有価証券報告書
35.リスク管理に関する事項
当社グループは、経営活動を行う過程で、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク、株価の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っている。
(1)信用リスク管理
当社グループの「営業債権及びその他の債権」、「その他の金融資産」、「契約資産」のうち償却原価で測定する金融資産及び金融保証契約については、顧客等の信用リスクに晒されている。
当社グループは取引先ごとの期日管理及び残高管理を定期的に行い信用状況を把握する体制としており、取引先の信用補完のため、一部の取引先との取引においては担保の供出を受けている。また、信用状取引や貿易保険等の活用により信用リスクの低減を図っている。
単独の顧客に対して、過度に集中した信用リスクは有していない。
なお、預金及びデリバティブは、いずれも信用度の高い金融機関との取引であることから、それらの信用リスクは限定的である。
連結財政状態計算書に表示されている「営業債権及びその他の債権」、「契約資産」については、常に全期間の予想信用損失と同額で損失評価引当金を測定している(単純化したアプローチ)。
上記以外の償却原価で測定する金融資産については、原則として12カ月の予想信用損失と同額で損失評価引当金を測定しているが、弁済期日を経過した場合等には、信用リスクが当初認識時点より著しく増大したものとして、全期間の予想信用損失と同額で損失評価引当金を測定している(原則的なアプローチ)。
信用リスクが著しく増大している金融資産のうち、債務者が深刻な財政難を理由に弁済条件の大幅な見直しを要請してきた場合など、債権の全部又は一部について回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしている。当社グループは債務者が債務不履行と判断される場合や債務者の破産等による法的整理手続の開始等があった場合には、当該金融資産は信用減損したものと判断している。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額している。
予想信用損失の金額は次のように測定している。
・営業債権及びその他の債権、契約資産
単純化したアプローチに基づき、債権等を相手先の信用リスク特性に応じて区分し、その区分に応じて算定した過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて算定している。
・償却原価で測定されるその他の金融資産
原則的なアプローチに基づき、信用リスクが著しく増大していると判断されていない債権については、同種の資産の過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額の帳簿価額に乗じて算定している。信用リスクが著しく増大していると判定された金融資産及び信用減損金融資産については、見積将来キャッシュ・フローを当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、総額の帳簿価額との差額をもって算定している。
① 損失評価引当金の対象となる資産の残高の総額
本表における同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一である。
② 損失評価引当金の増減
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(注)1.その他の増減には、主として為替換算差による調整額が含まれている。
2.信用減損金融資産には、注記「31.関連当事者」に記載の日本鋳鍛鋼㈱に対する貸付金等が含まれる。
③ 金融保証契約
当社グループでは、主として従業員及び関連会社による金融機関からの借入、並びにCRJ事業における航空機のリース事業等に関するリース先等の債務履行について保証を行っている。
債務保証残高は前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ67,249百万円、66,254百万円である。当該債務保証に関する信用リスクは限定的であり重要性がないことから、上表①、②には含めていない。
(2)流動性リスク管理
当社グループでは、「社債、借入金及びその他の金融負債」、「営業債務及びその他の債務」が流動性リスクに晒されているが、各社が月次に資金繰計画を作成するなどの方法によりリスクを管理している。
当社グループは、運転資金、設備資金については、まず、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について必要な資金を、主として銀行借入や社債発行により調達している。
また、当社グループでは、資金調達の一つの手段として、債権流動化契約による営業債権の現金化を行っている。
