四半期報告書-第90期第1四半期(2024/01/01-2024/03/31)
3.重要性がある会計方針
以下の会計方針は、本要約四半期連結財務諸表(移行日の連結財政状態計算書を含む)に記載されているすべての期間に適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しています。
当社グループは、投資先の議決権の過半数を有していなくても、意思決定機関を実質的に支配しており、当該議決権が投資先の関連性のある活動を一方的に指図する実質上の能力を有するのに十分である場合には、投資先に対してパワーを有していると判断しています。
子会社には、当社の子会社が支配するストラクチャード・エンティティも含まれています。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失した日までの間、当社の連結財務諸表に含まれます。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えています。当社グループ間の重要な債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
支配を喪失しない子会社に対する所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。
当社グループの持分及び非支配持分の帳簿価額は、持分の変動に応じ調整され、非支配持分の調整額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。
子会社に対する支配を喪失した場合には、支配喪失後も保持する持分を、支配喪失日現在の公正価値で再測定し、再測定及び持分の処分に係る利得又は損失を、純損益に認識しています。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。
当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
当社グループが保有する議決権は20%未満であるものの、役員の派遣及び被投資会社との重要な取引等により、重要な影響力が認められると判断される場合には、関連会社に含めています。
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が取決めに対する契約上合意された支配を共有し、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要としており、かつ、当社グループが当該取決めの純資産に対する権利を有している企業をいいます。
関連会社及び共同支配企業への投資は、持分法によって会計処理しています。
また、連結財務諸表には、他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能であるため、当社の決算日と異なる日を決算日とする持分法適用会社に対する投資が含まれています。当該持分法適用会社の決算日は主に6月末日であり、決算日の差異より生じる期間の重要な取引又は事象の影響については調整を行っています。
関連会社又は共同支配企業に対する重要な影響力を喪失し、持分法の適用を中止する場合は、売却持分に係る売却損益を純損益として認識するとともに、残存持分について公正価値で測定し、当該評価差額をその期の純損益として認識しています。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しています。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社グループが発行する資本持分の取得日の公正価値の合計として測定しています。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しています。
・繰延税金資産・負債及び従業員給付契約に関連する資産・負債
・被取得企業の株式に基づく報酬契約
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産又は処分グループ
移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、取得日における識別可能な取得した資産と引き受けた負債の正味価額を上回る場合は、その超過額をのれんとして計上しています。反対に下回る場合には、直ちに純損益として認識しています。
当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例割合で測定するかを個々の企業結合取引ごとに選択しています。
デューデリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取得関連費用は、発生時に費用処理しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した期の末日までに完了していない場合は、完了していない項目を暫定的な金額で報告しています。
取得日から1年以内の測定期間に入手した新たな情報が、取得日時点で認識された金額の測定に影響を及ぼすものである場合には、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。
段階的に達成される企業結合の場合、当社グループが以前に保有していた被取得企業の資本持分は取得日の公正価値で再評価され、発生した利得又は損失があれば純損益又はその他の包括利益に認識しています。
条件付対価は取得時に公正価値で認識し、認識後の公正価値変動は、上記測定期間中の測定に該当する場合には取得対価を修正し、そうでない場合には公正価値の変動として純損益に認識しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループ各社の財務諸表は、当該企業の機能通貨で作成しています。機能通貨以外の通貨(外貨)での取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで機能通貨に換算しています。
期末日における外貨建貨幣性項目は、報告期間の期末日の為替レートで機能通貨に換算しています。公正価値で測定する外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日における為替レートで機能通貨に換算しています。
換算及び決済より生じる換算差額は、純損益で認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品から生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
② 在外営業活動体
在外の連結子会社、関連会社及び共同支配企業(以下「在外営業活動体」という。)の資産及び負債については報告期間の期末日の為替レート、収益及び費用については、為替レートが著しく変動している場合及び超インフレ経済下にある在外活動営業体を除き、期中平均為替レートを用いて円貨に換算しています。
なお、超インフレ経済下の在外営業活動体の財務諸表は、インフレーションの影響を反映させており、収益及び費用は期末日の為替レートにより表示通貨に換算しています。
その結果生じた換算差額は、その他の包括利益として認識の上、その他の資本の構成要素に含めています。在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力又は共同支配企業の取決めを喪失した場合は、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額を純損益に振り替えています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期日の到来する短期投資から構成されています。
(5) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産(金融サービスに係る債権を除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について契約の当事者となった時点で当初認識しています。なお、金融資産の通常の方法による売買は、取引日において認識又は認識の中止を行っています。
