有価証券報告書-第37期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 13:58
【資料】
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【項目】
107項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純損失」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則に基づいて作成され、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に従っております。その内容は、「第5 経理の状況」において、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」として掲げられているとおりでありますが、現実には、いくつかの要因について見積りによっております。この見積りは、継続して行なわれておりますが、特に以下の項目が、当社グループの連結財務諸表における収益、資産、負債等の報告数値に影響を与えております。なお、この見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。
① 収益の認識
当社グループの売上は、通常、注文書に基づき製品が顧客に出荷された時点、又はサービスが提供された時点に計上されます。また、工事等を伴う一部の部門におきましては、顧客の検収により売上計上することとしております。
② 退職給付に係る負債及び退職給付費用
当社は、退職給付に係る負債及び退職給付費用の見積りに際して、簡便法を採用しております。基礎となる退職給付に係る負債は、それぞれの会社の退職金規定に基づいて見積もられた、年度末における自己都合要支給額であります。従って、原則である数理計算に基づいた退職給付に係る負債及び退職給付費用とは、差異が生じる可能性があります。
③ 投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、各種の取引先の株式を保有しております。これらの株式の評価にあたっては、金融商品会計基準の定めるところに従っております。そして、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合は、減損処理を行っております。それは、時価のある有価証券については、時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合、又は30%以上下落し且つその発行体が3期連続の赤字決算もしくは債務超過となった場合であります。また、非上場株式については、その実質価値が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合としております。
④ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を判断するに当たっては、将来の課税所得を勘案し、繰延税金資産の回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産の調整額を費用として計上します。逆に、過年度において回収可能性が低いと判断されたために評価性引当額を計上された繰延税金資産が、諸条件の変化により回収可能性が高まったと判断された場合には、繰延税金資産の調整額を利益として、その判断を行った期間の利益に計上します。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
業績の状況につきましては、「第2 事業の状況の1 業績等の概要 (1)業績」に記載したとおりでありますが、その他のポイントと考えられる事項は、以下のとおりであります。
① 売上高及び売上総利益
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ99百万円増加(前期比3.0%増)し3,441百万円、売上総利益は前連結会計年度に比べ43百万円増加(前期比5.9%増)し、786百万円となりました。
② 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、かねてより進めてまいりました、販売費及び一般管理費の削減策が徐々に功を奏してきておりますが、前連結会計年度に比べ30百万円増加し、645百万円となりました。
③ 営業外損益
当連結会計年度の営業外収益は、主に業務受託料により36百万円となり、営業外費用は、主に支払利息及び為替差損により175百万円となりました。
以上の結果により、当連結会計年度の経常利益は1百万円となりました。
④ 特別損益
当連結会計年度の特別損失は、原材料において、長期にわたる在庫保有リスクが存在するため、保守的に在庫基準を見直した結果、たな卸資産除却損274百万円を計上したこと、及び過年度決算の訂正を実施したことにより過年度決算訂正関連費用32百万円を計上したことにより、307百万円となりました。
⑤ 法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は28百万円計上しております。
以上の結果により、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失331百万円(前連結会計年度は391百万円の損失)となりました。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度における資産・負債等の増減の状況は、次のとおりであります。
(資産の状況)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比較して495百万円減少し、3,385百万円となりました。これは主に、たな卸資産の減少したことによります。
(負債の状況)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比較して388百万円減少し、3,670百万円となりました。これは主に、短期借入金及び前受金の減少したことによります。
(純資産の状況)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して、106百万円減少し、284百万円の債務超過となりました。自己資本比率は△5.1%から△8.9%へ3.8ポイント減少いたしました。
(4)資本の財源及び資金の流動性について
当連結会計年度における当社グループのキャッシュ・フローにつきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載したとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。
(7)継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況についての対応策等について
当社グループは、前連結会計年度におきまして、127百万円の営業利益であり、営業活動によるキャッシュ・フローも117百万円のプラスでありました。
当連結会計年度におきましては140百万円の営業利益でありますが、これまで資金調達のほとんどを金融機関各社に依存してきたことにより、当連結会計年度において有利子負債が2,012百万円となっております。
しかしながら、期末において、長期にわたる在庫保有のリスクが存在するため、保守的に在庫基準を見直した結果、たな卸資産除却損274百万円を特別損失として計上したこと等により、債務超過が解消されませんでした。また、景気の不透明感が長引いている状況下において、将来の受注動向の先行きは、必ずしも安定的に推移する見通し感が得られず、今後計画通りの売上を実現していく上において厳しい局面も予想されます。
その結果、返済原資の確保が困難となる事実の発生、および新規資金の調達について困難な局面も予想され、今後の資金繰りへ直接影響を及ぼすことが懸念される状況は続いております。
これらの状況により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当社グループにおきましては、事業活動における直近の受注高は安定的に確保しており、収益改善に向けた施策を今後も継続して推進し、安定的な売上高の確保を維持し続けることを目指してまいります。また、財務基盤の強化を図るため、各取引金融機関に対してなお一層の協力・支援を要請してまいります。
しかし、これらの施策による効果の発現については、関係先との明確な合意を要する事案もあり、すべてを確定するに充分な状況には至っておらず、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。