なお、当社グループは、信用度の高い銀行との間で未実行のコミットメントライン契約を締結している。
一部の銀行借入の約定は、特定の財務比率及び純資産の一定水準の維持を要求している。
当社グループの金融負債の残存契約満期金額は以下のとおりである。
前連結会計年度(2021年3月31日)
当連結会計年度(2022年3月31日)
金融保証契約については、上表に含まれていない。
金融保証契約は、その履行請求に基づき支払義務が発生する。債務保証残高は(1)③に記載のとおりである。
(3)市場リスク管理
① 為替リスク管理
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、為替の変動に起因したリスクに晒されている。
為替リスクはすでに認識している外貨建債権債務及び将来の仕入・販売などの予定取引から生じる。
当該リスクに対し、当社グループはナチュラルヘッジの考え方により、同一通貨の債権と債務をバランスさせて保持することで為替変動のリスクをヘッジすることを基本方針としているが、必要に応じて一部の外貨建て債権債務や予定取引については先物為替予約や通貨スワップ契約を利用している。
先物為替予約は主として、外貨建の営業債権及び営業債務に係る為替変動リスクをヘッジする目的で使用している。また、通貨スワップ契約は外貨建の借入金等、決済までの期間が比較的長期に渡る金融負債に係る為替変動リスクをヘッジする目的で使用している。
デリバティブ取引は、内部管理規定に基づき実需の範囲内で行うこととしており、投機的な取引は行わない方針である。なお、一部の為替予約取引及び通貨スワップ契約についてはキャッシュ・フロー・ヘッジを適用している。
(ⅰ)為替リスクのエクスポージャー
当社グループにおける為替リスクのエクスポージャー(純額)の主なものは次のとおりである。
なお、デリバティブ取引により、為替変動リスクがヘッジされている金額は除いている。
(ⅱ)為替感応度分析
各連結会計年度において、米ドル及びユーロの各報告期間の末日の為替レートが1%円高になった場合、当社グループの税引前利益に与える影響額は以下のとおりである。
本分析においては、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としている。
② 金利変動リスク管理
当社グループは、変動金利の借入金を有しており、金利変動リスクに晒されている。このうち、長期のものの一部について、支払金利の変動リスクを回避し、支払利息の固定化を図るために、個別契約ごとにデリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用している。なお、金利スワップ取引にはヘッジ会計を適用しており、キャッシュ・フロー・ヘッジを採用している。
(ⅰ)金利リスクのエクスポージャー
当社グループにおける金利リスクのエクスポージャーは次のとおりである。
なお、デリバティブ取引により、金利変動リスクがヘッジされている金額は除いている。
(ⅱ)金利感応度分析
各連結会計年度において、金利が1%上昇した場合に、金利変動の影響を受ける金融商品から生じる、当社グループの税引前利益に与える影響額は以下のとおりである。
本分析は、各連結会計年度末に当社グループが保有する変動金利性の金融商品(預金を除く)に1%を乗じて算出しており、将来にわたる残高の増減、為替変動の影響、変動金利性の借入金に係る借換期間・金利改定時期の分散効果等を考慮せず、その他のすべての変数を一定として計算している。
③ 株価の変動リスク管理
当社グループは、主に他社との関係の強化・維持を目的として取引先等の企業の株式を保有しており、株価の変動リスクに晒されている。株式は主として他社との協業など事業運営上の必要性から保有するものであるため、当該企業との取引関係等に応じて定期的に保有状況の見直しを図っている。このうち、売却方針が決定した銘柄については、その後の株価の変動リスクをヘッジすることを目的に、先渡契約を利用し、公正価値ヘッジを適用することがある。
(ⅰ)株価の変動リスクのエクスポージャー
各連結会計年度末における市場性のある株式の総額は以下のとおりである。
(ⅱ)株価変動感応度分析
各連結会計年度末に当社グループが保有する市場性のある株式の公正価値が10%減少した場合に、連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果控除後)に与える影響は以下のとおりである。
なお、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としている。
④ ヘッジ指定されているデリバティブ取引の連結財政状態計算書への影響額
(ⅰ)キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているデリバティブ取引
前連結会計年度(2021年3月31日)
当連結会計年度(2022年3月31日)
