有価証券報告書-第188期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 15:23
【資料】
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【項目】
129項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは産業の高度化と社会資本の充実に役立つ製品を提供し、より豊かな人間環境づくりをめざすことを基本理念としております。また、株主・取引先・従業員・地域社会など関係するすべての人々の信頼と期待に応えるために、事業を遂行するに当たり、絶えざる革新による新たな価値の創造に努めることを行動指針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、連結売上高経常利益率5%の安定的確保を中長期の目標としております。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループは、より厳しさを増す市場環境に対し、下記の5つの基本方針のもと、経営資源の一層の効率活用を図り、中長期経営目標を実現する体制の構築に取り組んでまいります。
また、親会社であるJR東海との技術・人材交流を通じて相互補完・協力・連携関係を一層強化し、鉄道車両および周辺分野での総合的な技術の磨き上げを図ってまいります。
①当社の強みを発揮できる事業展開による利益の確保
基幹事業である鉄道車両事業の基盤強化に総力を挙げて取り組むとともに、顧客ニーズにマッチした製品・サービスの提供により各事業分野の得意領域で強みを発揮し、また、コストダウン推進により競争力を高めて安定した受注の確保に努めます。
②新たな柱の創出と新機軸での事業展開
既存事業周辺分野の深耕により新たな柱となり得る製品・事業の創出につとめ、従来発想に囚われない新機軸で既存事業の効率化・活性化を進めます。
③JR東海グループ推進事業への積極的参画
親会社との協力関係緊密化により、JR東海グループ全体の企業価値向上に貢献するとともに、当社グループの事業の育成に努めます。
④総合力発揮による技術・製品開発の推進
各事業部門と開発部門の効果的な連携により計画的かつ効率的な開発を推進するとともに、親会社との共同研究・開発を推進し、既存事業の競争力強化と新規事業の創出を図ります。
⑤体制強化・人材育成
社員の活性化および人材育成に努め、強化すべき事業と業務における体制構築を推進します。
(4)対処すべき課題
鉄道車両事業は、国内市場につきましては中長期的な市場の拡張性が乏しく、現在の運用車両の更新が需要の中心となることから今後も受注環境の厳しさは続くものと予想されます。このため、技術開発による差別化と、生産プロセスの効率化等によるコスト低減に努め、競争力の強化を継続して進めてまいります。アジア市場につきましては、インドネシア向け大型鉄道車両案件についてプロジェクト推進体制の見直しを図るなど、これ以上損失が拡大しないよう取り組んでまいります。北米事業につきましては、大きな損失が発生している米国向け大型鉄道車両案件に関して、設計部門における専任体制強化など当該案件の安定的かつ着実な遂行に向けた取組みを行ってまいりましたが、設計の見直しに対応する中で技術的な課題に直面し、当該案件を予定通り遂行することが困難になった旨を客先に申し入れ、現在協議を行っております。このため、今後案件を適切に遂行していくための方向性について引き続き客先と協議を行ってまいります。これらの施策につきましては、当社グループの総力を挙げて早期の問題解決にあたり、業績改善に努めてまいります。
輸送用機器・鉄構事業は、輸送用機器は厳しい受注環境の中、市場トレンドを機敏に捉えた製品開発とコスト低減を進め、受注確保と新規顧客の開拓に努めてまいります。鉄構では、橋梁工事などでの客先仕様に応える技術提案能力の強化やコスト低減に努め、受注量を確保するとともに、補修・保全案件などの周辺分野への事業展開も進めてまいります。
建設機械事業は、堅調な国内需要に応える生産体制の維持・強化とアジアを中心とした海外市況に対して各地域ニーズに合った柔軟な対応を進めることで、事業機会の確実な取り込みに努めてまいります。
その他の事業においても、市場ニーズにきめ細かく対応する製品提案により、収益確保に努めてまいります。