有価証券報告書-第97期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績等の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、設備投資の持ち直しの動きが見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域における地政学的リスクの高まり、米国の通商政策の影響、中国のレアアース輸出規制、物価や人件費の上昇、米国での高い金利水準の継続、中国経済の減速など景気の先行きが不透明な状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは当連結会計年度が最終年度となる中期事業計画「R2」で柱に掲げた「主力ビジネスの利益ある成長の加速」、「新規ビジネスの始動と開拓」に向けた取り組みを推し進めており、技術VEによるコスト削減、徹底的な経費削減など光熱費・物流費、物価や人件費の上昇に対するレジリエンスの強化と新規ビジネスの獲得、深耕開拓に取り組みました。さらに、外部環境変化への追加施策として、これまで推進してきたDXによる業務効率化・人材活用最適化に向けた制度改革などに加え、現在の支援制度を拡充した時限的措置として「転進支援制度」を実施いたしました。
電池事業ではリチウム電池で高容量タイプの高出力円筒形二酸化マンガンリチウム一次電池を開発、ニッケル亜鉛電池でグリッドフリーソーラーカーポートの実証実験に採用、ニッケル水素電池で水素貯蔵タンク用高容量AB2型水素吸蔵合金を開発、SMD小型全固体電池は高エネルギー密度モデルに加え、定電圧充電対応モデルを開発、アルカリ乾電池でミニ四駆ジャパンカップへの継続協賛、かわさきSDGsランドへの協賛など販売促進に努めました。また、製品の売上・認知度拡大に向けて、より効果的なブランド体系を構築するため、Energizer Holdings, Inc.との間でブランドライセンス契約を締結いたしました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、電池事業ではリチウム電池が国内のセキュリティ・スマートメータ・住宅用警報器用途向けで増加しましたが、ニッケル水素電池が海外家電向けで減少、設備関連ビジネスが減少したことにより、事業全体として減収となりました。電子事業では各種モジュールがモビリティ・タブレット用途向けでの減少に加え、液晶ディスプレイ用途の選択と集中による生産終了で減少したことにより、事業全体として減収となりました。この結果、売上高は前連結会計年度と比べ36億10百万円(△5.7%)減の595億61百万円となりました。
損益面につきましては、電池事業は売上減があったものの、原材料価格の変動、技術VEによるコストダウンや為替の影響により、事業全体として増益となりました。電子事業は売上減により、減益となりました。この結果、営業利益は資本金等の変更に伴ない外形標準課税が減額されたことによる販売費及び一般管理費の減少も加わり、前連結会計年度と比べ2億72百万円増加の16億67百万円となりました。経常利益は前連結会計年度と比べ1億54百万円増加の14億16百万円、親会社株主に帰属する当期純利益はアルカリ乾電池に関わる固定資産などの減損損失3億29百万円や転進支援に伴なう事業構造改善費用1億40百万円の計上などがあったものの、税金費用の減少により、前連結会計年度と比べ2億8百万円増加の7億45百万円となりました。
(注)ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
電池事業
電池事業はリチウム電池が増加しましたが、ニッケル水素電池、設備関連ビジネスやアルカリ乾電池が減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。
製品別につきましては、ニッケル水素電池は、海外家電向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。リチウム電池は、国内のセキュリティ・スマートメータ・住宅用警報器用途向けが増加したことにより、前連結会計年度を上回りました。設備関連ビジネスは、前連結会計年度まで続いた旺盛な自動車関連設備需要が当連結会計年度に入り一服したことにより、前連結会計年度を下回りました。アルカリ乾電池は、物価高による消費者動向の変化などにより、前連結会計年度を下回りました。
この結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度と比べ7億40百万円減少の482億15百万円、セグメント利益は原材料価格の変動や円安効果も加わったことにより、17億7百万円(前連結会計年度は11億43百万円のセグメント利益)となりました。
電子事業
電子事業はトナーが増加しましたが、各種モジュールやスイッチング電源が減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。