当社グループのヘッジ指定為替予約のうち、主な取引は米ドル売り・円買いの為替予約である。前連結会計年度末、当連結会計年度末の約定平均レートはそれぞれ101.61 円 / ドル、100.68 円 / ドルである。
通貨スワップは、主に米ドル建借入金(固定金利)に対するヘッジ手段(支払円貨額固定・受取米ドル貨額固定)であり、元本交換にかかる約定平均レートは前連結会計年度末及び当連結会計年度末において110.17 円 / ドルである。
また金利スワップに関しては、主として変動金利を固定金利とするスワップ取引を契約している。前連結会計年度末、当連結会計年度末の約定平均レートはそれぞれ2.76%、2.94%である。
上記ヘッジ手段は連結財政状態計算書上は、「その他の金融資産」、「社債、借入金及びその他の金融負債」に流動・非流動に区分して計上している。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金及びヘッジコスト剰余金
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の適格要件を満たすかどうかを評価するために、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化している。また、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し、ヘッジ有効性の要求をすべて満たしているかどうかについても、ヘッジ開始時に評価し文書化することとしており、取引開始後にも継続的に見直している。
なお、当社グループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、その結果ヘッジ比率は原則として1対1の関係となっている。
当社グループのヘッジ手段に係る信用リスクは限定的であり、かつ、為替予約は対象期間が長期に及ばないこと、金利スワップ契約はヘッジ対象である変動金利の借入金と同一の金利指標を参照していること、通貨スワップ契約は、通貨ベーシス・スプレッドを除く部分をヘッジ手段として指定していること及びヘッジ対象である外貨建借入金と主要な条件が一致していることから、関連する重要なヘッジ非有効部分は発生しないと想定している。
純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はなく、ヘッジ対象の価値の変動とヘッジ手段の公正価値の変動は近似しているため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動の記載は省略している。また、ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金はない。
ヘッジコスト剰余金は、すべて期間に関連したヘッジ対象をヘッジする目的で実施した通貨スワップ契約に関して認識したものである。
(ⅲ)公正価値ヘッジとして指定されているデリバティブ取引
当連結会計年度においては以下のとおりである。
前連結会計年度(2021年3月31日)
当連結会計年度(2022年3月31日)
なお、公正価値ヘッジにおけるヘッジ比率は1対1であり、ヘッジ非有効部分はない。
上記ヘッジ手段は連結財政状態計算書上は、「社債、借入金及びその他の金融負債」に計上している。
また、ヘッジ指定されているヘッジ対象が連結財政状態計算書に与える影響は以下のとおりである。
前連結会計年度(2021年3月31日)
当連結会計年度(2022年3月31日)
上記ヘッジ対象は連結財政状態計算書上は、「その他の金融資産」に区分して計上している。
⑤ 連結損益計算書及び連結包括利益計算書における影響
ヘッジ会計の適用による連結損益計算書及び連結包括利益計算書への影響は以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
⑥ 金利指標改革
主要な金利指標の抜本的な改革が世界中で進行しており、ロンドン銀行間取引金利(以下、「LIBOR」)を含むいくつかの銀行間取引金利は代替的なリスクフリーレートに置き換わる。LIBORに関しては、米ドルの一部テナー(期間)を除き、2021年12月末をもって公表が停止され、米ドルLIBORについては2023年6月末をもって公表が停止される。当社グループが保有するLIBORを参照する金融商品のうち、その契約額に重要性のあるものについての代替金利指標への移行状況は以下のとおりである。
・日本円LIBORを参照する金融商品として、借入金(非デリバティブ負債)と金利スワップ(デリバティブ)を保有していたが、2021年12月31日までに東京ターム物リスク・フリー・レート(TORF)等を参照する契約条件への変更を実施した。
・米ドルLIBORを参照する金融商品として、借入金(非デリバティブ負債)と金利スワップ(デリバティブ)を保有しているが、米ドルLIBORの公表停止前に契約満期を迎えることから代替金利指標への移行を予定していない。
