有価証券報告書

【提出】
2026/06/24 11:49
【資料】
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【項目】
156項目

有報資料

以下の記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
(1)経営方針・経営戦略等
①当連結会計年度の経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済はAI関連投資等の拡大により、全体としては堅調な成長が続き、日本経済も、企業のデジタル関連投資や個人消費を中心に緩やかな回復基調を維持した。一方、経済政策の不確実性や中東情勢をはじめとする国際政治の不安定化などにより、先行きには引き続き不透明感が残る状況となった。
かかる経営環境下においても、当社グループは長い歴史の中で培われた技術に最先端の知見を取り入れ、変化する社会課題の解決に挑み、サステナブルで安全・安心・快適な社会と人々の豊かな暮らしの実現に貢献していく。
②中期経営計画「2024事業計画」
2024年4月から開始した中期経営計画「2024事業計画」は、事業成長と収益力の更なる強化の両立に向け、「伸長事業」と「成長領域」を重点領域とし、「ポートフォリオ経営の強化」、「技術・人的基盤の強化」及び「MISSION NET ZEROの推進」に取り組んでいる。加えて、2025年5月には新たな経営方針として「高利益体質と成長投資の好循環」を掲げ、かつてないスピード感で「全体最適※1」と「領域拡大※2」に取り組む「Innovative Total Optimization(ITO)」を推進している。
2026年度における「売上収益5.7兆円以上」、「事業利益4,500億円以上(事業利益率8%以上)」、「ROE12%以上」等の目標に向けてITOの各種施策に取り組んでおり、当事業年度では、「事業利益率8%以上」と「ROE12%以上」を1年前倒しで達成した。
※1 組織の連携を強化し、生産性の向上と収益力の強化を図る取組
※2 より多くの地域や顧客にスピード感を持って新しい価値を提供する取組
③「MISSION NET ZERO」に向けた取組
サステナブルで安全・安心な社会の実現に向け、MISSION NET ZEROに取り組んでおり、Scope1、2※3のCO2排出量を2030年に2014年比で50%削減するという目標に対して、2025年で43%削減(一部概算値を含む)を見込んでいる。これに加え、三原製作所では工場のカーボンニュートラル化を進めており、太陽光発電設備等の既存技術の導入にとどまらず、工場脱炭素化に向けた新たな技術の実証と導入を進めている。また、Scope3※3については当社のバリューチェーン全体からのCO2排出量削減(2019年比で、2030年に50%)が目標であり、この達成に向けて高砂水素パークや長崎カーボンニュートラルパークなどで様々なソリューションの開発・実証を進めている。
※3 Scope1は当社のCO2直接排出を、Scope2は主に電気の使用に伴うCO2間接排出を、Scope3はScope1、Scope2以外の当社バリューチェーン全体でのCO2間接排出を示す。算定基準は温室効果ガス(GHG)排出量の算定と報告の国際基準であるGHGプロトコルに準じる。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く事業環境は急速に変化している。国際政治の不安定化やサプライチェーンの寸断リスクの高まりに加え、多くの国でモノづくり産業基盤の弱体化が進んでいる。また、自然災害や労働力不足などの社会課題が顕在化する一方で、AIを中心とする技術のイノベーションは飛躍的に進展している。
こうした事業環境の下、当社グループとしては、課題解決に貢献できる領域が増え、これまで以上の事業機会が生まれる状況にある。
具体的には、安全・安心な社会の実現、エネルギーの安定供給、モノづくり産業基盤の再構築、社会インフラニーズの多様化、顧客のBCM※4強化、経済と環境の両立といった分野において、レジリエンスの観点からの事業機会が考えられる。これらの機会を確実に捉えるための成長戦略を立案しつつ、変化を上回るスピードで事業遂行能力を高めることが急務である。
このため、当社では、引き続きITOの「全体最適」と「領域拡大」の両輪による各種取組を加速し、人的基盤の強化とDXを進めながら、「伸長事業の着実な遂行」や「成長領域の事業化推進」に注力していく。
※4 Business Continuity Management(事業継続マネジメント)
①伸長事業を中心としたITOの取組
エネルギー(GTCC※5・原子力)、防衛の分野では、旺盛な需要を背景に獲得した多くの受注について、高い品質を維持しながら、着実かつタイムリーに履行していく。
「全体最適」の縦軸の取組としては、GTCCの生産プロセスの最適化など、効率的で無駄のない体制で生産能力を増強する。また、横軸の取組としては、飛しょう体事業への他事業のノウハウやAIなどの活用により生産能力の向上を図るほか、豪州の次期汎用フリゲートプログラムやGTCC等で、海外プラント経験者やプラントエンジニアを事業部門の枠組を越えて初期段階から集中的に投入するなど、確実に工事を遂行していく。これらの「全体最適」の実践を通じて、高利益体質への変革を実現する。
さらに、「領域拡大」としては、長期的視点で固定観念にとらわれない新たな顧客価値の創造に挑戦するための成長投資にも取り組んでいく。
これらを進めるに当たっては、当社グループがこれまで培ってきた豊富な技術や経験、人的リソースを共通基盤として、部門や製品分野を越えて柔軟に活用することでシナジーを創出していく。
※5 Gas Turbine Combined Cycle
②成長領域の事業化推進
データセンター関連市場は、生成AI・IoTの進展により需要が増加する一方、電力や冷却・配電等の設備供給の逼迫等が課題である。当社グループは、これらのシステムをモジュール化し、最適化したユーティリティの供給と、機器の保守・サービスの提供を行うことで、データセンターの稼働における効率と安定性の両立に貢献していく。また、高度セキュリティ環境の実現に対する顧客ニーズの高まりに合わせ、分散型のデジタルインフラに対応する製品の開発を推進する。
エナジートランジションに関しては、エネルギーセキュリティと産業競争力の維持を考慮する現実的な路線に進んでいる。当社グループは、CO2回収や次世代地熱発電向けORC※6等の製品開発を、経済合理性も兼ね備えたソリューション提供の観点で進め、S+3E※7の実現に注力する。
当社グループは、成長領域が社会のニーズに合わせて変わっていくと認識しており、広く「レジリエンス基盤領域」として対象を捉え、戦略を立案・推進していく。
※6 Organic Rankine Cycle(有機ランキンサイクル)
※7 安全性(Safety)、電力の安定供給(Energy security)、経済性 (Economic efficiency)、環境(Environment)
③人的基盤の強化とDX推進
事業の確実な遂行と持続的な成長を支えるため、生産性向上と並行して、強固な人的基盤を構築していくことが不可欠である。人的リソースを着実に拡充するとともに、新たに加わる社員が早期に組織に適応し活躍できるよう、事業に応じた最適な教育を実施していく。
また、AIを活用した熟練技能の形式知化を推進し、当社グループの競争力の源泉であるモノづくりの技術・技能を次世代へ確実に伝承する。
さらに、様々な製品に応用可能な設計支援ITツールの活用やシステムの統廃合によって、業務のスピードアップとIT投資効率の最大化を両立する。
これらDX推進の中核となるDI※8人材を育成するため、レベル別の認定制度による成長の可視化、コミュニティ活動を通じた知見の共有、実践に引き続き取り組んでいく。
※8 Digital Innovation
当社グループは、以上の諸施策を通じ、社会課題の解決に貢献していく。このように事業を発展し成長させていく上では、従来同様コンプライアンスが大前提であるとの認識の下で各種施策を進めていく。

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