイルス感染症への対応に関しては、従業員や地域の安心・安全を最優先課題として取り組むと同時に、サプライチェーンの寸断リスクに対処しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大は、中国工場の操業停滞による生産の減少及び欧米での需要の落ち込みをもたらし、当社グループの業績に多大な影響を与えました。
以上の結果、当期連結業績における売上高は、107,298百万円(前期比23.5%減)、営業利益は2,064百万円(前期比47.6%減)、経常利益は2,599百万円(前期比39.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、土地建物や投資有価証券の売却益を計上した一方で、減損損失等を計上したため、1,565百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,026百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[スピーカ事業]
世界的に新車販売台数が減少傾向にあることに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による中国工場の操業停滞や需要の落ち込みにより、車載用スピーカ・スピーカシステムの販売が減少したため、売上高が63,955百万円(前期比9.2%減)、営業利益が2,571百万円(前期比40.8%減)となりました。
[モバイルオーディオ事業]
中国系スマートフォンメーカ向けヘッドセットの販売数量が伸びた反面、スマートフォン市場がマイナス成長であったことや主要顧客向けヘッドセットの販売数量が減少したことから、売上高が37,059百万円(前期比42.0%減)、営業損失が187百万円(前期は営業損失670百万円)となりました。
[その他事業]
小型音響部品や「フォステクス」ブランドの製品を含むその他の売上高は、6,454百万円(前期比3.7%増)、営業損益は、自動化生産ラインの開発費を計上したことから、320百万円の損失(前期は営業利益265百万円)となりました。
② 販売の状況
当連結会計年度における販売の状況は下記のとおりです。
スピーカ事業 オーディオ用、テレビ用及び車載用スピーカ・スピーカシステム等
モバイルオーディオ事業 ヘッドホン・ヘッドセット、小型スピーカ、業務用マイクロホン等
その他事業 警報音用等のブザー・サウンダ製品、「フォステクス」ブランドの製品、物流サービス等
(注)1 受注高、受注残高及び生産高につきましては、主として見込生産方式を採用しているため、記載を省略しています。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
4 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、ヘッドセットの販売数量及び価格が低下したこと等によるものです。
5 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
下記における今後または将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2020年6月24日)現在 当社グループ(以下「当社」という)が判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測が必要とされます。当社経営陣は、継続的に、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される範囲での様々な仮定に基づきその見積り・予測を評価します。その様な評価の結果は、他の方法からは即時に判定しえない資産・負債の簿価あるいは収益・費用の報告金額についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積特有の不確実性があるため、これらの見積と異なる場合があります。当社は、以下の重要な会計方針が、当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期等を含む仮定に関する情報は、第5「経理の状況」の「追加情報」に記載しています。
a 投資有価証券
長期的な取引関係の維持等のために、特定の金融機関及び取引先等に対する非支配持分を所有しています。これらの株式は、価格変動性が高い公開会社の株式です。公開会社への投資の場合、決算日における株価が取得価額を50%以上下回った場合及び2期連続して取得価額を30%以上下回り、かつ、回復する見込みがあると認められない場合に評価損を計上しています。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
b 貸倒引当金
顧客等の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しています。顧客等の財務状況が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c 固定資産の減損
固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、この前提条件に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
d 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得を検討することによって回収可能性のある金額を検証しており、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現困難と判断した場合は、相応の評価性引当額を計上しています。これは財務諸表上、法人税等調整額として表示され、当期純利益を減額させることとなります。
② 財政状態の分析
総資産は、主に棚卸資産の減少により前連結会計年度末に比べ10,445百万円減少して80,825百万円となりました。
主な増減の内訳ですが、流動資産は、モバイルオーディオ事業の主力顧客向け取引の減少による売掛金及び棚卸資産の減少等により、7,820百万円減少の59,952百万円となりました。一方、固定資産は投資有価証券の売却の他、減損損失の計上等により2,624百万円減少の20,872百万円となりました。
