有価証券報告書-第58期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 15:00
【資料】
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【項目】
145項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、独自性、先駆性をもった「光創造企業」として、常に世界の光マーケットでの顧客のニーズを先取りし、そのニーズに応える新しい高付加価値製品・サービスの開発・提供を行い、事業の拡充を目指します。
また、すべてに「グローバルスタンダード」をベースとした高い企業倫理を確立し、革新的でスピーディーな経営を行うとともに、社会や環境との共生・共存を図り、ステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。
(2)経営戦略等
2020年7月に公表した中期経営計画で「基礎固めの再挑戦」と位置づけ、2022年度に向けて持続的成長に向けた収益構造の転換を図り、2030年度のVision“「光」のソリューションカンパニーへ”を実現するための道筋を描くこととしました。その中で経営方針を「自立型(個別最適)」から「連帯型(全体最適)」へと大きくシフトチェンジをしていくこととし、各事業領域における「攻める戦略」と「防ぐ戦略」に加えて、全体最適を実現するための「束ねる戦略」を掲げております。
光源事業では、多くの関連市場において成熟期を迎えていることに加え、プロジェクター市場では、ランプに代わる固体光源(LD・LED)の採用が拡大することでリプレイス需要が減少傾向にあるなど、基盤事業の収益性維持・拡大が課題となっています。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、主にシネマプロジェクター用ランプにおいて、全世界の映画館の休業状態が継続しており、徐々に再開はされているものの、その回復には相当程度の時間を要すると想定しております。このような背景をもとに、基盤事業における製品の競争力強化によるシェアの維持と、需要に見合ったコスト対策を強化することで、収益性の維持・改善を進めてまいります。また、新たな成長機会として、環境衛生分野を中心とした新規用途及び固体光源などの新規事業拡大のための成長投資を積極的に進めることで、光源事業の持続的成長を目指してまいります。特に新型コロナウイルス感染症拡大により安心・安全な社会への関心が高まるなか、新規事業である環境衛生分野において、抗ウイルス・除菌用紫外線技術Care222搭載製品の需要拡大・販売にリソースを集中し、事業拡大を目指すことで、パンデミックが起こらない安心・安全な環境の実現に向けた社会に貢献してまいります。
光学装置事業では、IoTや5Gの進展などによるデータセンター及び高速処理ニーズによる需要拡大を背景に各種露光装置が着実に拡大しており、これらの需要に対応していくための積極的な増産投資を行ってまいります。また、EUVリソグラフィマスク検査用EUV光源においても、販売を拡大し、半導体における微細化技術進展に貢献してまいります。
映像装置事業では、シネマ分野及び一般映像分野ともに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顧客の投資意欲は急速に落ち込みました。映画館の営業やイベントの開催は徐々に再開されつつありますが、設備投資の意欲改善に波及するまでにはさらに時間を要するものと想定しております。このような背景をもとに、今後の需要の縮小に合わせた構造改革を実施し、固定費削減による経費構造の改善を推し進めました。一方で、新型コロナウイルス感染症による影響から市場の回復後を展望し、事業範囲の選択と集中を進めてまいります。なお、新たな成長機会を追求していくうえで、従来のモノの販売だけでなく、それに付随したサービスなどを一貫して提供する提案型のビジネスモデルも拡大してまいります。また、シナジーを重視したM&A投資や事業提携を活用していくことで、新たな成長機会の追求を加速してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年7月に発表し、2021年5月に一部修正した中期経営計画では次の指標をKPIとしております。
(野心的目標)
営業利益率営業利益売上高
全体10.0%超190億円1,700億円超
光源事業15.3%92億円600億円超
光学装置事業9.7%58億円600億円
映像装置事業8.7%40億円460億円

(必達目標)
営業利益率営業利益売上高
全体8.0%超140億円1,500億円超
光源事業14.4%72億円500億円
光学装置事業6.8%38億円560億円
映像装置事業7.5%30億円400億円

