有価証券報告書-第111期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

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2016/06/23 16:26
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
(1) 概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費を中心に景気の足取りは重いものの、緩やかな回復基調が維持されました。一方、世界経済は、米国では景気は回復が続き、欧州では緩やかに回復しました。アジアでは多くの国で成長ペースは勢いを欠く状況で、中国では成長率の緩やかな低下傾向が続きました。
以上のような事業環境のもと、当社グループでは、グローバルでの市場ニーズを的確に捉えた製品開発、及び受注拡大を目指した営業力強化や生産能力の増強、そして生産工程や間接部門の徹底的なムダ取りといった生産革新活動による生産性向上等を着実に実行しております。
その結果、当連結会計年度において、売上高は4,041億4千8百万円(前期比12.3%増)、営業利益は367億7千4百万円(前期比3.4%減)、経常利益は394億2百万円(前期比3.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は255億3千7百万円(前期比1.3%増)となりました。
(2) 為替変動の影響
円の為替レートの変動により、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ146億円、営業利益は9億円、各々増加したと試算されます。ただし、この試算は、当連結会計年度の外貨建の営業収入、売上原価、販売費及び一般管理費に、前連結会計年度の東京外国為替市場における平均円レートを適用して算出したものであり、為替変動に対応した販売価格の変更の影響は考慮されておりません。
(3) 売上高及び営業利益について
世界の自動車生産台数は、日本で微減、米州で横ばい、欧州、アジア、中国で微増、全体として微増となりました。二輪車生産台数では、日本、アジア、中国で減少、米州で微減、欧州で増加、全体として減少となりました。
このような市場環境のもと、当社グループの自動車機器事業は、米州における売上増加により増収となったものの、第2四半期連結会計期間において発生した一過性費用等の影響により減益となりました。
その結果、当連結会計年度における自動車機器事業の売上高は3,127億8千万円(前期比15.7%増)、営業利益は211億8千5百万円(前期比11.5%減)となりました。
コンポーネンツ事業が関連する車載市場、AV市場は横ばい、情報通信市場は微増、LED照明市場は増加となったものの遊技市場は減少となりました。
このような市場環境のもと、当社グループのコンポーネンツ事業(LED、液晶等)は、車載向けLEDは増加したものの、自動車用電球が減少したほか、アジアでの液晶新ラインの立上げ費用増加等により減収減益となりました。
その結果、当連結会計年度におけるコンポーネンツ事業の売上高は305億4百万円(前期比3.2%減)、営業利益は56億2百万円(前期比2.8%減)となりました。
電子応用製品事業が関連する車載インテリア市場は世界で微増、LED照明市場は増加となったものの、OA市場は横ばい、AV市場のうちカメラ市場は減少となりました。
このような市場環境のもと、当社グループの電子応用製品事業(LED照明製品、液晶用バックライト、ストロボ、操作パネル等)は、車載向けの操作パネル、及び電子基板製品等が堅調に推移し増収増益となりました。
その結果、当連結会計年度における電子応用製品事業の売上高は598億7千9百万円(前期比3.4%増)、営業利益は68億3千7百万円(前期比15.5%増)となりました。
(4) 営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の25億5千5百万円の収益(純額)から、26億2千7百万円の収益(純額)となりました。主に、持分法による投資利益の増加等によるものです。
(5) 特別利益(損失)
特別利益(損失)は、前連結会計年度の8億6千2百万円の損失(純額)から、5億9千8百万円の損失(純額)となりました。主に、早期割増退職金の減少等によるものです。
(6) 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の397億4千7百万円から2.4%減少し、388億4百万円となりました。
(7) 法人税等
税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、前連結会計年度の26.6%から0.1ポイント増加し、26.7%となりました。
(8) 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主としてVietnam Stanley Electric Co., Ltd.、武漢斯坦雷電気有限公司、Asian Stanley International Co., Ltd.及び広州斯坦雷電気有限公司の非支配株主に帰属する利益からなり、前連結会計年度の39億8千4百万円に対し、当連結会計年度は28億9千4百万円となりました。
(9) 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の251億9千8百万円に対し、255億3千7百万円となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の149.83円に対し、152.88円となりました。
(10) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は4,311億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ175億4千7百万円減少しております。主な要因は、固定資産が95億5千5百万円減少したこと及び流動資産が79億9千1百万円減少したことによるものです。固定資産の減少は、株価の下落等により投資有価証券が減少したこと等によるものです。流動資産の減少は、たな卸資産及び有価証券が減少したこと等によるものです。
負債は1,094億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ70億5百万円減少しております。主な要因は、繰延税金負債及び短期借入金が減少したこと等によるものです。
純資産は3,216億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ105億4千2百万円減少しております。主な要因は、株主資本が168億5千8百万円増加したものの、その他の包括利益累計額が254億8千7百万円減少したことによるものです。株主資本の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものです。また、その他の包括利益累計額の減少は、為替レートの変動に伴い為替換算調整勘定が減少したこと及び株価の下落によりその他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものです。
(11) キャッシュ・フロー
前連結会計年度
(平成27年3月期)
(百万円)
当連結会計年度
(平成28年3月期)
(百万円)
増 減
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー44,43954,0449,605
投資活動によるキャッシュ・フロー△31,801△33,024△1,222
財務活動によるキャッシュ・フロー△9,219△11,283△2,064
現金及び現金同等物に係る換算差額4,509△4,622△9,131
現金及び現金同等物の増減額7,9285,114△2,814
現金及び現金同等物の期首残高73,13581,0637,928
現金及び現金同等物の期末残高81,06386,1775,114

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ51億1千4百万円増加し、861億7千7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増減額の減少21億5千3百万円、その他の減少25億8千9百万円等による資金減があったものの、たな卸資産の増減額の増加61億2千5百万円、仕入債務の増減額の増加36億8千1百万円、減価償却費の増加33億3千7百万円等による資金増により、前連結会計年度に比べ96億5百万円増加し、540億4千4百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出の減少39億9千8百万円等による資金増があったものの、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入の減少39億2千7百万円、定期預金の払戻による収入の減少18億5千7百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ12億2千2百万円減少し、△330億2千4百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還による支出の減少100億円による資金増があったものの、社債の発行による収入の減少100億円、自己株式の取得による支出の増加9億9千8百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ20億6千4百万円減少し、△112億8千3百万円となりました。
(12) 主な契約債務
主な契約債務合計
(百万円)
1年内
(百万円)
1年超
(百万円)
借入金11,05711,057-
社債10,000-10,000

借入金については、銀行借入によるものであります。
社債は平成26年4月23日に発行した期間5年の第4回無担保社債であり、平成26年4月25日償還の社債償還資金に充当いたしました。
また、当社は資金調達の効率化及び安定性の確保を目的とし、平成28年3月31日現在、金融機関6社とシンジケーション方式による総額150億円のコミットメントライン契約を締結しております。
(13) 財務政策
当社グループは、グローバルなグループ経営の実現に向けて、機動的かつ効率的な資金循環のできる体制の充実を図っております。日本においては、国内グループ各社に対する当社及びグループ金融子会社を通じた調達体制を、海外においては、米州、欧州、中国及びアジア・大洋州の各極の持株会社を使って域内の資金循環を実施しております。