負債は、主に借入金の減少により前連結会計年度末に比べ10,147百万円減少して21,830百万円となりました。純資産は、主に為替換算調整勘定の減少により前連結会計年度末に比べ298百万円減少して58,995百万円となり、また自己資本比率は前連結会計年度末比7.0ポイント増加して66.5%となりました。
③ 当連結会計年度の経営成績の分析
当期の連結売上高は、主要顧客向けヘッドセットの販売数量の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による中国工場の操業停滞や需要の落ち込みにより、車載スピーカ・スピーカシステムの販売が減少したことから、前期比23.5%減の107,298百万円(前期売上高140,303百万円)となりました。利益面につきましては、売上高の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による各工場の稼働率低下により、営業利益は前期比47.6%減の2,064百万円(前期営業利益3,937百万円)、経常利益は前期比39.8%減の2,599百万円(前期経常利益4,318百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、土地建物や投資有価証券の売却益を計上した一方で、減損損失等を計上したため1,565百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純損失2,026百万円)となりました。
④ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,406百万円増加し、当連結会計年度末には23,930百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金の増加は、たな卸資産の減少等により11,092百万円(前年同期比38.2%減)となりました。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金の増加は、有形固定資産の売却等により516百万円(前年同期は、3,425百万円の資金の減少)となりました。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金の減少は、借入金の減少等により8,823百万円(前年同期比200.4%増)となりました。
当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりです。
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務指標により計算しています。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により計算しています。
※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
a 資本政策の基本方針
当社は、持続的な成長による企業価値及び株主価値の向上を図るため、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを考慮し、資本政策を実施します。
また、適時適切な情報開示や投資家との積極的な対話等のIR活動を通じて資本コストの低減に努めると同時に、資本と負債の最適な構成に鑑み資本効率を高めていきます。
b 利益配分に関する基本方針
当社は、利益配分について、企業価値の向上を経営課題としつつ、業績に対応した利益配分と長期的な視野に立った内部留保の充実との調和を図りながら、総合的に株主利益の向上を図ることを基本的方針とし、連結ベースでの配当性向20%以上を目標としています。
C 資金の流動性
2021年3月期の設備投資は約30億円、研究開発費は約25億円を予定しており、所要資金については自己資金及び借入金を充当する予定です。また、(連結貸借対照表関係)及び(貸借対照表関係)に記載のとおり、コミットメントライン契約を締結しております。(当連結会計年度末融資枠設定金額3,000百万円。提出日現在融資枠設定金額14,000百万円、当連結会計年度末借入実行残高ゼロ)
事業展開に伴う所要資金に対する機動的な対応のため、またコロナ禍での不測の事態に備えて、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていません。
⑥ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当連結会計年度の連結業績目標の達成状況は以下のとおりです。
当社グループは、中期的な経営目標として連結ROE10%超を目標としています。当期におきましては、土地建物や投資有価証券の売却益を計上した一方で、減損損失等を計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益が1,565百万円となり、その結果、連結ROEは2.9%となりました。当社グループは、今後成長が期待される車載向け製品事業の強化や収益性を重視した新規事業への取り組みを強化すると同時に、資産、資本効率を高め、事業の持続的成長及び更なる企業価値の向上に取り組みます。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 業績の概要
当期における世界経済は、米中貿易摩擦に代表される保護主義化の流れに影響され混沌とした状況が続きました。さらに年度終盤にかけて、新型コロナウイルス感染拡大により世界各地で経済活動が停滞しました。
当社グループが属する電子部品業界においても、スマートフォン用や自動車用の部品需要が漸減する中、新型コロナウイルス感染拡大の影響から供給、需要の両面において大きな打撃を受けました。一方で、技術変化が加速し、環境対応への要求が厳しくなる中、5Gや次世代自動車に代表される新しい領域での新技術が、今後の部品需要を増加させるものと期待されています。
こうした中、当社グループは、引き続き主要顧客向けヘッドセットビジネスの見直しを図り、車載ビジネスを中心におく事業変革を推進しました。組織面では、市場変化に迅速に対応するため事業本部制から機能別組織に移行しました。生産面では、米国でのスピーカ自動化生産に向けて取り組みました。また、新規ビジネスを展開するため、ベトナムでの新製品立ち上げを着実に進めました。
