有価証券報告書-第70期(2025/04/01-2026/03/31)
(3) 戦略
(サステナビリティ方針)
当グループでは、経営理念である「創造 貢献」を大切にし、常に新たなニーズの創造に挑み、世界に新しい価値を生み出してきました。2024年には、経営理念に加えて、当グループが進むべき方向を示す指針としてパーパス・バリューズを策定しました。当グループのサステナビリティ経営とは、従業員一人ひとりがこれらを実践し、力を集結させて新たな価値を創造し、社会に提供していくことで、企業自身の持続的な成長と持続可能な地球・社会づくりへの貢献を両輪で実現することです。その企業価値の向上と持続可能な社会を実現するための経営課題として、マテリアリティを特定し、それぞれのマテリアリティに対して目標とKPIを定めPDCAを回すことで、新たな価値創造に向けた企業体質の強化とリスク管理を実践しています。
(マテリアリティ)
当グループでは、2030年に向けた基本方針や中期経営計画の策定を踏まえ、2023年度にマテリアリティを見直しました。従来のCSR側面でのマテリアリティに、持続的な企業成長を実現するための重要課題を新たに取り込み、『事業を通じた「価値創造」』『「経営資本」の増強』『「経営基盤」の強化』の3つのグループに整理した、計8つのマテリアリティを特定しました。

(マテリアリティ特定プロセス)
マテリアリティの特定にあたっては、まずPEST分析を用いて、当グループにとって重要な外部環境の変化や社会情勢を整理し、イシューリストを作成しました。あわせて、環境・社会側面に関する重要課題については、各種ガイドラインを参照しながらリスト化し、それぞれのリスクと機会を洗い出しました。次に、各課題への対策状況も踏まえて重要度を評価し、「2030年に向けた基本方針」および中期経営計画との整合性を確認し、重要な経営課題と環境・社会側面の重要課題を統合し、3つのグループに整理したマテリアリティの仮説を策定しました。その後、経営層や外部有識者とのセッションを通じて仮説の妥当性を検証し、取締役会での承認を経て、マテリアリティとして確定しました。
(具体的な取り組み)
特定したマテリアリティは、2024年度より目標およびKPIを設定し、年度ごとに実績を確認するとともに、その振り返りを公表しています。今回、2026年度~2028年度における新たな中期経営計画の設定に合わせて、マテリアリティのレビューを実施しました。その結果、各マテリアリティにおける取り組みテーマや主な活動項目を見直し、あらためて目標とKPIを再設定しています。
(※) 詳細については、当社ウェブサイト(https://www.casio.co.jp/csr/concept/identification/)を ご参照ください。
(マテリアリティとSDGs)
各マテリアリティの取り組みは、SDGsの達成に寄与するものであり、課題の解決とSDGsの達成を目指し、積極的に進めていきます。

(気候変動)
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、当グループが直面する気候変動影響がもたらすリスクと機会について、発生可能性と事業影響度から重要度を評価し、シナリオ分析に基づく評価結果を開示しています。特定されたリスクについては、今後の環境変化を踏まえ、定期的に分析を実施してまいります。
(シナリオ分析に基づく評価結果)
(人的資本投資)
“人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。”(経済産業省)との考えに基づき、産業構造の変化、技術革新の進展、労働者の就業意識・形態の多様化といった外部環境を踏まえ、当社の状況、経営方針、重点戦略に即した人材(人的資本)に対する基本コンセプトと方針を以下のように定め、それに従った各施策を行います。
経営方針:グローバルブランドとして企業価値の極大化を図る
重点戦略:成長基盤の確立・経営基盤の強化
基本コンセプトと方針

①自律人材 ~求められる自律人材とキャリアサポート制度のさらなる充実