当社グループは、経営活動を行う過程で、信用リスク、流動性リスク、市場リスク(為替リスク、金利リスク、株価の変動リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っている。
(1)信用リスク管理
当社グループの「営業債権及びその他の債権」、「その他の金融資産」、「契約資産」のうち償却原価で測定する金融資産及び金融保証契約については、顧客等の信用リスクに晒されている。
当社グループは取引先ごとの期日管理及び残高管理を定期的に行い信用状況を把握する体制としており、取引先の信用補完のため、一部の取引先との取引においては担保の供出を受けている。また、信用状取引や貿易保険等の活用により信用リスクの低減を図っている。
単独の顧客に対して、過度に集中した信用リスクは有していない。
なお、預金及びデリバティブは、いずれも信用度の高い金融機関との取引であることから、それらの信用リスクは限定的である。
連結財政状態計算書に表示されている「営業債権及びその他の債権」、「契約資産」については、常に全期間の予想信用損失と同額で損失評価引当金を測定している(単純化したアプローチ)。
上記以外の償却原価で測定する金融資産については、原則として12カ月の予想信用損失と同額で損失評価引当金を測定しているが、弁済期日を経過した場合等には、信用リスクが当初認識時点より著しく増大したものとして、全期間の予想信用損失と同額で損失評価引当金を測定している(原則的なアプローチ)。
信用リスクが著しく増大している金融資産のうち、債務者が深刻な財政難を理由に弁済条件の大幅な見直しを要請してきた場合など、債権の全部又は一部について回収が極めて困難であると判断された場合には債務不履行とみなしている。当社グループは債務者が債務不履行と判断される場合や債務者の破産等による法的整理手続の開始等があった場合には、当該金融資産は信用減損したものと判断している。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額している。
予想信用損失の金額は次のように測定している。
・営業債権及びその他の債権、契約資産
単純化したアプローチに基づき、債権等を相手先の信用リスク特性に応じて区分し、その区分に応じて算定した過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて算定している。
・償却原価で測定されるその他の金融資産
原則的なアプローチに基づき、信用リスクが著しく増大していると判断されていない債権については、同種の資産の過去の信用損失の実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を総額の帳簿価額に乗じて算定している。信用リスクが著しく増大していると判定された金融資産及び信用減損金融資産については、見積将来キャッシュ・フローを当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、総額の帳簿価額との差額をもって算定している。
① 損失評価引当金の対象となる資産の残高の総額
| (単位:百万円) | |||
| 信用損失の 測定方法 | 区分 | 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) |
| 単純化したアプローチ | - | 1,205,288 | 1,367,327 |
| 原則的なアプローチ | 12カ月の予想信用損失に 等しい金額で測定 | 95,863 | 105,273 |
| 全期間の予想信用損失に 等しい金額で測定 | - | - | |
| 全期間の予想信用損失に 等しい金額で測定 (信用減損) | 9,149 | 8,086 |
本表における同一区分内における金融資産の信用リスク格付けは概ね同一である。
② 損失評価引当金の増減
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 期首残高 | 期中増減額 | 期中目的使用額 | その他の増減 (注)1 | 期末残高 | |
| 単純化したアプローチ 適用引当金 | 12,882 | 875 | △1,840 | 978 | 12,896 |
| 原則的なアプローチ 適用引当金 | |||||
| 信用減損金融資産以外 | 542 | △57 | △21 | △94 | 368 |
| 信用減損金融資産(注)2 | 1,704 | 7,413 | - | 31 | 9,149 |
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 期首残高 | 期中増減額 | 期中目的使用額 | その他の増減 (注)1 | 期末残高 | |
| 単純化したアプローチ 適用引当金 | 12,896 | 1,108 | △644 | 505 | 13,866 |
