有価証券報告書-第63期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 16:12
【資料】
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【項目】
147項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループ(当社及び当社の関係会社…以下同じ)が判断したものであります。
当連結会計年度における内外経済は、米中貿易摩擦への懸念から中国での景気減速が加速し、対中依存度が高い欧州でも減速傾向となりました。また、新興国の一部では通貨安や政情不安が見られ、日本でも製造業の景況感が悪化するなど景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
景気の先行きが不透明であり、かつ、事業環境も大きく変化するグローバル環境の下で、あらゆる変化に迅速に対応できるよう、これまで当グループは全社を挙げて構造改革に取り組んでまいりました。また、これからの持続的成長を確実なものとするべく事業別の成長戦略を描き中期経営計画として発表しました。ユーザーに役立つ製品を作り続け、中長期で企業価値を向上させるための新しい経営に変革することで業績の大幅向上を目指してまいります。
①4つの成長戦略
1.時計事業の成長拡大
堅牢性に対する市場の高い信頼を有するG-SHOCKブランドの強みを生かしたG-SHOCKのメタル拡大、及びスマートウォッチ市場でのポジション確立により、継続的な事業拡大を図ります。
2.教育関数事業の成長拡大
安定した学生市場で売上確保できる強いビジネスモデルで継続的な事業拡大を図ります。また、成長が見込まれる電子教育分野において当社の数学の計算技術を活かしたWEBアプリケーションを開発し、協業パートナーとともに事業確立を図ります。
3.強みを活かした新規事業の創造
ウェアラブル技術、カメラ技術をはじめとする当社の強い技術をベースに、スポーツ・健康・美容などの市場に向けて、オープンイノベーションを活用した共創により新規市場の創造を実現します。
4.楽器、プロジェクター等の収益改善事業は、構造改革の完遂により再成長事業への変革を図ります。
②経営基盤の構築
監査等委員会設置会社へ移行し、監督と執行を分離することでコーポレートガバナンス機能を一層強化してまいります。また、事業環境の変化に対して迅速かつ柔軟に対応できる執行体制を構築のうえ、事業運営の徹底を図り、企業価値の向上に努めてまいります。
③資本効率の向上
当グループは、財務安全性を確保しながら成長分野への投資を促進することで、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また、資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。
④CSR(企業の社会的責任)への取り組み
当グループは、事業運営を通じて、社会から期待される環境社会面の課題の解決を図りつつ、持続的に成長することにより、社会から必要とされ、従業員からも尊敬される会社であり続けてまいります。特に、最重点の課題としては、「SDGsへの取り組み」、「中長期環境目標への取り組み」、「ESG情報開示の取り組み」の3つの取り組みを掲げ、確実に推進してまいります。商品を創造し続けるべく、全社を挙げて事業構造改革を成し遂げ、安定的・継続的な収益基盤を確立してまいります。
当グループは、以上の課題に応えるべくお客様一人ひとりのライフスタイルの中で、最も身近で大切な存在を生み出し続けることを使命と考え、「創造 貢献」の原点に立ち返り、今後も独創性のある技術で新規市場を創造してまいります。
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者は、安定的な成長を目指し、企業価値の極大化・株主共同の利益の増強に経営資源の集中を図るべきと考えております。
現時点では特別な防衛策は導入いたしておりませんが、今後も引き続き社会情勢等の変化を注視しつつ弾力的な検討を行ってまいります。