当社では、「自ら考え行動し、その成果として会社の成長発展に貢献する」という社員像を求めております。パフォーマンスの高い自律人材に成長してもらうには、自らキャリアを高めたいというキャリア観が必要だとの考えから、2019年より社員の自律的キャリア形成の実現を支援するキャリアサポート制度を開始しました。キャリアサポート制度は、自身のキャリアに対する気づきとインプットを得る機会としての「キャリア研修」を中心に、社内の自発的な異動を支援する「社内公募制度(ジョブチャレンジ)」、より幅広いキャリアの可能性を拡げるために社外転身も視野に含めた「副業兼業制度」、「セカンドキャリア制度」で構成されています。
キャリア研修は、新入社員、2年目社員、30歳、40歳、49歳、55歳を対象に実施しています(2025年度受講実績360名)。社内公募制度では年間10名程度の方が異動しており、自発的なキャリア開発の一助となっております。セカンドキャリア制度も年間複数名の方が毎年申請しており、副業兼業制度ではこれまで80名程度が社外での活動に従事しております。
今後も自律人材育成のため、正社員に占めるキャリア研修実施カバー率、ジョブチャレンジ実施延べ経験人数をKPIに定め、キャリアサポート制度のさらなる充実に努めてまいります。
②マネジメント強化 ~多様な人材のマネジメントを通じた価値創造
全社で高いパフォーマンスを発揮し続けるためには、社外でも活躍できる優秀な人材(自律人材)に、いかに社内で活躍いただくかが重要です。キャリアサポート制度によって育成した自律人材をいかにマネジメントし、成果を生み出す集団にするかは当社にとって喫緊の課題です。上位層の高いマネジメント能力は、その部下たちの能力に影響を与えます。その観点から、部門長研修を実施することでマネジメントレベルの底上げを図っております。併せて次期役員候補育成人数をKPIとして設定し、部門長クラスを対象とした経営幹部育成施策を実施し、役員候補の人材プールを充実させることで、上位層の質向上に努めています。
また、次期女性所属長候補育成人数をKPIとし、ポジティブアクションとして、女性管理職候補の選抜育成施策を実施しています。併せて上記取り組みの結果指標となる管理職に占める女性労働者の割合と、職位による処遇差が明らかになる正社員の男女の賃金の差異をKPIに設定し、適正な状態になるよう改善してまいります。
③健康経営 ~人員構成上の課題より
当社における平均年齢の高まりや年齢中央値、年齢分布などに鑑み、身体的・精神的な充足度の向上や、アブセンティーズムの低減、プレゼンティーズムの改善等を通じた社員一人ひとりのパフォーマンス向上への取り組みは、会社業績への貢献にも寄与するものと考えています。
当社では2022年度に「CASIO健康基本方針」を策定し、人事部を中心に健康保険組合など関係部署と連携しながら、健康経営に関する取り組みを推進しています。その結果、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人」において、大規模法人部門の『ホワイト500』に3年連続で認定されました。
健康経営推進のKPIとして、男性労働者の育児休業及び休暇取得率、健康診断再検査受診率を設定しており、その進捗を踏まえ、2030年度目標の見直しを行うなど継続的な改善に取り組んでいます。なお、2026年度~2028年度のマテリアリティ目標設定にあたり、各KPIについてマテリアリティとの連動性および重要性の観点から再整理を行いました。その結果、従業員との信頼・共感関係づくりにより資する指標への重点化を図る観点から、従来の一部健康指標(適正体重維持者率、喫煙率)については、KPI体系の整理・見直しを行っております。
今後も全社一丸となって、健康意識の向上や職場活性化、生活習慣病対策等の各種施策を推進し、社員の能力発揮および企業価値向上につなげてまいります。
(サステナビリティ方針)
当グループでは、経営理念である「創造 貢献」を大切にし、常に新たなニーズの創造に挑み、世界に新しい価値を生み出してきました。2024年には、経営理念に加えて、当グループが進むべき方向を示す指針としてパーパス・バリューズを策定しました。当グループのサステナビリティ経営とは、従業員一人ひとりがこれらを実践し、力を集結させて新たな価値を創造し、社会に提供していくことで、企業自身の持続的な成長と持続可能な地球・社会づくりへの貢献を両輪で実現することです。その企業価値の向上と持続可能な社会を実現するための経営課題として、マテリアリティを特定し、それぞれのマテリアリティに対して目標とKPIを定めPDCAを回すことで、新たな価値創造に向けた企業体質の強化とリスク管理を実践しています。