| 原則的なアプローチ 適用引当金 | |||||
| 信用減損金融資産以外 | 368 | 1,148 | △24 | 31 | 1,524 |
| 信用減損金融資産(注)2 | 9,149 | 186 | - | △1,425 | 7,909 |
(注)1.その他の増減には、主として為替換算差による調整額が含まれている。
2.信用減損金融資産には、注記「31.関連当事者」に記載の日本鋳鍛鋼㈱に対する貸付金等が含まれる。
③ 金融保証契約
当社グループでは、主として従業員及び関連会社による金融機関からの借入、並びにCRJ事業における航空機のリース事業等に関するリース先等の債務履行について保証を行っている。
債務保証残高は前連結会計年度末、当連結会計年度末において、それぞれ67,249百万円、66,254百万円である。当該債務保証に関する信用リスクは限定的であり重要性がないことから、上表①、②には含めていない。
(2)流動性リスク管理
当社グループでは、「社債、借入金及びその他の金融負債」、「営業債務及びその他の債務」が流動性リスクに晒されているが、各社が月次に資金繰計画を作成するなどの方法によりリスクを管理している。
当社グループは、運転資金、設備資金については、まず、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について必要な資金を、主として銀行借入や社債発行により調達している。
また、当社グループでは、資金調達の一つの手段として、債権流動化契約による営業債権の現金化を行っている。
なお、当社グループは、信用度の高い銀行との間で未実行のコミットメントライン契約を締結している。
一部の銀行借入の約定は、特定の財務比率及び純資産の一定水準の維持を要求している。
当社グループの金融負債の残存契約満期金額は以下のとおりである。
前連結会計年度(2021年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 帳簿価額 | 契約上の割引前 キャッシュ・ フロー合計 | 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 | |
| 非デリバティブ負債 | |||||
| 営業債務及びその他の債務 | 763,731 | 763,731 | 761,310 | 2,289 | 131 |
| 社債 | 195,000 | 198,738 | 45,756 | 92,112 | 60,870 |
| コマーシャル・ペーパー | 196,000 | 196,000 | 196,000 | - | - |
| 短期借入金 | 50,527 | 50,527 | 50,527 | - | - |
| 長期借入金 | 464,095 | 479,744 | 35,454 | 217,179 | 227,110 |
| 債権流動化に伴う支払債務 | 88,306 | 88,306 | 38,561 | 49,745 | - |
| リース負債 | 129,353 | 137,526 | 25,341 | 79,510 | 32,674 |
| その他の金融負債 | 100,536 | 101,663 | 57,207 | 26,428 | 18,028 |
| デリバティブ負債 | 12,190 | 12,190 | 6,835 | 5,355 | - |
| 合計 | 1,999,741 | 2,028,429 | 1,216,995 | 472,619 | 338,814 |
当連結会計年度(2022年3月31日)
| (単位:百万円) | |||||
| 帳簿価額 | 契約上の割引前 キャッシュ・ フロー合計 | 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 | |
| 非デリバティブ負債 | |||||
| 営業債務及びその他の債務 | 863,281 | 863,281 | 859,485 | 3,699 | 96 |
| 社債 | 205,000 | 209,130 | 10,773 | 107,160 | 91,197 |
| 短期借入金 | 67,324 | 67,324 | 67,324 | - | - |
| 長期借入金 | 462,609 | 474,400 | 94,382 | 187,516 | 192,502 |
| 債権流動化に伴う支払債務 | 94,825 | 94,825 | 41,293 | 53,532 | - |
| リース負債 | 134,190 | 139,144 | 30,309 | 83,114 | 25,719 |
| その他の金融負債 | 98,361 | 98,281 | 54,406 | 26,082 | 17,792 |
| デリバティブ負債 | 15,963 | 15,963 | 14,642 | 1,320 | - |