金融資産は当初認識時に以下のとおり分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収を目的とした事業モデルの中で金融資産が保有されていること。
・契約上のキャッシュ・フローが元本及び元本残高に対する利息のみであること。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的とした事業モデルの中で金融資産が保有されていること。
・契約上のキャッシュ・フローが元本及び元本残高に対する利息のみであること。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
投資先との取引関係の維持又は強化を主な目的として保有する株式などの資本性金融資産については、当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定し、当該指定を継続的に適用しています。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
(a)から(c)以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される金融資産は公正価値で測定していますが、それ以外の金融資産は取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で測定し、当初に認識しています。
重要な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で測定しています。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しています。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額はその他の包括利益として認識しています。減損に係る利得又は損失、利息収益及び為替差損益は純損益として認識しています。
当該金融資産の認識を中止した場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額をその他の資本の構成要素から純損益に組替調整しています。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額はその他の包括利益として認識しています。
当該金融資産の認識を中止した場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
なお、当該金融資産からの配当金については、純損益として認識しています。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額は、純損益として認識しています。
(ⅲ)金融資産の減損
当社グループでは、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しています。
金融資産のステージ分類
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、損失評価引当金の認識・測定に当たっては、金融資産に係る信用リスクの著しい増加の有無及び信用減損の有無によって金融資産を以下のステージに分類しています。
ステージ1:信用リスクの著しい増加が見受けられない。
ステージ2:信用リスクの著しい増加が見受けられるが、信用減損は見受けられない。
ステージ3:信用リスクの著しい増加、信用減損がともに顕在化している。
期末日時点で金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合(ステージ1)、期末日後12ヶ月以内に発生する可能性がある債務不履行から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)に基づいて損失評価引当金を算定しています。一方、期末日時点で金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合(ステージ2及び3)には、当該金融資産の予想存続期間にわたり発生する可能性のあるすべての債務不履行から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)に基づいて損失評価引当金を算定しています。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、ステージ1とステージ2を区分せず、常に全期間の予想信用損失に基づいて損失評価引当金を算定しています。
金融資産の全部又は一部について回収の合理的な見込みがないものと判断される場合には、当該金融資産の全部又は一部の帳簿価額を直接償却しています。
金融資産に係る損失評価引当金の繰入額は、純損益で認識しています。損失評価引当金を減額する事象が発生した場合は、損失評価引当金の戻入額を純損益で認識しています。
(ⅳ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にのみ金融資産の認識を中止しています。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について契約の当事者となった時点で当初認識し、償却原価で測定する金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。
金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される金融負債は公正価値で測定していますが、それ以外の金融負債は取得に直接起因する取引コストを公正価値から控除した金額で測定し、当初に認識しています。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
償却原価で測定する金融負債については、実効金利法による償却原価により測定しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しています。
金融保証契約は、当初認識後、以下のいずれか高い方の金額で測定しています。
・上記①(ⅲ)金融資産の減損に従って算定した損失評価引当金の金額
・当初測定額からIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の原則に従って認識した収益の累計額を控除した額
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中において特定された債務が履行により消滅、免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しています。
③ 金融資産及び金融負債の相殺表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書で相殺し、純額で表示しています。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスク及び金利リスクを管理する目的で、為替予約、通貨スワップ契約及び金利スワップ契約などのデリバティブ取引を行っています。
デリバティブは契約の当事者となった時点の公正価値で当初認識し、その後も公正価値で事後測定しています。公正価値の変動額は純損益として認識しています。
なお、上記デリバティブについて、ヘッジ会計を適用しているものはありません。
(6) 金融サービス事業に係る債権
金融サービス事業に係る債権(以下「金融債権」という。)は、連結財政状態計算書において、元本残高、未稼得利息収入及び損失評価引当金を加味した純額で表示しています。
金融債権のポートフォリオは主に当社グループの事業の性質と金融債権の特性を質的側面から考慮して決定しており、以下の3つに分類しています。
① 消費者向け販売金融債権
消費者向け販売金融債権は、主に、消費者との割賦契約に係る債権により構成され、クレジットカードのリボルビング払い債権を含んでいます。
これらの債権は、取得時に所定の信用基準を満たした顧客に対してのみ認識されます。また、取得後、当社グループは割賦代金の回収及び契約の履行について責任を有します。
割賦債権の契約期間は主に5年から15年です。当該債権は償却原価から損失評価引当金を控除して計上しています。