(マテリアリティ)
当グループでは、2030年に向けた基本方針や中期経営計画の策定を踏まえ、2023年度にマテリアリティを見直しました。従来のCSR側面でのマテリアリティに、持続的な企業成長を実現するための重要課題を新たに取り込み、『事業を通じた「価値創造」』『「経営資本」の増強』『「経営基盤」の強化』の3つのグループに整理した、計8つのマテリアリティを特定しました。

(マテリアリティ特定プロセス)
マテリアリティの特定にあたっては、まずPEST分析を用いて、当グループにとって重要な外部環境の変化や社会情勢を整理し、イシューリストを作成しました。あわせて、環境・社会側面に関する重要課題については、各種ガイドラインを参照しながらリスト化し、それぞれのリスクと機会を洗い出しました。次に、各課題への対策状況も踏まえて重要度を評価し、「2030年に向けた基本方針」および中期経営計画との整合性を確認し、重要な経営課題と環境・社会側面の重要課題を統合し、3つのグループに整理したマテリアリティの仮説を策定しました。その後、経営層や外部有識者とのセッションを通じて仮説の妥当性を検証し、取締役会での承認を経て、マテリアリティとして確定しました。
(具体的な取り組み)
特定したマテリアリティは、2024年度より目標およびKPIを設定し、年度ごとに実績を確認するとともに、その振り返りを公表しています。今回、2026年度~2028年度における新たな中期経営計画の設定に合わせて、マテリアリティのレビューを実施しました。その結果、各マテリアリティにおける取り組みテーマや主な活動項目を見直し、あらためて目標とKPIを再設定しています。
(※) 詳細については、当社ウェブサイト(https://www.casio.co.jp/csr/concept/identification/)を ご参照ください。
(マテリアリティとSDGs)
各マテリアリティの取り組みは、SDGsの達成に寄与するものであり、課題の解決とSDGsの達成を目指し、積極的に進めていきます。

(気候変動)
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、当グループが直面する気候変動影響がもたらすリスクと機会について、発生可能性と事業影響度から重要度を評価し、シナリオ分析に基づく評価結果を開示しています。特定されたリスクについては、今後の環境変化を踏まえ、定期的に分析を実施してまいります。
(シナリオ分析に基づく評価結果)
| 区分 | 想定シナリオ | 評価項目 | 重点施策 | 顕在 時期 | 財務 影響 | |
| 1.5℃ シナリオ(移行リスク) | ■世界中で気候変動対応の厳しい規制が施行され、気温上昇も一定範囲に抑えられている。■自然災害も大きく増えることはない。■新興国を中心に人口増と所得増が継続する。■炭素税等の負担増、エネルギー価格をはじめ、素材価格が高騰する。 | 「カシオグループ環境基本方針」 に定める重要な課題への取組み | 脱炭素社会の実現 | ・再生可能エネルギーの積極的導入・計画的な高効率設備の導入・サプライチェーンの最適化推進・森林資源保全 | 短~ 長期 | 中 |
| 資源循環型社会の実現 | ・サーキュラーエコノミーの推進・環境配慮型素材への移行 | 短~ 長期 | 中 | |||
| 3℃ シナリオ(物理リスク) | ■GHG排出量は十分に削減できず、気温上昇が継続する。■自然災害は、頻度・規模ともに増加・拡大する。■新興国を中心に人口増が継続するが、先進国との所得格差は拡大する。■炭素税等の影響は限定的 | 自然災害による 事業拠点の被災 | ・サプライヤーの災害アセスメント推進・サプライチェーンのBCM実効性向上 | 短~ 中期 | 小 | |
| 海水面上昇による 事業拠点の被災 | ・グローバル生産調達体制の再構築 | 中~ 長期 | 大 | |||
| 機会 | 1.5℃/3℃シナリオ共通 | 環境技術開発機会提供 | ・長寿命化/低消費電力多機能化拡大・製品のリユース・リサイクルシステムの構築・ネットを活用したサービス価値の提供・顧客のエネルギー消費削減支援・EC強化による顧客接点の拡大・新興国への教育機会の提供 | 短~ 長期 | 大 | |
(人的資本投資)
