有価証券報告書-第31期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 9:34
【資料】
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【項目】
116項目

対処すべき課題

今後の経済見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復に向かうことが期待されるものの、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気下振れリスク等の影響や、九州地方で発生した地震の影響もあり、景気の先行きは予断を許さないものと考えております。
当社グループの事業領域である「パソコン及びデジタル機器関連製品」においては、パソコン市場は出荷台数の減少が続き、スマートフォン及びタブレット端末は成熟市場となる一方、ウェアラブルデバイスが普及し始める等、パソコン及びデジタル機器の市場環境は引き続き変貌を遂げつつある状況です。
当社グループといたしましては、これら業界動向に鑑み以下の事項を今後の課題と考え、対処してまいる所存です。
(1) 新たな製品・サービス分野への進出
既存製品分野と新規製品分野または既存事業と新規事業との間で、マーケティング、商品開発、製品購買、販売チャネル、物流インフラ及びITインフラ等の当社グループが既に有する機能のうち、複数の機能で関連を持たせながら、顧客ニーズに俊敏に対応し、新たな製品・サービス分野へ進出することで新たな需要を創造し、業績の向上を図る方針です。
(2) 新たな顧客層の獲得
当社グループは、コンシューマ向けには主に家電量販店等、法人向けには主に専門商社等を通じて、製品の販売を行っておりますが、現在の販売チャネルで潜在的ニーズのある全ての顧客層をカバーしておらず、販売チャネルをより細分化したきめ細かいマーケティング機能の強化により新たな顧客層を獲得し、業績の向上を図る方針です。
また、当社グループは、欧州及びアジア圏において海外販売子会社を通じた海外市場の開拓に努めておりますが、平成28年3月期における連結売上高に占める海外売上高の割合は1.5%と、まだ十分な成果が挙がっているとは言えません。海外展開にあたっては、海外子会社のマーケティング機能の充実を図り、海外向け製品の開発を強化するとともにELECOM製品の専門ショップ展開の加速等により、引続き海外市場の開拓を図る方針です。
(3) 利益率の改善
当社グループの製品の多くはライフサイクルが短く、また競合他社との販売競争が激しいため、利益率を維持・向上することは、重要な経営課題の一つと認識しております。当社グループとしましては、グローバルな視点から購買、在庫管理、物流及び販売面において継続的な改善活動を行い、利益率の改善に努める方針です。