製品別につきましては、各種モジュールは、モビリティ・タブレット用途向けでの減少に加え、液晶ディスプレイ用途の選択と集中による生産終了で減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。スイッチング電源は、半導体製造装置用途向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。トナーは、前連結会計年度を上回りました。
この結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度と比べ28億70百万円減少の113億45百万円、セグメント損失は、売上減により39百万円(前連結会計年度は2億51百万円のセグメント利益)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度と比べ9億14百万円(2.0%)増の472億54百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度と比べ65百万円(△0.2%)減の316億68百万円、固定資産は前連結会計年度と比べ9億79百万円(6.7%)増の155億85百万円となりました。流動資産減少の主な要因は、商品及び製品などの棚卸資産が増加した一方、未収消費税などのその他流動資産が減少したことによるものです。固定資産増加の主な要因は、退職給付に係る資産が増加したことによるものです。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度と比べ18億5百万円(△6.0%)減の281億20百万円となりました。流動負債は前連結会計年度と比べ16億54百万円(△5.7%)減の272億25百万円、固定負債は前連結会計年度と比べ1億50百万円(△14.4%)減の8億95百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、短期借入金が増加した一方、支払手形及び買掛金や電子記録債務が減少したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、退職給付に係る負債やリース債務が減少したことによるものです。
なお、有利子負債残高は、中小受託取引適正化法の対応や転進支援制度関連費用の支払による借入金の増加により前連結会計年度と比べ12億89百万円増の159億97百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度と比べ27億19百万円(16.6%)増の191億33百万円となりました。純資産増加の主な要因は、為替換算調整勘定が13億80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が7億45百万円、それぞれ増加したことによるものです。
また、2025年6月25日開催の第96回定時株主総会での承認可決を受け、2025年9月度において、財務体質の健全化、将来の資本政策の柔軟性および機動性確保を目的として、資本構成の見直しを実施しました。これに伴ない、資本金、資本準備金及び利益準備金の額を減少させ、繰越利益剰余金に振り替えることで欠損の補填に充当しました。なお、本件による純資産額および発行済株式総数に変更はなく、1株当たりの純資産額にも影響はございません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少などによる現金及び現金同等物(以下「資金」という)の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上、売上債権の減少などによる現金及び現金同等物の増加などにより、11億31百万円の資金増加(前連結会計年度は37億73百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより23億6百万円の資金減少(前連結会計年度は28億25百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などによるフリー・キャッシュ・フローのマイナス等を補填したことによる短期借入金の増加などにより12億91百万円の資金増加(前連結会計年度は24百万円の資金増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における資金の期末残高は期首残高より6億39百万円増加し、52億39百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの連結売上高は、595億61百万円(前連結会計年度比5.7%減)となりました。電池事業のリチウム電池での売上増があったものの、電池事業のニッケル水素電池や設備関連ビジネスの売上減、電子事業の各種モジュールなどの売上減により、前連結会計年度を下回りました。連結営業利益は、売上変動と販売価格影響による利益の減少がありましたが、電池事業での原材料価格の変動や経費削減による利益の増加により、前連結会計年度に比べ2億72百万円増加の16億67百万円となりました。
