有価証券報告書-第50期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 13:17
【資料】
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【項目】
145項目

対処すべき課題

(1)経営方針
ファナックは1956年に日本で民間初のNCとサーボ機構の開発に成功して以来、一貫して工場の自動化を追求してまいりました。
ファナックの基本技術であるNCとサーボから成るFA事業と、その基本技術を応用したロボット事業およびロボマシン事業の三本柱に、IoTを担うオープンプラットフォーム「FIELD system」を加えた事業を基本として、お客様における製造の自動化と効率化を推進することで、国内外の製造業の発展に貢献してまいります。
また、当社グループでは、様々な判断を行う上で、客観的な指標に相当するものとして、売上高、営業利益、経常利益、純利益等の推移を注視しています。
(2)経営環境及び対処すべき課題
IT関係の一時的需要が引き続き見込めない状況が続くことに加え、国家間等の貿易摩擦の影響を含む各国の関税政策や為替動向などの様々な不透明な要因から、総じて予断を許さない状況が続くものと思われます。
このような状況においても、当社グループは、会社の将来を見据え、短期的な事象に左右されない、長期的な視点に立った経営を続けてまいります。
こうした考えを基本としながら当社グループは、「one FANUC」を合言葉に、FA・ロボット・ロボマシンが一体となったトータルソリューションの提供、およびグループ一体となった世界のお客様への対応、という当社グループならではの強みを最大限活かしてまいります。
また、ファナック商品は製造現場でご使用いただく設備であるとの原点に立ち、お客様の工場におけるダウンタイムを最小にし稼働率向上を図るため、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」を商品開発において徹底いたします。同時に、資本財のサプライヤとしてお客様への供給責任を果たすべく、お客様にご安心いただける生産体制を確保してまいります。
そして世界中のどこでもファナックのグローバルスタンダードに沿った高度なサービスを提供すること、お客様が使用し続ける限り保守を続ける「生涯保守」を行うこと、を基本理念とした「サービス ファースト」を実践してまいります。
さらに、当社グループは、IoT・AI技術を、当社が今後も競争力の高い商品を開発し市場投入していくうえで必要不可欠な技術と考えております。当社はこれらの技術をFA・ロボット・ロボマシンの全ての分野に積極的に適用していくことで、お客様における生産の効率化を一層推進します。
現在、当社を取り巻く事業環境は厳しい状況ではありますが、当社グループは、長期的視点に立ち、商品競争力の強化、セールス・サービス活動の強化、工場の自動化・ロボット化の推進、業務の合理化など、より強い企業体質にするための施策を推し進めます。また、いかなる場合にもお客様への供給責任を果たし、サービス活動を維持することができるよう、生産拠点やサービス拠点の複数化に取り組んでおります。
今後もあらゆる面で当社グループは、創業以来の基本理念である「厳密」と「透明」を徹底し、こうした諸施策をグループ一丸となって推し進めることにより、お客様の当社グループへの安心と信頼を高めるとともに、激しい環境変化に適応することで、永続的な企業となるべく努力してまいります。