新型コロナウイルス感染症への対応に関しては、従業員や地域の安心・安全を最優先課題として取り組むと同時に、サプライチェーンの寸断リスクに対処しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大は、中国工場の操業停滞による生産の減少及び欧米での需要の落ち込みをもたらし、当社グループの業績に多大な影響を与えました。
以上の結果、当期連結業績における売上高は、107,298百万円(前期比23.5%減)、営業利益は2,064百万円(前期比47.6%減)、経常利益は2,599百万円(前期比39.8%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、土地建物や投資有価証券の売却益を計上した一方で、減損損失等を計上したため、1,565百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,026百万円)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
[スピーカ事業]
世界的に新車販売台数が減少傾向にあることに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による中国工場の操業停滞や需要の落ち込みにより、車載用スピーカ・スピーカシステムの販売が減少したため、売上高が63,955百万円(前期比9.2%減)、営業利益が2,571百万円(前期比40.8%減)となりました。
[モバイルオーディオ事業]
中国系スマートフォンメーカ向けヘッドセットの販売数量が伸びた反面、スマートフォン市場がマイナス成長であったことや主要顧客向けヘッドセットの販売数量が減少したことから、売上高が37,059百万円(前期比42.0%減)、営業損失が187百万円(前期は営業損失670百万円)となりました。
[その他事業]
小型音響部品や「フォステクス」ブランドの製品を含むその他の売上高は、6,454百万円(前期比3.7%増)、営業損益は、自動化生産ラインの開発費を計上したことから、320百万円の損失(前期は営業利益265百万円)となりました。
② 販売の状況
当連結会計年度における販売の状況は下記のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| スピーカ事業 | 63,955 | △9.2 |
| モバイルオーディオ事業 | 37,059 | △42.0 |
| その他事業 | 6,283 | 3.9 |
| 合計 | 107,298 | △23.5 |
スピーカ事業 オーディオ用、テレビ用及び車載用スピーカ・スピーカシステム等
モバイルオーディオ事業 ヘッドホン・ヘッドセット、小型スピーカ、業務用マイクロホン等
その他事業 警報音用等のブザー・サウンダ製品、「フォステクス」ブランドの製品、物流サービス等
(注)1 受注高、受注残高及び生産高につきましては、主として見込生産方式を採用しているため、記載を省略しています。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| APPLE Inc. | 45,225 | 32.2 | 16,600 | 15.5 |
4 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、ヘッドセットの販売数量及び価格が低下したこと等によるものです。
5 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
下記における今後または将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2020年6月24日)現在 当社グループ(以下「当社」という)が判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測が必要とされます。当社経営陣は、継続的に、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される範囲での様々な仮定に基づきその見積り・予測を評価します。その様な評価の結果は、他の方法からは即時に判定しえない資産・負債の簿価あるいは収益・費用の報告金額についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積特有の不確実性があるため、これらの見積と異なる場合があります。当社は、以下の重要な会計方針が、当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期等を含む仮定に関する情報は、第5「経理の状況」の「追加情報」に記載しています。
a 投資有価証券
長期的な取引関係の維持等のために、特定の金融機関及び取引先等に対する非支配持分を所有しています。これらの株式は、価格変動性が高い公開会社の株式です。公開会社への投資の場合、決算日における株価が取得価額を50%以上下回った場合及び2期連続して取得価額を30%以上下回り、かつ、回復する見込みがあると認められない場合に評価損を計上しています。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
b 貸倒引当金
顧客等の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しています。顧客等の財務状況が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c 固定資産の減損
固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。回収可能価額は、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、この前提条件に変更が生じた場合、追加の減損損失の計上が必要となる可能性があります。
d 繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得を検討することによって回収可能性のある金額を検証しており、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現困難と判断した場合は、相応の評価性引当額を計上しています。これは財務諸表上、法人税等調整額として表示され、当期純利益を減額させることとなります。
② 財政状態の分析
総資産は、主に棚卸資産の減少により前連結会計年度末に比べ10,445百万円減少して80,825百万円となりました。