当社グループは、中期事業計画「R2」において、営業利益率やROIC(投下資本利益率)を経営の指標としており、特に営業利益率を主指標としておりました。これは当社グループにおいては本業での収益性の向上が最も重要な課題であると認識しているためであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであることに加え、当社グループ事業の製品の売上は、電池事業においては電池が使用される機器の拡大・縮小や使用数の影響を受け、また、電子事業は主たる顧客であるエレクトロニクス関連のセットメーカーの製品やサービスの売れ行きに影響を受けるなど、当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。
また、当社電池製品の主要材料であるニッケル、亜鉛、リチウムやレアアース類は需給バランスや投機的要因などにより原材料価格が大きく変動することや、光熱費の価格変動も営業利益に大きな影響を与えます。
さらに、当社グループの売上高の44.7%は海外ビジネスであるため、為替レートの変動により円換算による増減の影響を与えます。この為替変動のリスクに関しては、売上と調達のバランスを取ること、為替予約などにより対処を図っております。
主にこれらの要因が当社グループの経営成績、事業の収益性に影響するものと認識しております。そのため、当社は、毎月1回受注状況、受注見込み、年間予算との乖離などの最新の業績の状況を把握するとともに、必要な改善の立案、実施を行なっております。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、当社グループは、主に事業の継続性の確保と収益性向上を図るため、その生産設備類の維持・更新や能力増強、生産効率向上を主とした設備投資に加え、新電池の研究開発と量産体制構築に向けた設備投資を継続しており、その財源は営業活動から得られたキャッシュ・フローおよび外部より調達した資金を主としております。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。
電池事業
当連結会計年度における電池事業の売上高はリチウム電池が増加したものの、ニッケル水素電池や設備関連ビジネスが減少したことにより、事業全体として減収となりましたが、原材料価格の変動の影響などにより、営業利益率は1.2ポイント増の3.5%となりました。
売上高の確保・拡大のためには需要が伸張する地域、販路、市場、新規機器メーカーへの拡販が必要であるとの認識のもと、新製品開発、マーケティング、営業力の強化に努めております。市販用途向けニッケル水素電池、アルカリ乾電池はコモディティ化が進んでいるため、市販用途向けニッケル水素電池については品質、特性面での差別化、商品力の強化や環境・安全面での訴求をすすめ、利益率の向上を図っており、アルカリ乾電池については国内市販向けビジネスで新規顧客の開拓と既存顧客の深耕で売上拡大と事業規模に合った人員体制により、引き続き付加価値向上に取り組んでおります。
また、電池の主要材料価格の変動に関しては、適切な時期での予約などの施策に加え、材料使用量の低減、より安価な材料へのシフト、リサイクル材の活用などの技術VEとコストダウンを行ない、対応力の強化に努めております。
電子事業
当連結会計年度における電子事業の売上高は前連結会計年度から減少し、営業利益は売上減により営業損失となりました。
電子事業については、さらなる事業価値の向上が必要であると認識しており、当連結会計年度においては製品モデル毎の選択と集中を継続する一方、Bluetooth® Low Energyモジュールの製品化や差別化、技術力を生かした新規用途・顧客獲得での売上拡大による付加価値向上を図っております。
② 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況は、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載した方針にもとづき、当社グループは「Smart Energy Partnerとして、先進技術を結集し、お客様に電気エネルギーを安心して効率的に活用いただき、持続可能な社会の実現と発展に貢献する」というFDKグループ戦略Framework「10年の計」のVisionとそのあるべき姿の実現に向けて翌連結会計年度を最終年度とする中期事業計画「R2」を策定し、最終年度の売上高は680億円、営業利益率4.1%、ROIC8.5%を目指しておりました。
3年間累計では、伸びる市場・付加価値の高い市場への注力と構造改革による事業規模の適正化に取り組んでまいりましたが、米国相互関税などの影響および物価高・人件費の上昇など外部環境変化に対するレジリエンス不足により、営業利益率2.0%、ROIC2.5%と目標には未達となりました。
