訂正有価証券報告書-第86期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/09/09 16:08
【資料】
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【項目】
86項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、コーポレート・ガバナンスを経営上の最も重要な課題の一つと位置付けており、すべてのステークホルダーに配慮しつつ、会社が健全に発展・成長していくため、常に最適な経営体制を整備し、機能させるよう取り組んでおります。当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な指針として、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しております。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、従来から執行役員制度の導入(2000年)、社外役員の選任(社外監査役は1971年、社外取締役は2001年にそれぞれ初めて選任)、報酬諮問委員会の設置(2004年)、指名諮問委員会の設置(2015年)等、業務執行機能及び監督機能の強化並びに経営の透明性の向上等、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでまいりました。機関設計としては、取締役会の機能の強化及び監督機能の強化につながると考え、2016年より「監査等委員会設置会社」の体制を採用しております。
「監査等委員会設置会社」では、取締役会は重要な業務執行の決定を業務執行取締役に委任することが可能となります。個別の業務執行の決定を業務執行取締役に委任することで、より迅速な経営判断、機動的な業務執行が可能となります。その一方で、取締役会は会社の経営方針・事業戦略に関する議論及びモニタリングにより多く注力できるようになることから、取締役会の機能の強化につながると考えております。
また、監査等委員である取締役は、取締役会における議決権と「監査等委員会」として取締役の選任や報酬につき株主総会で意見陳述する権限を有しております。このことから、業務執行取締役等に対して強い監督機能が期待できると考えております。
イ)取締役会
取締役会は経営の基本方針及び特に重要な業務執行を行うものとし、業務執行取締役への重要な業務執行の決定の委任を進め、より迅速な経営判断、機動的な業務執行を目指すとともに、モニタリング機能の強化等に努めております。
取締役会は後掲「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役10名で構成しており、議長は代表取締役会長である村田恒夫が務めております。独立社外取締役は5名で、独立社外取締役が取締役会の3分の1以上となるようにしております。当事業年度は取締役会を12回開催し、全取締役の平均出席率は95.2%でした。また、会社法第370条及び当社定款第26条の規定に基づき、取締役会決議があったものとみなす書面決議を1回実施しております。
また、取締役会、代表取締役の意思決定を補佐する審議機関として、代表取締役社長 中島規巨を議長とし、取締役(社外取締役及び監査等委員である取締役を除く)で構成する経営会議を設置し、社内規定に定めた経営案件について、審議する体制を敷いております。さらに当社は、前述のとおり執行役員制度を導入しており、執行役員が日常の業務執行を行う体制をとっております。
ロ)監査等委員会
監査等委員会では、監査の方針、計画を定め、それらに基づき、会社の内部統制に関わる部門と連携の上、重要な会議に出席するほか、当社の業務や財産状況の調査により、取締役の職務執行の適法性や妥当性に関する監査を行っております。後掲「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役 監査等委員4名(うち独立社外取締役3名)で構成しており、委員長は小澤芳郎が務めております。活動の詳細に関しては、後掲「(3)監査の状況」に記載しております。
ハ)指名諮問委員会、報酬諮問委員会
役員の指名・報酬につき取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、取締役会の諮問機関として指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置しております。
指名諮問委員会では、取締役候補者の選任基準や独立社外取締役の独立性判断基準、取締役候補者の指名及び代表取締役・役付取締役候補者の指名、代表取締役社長の後継者計画について審議し、取締役会に答申しております。その他、取締役のスキルマトリックス等、取締役会が持続的にその機能を発揮するための人材面での重要課題について審議している他、執行役員の選任についての監督も行っております。
報酬諮問委員会では、取締役の報酬制度・水準について審議して取締役会に答申し、取締役会からの委任を受けて個人別報酬額について決定しております。
これら委員会の委員は取締役会が取締役から選定し、委員の過半数を独立社外取締役で構成することによりその独立性を確保しております。さらに報酬諮問委員会では、委員長も社外取締役にすることとしております。なお、指名諮問委員会については、当社の経営理念である社是を体現しており、執行から離れた俯瞰的な立場から経営戦略やガバナンスに携わっている代表取締役会長が、会社の事情や人物等の実態をふまえて審議計画や議題の設定、議事進行を行うべく、その委員長を務めております。
現在の委員は2022年6月29日開催の取締役会で選定され、次の構成となっております。
委員会の名称委員
指名諮問委員会委員長:代表取締役会長 村田恒夫
委員 :取締役 南出雅範
社外取締役 安田結子
社外取締役 西島剛志
社外取締役 監査等委員 山本高稔
報酬諮問委員会委員長:社外取締役 安田結子
委員 :代表取締役会長 村田恒夫
取締役 南出雅範
社外取締役 西島剛志
社外取締役 監査等委員 神林比洋雄

