有価証券報告書-第50期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/29 12:59
【資料】
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【項目】
119項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、「『価値ある時間』の創造と提供を通して、常に期待される企業集団を目指す」ことを企業理念に掲げ、1969年の創業以来、時代の変化を敏感に捉え挑戦を積み重ねてまいりました。また、「株主重視の基本姿勢」、「ステークホルダーとの良好な関係の維持と、良き企業市民として持続可能な社会の発展に貢献すること」を経営の基本方針に、「国際基準」、「公正な競争」、「高収益の追求」を経営の具体的な指針とした事業活動を通じて、お客様にとっての『価値ある時間』の提供と、社会的な存在意義を追求しております。
「株主重視の基本姿勢」に関しましては、株主への利益還元として、連結配当性向30%以上を基本方針とし、また、配当後の内部留保につきましても、将来における企業価値の増大と配当原資の拡大のために、将来性の高い分野に重点投資する方針です。
「ステークホルダーとの良好な関係の維持と、良き企業市民としての持続可能な社会の発展に貢献すること」に関しましては、株主、投資家、顧客、取引先、従業員、社会全般との良好な関係の維持を常に念頭におくとともに、教育、スポーツ、文化等幅広い分野への支援活動を展開しております。当社グループは、こうした基本方針に則り、「価値ある時間」の創造と提供を通して、世界中の人々に夢と感動をお届けしてまいります。
(2) 重視する経営指標
当社グループは、経営効率化による収益性及び資本効率の向上を目指し、経営指標として売上高事業利益率、売上高営業利益率、売上高当期利益率及び親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を重視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題
① 事業環境の急速な変化への対応
当社グループが事業展開しております「デジタルエンタテインメント事業」、「アミューズメント事業」、「ゲーミング&システム事業」、「スポーツ事業」を取り巻く環境においては、テクノロジーの進化や社会情勢の変化に対応していくことが求められます。
テクノロジーの進化は、人々の生活に様々な変革をもたらしてきました。メタバース、NFT、AI、VR/AR、5G/6G、クラウドなどのデジタル分野における新たな技術もこれからの事業を取り巻く環境に大きな影響をあたえてまいります。これらのテクノロジーは、私たちの持つコンテンツや開発力といった無形資産の価値をさらに高め、新たなユーザー体験の創出にチャレンジすることを可能にし、多くの成長機会をもたらしてくれます。
また、ウクライナ情勢の緊迫化、感染症の拡大や高齢化社会の到来などの社会情勢の急速な変化に対応していくため、スピード感をもって自らが変革し続け、ニューノーマルな環境に対応することが必要です。
当社グループにおいては、これらの変化に対応し、常に時代の波頭を捉えた革新的な製品、サービスを世界中に提供することで、持続的な成長と企業価値向上に努めてまいります。
② 事業の成長と持続可能な社会の実現の両立に向けた経営資源の投入
デジタルエンタテインメント事業においては、ネットワークを介したエンタテインメントの急速な普及により、ゲームに親しんでいただける機会が増加し、そのニーズも一層多様化するものと考えております。これらの「多様性」が求められる中、ゲームコンテンツを通じてそれぞれのデバイスの特性に合わせた遊び方を提案するとともに、最新技術を用いたコンテツ展開やゲームを競技として捉えるeスポーツを通じて新たなユーザー体験の創出に取り組んでまいります。
アミューズメント事業においては、事業を取り巻く各種規制への対応と、遊び方やユーザー嗜好の変化に応じて、長年培ってきたエンタテインメントのノウハウを活かした製品を提供し、市場シェアの拡大に努めてまいります。また、製造の効率化と品質の継続的な向上を追求すると同時に、ビジネスモデルの変革や新規ビジネスへの参入にも取り組んでまいります。
ゲーミング&システム事業においては、カジノが合法化されている国と地域は年々増加傾向にあり、iGaming市場も成長を続ける中で、メーカー間の競争も激しさを増す市場環境にあります。今後、世界的な技術革新の進展に伴い、新技術を先取りした製品への応用や、新しいビジネスモデルの創出等、市場におけるプレゼンスを高め、継続的な成長の実現に向けた取組みを推進してまいります。
スポーツ事業においては、ニューノーマルな環境に対応した安全・安心なサービスが求められています。また、運動を通じて健康を維持することの社会的な意義は大きく、当事業の果たす役割と責任は重みを増していると考えます。皆様の日常において、スポーツに取り組むことができる機会を増やしつつ、各地域社会における学校スポーツ支援や自治体向け健康増進支援等にも取り組んでまいります。
「エンタテインメント」と「スポーツ」の2つの分野で商品・サービスを提供する当社グループにとってビジネスを展開するマーケットが大きな広がりを見せており、成長する機会がますます増えております。また、長期的に成長し、社会と共に発展していくためには、これまで以上にSDGsやESGの視点に立った経営を意識することが必要であります。
地球温暖化が世界共通の重要な課題となる中、化石燃料に頼らない自然エネルギーや再生可能エネルギーの活用を一部事業所で進め、2007年からカーボンニュートラルオフィスとして運用しています。また、広大な森林を保有・管理することで、CO2の吸収源となる森林保全・水源保全にも取り組んでいます。そして、当社の気候変動に対する取り組みをすべてのステークホルダーの皆様にお伝えできるよう、2022年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明いたしました。さらに、社会と共に持続的に発展していくために、未来を支える人材育成にも注力しております。従業員一人ひとりがその能力を十分に発揮し、会社とともに成長できるよう、ダイバーシティや健康経営の推進など、労働環境の整備を行っています。
当社グループは、事業の成長と持続可能な社会の実現の両立に向け、最適な経営資源の投入を図り、社会から常に期待され、必要とされる企業を目指してまいります。