また、最終年度の当連結会計年度につきましても、売上高595億円、営業利益率2.8%、ROIC4.2%と目標には未達となりました。
当社グループは、FDKグループ戦略Framework「10年の計」で策定したVisionと10年後のあるべき姿の実現に向けて、2026年4月28日に2027年3月期が初年度となる中期事業計画「R3」を公表いたしました。中期事業計画「R3」の経営成績の目標は、R3期間累計として、売上高2,000億円、営業利益70億円、ROIC5.5%、営業活動から得られるキャッシュ・フロー150億円、また、「R3」の最終年度である2029年3月期は売上高720億円、営業利益率4.5%の達成に向けて取り組んでまいります。
「R3」期間累計でのキャピタル・アロケーション方針は、営業活動から得られるキャッシュ・フロー150億円を持続的成長による企業価値向上を最優先とし、成長投資と既存ビジネスの強化に重点的に資金配分を計画しております。また、事業収益力および財務基盤強化の進捗を踏まえ、株主還元のあり方についても検討してまいります。
「R3」の初年度となる2027年3月期の経営上の目標として、売上高600億円、営業利益14億円、経常利益13億円、親会社株主に帰属する当期純利益7億50百万円を目指してまいります。
なお、米国の政策動向や中東情勢の緊張に伴なう原油価格の変動等の要因により、先行き不透明な状況で推移するものと予想しておりますが、これらの影響等は精査中のため、上記数値に当該影響を織り込んでおりません。当該影響につきましては、引き続き情報収集に努めてまいります。
<中期事業計画「R3」期間累計目標>
③ 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態、経営成績等の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境につきましては、設備投資の持ち直しの動きが見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域における地政学的リスクの高まり、米国の通商政策の影響、中国のレアアース輸出規制、物価や人件費の上昇、米国での高い金利水準の継続、中国経済の減速など景気の先行きが不透明な状況で推移しました。
このような状況のなか、当社グループは当連結会計年度が最終年度となる中期事業計画「R2」で柱に掲げた「主力ビジネスの利益ある成長の加速」、「新規ビジネスの始動と開拓」に向けた取り組みを推し進めており、技術VEによるコスト削減、徹底的な経費削減など光熱費・物流費、物価や人件費の上昇に対するレジリエンスの強化と新規ビジネスの獲得、深耕開拓に取り組みました。さらに、外部環境変化への追加施策として、これまで推進してきたDXによる業務効率化・人材活用最適化に向けた制度改革などに加え、現在の支援制度を拡充した時限的措置として「転進支援制度」を実施いたしました。
電池事業ではリチウム電池で高容量タイプの高出力円筒形二酸化マンガンリチウム一次電池を開発、ニッケル亜鉛電池でグリッドフリーソーラーカーポートの実証実験に採用、ニッケル水素電池で水素貯蔵タンク用高容量AB2型水素吸蔵合金を開発、SMD小型全固体電池は高エネルギー密度モデルに加え、定電圧充電対応モデルを開発、アルカリ乾電池でミニ四駆ジャパンカップへの継続協賛、かわさきSDGsランドへの協賛など販売促進に努めました。また、製品の売上・認知度拡大に向けて、より効果的なブランド体系を構築するため、Energizer Holdings, Inc.との間でブランドライセンス契約を締結いたしました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、電池事業ではリチウム電池が国内のセキュリティ・スマートメータ・住宅用警報器用途向けで増加しましたが、ニッケル水素電池が海外家電向けで減少、設備関連ビジネスが減少したことにより、事業全体として減収となりました。電子事業では各種モジュールがモビリティ・タブレット用途向けでの減少に加え、液晶ディスプレイ用途の選択と集中による生産終了で減少したことにより、事業全体として減収となりました。この結果、売上高は前連結会計年度と比べ36億10百万円(△5.7%)減の595億61百万円となりました。
損益面につきましては、電池事業は売上減があったものの、原材料価格の変動、技術VEによるコストダウンや為替の影響により、事業全体として増益となりました。電子事業は売上減により、減益となりました。この結果、営業利益は資本金等の変更に伴ない外形標準課税が減額されたことによる販売費及び一般管理費の減少も加わり、前連結会計年度と比べ2億72百万円増加の16億67百万円となりました。経常利益は前連結会計年度と比べ1億54百万円増加の14億16百万円、親会社株主に帰属する当期純利益はアルカリ乾電池に関わる固定資産などの減損損失3億29百万円や転進支援に伴なう事業構造改善費用1億40百万円の計上などがあったものの、税金費用の減少により、前連結会計年度と比べ2億8百万円増加の7億45百万円となりました。