| 合計 | 1,941,556 | 1,962,351 | 1,172,617 | 462,426 | 327,307 |
金融保証契約については、上表に含まれていない。
金融保証契約は、その履行請求に基づき支払義務が発生する。債務保証残高は(1)③に記載のとおりである。
(3)市場リスク管理
① 為替リスク管理
当社グループは、グローバルに事業を展開しており、為替の変動に起因したリスクに晒されている。
為替リスクはすでに認識している外貨建債権債務及び将来の仕入・販売などの予定取引から生じる。
当該リスクに対し、当社グループはナチュラルヘッジの考え方により、同一通貨の債権と債務をバランスさせて保持することで為替変動のリスクをヘッジすることを基本方針としているが、必要に応じて一部の外貨建て債権債務や予定取引については先物為替予約や通貨スワップ契約を利用している。
先物為替予約は主として、外貨建の営業債権及び営業債務に係る為替変動リスクをヘッジする目的で使用している。また、通貨スワップ契約は外貨建の借入金等、決済までの期間が比較的長期に渡る金融負債に係る為替変動リスクをヘッジする目的で使用している。
デリバティブ取引は、内部管理規定に基づき実需の範囲内で行うこととしており、投機的な取引は行わない方針である。なお、一部の為替予約取引及び通貨スワップ契約についてはキャッシュ・フロー・ヘッジを適用している。
(ⅰ)為替リスクのエクスポージャー
当社グループにおける為替リスクのエクスポージャー(純額)の主なものは次のとおりである。
なお、デリバティブ取引により、為替変動リスクがヘッジされている金額は除いている。
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | |
| 米ドル | 132,577 | 185,757 |
| ユーロ | 39,183 | 24,684 |
(ⅱ)為替感応度分析
各連結会計年度において、米ドル及びユーロの各報告期間の末日の為替レートが1%円高になった場合、当社グループの税引前利益に与える影響額は以下のとおりである。
本分析においては、その他の変動要因(残高、金利等)は一定であることを前提としている。
| (単位:百万円) | ||
| 税引前利益 | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
| 米ドル | △1,326 | △1,858 |
| ユーロ | △392 | △247 |
② 金利変動リスク管理
当社グループは、変動金利の借入金を有しており、金利変動リスクに晒されている。このうち、長期のものの一部について、支払金利の変動リスクを回避し、支払利息の固定化を図るために、個別契約ごとにデリバティブ取引(金利スワップ取引)を利用している。なお、金利スワップ取引にはヘッジ会計を適用しており、キャッシュ・フロー・ヘッジを採用している。
(ⅰ)金利リスクのエクスポージャー
当社グループにおける金利リスクのエクスポージャーは次のとおりである。
なお、デリバティブ取引により、金利変動リスクがヘッジされている金額は除いている。
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | |
| 変動金利の借入金 | 27,546 | 51,981 |
(ⅱ)金利感応度分析
各連結会計年度において、金利が1%上昇した場合に、金利変動の影響を受ける金融商品から生じる、当社グループの税引前利益に与える影響額は以下のとおりである。
本分析は、各連結会計年度末に当社グループが保有する変動金利性の金融商品(預金を除く)に1%を乗じて算出しており、将来にわたる残高の増減、為替変動の影響、変動金利性の借入金に係る借換期間・金利改定時期の分散効果等を考慮せず、その他のすべての変数を一定として計算している。
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |
| 税引前利益 | △275 | △520 |
③ 株価の変動リスク管理
当社グループは、主に他社との関係の強化・維持を目的として取引先等の企業の株式を保有しており、株価の変動リスクに晒されている。株式は主として他社との協業など事業運営上の必要性から保有するものであるため、当該企業との取引関係等に応じて定期的に保有状況の見直しを図っている。このうち、売却方針が決定した銘柄については、その後の株価の変動リスクをヘッジすることを目的に、先渡契約を利用し、公正価値ヘッジを適用することがある。
(ⅰ)株価の変動リスクのエクスポージャー
各連結会計年度末における市場性のある株式の総額は以下のとおりである。
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | |
| 市場性のある株式 | 379,890 | 310,322 |
(ⅱ)株価変動感応度分析
