有価証券報告書-第68期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 11:53
【資料】
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【項目】
154項目

対処すべき課題

当社グループでは、これまでニッチトップ戦略のもと、国内市場においてバス・鉄道用のワンマン機器や、車載用照明灯具、フォークリフト用充電器など多くの製品分野でトップシェアを獲得し、確かな事業基盤を構築してまいりました。2021年3月期は現中期計画の最終年度であり、AFC(自動運賃収受システム)・TMS(運行管理システム)・SLP(表示・照明・電源)の3つの事業領域の有機的な融合により新しい商品・システムを提案する次期中期事業計画を見据えた重要な年と認識しております。
2016年4月よりスタートした中期5カ年計画「CA2020(Challenge Again 2020)」(2016年度~2020年度)の中で、以下の4つの重点課題を掲げております。
①MaaSの実現に向けた新しい価値の創造
グローバルに広まりつつある移動に関するMaaS(Mobility-as-a-Service)の領域で、当社グループが国内並びに諸外国において役割を果たすべく、新しい時代のニーズに即した製品・サービスを社会に提供してまいります。
具体的には、当社グループで従来から取り組んでまいりましたAFC(自動運賃収受システム)ではさらなるキャッシュレス化に対応する多様な決済サービスを提案してまいります。また、TMS(運行管理システム)では、「LIVU (LECIP Intelligent Vehicle Unit)」を活用した様々な提案が既に可能な状況にあり、MaaSにおいてどのような役割を果たすことができうるか、今後お客様に積極的に提案活動をしてまいります。
②育成分野への経営資源のスムーズな移行
これまで当社グループは、輸送機器事業と産業機器事業の2つのセグメントを持ち、また、レシップ株式会社とレシップエスエルピー株式会社の合併によりその関連性をさらに深めております。この合併により、今後は、ソフト・システム分野中心の事業展開へと一段シフトを強め、技術者に関してもその分野に強みを持った人材の育成並びに採用、さらに他社とのアライアンスも念頭に急激な変化を見せるこの分野の取組みを強化してまいります。
AFC(自動運賃収受システム)、TMS(運行管理システム)、LIVU等当社グループが蓄積しつつある技術を、ある意味社会問題とも認識されている分野に投入することにより社会への提案力を強めていく所存です。
③海外ビジネスの黒字化
当社グループでは、2010年以降、積極的な海外展開を進めており、各地域において以下の活動を展開しております。海外事業全体としては依然として投資フェーズにありますが、地域により、グループ全体の成長、収益力強化に貢献してきております。引き続き海外事業全体での事業強化をめざします。
米国、欧州(スウェーデン)、シンガポール、タイの現地拠点を生かし、マーケティングを基軸に、周辺主要国を含め、さらなる拡大をめざします。
各国では、日本で創出した技術を投入し、製造他優秀な現地パートナーの協力もいただき海外事業全体の黒字化に向け、邁進しております。
④業務プロセス改善による生産性の向上
新基幹系システムの導入に併せた業務プロセスの大幅な見直しも逐次実行しておりますが、従来にも増し作業の効率化と生産性の向上を図り、新しい働き方を追求しながら業務プロセス改善も積極的に推進しております。
中期5カ年計画「CA2020(Challenge Again 2020)」の最終年度となる2020年度、大きな躍進を果たした2019年度までの総力を結集し、コロナウイルス禍という負の試練にも立ち向かい、厳しい現況を克服する所存でございます。2020年度は当社グループにとり新中期計画を立案する重要な年度になります。蓄積しました技術資産をもう一度見つめ直し、さらなる発展をめざしてまいります。