(注)ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
電池事業
電池事業はリチウム電池が増加しましたが、ニッケル水素電池、設備関連ビジネスやアルカリ乾電池が減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。
製品別につきましては、ニッケル水素電池は、海外家電向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。リチウム電池は、国内のセキュリティ・スマートメータ・住宅用警報器用途向けが増加したことにより、前連結会計年度を上回りました。設備関連ビジネスは、前連結会計年度まで続いた旺盛な自動車関連設備需要が当連結会計年度に入り一服したことにより、前連結会計年度を下回りました。アルカリ乾電池は、物価高による消費者動向の変化などにより、前連結会計年度を下回りました。
この結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度と比べ7億40百万円減少の482億15百万円、セグメント利益は原材料価格の変動や円安効果も加わったことにより、17億7百万円(前連結会計年度は11億43百万円のセグメント利益)となりました。
電子事業
電子事業はトナーが増加しましたが、各種モジュールやスイッチング電源が減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。
製品別につきましては、各種モジュールは、モビリティ・タブレット用途向けでの減少に加え、液晶ディスプレイ用途の選択と集中による生産終了で減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。スイッチング電源は、半導体製造装置用途向けが減少したことにより、前連結会計年度を下回りました。トナーは、前連結会計年度を上回りました。
この結果、当事業全体の売上高は、前連結会計年度と比べ28億70百万円減少の113億45百万円、セグメント損失は、売上減により39百万円(前連結会計年度は2億51百万円のセグメント利益)となりました。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度と比べ9億14百万円(2.0%)増の472億54百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度と比べ65百万円(△0.2%)減の316億68百万円、固定資産は前連結会計年度と比べ9億79百万円(6.7%)増の155億85百万円となりました。流動資産減少の主な要因は、商品及び製品などの棚卸資産が増加した一方、未収消費税などのその他流動資産が減少したことによるものです。固定資産増加の主な要因は、退職給付に係る資産が増加したことによるものです。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度と比べ18億5百万円(△6.0%)減の281億20百万円となりました。流動負債は前連結会計年度と比べ16億54百万円(△5.7%)減の272億25百万円、固定負債は前連結会計年度と比べ1億50百万円(△14.4%)減の8億95百万円となりました。流動負債減少の主な要因は、短期借入金が増加した一方、支払手形及び買掛金や電子記録債務が減少したことによるものです。固定負債減少の主な要因は、退職給付に係る負債やリース債務が減少したことによるものです。
なお、有利子負債残高は、中小受託取引適正化法の対応や転進支援制度関連費用の支払による借入金の増加により前連結会計年度と比べ12億89百万円増の159億97百万円となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度と比べ27億19百万円(16.6%)増の191億33百万円となりました。純資産増加の主な要因は、為替換算調整勘定が13億80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が7億45百万円、それぞれ増加したことによるものです。
また、2025年6月25日開催の第96回定時株主総会での承認可決を受け、2025年9月度において、財務体質の健全化、将来の資本政策の柔軟性および機動性確保を目的として、資本構成の見直しを実施しました。これに伴ない、資本金、資本準備金及び利益準備金の額を減少させ、繰越利益剰余金に振り替えることで欠損の補填に充当しました。