各連結会計年度末に当社グループが保有する市場性のある株式の公正価値が10%減少した場合に、連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果控除後)に与える影響は以下のとおりである。
なお、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としている。
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | |
| その他の包括利益(税効果控除後) | △26,421 | △21,573 |
④ ヘッジ指定されているデリバティブ取引の連結財政状態計算書への影響額
(ⅰ)キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されているデリバティブ取引
前連結会計年度(2021年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| ヘッジ手段 | 契約額/ 想定元本 | 内、1年超 | ヘッジ手段の帳簿価額 | |
| 資産 | 負債 | |||
| 為替リスク | ||||
| 為替予約 | 170,566 | 40,377 | 1,138 | 4,945 |
| 通貨スワップ | 65,761 | 32,880 | 3,275 | - |
| 金利リスク | ||||
| 金利スワップ | 82,761 | 42,823 | - | 3,966 |
当連結会計年度(2022年3月31日)
| (単位:百万円) | ||||
| ヘッジ手段 | 契約額/ 想定元本 | 内、1年超 | ヘッジ手段の帳簿価額 | |
| 資産 | 負債 | |||
| 為替リスク | ||||
| 為替予約 | 189,570 | 67,396 | 2,870 | 6,759 |
| 通貨スワップ | 72,699 | - | 416 | - |
| 金利リスク | ||||
| 金利スワップ | 84,699 | 9,887 | - | 989 |
当社グループのヘッジ指定為替予約のうち、主な取引は米ドル売り・円買いの為替予約である。前連結会計年度末、当連結会計年度末の約定平均レートはそれぞれ101.61 円 / ドル、100.68 円 / ドルである。
通貨スワップは、主に米ドル建借入金(固定金利)に対するヘッジ手段(支払円貨額固定・受取米ドル貨額固定)であり、元本交換にかかる約定平均レートは前連結会計年度末及び当連結会計年度末において110.17 円 / ドルである。
また金利スワップに関しては、主として変動金利を固定金利とするスワップ取引を契約している。前連結会計年度末、当連結会計年度末の約定平均レートはそれぞれ2.76%、2.94%である。
上記ヘッジ手段は連結財政状態計算書上は、「その他の金融資産」、「社債、借入金及びその他の金融負債」に流動・非流動に区分して計上している。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金及びヘッジコスト剰余金
| (単位:百万円) | ||
| 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計年度 (2022年3月31日) | |
| キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金 | ||
| 為替リスク | ||
| 為替予約 | △5,673 | △4,283 |
| 通貨スワップ | 2,286 | 476 |
| 金利リスク | ||
| 金利スワップ | △2,758 | △687 |
| 合計 | △6,145 | △4,493 |
| ヘッジコスト剰余金 | ||
| 通貨スワップ | △7 | △185 |
| 合計 | △7 | △185 |
当社グループは、ヘッジ関係がヘッジ会計の適格要件を満たすかどうかを評価するために、取引開始時に、ヘッジ手段とヘッジ対象との関係、並びに種々のヘッジ取引の実施についてのリスク管理目的及び戦略について文書化している。また、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動を相殺するに際し、ヘッジ有効性の要求をすべて満たしているかどうかについても、ヘッジ開始時に評価し文書化することとしており、取引開始後にも継続的に見直している。
なお、当社グループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、その結果ヘッジ比率は原則として1対1の関係となっている。
当社グループのヘッジ手段に係る信用リスクは限定的であり、かつ、為替予約は対象期間が長期に及ばないこと、金利スワップ契約はヘッジ対象である変動金利の借入金と同一の金利指標を参照していること、通貨スワップ契約は、通貨ベーシス・スプレッドを除く部分をヘッジ手段として指定していること及びヘッジ対象である外貨建借入金と主要な条件が一致していることから、関連する重要なヘッジ非有効部分は発生しないと想定している。
