有価証券報告書-第78期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 15:03
【資料】
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【項目】
65項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の世界の経済情勢は、米国では雇用や住宅市場などで緩やかながら改善傾向が続いている一方で、欧州ではマイナス成長から脱し持ち直しつつあるものの回復の動きは緩慢であり、中国をはじめとした新興国では成長率の鈍化傾向が鮮明になりました。
当社が属するエレクトロニクス市場におきましては、従来型PCやAV機器で生産台数の減少が見られたものの、スマートフォンやタブレット端末が引き続き大きく成長したほか、自動車の生産台数増加や電装化の進展などにより、全体では電子部品の需要は増加しました。
このような市場環境のもと、当社は伸びる市場に注力し、当社の当連結会計年度の売上高は、円安効果(前連結会計年度比17円13銭の円安)もあり、前連結会計年度比24.3%増の846,716百万円となりました。
利益につきましては、生産能力の増強に伴う固定費の増加、製品価格の値下がりといった減益要因はありましたが、操業度益やコストダウン、円安効果が大きく、営業利益は前連結会計年度比114.7%増の125,891百万円、税引前当期純利益は同122.3%増の132,336百万円、当期純利益は同119.9%増の93,191百万円と大幅な増益となり、営業利益率は前連結会計年度に比べ6.3ポイント上昇の14.9%と大きく改善しました。
事業別セグメントについては、コンポーネントは売上高が561,788百万円(前連結会計年度比20.4%増)で事業利益(※)が126,043百万円(同61.8%増)、モジュールは売上高が314,437百万円(同36.5%増)で事業利益が35,257百万円(同203.5%増)、その他は売上高が30,431百万円(同10.5%減)で事業利益が3,119百万円(同21.4%減)となりました。
(※)「事業利益」は売上高から事業に直接帰属する費用を控除した利益であります。
当連結会計年度の製品別の売上高を前連結会計年度と比較した概況は、以下のとおりであります。
[コンデンサ]
この区分には、積層セラミックコンデンサなどが含まれます。
当連結会計年度は、主力の積層セラミックコンデンサが、通信機器向けで主に携帯電話の生産台数増加と高機能化の進展、カーエレクトロニクス向けで自動車の生産台数増加と電装化の進展により需要が増加し、全体で大きく伸長しました。
その結果、コンデンサの売上高は、前連結会計年度に比べ20.9%増の276,574百万円となりました。
[圧電製品]
この区分には、表面波フィルタ、発振子、圧電センサ、セラミックフィルタなどが含まれます。
当連結会計年度は、表面波フィルタが携帯電話の生産台数増加とマルチバンド化に伴う携帯電話1台当たりの搭載点数増加により非常に好調でした。圧電センサは、ショックセンサが、ハードディスクドライブ向けで搭載点数の増加により大きく伸長しました。発振子は、家電・その他向けやカーエレクトロニクス向けで大幅に増加しました。
その結果、圧電製品の売上高は、前連結会計年度に比べ19.4%増の96,234百万円となりました。
[その他コンポーネント]
この区分には、EMI除去フィルタ、コイル、コネクタ、センサ、サーミスタなどが含まれます。
当連結会計年度は、EMI除去フィルタが、カーエレクトロニクス向けや通信向けで好調でした。コイル及びコネクタは、携帯電話向けを中心に大幅に増加しました。センサは、MEMSセンサが、カーエレクトロニクス向けで大きく伸長しました。
その結果、その他コンポーネントの売上高は、前連結会計年度に比べ12.8%増の156,569百万円となりました。
[通信モジュール]
この区分には、近距離無線通信モジュール、通信機器用モジュール、多層モジュール、多層デバイスなどが含まれます。
当連結会計年度は、近距離無線通信モジュールが、携帯電話、タブレット端末向けに大幅に増加しました。通信機器用モジュール及び多層モジュールは、携帯電話の高機能化に伴うモジュール化の進展により、前連結会計年度を大幅に上回りました。多層デバイスは、携帯電話向けに大きく伸長しました。
その結果、通信モジュールの売上高は、前連結会計年度に比べ42.1%増の259,951百万円となりました。
[電源他モジュール]
この区分には、電源などが含まれます。
当連結会計年度は、電源がサーバーやカーエレクトロニクス向けで大きく伸長しました。
その結果、電源他モジュールの売上高は、前連結会計年度に比べ14.9%増の54,298百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、未払費用及びその他の流動負債の減少が4,920百万円、売上債権の増加が2,545百万円となりましたが、キャッシュ・フローの源泉となる当期純利益が93,191百万円、減価償却費が76,884百万円、未払税金の増加が15,762百万円、となったことなどにより、185,751百万円のキャッシュ・インとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ97,214百万円の増加となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券及び投資項目の償還及び売却が63,800百万円となりましたが、有価証券及び投資項目の購入が78,341百万円、設備投資が68,197百万円となったことなどにより、117,150百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ60,977百万円の減少となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いが23,257百万円、短期借入金の減少が17,964百万円となったことなどにより、40,899百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ31,244百万円の減少となりました。
なお、現金及び現金同等物に売却可能有価証券(政府債、民間債及び投資信託)などを加えた手元流動性から有利子負債を差し引いたネットキャッシュの推移は、以下のとおりであります。
前連結会計年度末
(平成25年3月31日)
当連結会計年度末
(平成26年3月31日)
区分金額(百万円)金額(百万円)
現金及び現金同等物の期末残高
3か月を超える短期投資
売却可能有価証券(政府債、民間債及び投資信託)
長期性預金
90,068
33,897
201,859
6,000
118,884
63,114
209,769
6,000
手元流動性331,824397,767
有利子負債△55,605△57,129
ネットキャッシュ276,219340,638