有価証券報告書-第77期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/21 10:48
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【項目】
132項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費・インバウンド需要の回復により、非製造業及び自動車産業の景況感は改善しましたが、原材料・物流コストの増加や世界的な財需要の減速により、設備投資が伸び悩み、特に輸出型の企業では景況感は非常に厳しい状況でした。
海外におきましては、米国の景気は堅調でしたが、インフレ懸念・金融不安は継続し、欧州を含め製造業は不振で、中国では、輸出入がともに低迷しており、世界的な需要の減速から景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
このような状況下当社グループは、主にスマートフォン市場向け、自動車市場向け及び産業用機器市場向けのグローバル事業拡大を進めると共に高度化する市場ニーズへの更なる迅速な対応を目指し、高付加価値新製品の開発・販売・生産体制の強化を推進してまいりましたが、自動車用機器市場向けビジネスは堅調に推移したものの、産業用機器市場向け、民生用機器市場向けビジネスの売上が低迷したため、当連結会計年度の売上収益は、1,655億9百万円(前年同期比9.7%減)、営業利益は340億17百万円(同27.2%減)、税引前利益は387億61百万円(同20.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は264億80百万円(同23.6%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、以下のとおりであります。
(多極コネクタ)
当社の主力製品群であります多極コネクタは、丸形コネクタ、角形コネクタ、リボンケーブル用コネクタ、プリント基板用コネクタ、FPC(フレキシブル基板)用コネクタ、ナイロンコネクタ等多品種にわたります。
主としてスマートフォン、通信機器、カーエレクトロニクス等の分野から計測・制御機器、FA機器及び医療機器などの産業用機器等の分野まで幅広く使用されているコネクタであり、今後の更なる高度情報通信ネットワーク化社会及び環境を考慮した省エネ化社会の進展とともに需要の拡大が見込まれております。
当連結会計年度は、売上収益は1,485億12百万円(前年同期比10.4%減)、営業利益は299億88百万円(同30.7%減)となりました。
(同軸コネクタ)
同軸コネクタは、マイクロ波のような高周波信号を接続する特殊な高性能コネクタであり、主にスマートフォンやパソコンなどの無線LANやBluetooth通信のアンテナ接続や自動車でのGPSアンテナ接続として、また無線通信装置や電子計測器の高周波信号接続として使用されるコネクタであります。
なお、光コネクタ、同軸スイッチもこの中に含んでおります。
当連結会計年度は、売上収益は116億76百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は33億1百万円(同14.2%増)となりました。
(その他)
以上のコネクタ製品以外の製品としてマイクロスイッチ類及びコネクタ用治工具類を一括しております。
当連結会計年度は、売上収益は53億21百万円(前年同期比7.2%減)、営業利益は7億28百万円(同20.0%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(資金)は、前連結会計年度末と比べて23億12百万円増加して、903億41百万円となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、410億49百万円の増加(前年同期は456億48百万円の増加)となりました。
これは、税引前利益387億61百万円や減価償却費及び償却費168億47百万円の計上などによる資金増、法人所得税の支払額146億82百万円による資金減などによるものです。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、139億35百万円の減少(前年同期は64億3百万円の増加)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出320億64百万円による資金減などによるものです。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、281億87百万円の減少(前年同期は341億71百万円の減少)となりました。
これは、配当金の支払額172億15百万円及び自己株式の取得による支出100億15百万円による資金減などによるものです。
③ 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ20億94百万円増加して4,034億50百万円となりました。負債は営業債務及びその他の債務の減少等により122億26百万円減少して392億77百万円となりました。また、資本合計はその他の資本の構成要素の増加等により143億19百万円増加して3,641億73百万円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は90.3%となり、前連結会計年度末と比べ3.1%増加しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
多極コネクタ134,417△21.1
同軸コネクタ10,029△10.5
その他4,376△7.5
合計148,822△20.1

(注)金額は、販売価格によっております。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
多極コネクタ139,806△5.337,135△19.0
同軸コネクタ11,3765.13,330△8.3
その他4,988△14.4674△33.0
合計156,170△5.041,139△18.5


c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
多極コネクタ148,512△10.4
同軸コネクタ11,676△0.2
その他5,321△7.2
合計165,509△9.7

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態および経営成績等につきましては、2021年度から2022年度にかけてのコロナ下における好業績の反動を受け、対前年同期と比べ減収減益となりました。
当社グループは、中期経営計画「G-WING」において、コンシューマ、産機、自動車の強い3本柱を形成することで、高収益体制を維持しつつ、中長期的に売上を伸長させていく計画を立てております。現在当社グループが置かれている状況は、この3本柱によるバランスのよいポートフォリオを確立させながら成長を加速させるため、開発・生産拠点の増強を進めるとともに技術者育成のための投資を行っております。これらの施策に加え、コロナ下のサプライチェーンの混乱を脱して新たな成長局面へ移行していく段階にあります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としましては、国内外の経済動向の変化が挙げられます。現時点では特にスマートフォン市場の動向が当社グループの業績に大きな影響を与えております。当社グループとしましては、「G-WING」の3本柱を強固にしていくことでスマートフォン市場への依存率を減少させてまいります。
その他の当社グループの経営成績に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の概況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、親会社所有者帰属持分比率が90.3%と十分な資本を維持しており、外部からの借入金はありません。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、IFRSベースの営業利益率を重視した経営を行っております。当連結会計年度における営業利益率は20.6%となり、前連結会計年度の25.5%を下回る結果となっております。引き続き、高い営業利益率を安定的に生み出せる体制づくりを行ってまいります。
また、当社グループは中長期的に資本コストを上回るROE (自己資本利益率) の達成を目指しております。具体的には、収益性の改善を進めることで、2027年度までにROE10%の安定的達成を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、営業キャッシュ・フローと投資キャッシュ・フローの合計が271億14百万円となっており、成長と安定のバランスを図っております。詳細につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、親会社所有者帰属持分比率は90.3%と高い水準を維持しており、資金の調達を行わずに事業に必要な資金の流動性を確保していると判断しています。
内部留保資金につきましては、中長期的な視野に立って、今後ますます進展する技術革新に対する研究開発投資、グローバル化に伴う設備投資および経営環境の変化に対応した機動的なM&Aなどに備えるとともに、株主への配当を重要視しております。
株主への利益還元策として、配当による成果の配分を優先的に考えており、長期的な企業価値の拡大と企業体質の強化を図りながら、1株当たり利益を増加させることにより配当の安定的な増加に努めることを基本方針としております。この基本方針の一層の実践を図るため、DOE(株主資本配当率)を株主還元指標として採用し、2024年度より中期的にDOE5%の配当を行うことを目標としております。
また、自己株式の取得については、株主への利益還元策としてとらえており、資本効率の改善を目的に適宜実施を検討してまいります。
なお、当社は自己株式の保有については、発行済株式総数の5%程度を上限とし、それを超過する部分は、原則として毎期消却する旨を自己株式の保有・消却に関する基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって必要となる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。金融商品の公正価値及び棚卸資産の正味実現可能価額は社内外の環境の変化により変動する可能性は高いと考えておりますが、当社グループにおける連結財務諸表に大きな影響を与えるほど変動する可能性は極めて低いと考えております。

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