純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はなく、ヘッジ対象の価値の変動とヘッジ手段の公正価値の変動は近似しているため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動の記載は省略している。また、ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金はない。
ヘッジコスト剰余金は、すべて期間に関連したヘッジ対象をヘッジする目的で実施した通貨スワップ契約に関して認識したものである。
(ⅲ)公正価値ヘッジとして指定されているデリバティブ取引
当連結会計年度においては以下のとおりである。
前連結会計年度(2021年3月31日)
| (単位:百万円) | ||
| ヘッジ手段の帳簿価額 | ||
| 資産 | 負債 | |
| 株価の変動リスク | ||
| 先渡契約 | - | 2,172 |
当連結会計年度(2022年3月31日)
| (単位:百万円) | ||
| ヘッジ手段の帳簿価額 | ||
| 資産 | 負債 | |
| 株価の変動リスク | ||
| 先渡契約 | - | 3,117 |
なお、公正価値ヘッジにおけるヘッジ比率は1対1であり、ヘッジ非有効部分はない。
上記ヘッジ手段は連結財政状態計算書上は、「社債、借入金及びその他の金融負債」に計上している。
また、ヘッジ指定されているヘッジ対象が連結財政状態計算書に与える影響は以下のとおりである。
前連結会計年度(2021年3月31日)
| (単位:百万円) | ||
| ヘッジ対象 | 帳簿価額 | ヘッジ対象の帳簿価額に 含められたヘッジ対象に 係る公正価値ヘッジ調整 の累計額 |
| 株価の変動リスク | 12,929 | 493 |
当連結会計年度(2022年3月31日)
| (単位:百万円) | ||
| ヘッジ対象 | 帳簿価額 | ヘッジ対象の帳簿価額に 含められたヘッジ対象に 係る公正価値ヘッジ調整 の累計額 |
| 株価の変動リスク | 11,105 | 2,410 |
上記ヘッジ対象は連結財政状態計算書上は、「その他の金融資産」に区分して計上している。
⑤ 連結損益計算書及び連結包括利益計算書における影響
ヘッジ会計の適用による連結損益計算書及び連結包括利益計算書への影響は以下のとおりである。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
| (単位:百万円) | |||
| その他の包括利益で 認識されたヘッジ手段の 公正価値変動 | その他の資本の構成要素から 純損益に組替調整として 振替えた金額 | 組替調整として 振替えられた 純損益の表示科目 | |
| 為替リスク | |||
| 為替予約 | △4,882 | 3,183 | 金融費用 |
| 通貨スワップ | 3,162 | △3,151 | 金融収益 |
| 金利リスク | |||
| 金利スワップ | △313 | 1,657 | 金融費用 |
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
| (単位:百万円) | |||
| その他の包括利益で 認識されたヘッジ手段の 公正価値変動 | その他の資本の構成要素から 純損益に組替調整として 振替えた金額 | 組替調整として 振替えられた 純損益の表示科目 | |
| 為替リスク | |||
| 為替予約 | △1,941 | 1,616 | 金融費用 |
| 通貨スワップ | 6,345 | △9,204 | 金融収益 |
| 金利リスク | |||
| 金利スワップ | 947 | 2,029 | 金融費用 |
⑥ 金利指標改革
主要な金利指標の抜本的な改革が世界中で進行しており、ロンドン銀行間取引金利(以下、「LIBOR」)を含むいくつかの銀行間取引金利は代替的なリスクフリーレートに置き換わる。LIBORに関しては、米ドルの一部テナー(期間)を除き、2021年12月末をもって公表が停止され、米ドルLIBORについては2023年6月末をもって公表が停止される。当社グループが保有するLIBORを参照する金融商品のうち、その契約額に重要性のあるものについての代替金利指標への移行状況は以下のとおりである。
・日本円LIBORを参照する金融商品として、借入金(非デリバティブ負債)と金利スワップ(デリバティブ)を保有していたが、2021年12月31日までに東京ターム物リスク・フリー・レート(TORF)等を参照する契約条件への変更を実施した。
・米ドルLIBORを参照する金融商品として、借入金(非デリバティブ負債)と金利スワップ(デリバティブ)を保有しているが、米ドルLIBORの公表停止前に契約満期を迎えることから代替金利指標への移行を予定していない。