なお、本件による純資産額および発行済株式総数に変更はなく、1株当たりの純資産額にも影響はございません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少などによる現金及び現金同等物(以下「資金」という)の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上、売上債権の減少などによる現金及び現金同等物の増加などにより、11億31百万円の資金増加(前連結会計年度は37億73百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより23億6百万円の資金減少(前連結会計年度は28億25百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得などによるフリー・キャッシュ・フローのマイナス等を補填したことによる短期借入金の増加などにより12億91百万円の資金増加(前連結会計年度は24百万円の資金増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における資金の期末残高は期首残高より6億39百万円増加し、52億39百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電池事業 | 48,560 | 0.4 |
| 電子事業 | 10,400 | △20.3 |
| 合計 | 58,961 | △4.0 |
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電池事業 | 48,235 | 3.2 | 9,079 | 0.7 |
| 電子事業 | 11,317 | △12.9 | 2,482 | 0.3 |
| 合計 | 59,553 | △0.3 | 11,561 | 0.6 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電池事業 | 48,215 | △1.5 |
| 電子事業 | 11,345 | △20.2 |
| 合計 | 59,561 | △5.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの連結売上高は、595億61百万円(前連結会計年度比5.7%減)となりました。電池事業のリチウム電池での売上増があったものの、電池事業のニッケル水素電池や設備関連ビジネスの売上減、電子事業の各種モジュールなどの売上減により、前連結会計年度を下回りました。連結営業利益は、売上変動と販売価格影響による利益の減少がありましたが、電池事業での原材料価格の変動や経費削減による利益の増加により、前連結会計年度に比べ2億72百万円増加の16億67百万円となりました。
当社グループは、中期事業計画「R2」において、営業利益率やROIC(投下資本利益率)を経営の指標としており、特に営業利益率を主指標としておりました。これは当社グループにおいては本業での収益性の向上が最も重要な課題であると認識しているためであります。
| 中期事業計画「R2」 における経営指標 | 2024年3月期 実績 | 2025年3月期 実績 | 2026年3月期 実績 | 2026年3月期 目標 | 目標比 |
| 売上高 | 626億円 | 631億円 | 595億円 | 680億円 | △85億円 |
| 営業利益率 | 0.9% | 2.2% | 2.8% | 4.1% | △1.3% |
| 中期事業計画「R2」の 累計目標と結果 | 累計目標 | 累計実績 | 目標比 |
| 売上高 | 2,000億円 | 1,854億円 | △146億円 |
| 営業利益率 | 2.5% | 2.0% | △0.5% |
| ROIC | 5.0% | 2.6% | △2.4% |
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであることに加え、当社グループ事業の製品の売上は、電池事業においては電池が使用される機器の拡大・縮小や使用数の影響を受け、また、電子事業は主たる顧客であるエレクトロニクス関連のセットメーカーの製品やサービスの売れ行きに影響を受けるなど、当社グループが管理できない要因により大きな影響を受けます。
また、当社電池製品の主要材料であるニッケル、亜鉛、リチウムやレアアース類は需給バランスや投機的要因などにより原材料価格が大きく変動することや、光熱費の価格変動も営業利益に大きな影響を与えます。
さらに、当社グループの売上高の44.7%は海外ビジネスであるため、為替レートの変動により円換算による増減の影響を与えます。この為替変動のリスクに関しては、売上と調達のバランスを取ること、為替予約などにより対処を図っております。
主にこれらの要因が当社グループの経営成績、事業の収益性に影響するものと認識しております。そのため、当社は、毎月1回受注状況、受注見込み、年間予算との乖離などの最新の業績の状況を把握するとともに、必要な改善の立案、実施を行なっております。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、当社グループは、主に事業の継続性の確保と収益性向上を図るため、その生産設備類の維持・更新や能力増強、生産効率向上を主とした設備投資に加え、新電池の研究開発と量産体制構築に向けた設備投資を継続しており、その財源は営業活動から得られたキャッシュ・フローおよび外部より調達した資金を主としております。
セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。
電池事業
当連結会計年度における電池事業の売上高はリチウム電池が増加したものの、ニッケル水素電池や設備関連ビジネスが減少したことにより、事業全体として減収となりましたが、原材料価格の変動の影響などにより、営業利益率は1.2ポイント増の3.5%となりました。
売上高の確保・拡大のためには需要が伸張する地域、販路、市場、新規機器メーカーへの拡販が必要であるとの認識のもと、新製品開発、マーケティング、営業力の強化に努めております。市販用途向けニッケル水素電池、アルカリ乾電池はコモディティ化が進んでいるため、市販用途向けニッケル水素電池については品質、特性面での差別化、商品力の強化や環境・安全面での訴求をすすめ、利益率の向上を図っており、アルカリ乾電池については国内市販向けビジネスで新規顧客の開拓と既存顧客の深耕で売上拡大と事業規模に合った人員体制により、引き続き付加価値向上に取り組んでおります。
また、電池の主要材料価格の変動に関しては、適切な時期での予約などの施策に加え、材料使用量の低減、より安価な材料へのシフト、リサイクル材の活用などの技術VEとコストダウンを行ない、対応力の強化に努めております。
電子事業
当連結会計年度における電子事業の売上高は前連結会計年度から減少し、営業利益は売上減により営業損失となりました。
電子事業については、さらなる事業価値の向上が必要であると認識しており、当連結会計年度においては製品モデル毎の選択と集中を継続する一方、Bluetooth® Low Energyモジュールの製品化や差別化、技術力を生かした新規用途・顧客獲得での売上拡大による付加価値向上を図っております。
② 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況は、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載した方針にもとづき、当社グループは「Smart Energy Partnerとして、先進技術を結集し、お客様に電気エネルギーを安心して効率的に活用いただき、持続可能な社会の実現と発展に貢献する」というFDKグループ戦略Framework「10年の計」のVisionとそのあるべき姿の実現に向けて翌連結会計年度を最終年度とする中期事業計画「R2」を策定し、最終年度の売上高は680億円、営業利益率4.1%、ROIC8.5%を目指しておりました。
3年間累計では、伸びる市場・付加価値の高い市場への注力と構造改革による事業規模の適正化に取り組んでまいりましたが、米国相互関税などの影響および物価高・人件費の上昇など外部環境変化に対するレジリエンス不足により、営業利益率2.0%、ROIC2.5%と目標には未達となりました。
また、最終年度の当連結会計年度につきましても、売上高595億円、営業利益率2.8%、ROIC4.2%と目標には未達となりました。
当社グループは、FDKグループ戦略Framework「10年の計」で策定したVisionと10年後のあるべき姿の実現に向けて、2026年4月28日に2027年3月期が初年度となる中期事業計画「R3」を公表いたしました。中期事業計画「R3」の経営成績の目標は、R3期間累計として、売上高2,000億円、営業利益70億円、ROIC5.5%、営業活動から得られるキャッシュ・フロー150億円、また、「R3」の最終年度である2029年3月期は売上高720億円、営業利益率4.5%の達成に向けて取り組んでまいります。
「R3」期間累計でのキャピタル・アロケーション方針は、営業活動から得られるキャッシュ・フロー150億円を持続的成長による企業価値向上を最優先とし、成長投資と既存ビジネスの強化に重点的に資金配分を計画しております。また、事業収益力および財務基盤強化の進捗を踏まえ、株主還元のあり方についても検討してまいります。
「R3」の初年度となる2027年3月期の経営上の目標として、売上高600億円、営業利益14億円、経常利益13億円、親会社株主に帰属する当期純利益7億50百万円を目指してまいります。
なお、米国の政策動向や中東情勢の緊張に伴なう原油価格の変動等の要因により、先行き不透明な状況で推移するものと予想しておりますが、これらの影響等は精査中のため、上記数値に当該影響を織り込んでおりません。当該影響につきましては、引き続き情報収集に努めてまいります。
<中期事業計画「R3」期間累計目標>
| 指標 | 「R3」期間累計 目標 |
| 売上高 | 2,000億円 |
| 営業利益 | 70億円 |
| ROIC | 5.5% |
| 営業活動から得られるキャッシュ・フロー | 150億円 |
③ 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、注記事項、重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。