有価証券報告書-第88期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 10:13
【資料】
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【項目】
113項目

有報資料

(1)対処すべき課題の内容、対処方針、具体的な取組状況等について
今後の経済見通しにつきましては、米国の景気拡大などにより、全体として景気は緩やかに回復するものの、中国経済の減速懸念や新興国の景気低迷等により、世界景気の先行きの不透明感は引き続き高いものと考えられます。
当社グループの属する電子部品業界におきましても、中国の景気減速が世界各地の生産・販売に影響を与えることにより、次期の受注が弱含みで推移する可能性があります。利益面においても、原材料価格の上昇、為替変動等の懸念材料があります。
このような状況を踏まえ、当社グループは、今後も抵抗器専業メーカーとして車載、航空宇宙、医療等、品質と信頼性を重視する分野と、今後の技術革新で市場成長が期待できる分野にフォーカスし、お客様のご期待にお応えしてまいります。
具体的には、技術革新等により今後の拡大が期待される市場において、技術提案活動等の強化によって高付加価値製品の販売比率を向上させることで事業構造の改革を進め、業績向上に努めてまいります。さらに、桁違いの品質を求められる市場での競争優位性を確保するため、引き続き「ゼロディフェクト・フローの構築」を全グループの目標に掲げ、品質・信頼性向上の活動を進めてまいります。また、経費削減活動と、生産性の大幅な向上を目指した改善活動の継続により、収益性の向上を図ってまいります。
(2)株式会社の支配に関する基本方針について
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針の内容
当社は、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大量買付であっても、当社自身の企業価値を増大させ、株主利益を向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えております。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するもの、株主に株式売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものもありえます。
当社といたしましては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業文化やステークホルダーとの強固な信頼関係など当社の多様な企業価値の源泉を十分に理解したうえで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
② 会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、1940年に疲弊した養蚕業中心の貧しい村であった長野県伊那谷地方に、現金収入の途である付加価値の高い工業を創業者が興したことに始まります。以来、この地でのものづくりを継続させ、「自らの雇用は自らで守る」ために、生産コストの安い海外勢に対して地道な「改善」と技術開発を積み重ね競争優位を確保することで、今日では固定抵抗器では世界的シェアを持つグローバル企業に成長してまいりました。当社の企業価値の源泉は、こうした「創業の精神」を営々と受け継ぎ、日本をはじめ立地する地域に真の意味で根ざし、信頼関係を構築しながら企業価値向上にひたむきに努力する熱意にあふれる企業文化にまず求められると考えます。
そのうえで、中国、北米、東南アジアにいち早く進出し、その後のヨーロッパも加えグローバルなマーケティング・販売網を構築いたしました。また、1980年代後半から継続して取り組んでいる、全員参加型の改善活動であるKPS改善活動(KOA ProfitSystem)により、ものづくりにおける国際競争力を確保するとともに、更なる品質と信頼性向上に注力してまいりました。さらに、70年を超える固定抵抗器専業メーカーとしての歴史の中で、基盤技術である厚膜、薄膜を中心としたプロセス技術と材料技術及び生産・管理技術を蓄積し、製品の品揃えや品質面でもお客様から大きな信頼を得ることができました。これらの取組みにより、競合各社に対する優位性を保っております。
2011年の東日本大震災以降、エレクトロニクス業界は2つの点で大きく変わりました。一つは、原発問題に端を発したエネルギーに関するパラダイムシフトへの対応です。エネルギー価格が高騰する中で、再生可能エネルギーへの対応が求められると共に、より精密なエネルギーマネジメント用の技術が求められています。当社は、このような変化の先に生まれる市場において必要とされる技術や製品を予測し、的確に対応するために経営資源を投入しています。
また、当社は、金額ベースの国内生産比率が7割超、輸出比率が6割超という体制を長年変えずにまいりました。2013年以降の円の為替水準は長期的にも継続するものと思われますが、当社にとってこれは大きなチャンスです。日本国内でのものづくりの強みを生かし、日本ならではの高品質・高信頼性製品の生産を行い、競合に伍していく所存です。
もう一つは、事業継続に対するお客様からの強い要求です。東日本大震災では予期せぬ場所にサプライチェーンのアキレス腱があることが露呈いたしました。このため、日本のものづくりに対しては、災害に対して強靭であり、お客様への製品供給に絶対の責任を持つことが求められています。加えて、品質の高信頼性に対する要求もますます強くなってきています。アメリカにおける日本車のリコール問題のように、その対応を一歩誤ると企業ばかりではなく、サプライチェーン全体が甚大な影響を受けることも目の当たりにしました。当社が世界中のお客様にとって信頼していただける存在であるために品質はもとより、事業継続性、CSRなどの面においても誇れる企業であり続けるために、社内体制を拡充し諸施策に取組んでおります。
製品開発の取組みにおいては、車載用途で要求される、高エネルギー耐量で優れた応答性を持つノイズ吸収部品、高温度環境下での使用が可能な温度センサー、耐硫化性を高めた抵抗器、大電流の検出に適した高精度低抵抗器、大電力で使用できる制限・放電抵抗器、長期信頼性に優れた抵抗器、耐環境性に優れた小形ヒューズなど、お客様のニーズにお応えする製品の拡充を進めてまいります。また、環境エネルギー分野では、電力の見える化をキーワードに、電流検出用低抵抗器や、電圧検出用高精度抵抗器の拡充を進めてまいります。この他にも、次世代実装技術である部品内蔵基板用の超薄形受動部品の開発にも注力しております。今後もますます高度化する市場の品質・性能・機能要求に十分対応できる体制を整え、先進技術を持つ外部機関との連携強化により、付加価値の高い製品開発・研究開発活動を進めてまいります。
当社は、今後とも株主、お客様・お取引先様、社員とその家族、地域社会、そして地球という5つの存在を、当社を支えていただく主体と認識し、当社との間に「信頼」を築き上げていくことを企業使命として、今後とも、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目指してまいります。これらの取組みは、前述の基本方針の実現に資するものと考えております。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
買付者から大量の株式買付の提案があった場合において、当社の株主の皆様が、当社の有形無形の経営資源、中長期的に将来を見据えた施策の潜在的効果その他当社の企業価値を構成する多様な諸要素を十分に把握したうえで、当該買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断することは必ずしも容易でないものと思料されます。そこで、当社取締役会は、当社株式に対する買付が行われた場合、買付に応じるか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者と交渉を行うこと等を可能とすることで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付行為を抑止するため、平成20年6月14日開催の第80回定時株主総会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入し、平成23年6月18日開催の第83回定時株主総会及び平成26年6月14日開催の第86回定時株主総会において内容を一部変更したうえで、継続のご承認をいただきました。
本対応策は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させる目的をもって導入されたものであり、前述の基本方針に沿うものと当社取締役会は判断しております。
また、本対応策は株主総会決議による株主意思に基づくものであること、独立委員会を設置しその判断を重視すること、合理的な客観的発動要件が設定されていること等により、その公正性・客観性が担保されております。また、本対応策は、当社の株主総会又は当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することができるものとされております。従いまして、本対応策は当社の企業価値、株主共同の利益に資する合理性の高いものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的としたものではありません。

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