指名諮問委員会では、各年度の初回に年間審議計画を審議しており、議題の設定にあたっては、社内外の動向や各委員の意見等を反映しております。2021年度は、例年同様に取締役候補者の指名及び代表取締役・役付取締役候補者の指名並びに取締役会への答申、執行役員の選任についての監督を行った他、コーポレートガバナンス・コードの改訂に伴い、指名諮問委員会構成の独立性に関する考え方・権限・役割、経営戦略に照らして取締役会として備えるべきスキル、取締役会全体としての多様性及び適正規模の考え方について、議論を行いました。代表取締役社長の後継者計画についても、「当社の社是を最上位の価値観とし、自らが社是を体現する者であること」など、社長として求められる要件を既に定めているところ、万が一、緊急事態が発生した場合の対応・手続も含めて、その状況の確認を行いました。
報酬諮問委員会の活動の詳細に関しては、後掲「(4)役員の報酬等」に記載しております。
ニ)その他の委員会
その他の委員会に関しては、後掲「③内部統制システムの整備の状況」に記載しております。
ホ)コーポレート・ガバナンスの体制図
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③内部統制システムの整備の状況
当社は、当社グループにおいて、経営の基本理念としての「社是」を共有しております。また、国内・海外子会社を含めた当社グループ全体において共通の意思決定に関する規定及び手続を定めております。これに基づき子会社の事業運営について協議するとともに、当社グループの事業運営に関する各種情報を共有しております。また、付議基準に合致した案件は、経営会議・取締役会に付議され、審議・検討いたします。さらに、当社の各業務機能(総務・人事・経理等)を主管する部門は、当社グループにおける業務が適正かつ効率的に行われるよう各業務の枠組み、処理手続、判断基準を定めるとともに、子会社に対し必要に応じて適切な指導を行っております。また、独立した組織として内部監査部門(内部監査室)は、当社グループにおける業務が法令、社内の規定等に基づいて、適正かつ効率的に行われていることを評価・モニタリングしております。
内部統制管理委員会は、取締役 常務執行役員 南出雅範を委員長とし、会社の業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)の整備状況と運用状況の評価・検討を行うとともに、その内容を取締役会へ定期的に報告しております。また、金融商品取引法に基づく内部統制報告制度への対応についても、関係部門と連携して内部統制の整備・評価を進め、これを受けて、財務報告の信頼性確保のためにグループの内部統制システムの維持並びに継続的改善を行っております。さらに、会社情報について適時開示の必要性及び開示内容の審議を行う情報開示委員会を設置し、適時適切な会社情報の開示を行う管理体制としております。
コンプライアンスの取り組みについては、当社グループの取締役、執行役員及び従業員が法令及び定款に従い、より高い倫理観に基づいて事業活動を行うため「企業倫理規範・行動指針」及びコンプライアンスに関する規定を制定しており、法的・倫理的な観点から企業倫理規範及び具体的な行動指針を提示するとともに、これらを周知徹底しております。また、コンプライアンス推進委員会を設置し、当該指針の遵守や、倫理違反、法令違反などの問題発生の未然防止を統括させ、さらに、コンプライアンスに関する問題を適切に処理するため、通報受付窓口を社内・社外に設置するとともに、通報者が不利益な取扱いを受けないよう措置を講じております。また、コンプライアンス推進委員会において、その活動状況等について定期的に取締役会へ報告しております。
リスク管理体制については、リスク管理に関する規定を定め、各業務機能を主管する部門ごとにリスク管理を行っております。また、当社グループのリスク管理体制及び運用状況の審議を行う会議体としてリスク管理委員会を設置し、全社的なリスク案件についての対策を検討しております。リスクの把握については、各リスクの主管部門が年2回、当社グループが現在直面しているリスク、あるいは近い将来に予想されるリスクを抽出・評価し、対策を策定し、リスク管理委員会でそれらの内容を審議し必要に応じて追加対策を指示しております。
サステナビリティに関する取り組みについては、ESG、SDGsなどの対応も含めたCSR経営を継続的かつ計画的に推進するために、代表取締役社長 中島規巨を委員長とするCSR統括委員会を設置し、CSRの社内への浸透と社外への一元的対応を行っております。
④責任限定契約の内容の概要
当社と取締役(業務執行取締役等である者を除く)は、会社法第427条第1項の規定に基づき、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める最低責任限度額相当額としております。
⑤役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。当該保険契約の被保険者の範囲は当社及び当社の国内子会社等の取締役及び執行役員等であり、保険料は全額当社が負担しております。
当該保険契約は、被保険者が、その職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険会社がてん補するものであり、1年ごとに更新しております。次回更新時においても同様の内容での更新を予定しております。
⑥取締役の定数
当社の監査等委員でない取締役は10名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めております。
⑦自己の株式の取得の決定機関
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって同条第1項に定める市場取引等により自己の株式を取得できる旨を定款に定めております。これは、事業環境の変化に対応した機動的な経営を遂行することを目的とするものであります。
⑧中間配当の決定機関
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録されている株主又は登録株式質権者に対し、中間配当をすることができる旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
⑨株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
また、会社法第341条の規定により、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、及び取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
これらは、定足数の確保をより確実にすることを目的とするものであります。