有価証券報告書-第80期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/31 15:28
【資料】
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【項目】
152項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、人々の豊かな生活を支える小型モーターのリーディングカンパニーであり続けるために、新たな成長段階に向けた創造活動を続けております。
経営理念:「国際社会への貢献とその継続的拡大」は、当社の遺伝子であり、創業当時から未来永劫受け継がれて行く当社経営の根幹をなす考え方であります。この「経営理念」の実現に至る道筋を「マブチの経営ビジョン」としてまとめ、グループ全体で共有しております。
経営ビジョンは、「経営理念」に基づく貢献をどのように捉え、いかに具現化するかを「経営基軸」で明確にするとともに、企業活動を遂行する際の行動指針を「経営指針」として明示しております。
経営基軸
経営上の意思決定を行ううえでの「規範」となる考え方で、次のとおりであります。
① より良い製品をより安く供給することにより、豊かな社会と人々の快適な生活の実現に寄与する
② 広く諸外国において雇用機会の提供と技術移転を行い、それらの国の経済発展と国際的な経済格差の平準化に貢献する
③ 人を最も重要な経営資源と位置付け、仕事を通じて人を活かし、社会に役立つ人を育てる
④ 地球環境と人々の健康を犠牲にすることのない企業活動を行う
経営指針
経営指針は、「小型モーターの専門メーカーとしてその社会的ニーズを的確に把握し、それに即した製品をより早く、より安く、安定的に供給する」ための当社の企業活動を方向付けるとともに、企業としてどのような行動をとるべきかを示すものであります。
また、海外拠点経営指針は、当社と進出国との共存共栄をベースとした、海外拠点経営の基本的な考え方を明示したものであります。
経営指針
① 汎用性を重視した製品を開発し、その最適生産条件を整備する
② 価値分析に徹した製品の開発改良と部品・材料共通化を徹底する
③ 高度加工技術とムダの極小化によるコストダウンを追求する
④ 新市場を開拓し、適正占有率を確保する
⑤ 適材適所による人材の活用と業務を通じた人材育成を行う
⑥ 環境負荷の極小化と安全の追求を基本とした企業活動を推進する
⑦ 長期安定的視点に立つ経営施策を推進する
海外拠点経営指針
① 長期的な視点に立ち、進出国との共存共栄を図る
② 各拠点の強みを活かした国際分業体制を確立し、国際競争力を維持・拡大する
③ 社会への貢献を重視するマブチの企業文化の浸透と知識・技術の移転を推進する
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2021年度から2023年度の3ヶ年を計画年度とする中期経営計画において、以下の経営数値目標を掲げております。
指標2021-2023年度 目標
売上高年平均成長率8%~10%
売上高営業利益率15%以上
ROIC(注)12%以上

(注)ROIC=(営業利益×(1-実効税率))÷(売掛金+棚卸資産+固定資産(投資有価証券を除く)-買掛金)