“人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。”(経済産業省)との考えに基づき、産業構造の変化、技術革新の進展、労働者の就業意識・形態の多様化といった外部環境を踏まえ、当社の状況、経営方針、重点戦略に即した人材(人的資本)に対する基本コンセプトと方針を以下のように定め、それに従った各施策を行います。
経営方針:グローバルブランドとして企業価値の極大化を図る
重点戦略:成長基盤の確立・経営基盤の強化
基本コンセプトと方針

①自律人材 ~求められる自律人材とキャリアサポート制度のさらなる充実
当社では、「自ら考え行動し、その成果として会社の成長発展に貢献する」という社員像を求めております。パフォーマンスの高い自律人材に成長してもらうには、自らキャリアを高めたいというキャリア観が必要だとの考えから、2019年より社員の自律的キャリア形成の実現を支援するキャリアサポート制度を開始しました。キャリアサポート制度は、自身のキャリアに対する気づきとインプットを得る機会としての「キャリア研修」を中心に、社内の自発的な異動を支援する「社内公募制度(ジョブチャレンジ)」、より幅広いキャリアの可能性を拡げるために社外転身も視野に含めた「副業兼業制度」、「セカンドキャリア制度」で構成されています。
キャリア研修は、新入社員、2年目社員、30歳、40歳、49歳、55歳を対象に実施しています(2025年度受講実績360名)。社内公募制度では年間10名程度の方が異動しており、自発的なキャリア開発の一助となっております。セカンドキャリア制度も年間複数名の方が毎年申請しており、副業兼業制度ではこれまで80名程度が社外での活動に従事しております。
今後も自律人材育成のため、正社員に占めるキャリア研修実施カバー率、ジョブチャレンジ実施延べ経験人数をKPIに定め、キャリアサポート制度のさらなる充実に努めてまいります。
②マネジメント強化 ~多様な人材のマネジメントを通じた価値創造
全社で高いパフォーマンスを発揮し続けるためには、社外でも活躍できる優秀な人材(自律人材)に、いかに社内で活躍いただくかが重要です。キャリアサポート制度によって育成した自律人材をいかにマネジメントし、成果を生み出す集団にするかは当社にとって喫緊の課題です。上位層の高いマネジメント能力は、その部下たちの能力に影響を与えます。その観点から、部門長研修を実施することでマネジメントレベルの底上げを図っております。併せて次期役員候補育成人数をKPIとして設定し、部門長クラスを対象とした経営幹部育成施策を実施し、役員候補の人材プールを充実させることで、上位層の質向上に努めています。
また、次期女性所属長候補育成人数をKPIとし、ポジティブアクションとして、女性管理職候補の選抜育成施策を実施しています。併せて上記取り組みの結果指標となる管理職に占める女性労働者の割合と、職位による処遇差が明らかになる正社員の男女の賃金の差異をKPIに設定し、適正な状態になるよう改善してまいります。
③健康経営 ~人員構成上の課題より
当社における平均年齢の高まりや年齢中央値、年齢分布などに鑑み、身体的・精神的な充足度の向上や、アブセンティーズムの低減、プレゼンティーズムの改善等を通じた社員一人ひとりのパフォーマンス向上への取り組みは、会社業績への貢献にも寄与するものと考えています。
当社では2022年度に「CASIO健康基本方針」を策定し、人事部を中心に健康保険組合など関係部署と連携しながら、健康経営に関する取り組みを推進しています。その結果、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人」において、大規模法人部門の『ホワイト500』に3年連続で認定されました。
健康経営推進のKPIとして、男性労働者の育児休業及び休暇取得率、健康診断再検査受診率を設定しており、その進捗を踏まえ、2030年度目標の見直しを行うなど継続的な改善に取り組んでいます。なお、2026年度~2028年度のマテリアリティ目標設定にあたり、各KPIについてマテリアリティとの連動性および重要性の観点から再整理を行いました。その結果、従業員との信頼・共感関係づくりにより資する指標への重点化を図る観点から、従来の一部健康指標(適正体重維持者率、喫煙率)については、KPI体系の整理・見直しを行っております。
今後も全社一丸となって、健康意識の向上や職場活性化、生活習慣病対策等の各種施策を推進し、社員の能力発揮および企業価値向上につなげてまいります。