さらに2030年度には、「営業利益率12%以上、売上高2,500億円」の達成を目指してまいります。
(4)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、光源事業につきましては巣ごもり需要によるモバイルやモニター向けなどの液晶パネル需要が継続すること、また半導体・電子デバイス需要はIoTや5Gの進展により増加傾向にあることから、露光用UVランプや露光用光学装置などの関連需要は堅調に推移する見込みです。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響長期化に伴い、映画館の営業再開の遅れや稼働率の低迷、また公開予定の映画コンテンツの配給が延期となっていることから、市況の回復は2021年後半より段階的に進むと見ており、シネマプロジェクター用クセノンランプのリプレイス需要は緩やかな回復を想定しております。また、環境衛生意識の高まりにより、抗ウイルス・除菌用紫外線技術Care222の需要は堅調に推移しております。
光学装置事業につきましては、液晶関連の投資が一巡したことにより液晶関連装置の需要は減少する見込みですが、IoTや5Gの進展による半導体需要の増加が見込まれ、先端パッケージ基板の需要増加に加え、パッケージ基板の微細化技術進展や基板の進化による技術革新が進むことにより、最先端ICパッケージ基板向け投影露光装置やプリント基板向け直描式露光装置の販売が増加する見込みです。また、半導体の微細化技術進展によるEUVリソグラフィプロセスの確立により、EUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の需要が増加し推移する見込みです。
映像装置事業のシネマ分野においては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、映画館の経営状況への懸念から投資意欲は引き続き低水準であり、デジタルシネマプロジェクターの需要は引き続き低調に推移するものの、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた前期より需要は回復が見込まれます。一般映像分野においても引き続き関連する商業施設やイベントの自粛による影響長期化が懸念されるものの、アジアを中心に緩やかな需要の回復を見込んでおります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループにおきましては、既存事業において関連市場の多くが成熟期を迎えていることに加え、収益の源泉である光源事業において、映像関連分野を中心に従来のランプに代わる固体光源化技術が進展していることから、ランプのリプレイス(消耗品)需要が減少傾向にあり、成長の鈍化とともに、利益率も低下傾向にあります。また、今後の成長ドライバーとなる製品開発や新規事業の創出が計画通りに進んでいないという問題もあります。このような状況下、既存市場において高シェアと高収益を維持していくことや、新規市場への参入や新規用途展開による新規事業創出を加速させることにより、利益率の低下傾向に歯止めをかけ、収益構造の転換を図ることで、再び利益率の水準を上昇トレンドに転換し、中長期的な持続的成長を成し遂げていくことが課題となっています。
これらの課題に対処すべく、従来の「自立」した個別最適を追求する連峰経営から、「連帯」を強めた連峰経営へシフトチェンジすることで、全体パフォーマンスの最適化を推進してまいります。特に既存事業においては、多様化するマーケットニーズに対応した競争力のある製品のラインナップ充実や徹底したコスト管理に加え、品質・生産性の向上や国内外での生産・販売拠点の統廃合などを通じた抜本的な構造改革を引き続き実行することで、収益性を改善させ、持続的に利益率を向上させていくことができる体質へ改善してまいります。また、2030年に向けた当社グループのミッションを、“あかり・エネルギーとしての光の利用を進め、人々の幸せと社会の発展を支える”とし、ビジョンを“「光」のソリューションカンパニーへ”と定め、グループ全体で統一目標を指向し、今後の成長ストーリーと事業の優先順位を明確にするなど、掲げた目標達成に向けて各施策を明確にし、着実に実行してまいります。また、オープンイノベーションの活用による新規市場への参入や提案型ソリューションビジネスを拡大させ、世界のマーケットへ向けて高付加価値な新たな光源及び装置の創出・拡大を図ってまいります。これらにより既存事業の収益性向上及び新規事業創出のスピードを加速させることで、持続的に成長させる構造へシフトチェンジしていくことができると考えております。
また、強固な財務基盤を背景に、事業投資(M&Aや企業提携)にも積極的に取り組み、機動力ある事業の発展及び収益性の向上を図りながら、株主還元との適正な資産配分を引き続き検討してまいります。
さらに、当社グループをあげてESG経営の強化に取り組んでいくことで、省エネルギー・省資源、廃棄物削減・リサイクル化等、持続的環境負荷低減に積極的に取り組むほか、コーポレートガバナンス、コンプライアンス体制強化による内部統制システムの充実、BCPなどリスク管理体制の整備による安定した事業継続にも引き続き取り組むことにより、あらゆるステークホルダーからの信頼にお応えできるよう努めてまいります。

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