訂正有価証券報告書-第114期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2020/06/19 15:33
【資料】
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【項目】
124項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりである。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものである。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、貸倒引当金、たな卸資産、投資、繰延税金資産、退職給付に係る負債及び資産、製品保証引当金などの計上に関して、見積りによる判断を行っている。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、当初の見積りとは異なる場合があり、業績に悪影響を与える可能性がある。
当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えている。
① 貸倒引当金
当社グループは貸倒懸念債権等特定の債権について、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上している。相手先の財務状況が悪化するなどその支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性がある。
② たな卸資産
当社グループはたな卸資産について、推定される将来需要及び市場状況に基づき収益性の低下の程度を見積もり、評価減を計上している。実際の需要または市場状況が推定より悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性がある。
③ 投資の減損
当社グループは非公開会社への投資について、投資先の財政状態が著しく悪化し、かつ回復可能性が見込めない場合に減損処理を行っている。将来の投資先の業績不振などにより、現在反映されていない評価損の計上が必要となる可能性がある。
④ 繰延税金資産
当社グループは繰延税金資産について、将来の実現性が高い税務計画に基づき回収可能性があると判断した金額まで計上している。今後、繰延税金資産の全部または一部が将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産が調整され、費用が増加する可能性がある。
⑤ 退職給付に係る負債及び資産
当社グループは退職給付債務及び年金資産について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出している。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率及び年金資産の長期収益率などがある。それぞれの前提条件は、現時点で十分に合理的と考えられる方法で計算されているが、前提条件の変化等が退職給付債務及び年金資産に悪影響を与え、費用が増加する可能性がある。
⑥ 製品保証引当金
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に充てるために、保証書の約定に従い、過去の実績を基礎に見積りを行い、製品保証引当金を計上している。実際の発生費用が見積りの金額よりも悪化した場合、見積り額の修正が必要となる可能性がある。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 当連結会計年度の概況
当連結会計年度の経営成績は、売上高1兆9,269億円(前年度比2.5%増)、営業利益1,715億円(前年度比0.3%増)、経常利益は1,866億円(前年度比0.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,146億円(前年度比2.0%減)となった。
② 売上高
当連結会計年度の売上高は、1兆9,269億円(前年度比2.5%増)と増加した。
国内商用車市場において、燃費・経済性に優れた商品の投入により、普通トラックで33.4%(前年度比1.1ポイント減)、2-3トンクラスで39.2%(前年度比1.4ポイント減)と引き続き高いシェアを維持することができた。底堅い代替需要や政府の景気刺激策等もあり、普通トラックの全需は88,263台(前年度比0.7%増)、2-3トンクラスの全需についても98,161台(前年度比1.7%増)と増加している。この結果、国内売上は6,931億円(前年度比1.7%増)と増加した。
アジア地域への売上高は5,414億円(前年度比3.2%増)と増加している。また、タイ市場において当社グループは33%と高い水準のシェアを引き続き維持している。
北米地域への売上高は1,412億円(前年度比12.2%増)と増加している。これは米国経済が堅調に推移しており、全需が増加したことに加え、現地における販売促進活動によるものである。
その他地域への売上高は5,510億円(前年度比0.7%増)と増加している。これは、主に大洋州・欧州等での販売が増加したことによる。
③ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は1,715億円(前年度比0.3%増)となった。
増益要因として、原価低減活動210億円、円安による為替変動75億円、経済変動73億円が挙げられる一方、成長戦略関連費用251億円、売上増加に伴う費用増加61億円、売上変動及び構成差41億円等が減益要因となっている。
この結果、当連結会計年度における売上高営業利益率は8.9%(前年度9.1%)となった。
④ 営業外損益
当連結会計年度における営業外損益は151億円の利益であり、前連結会計年度に比べて11億円減益となっている。
持分法による投資利益は91億円となり、前連結会計年度に比べて5億円の減益となっている。
また、受取利息及び受取配当金の減少にともない、受取利息及び受取配当金から支払利息を差し引いた純額は32億円の益となり、前連結会計年度に比べて7億円悪化した。為替差益は26億円となり、前連結会計年度に比べて13億円悪化している。一方で、訴訟和解金が10億円減少している。
⑤ 特別損益
前連結会計年度には、特別損失で、固定資産処分損、減損損失等が挙げられ、特別利益で、固定資産売却益及び子会社株式売却益等があり、特別損益は31億円の損失であった。
当連結会計年度は3億円の損失となり、前連結会計年度に比べて28億円改善している。当連結会計年度の主な項目として、特別損失で、固定資産処分損、減損損失等が挙げられ、特別利益で、固定資産売却益及び段階取得に係る差益等が挙げられる。
⑥ 税金費用
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額とを加えた金額は、前連結会計年度では442億円の損失であったが、当連結会計年度では500億円の損失となった。
⑦ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主にアセアン現地法人、中国現地法人、北米現地法人、国内部品製造会社の非支配株主に帰属する当期純利益からなり、前連結会計年度の229億円に対し、当連結会計年度は216億円となった。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,146億円となり、前連結会計年度に比べて23億円の減益となった。1株当たり当期純利益は138.43円となった。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末における総資産残高は1兆8,092億円となり、前連結会計年度末に比べて73億円増加している。
主な内訳としては、現金及び預金が540億円、投資有価証券が115億円減少した一方で、リース債権及びリース投資資産が205億円、たな卸資産が160億円、有形固定資産が266億円、繰延税金資産が69億円増加している。
② 負債
当連結会計年度末における負債総額は、9,116億円となり、前連結会計年度末に比べて241億円増加している。
主な要因としては、有利子負債が309億円増加した一方で、支払手形及び買掛金が34億円減少したことによる。
③ 純資産
当連結会計年度における純資産は8,976億円となり、前連結会計年度末に比べて168億円減少している。
主な要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益1,146億円を計上した一方で、配当に伴い利益剰余金が266億円、自己株式の取得により495億円、為替換算調整勘定が322億円、非支配株主持分が136億円減少したこと等による。
自己資本比率は41.5%(前連結会計年度末41.9%)となっている。
(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析は、第2「事業の状況」の1「業績等の概要」に記載している。