有価証券報告書-第115期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 11:39
【資料】
PDFをみる
【項目】
128項目

対処すべき課題

(1)当社グループの現状の認識について
当期における我が国の経済情勢は、消費増税による個人消費の落ち込みや急激な円安に伴う輸入価格上昇等によりマイナス成長となりましたが、政府の景気刺激策の効果や原油安のプラス影響等により明るい兆しも見られるようになりました。世界においては、中国の景気減速や中東・ウクライナ問題等の地政学的リスク等があるものの、米国の景気回復や欧州経済の持ち直し等により総じて堅調に推移いたしました。
当社グループは、世界5極での開発・生産体制を有するグローバルサプライヤーとして、今後とも受注活動の強化、生産性向上、相互供給・相互補完に加え、原価低減諸施策のさらなる展開を図り、業績向上に取り組んで参る所存であります。
(2)当面の対処すべき課題の内容
当社グループは、グローバルサプライヤーとして、世界の自動車産業動向等に柔軟に対応できる開発・生産・販売体制の確立及び経営体制・組織の再編強化と、企業活動の内部統制充実が課題であります。
これに対処すべく、市場・得意先ニーズを先取りした新技術・新製品開発、環境保全等に加え、生産性向上、原価低減、品質向上活動など、経営体質強化に努めてまいります。
なお、平成25年3月22日、当社は自動車用ランプの取引に関し独占禁止法に違反する行為があったとして、公正取引委員会から排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。本件におけるこれらの命令につきましては、その内容を慎重に検討いたしました結果、当社の認識と異なり、承服できないものであることから、同年5月23日、同委員会に対し審判の請求を行い、現在、その手続きが進行しております。審判において当社の考え方を説明し、公正な判断を求めてまいります。
本件に関連しましては、米国及びカナダにおいて、当社及び当社の米国子会社に対して、損害賠償を求める集団訴訟が提起されております。原告らの主張を精査した上で、適切に対処してまいります。
今後とも社会的責任を果たすべき企業として、全てのステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、更なるコンプライアンス体制強化と再発防止策の徹底を図り、企業倫理遵守及び信頼回復に努めてまいります。
(3)対処方針
当社グループは、「光」をテーマとしてお客様のニーズを創造し、社会の進歩発展に貢献するとともに、株主・お客様・従業員・取引先等全てのステークホルダーとの共存共栄を図ることを経営の基本方針としております。また、CSR(企業の社会的責任)などから、「人と地球にやさしいものづくり」を全ての事業活動において展開、環境保全活動、社会貢献活動に取り組んでまいります。
(4)具体的な取組状況等
当社グループは、企業価値の拡大・最大化を実現するため、次の取組みを行っております。
①自動車産業の世界最適生産の拡大に対応すべく、海外における開発・生産・販売部門を更に強化するなどグローバル5極体制(日本・北米・欧州・中国・アジア)の充実を図る。
②お客様・市場ニーズを先取りした先端技術の開発と迅速な商品化を図り、タイムリーに魅力ある商品を提供する。
③高品質・安全性を追求するとともに、環境保全及びコンプライアンス強化を推進する。
④経営資源の確保と有効活用により、収益構造・企業体質の更なる強化を図る。
上記に関する具体的諸施策を講じ、株主・お客様・従業員・取引先の満足度向上、環境保全及び内部統制充実に向け努力していく所存であります。
(5)会社の支配に関する基本方針について
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきものであると考えております。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
当社は、企業価値の拡大・最大化を実現するため、上記(4)に記載の取組みを行っております。当該取組みを着実に実行することにより、当社の持つ経営資源を有効に活用すると共に、様々なステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させ、当社及び当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の向上に資することができると考えております。なお、この取組みは、当社の企業価値を継続的かつ持続的に向上させるものとして策定されていることから、基本方針に沿っており、株主共同の利益を損なうものではなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものではないと、取締役会は判断しております。