主な増減の内訳ですが、流動資産は、モバイルオーディオ事業の主力顧客向け取引の減少による売掛金及び棚卸資産の減少等により、7,820百万円減少の59,952百万円となりました。一方、固定資産は投資有価証券の売却の他、減損損失の計上等により2,624百万円減少の20,872百万円となりました。
負債は、主に借入金の減少により前連結会計年度末に比べ10,147百万円減少して21,830百万円となりました。純資産は、主に為替換算調整勘定の減少により前連結会計年度末に比べ298百万円減少して58,995百万円となり、また自己資本比率は前連結会計年度末比7.0ポイント増加して66.5%となりました。
③ 当連結会計年度の経営成績の分析
当期の連結売上高は、主要顧客向けヘッドセットの販売数量の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による中国工場の操業停滞や需要の落ち込みにより、車載スピーカ・スピーカシステムの販売が減少したことから、前期比23.5%減の107,298百万円(前期売上高140,303百万円)となりました。利益面につきましては、売上高の減少に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による各工場の稼働率低下により、営業利益は前期比47.6%減の2,064百万円(前期営業利益3,937百万円)、経常利益は前期比39.8%減の2,599百万円(前期経常利益4,318百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、土地建物や投資有価証券の売却益を計上した一方で、減損損失等を計上したため1,565百万円(前期は、親会社株主に帰属する当期純損失2,026百万円)となりました。
④ キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,406百万円増加し、当連結会計年度末には23,930百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金の増加は、たな卸資産の減少等により11,092百万円(前年同期比38.2%減)となりました。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金の増加は、有形固定資産の売却等により516百万円(前年同期は、3,425百万円の資金の減少)となりました。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金の減少は、借入金の減少等により8,823百万円(前年同期比200.4%増)となりました。
当社のキャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりです。
| 2016年 3月期 | 2017年 3月期 | 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | |
| 自己資本比率 | 63.7% | 58.2% | 61.5% | 59.5% | 66.5% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 64.8% | 47.9% | 66.0% | 41.1% | 31.2% |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 0.4 | 3.1 | 1.4 | 0.8 | 0.6 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | 198.3 | 35.9 | 35.6 | 95.9 | 86.3 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務指標により計算しています。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により計算しています。
※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
a 資本政策の基本方針
当社は、持続的な成長による企業価値及び株主価値の向上を図るため、資本効率の向上と財務の安定性のバランスを考慮し、資本政策を実施します。
また、適時適切な情報開示や投資家との積極的な対話等のIR活動を通じて資本コストの低減に努めると同時に、資本と負債の最適な構成に鑑み資本効率を高めていきます。
b 利益配分に関する基本方針
当社は、利益配分について、企業価値の向上を経営課題としつつ、業績に対応した利益配分と長期的な視野に立った内部留保の充実との調和を図りながら、総合的に株主利益の向上を図ることを基本的方針とし、連結ベースでの配当性向20%以上を目標としています。
C 資金の流動性
2021年3月期の設備投資は約30億円、研究開発費は約25億円を予定しており、所要資金については自己資金及び借入金を充当する予定です。また、(連結貸借対照表関係)及び(貸借対照表関係)に記載のとおり、コミットメントライン契約を締結しております。(当連結会計年度末融資枠設定金額3,000百万円。提出日現在融資枠設定金額14,000百万円、当連結会計年度末借入実行残高ゼロ)
事業展開に伴う所要資金に対する機動的な対応のため、またコロナ禍での不測の事態に備えて、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていません。
⑥ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当連結会計年度の連結業績目標の達成状況は以下のとおりです。
当社グループは、中期的な経営目標として連結ROE10%超を目標としています。当期におきましては、土地建物や投資有価証券の売却益を計上した一方で、減損損失等を計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益が1,565百万円となり、その結果、連結ROEは2.9%となりました。当社グループは、今後成長が期待される車載向け製品事業の強化や収益性を重視した新規事業への取り組みを強化すると同時に、資産、資本効率を高め、事業の持続的成長及び更なる企業価値の向上に取り組みます。
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| ROE(%) | 11.0 | 1.8 | 7.0 | △3.5 | 2.9 |