(3)会社の経営環境及び対処すべき課題
次期の見通しにつきましては、世界経済は各国の大規模な財政出動の効果により回復が見込まれますが、新型コロナウイルス感染症ワクチンの普及の遅れなどの懸念があり、先行きに不透明感があります。先進国においては、米国経済は、追加経済対策の効果による回復が見込まれ、感染拡大前の水準まで回復すると予想されます。欧州経済は、新規感染者数の再増加に伴う経済活動制限などの影響により回復ペースは緩やかなものにとどまる見通しです。我が国経済は、追加経済対策の効果による回復が見込まれます。新興国経済は、中国については回復の持続が見込まれ、その他の新興国の回復度には強弱があるものの、全体としては回復が予想されます。
当社グループの関連市場におきましては、自動車電装機器市場は、半導体等の不足による生産調整の懸念はありますが、世界の自動車生産台数の回復を背景に、堅調に推移するものと見込んでおります。民生・業務機器市場は、北米及び日本市場において回復が見込まれるものの、その他の地域市場では減少が予想され、全体として減速する見通しです。
このような経営環境下、当社グループは、次に述べます課題に取り組んでまいります。
① パワーウインドウ用モーター事業のシェア拡大
パワーウインドウ用モーターの日系自動車メーカーへの販売状況については、既に3社に当社製品を搭載いただいておりますが、2021年には新たに日系自動車メーカー2社から受注を獲得いたしました。これら4社目、5社目の日系自動車メーカーにおける受注拡大を目指してまいります。あわせて、既に採用いただいている日系自動車メーカー3社においても、当社への切り替え並びに新型車への搭載によるシェアアップを実現すべく販売活動を展開してまいります。また、北米大手自動車メーカー3社のうち2社において当社製品を採用いただいておりますが、2021年1月に残る3社目より認証を取得いたしました。北米大手自動車メーカー3社目におけるビジネスの獲得に向け取り組んでまいります。引き続き、販売拠点のアメリカマブチと生産拠点のメキシコマブチが一体となった拡販活動に取り組み、北米大手自動車メーカー3社すべてにおける搭載車種拡大を目指してまいります。欧州自動車メーカー向けにおいても、これまでの実績を足掛かりに搭載車種の拡大に向けた取り組みを引き続き強化してまいります。パワーウインドウ用モーター市場においては、競争力のある新製品開発への取組みが、今後のビジネス拡大に大きく影響することから、開発・販売活動により一層注力し、更なるシェア拡大を目指してまいります。
② 中・小型電装用モーターの拡販・新用途拡
パワーシート、パーキングブレーキ及びドアクローザー用等の中型電装用モーターについては、当社の標準化戦略に基づき多用途への展開が可能な標準モーターの開発及び受注獲得に取り組んでおり、今後も既存のお客様におけるシェアアップと新たなお客様の開拓に取り組んでまいります。昨今、自動車市場ではEV化への流れが加速しております。当社は、例えば冷却バルブ用モーターのように、EVにおいても使用される用途向けの新製品開発に注力し、市場環境の変化に柔軟に対応してまいります。ブラシ付モーターとブラシレスモーターの双方をラインナップしている当社の強みを生かし、お客様の新たな要望に迅速にお応えし、中型電装用モーターの拡販を図ってまいります。
現在、自動車業界は100年に一度の変革期を迎えており、その影響は自動車電装機器用モーター市場にも波及し、お客様の戦略も大きく変化しております。こうした流れの中で、小型電装用モーターでは従来はお客様が調達していたアクチュエーターのユニット部品について、モーターを組み込んだユニットとしての引合いが増加しております。ユニット製品への対応を本格化し、お客様のニーズにお応えすることで提供価値を高め、市場環境の変化に即した製品開発を強化してまいります。
③ 民生・業務機器用分野における新用途拡販
民生・業務機器用分野においてロボット及び移動体市場は、今後の大きな伸びが見込まれる市場であり、当社製品の採用実績も増加してきております。これらの市場向けの製品ラインナップを拡充し、新たなお客様の開拓を通じて、拡販を本格化させてまいります。また、小型電装用モーターと同様に、モーターを組み込んだユニットとしての引合いが増加しております。これらのニーズに対応することで、新たな付加価値を提供してまいります。全世界で販売が開始されたハイエンド歯ブラシ用の新製品の出荷も本格化しており、高付加価値製品の拡販を通じて民生・業務機器用モーター事業の成長軌道への回帰を目指してまいります。
④ グローバル拠点戦略の推進
メキシコマブチは、米州における強い地産地消ニーズを背景に、ビジネス拡大のけん引役として貢献してまいります。欧州においては、ポーランドマブチが2020年第4四半期に量産を開始し、販売拠点のヨーロッパマブチとの連携を推進しております。これにより欧州市場のお客様のニーズに対して、より的確なソリューションを提供し、ビジネスの拡大を図ってまいります。
⑤ 新たな働き方及び人材戦略の推進
当社では、社員を最も重要な経営資源として位置づけております。これまで進めてきた働き方改革によって、コロナ禍においても問題なく新たな働き方への移行を実現できました。早い段階から取り入れておりましたテレワークについては、前期までに顕在化した各課題への対応を進め、場所や時間に縛られない柔軟な働き方を更に推進してまいります。加えて、社員の能力を最大限に引き出すため人事制度改革への取組みを継続しており、2020年に導入したジョブディスクリプション及びジョブグレードの適用範囲の拡大や、女性活用をはじめとするダイバーシティ施策の強化、社員教育の充実に向けた取組みを強化してまいります。
⑥ サステナビリティへの取り組み
当社の経営理念「国際社会への貢献とその持続的拡大」にあるように、当社は製品や企業活動を通じて社会に貢献することを重視しております。昨今、SDGsをはじめ、社会的課題の解決と持続可能な成長に向けた企業活動が強く求められており、社会の公器として、その責務を果たすことの重要性が高まっていると認識しております。当社は、事業を通じた社会貢献への取り組みを更に加速するため、2020年7月に代表取締役社長CEOを委員長とするサステナビリティ推進委員会を設立しており、議論のテーマに応じて関係部門の責任者を招集し、サステナビリティ課題を全社横断的に検討・議論していく体制を整えております。また、サステナビリティ方針を明確化した上で、当社の強みを活かしたサステナビリティ目標を設定しております。目標達成には多大な努力が必要な課題ではありますが、グループ一丸となって取り組み、目標の達成を図ってまいります。

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