② ディーラー向け販売金融債権
ディーラー向け販売金融債権は、主に、ディーラーの在庫購入のための融資に係る債権から構成され、当社グループはディーラーの与信を管理しています。
これらの債権は、取得時に所定の信用基準を満たしたディーラーに対してのみ認識されます。また、取得後、当社グループは卸売代金の回収及び契約の履行について責任を有します。
当該債権は償却原価から損失評価引当金を控除して計上しています。
③ ファイナンス・リース債権
ファイナンス・リース債権は、主にゴルフカーのリース契約に係る債権です。リースの契約期間は主に3年から6年です。
当該債権は、取得時に所定の信用基準を満たした顧客に対してのみ認識され、取得後、当社グループはリース資産の所有権を引き受けます。また、当社グループはリース料債権の回収及び契約の履行について責任を有します。
当該債権は残存価額を含む将来キャッシュ・フローの割引現在価値で計上しています。
(7) 金融サービス事業に係る損失評価引当金
当社グループは、金融債権について、報告日ごとに予想信用損失を見積り、予想信用損失に対して損失評価引当金を計上しています。
販売金融債権に対する予想信用損失は、信用リスク評価プロセスの一環として行われている体系的かつ継続的なレビュー及び評価、過去の損失の実績、ポートフォリオの規模及び構成、現在の経済的な事象及び状況、担保資産の見積公正価値及びその十分性、経済状況の動向などの将来予測情報、並びにその他の関連する要因に基づき、ポートフォリオ別に測定しています。
① 消費者向け販売金融債権
消費者向け販売金融債権については、債務不履行となる確率の変化や延滞日数を指標として当該販売金融債権の信用リスクが著しく増大したか否かを判定しています。30日超期日経過の場合には、その信用リスクは著しく増大したものとみなしています。期末日時点で、販売金融債権に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。一方、期末日時点で、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、その販売金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。債務者による債務不履行又は延滞等の契約違反等、販売金融債権が信用減損している証拠がある場合に信用減損していると判断し、過去の貸倒実績や将来の回収可能価額などをもとに、その販売金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。
予想信用損失の算定にあたっては、リスク特性に基づいてグルーピングした上で、経済状況に合致した算定モデルを適用し、過去の実績に基づく債務不履行の確率と債務不履行時損失率をもとに、現在の状況、失業率等のマクロ経済要因等の将来の経済状況の予測を反映させています。
内部管理規程に基づき、相当期間の延滞、もしくは、顧客が契約上の義務を期日に履行できないことが明らかになった場合に、債務不履行と判断しています。
② ディーラー向け販売金融債権
ディーラー向け販売金融債権については、内部におけるリスク評価を基礎として信用状況別に債権を区分しています。この区分の変化を指標として、販売金融債権に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したか否かを判定しています。なお、30日超期日経過の場合には、その信用リスクは著しく増大したものとみなしています。期末日時点で、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。
一方、期末日時点で、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、その販売金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。債務者の財務状況の著しい悪化、債務者による債務不履行又は延滞等の契約違反等、販売金融債権が信用減損している証拠がある場合に信用減損していると判断し、過去の貸倒実績や将来の回収可能価額などをもとに、その販売金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を個別に見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。
予想信用損失の見積りにあたっては、過去の実績に基づく債務不履行の確率と債務不履行時損失率をもとに、現在及び将来の経済状況の予測を反映させています。
内部管理規程に基づき、相当期間の延滞、もしくは、顧客が契約上の義務を期日に履行できないことが明らかになった場合に、債務不履行と判断しています。
③ ファイナンス・リース債権
ファイナンス・リース債権については、常に全期間の予想信用損失を見積もって損失評価引当金の額を算定しています。内部管理規程に基づき、相当期間の延滞、もしくは、顧客が契約上の義務を期日に履行できないことが明らかになった場合に、債務不履行と判断しています。
(8) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しています。
正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額です。
取得原価は、主として総平均法に基づいて算定しており、購入原価、加工費及び現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいます。
(9) 有形固定資産
原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
取得原価には、当該資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び設置していた場所の原状回復費用が含まれ、維持及び修理のための支出は発生時の費用として認識しています。
それぞれの見積耐用年数に応じて、定額法で減価償却しています。
残存価額、見積耐用年数及び償却方法は各連結会計年度の末日には見直しを行い、必要に応じ変更しています。
主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
建物及び構築物 主に2年~75年
機械及び装置 主に2年~22年
連結財政状態計算書上の有形固定資産には、リース取引による使用権資産を含みます。
使用権資産の会計処理については「(11)リース」に記載しています。
(10) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却せず、減損テストを毎年実施し、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
のれんの減損損失は純損益において認識され、その後の戻し入れは行っていません。
減損については「(12)非金融資産の減損」に記載しています。
② 無形資産
原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
それぞれの見積耐用年数に応じて、定額法で償却しています。
見積耐用年数及び償却方法は各連結会計年度の末日には見直しを行い、必要に応じ変更しています。
(a) 開発資産
開発活動による支出は、その開発を完成させる技術上の実行可能性に加えて、その成果を使用又は売却する意図・能力及びそのための技術、財務その他の資源を利用でき、かつ将来の経済的便益を得られる可能性が高く、その支出を信頼性をもって測定可能な場合に、無形資産として認識しています。
見積耐用年数は、主に5年から10年です。
(b) その他の無形資産
その他の無形資産は主にソフトウェアであり、その見積耐用年数は主に5年です。
(11) リース
当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定しています。
契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しています。
① 借手
契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、リース開始日において使用権資産及びリース負債を認識しています。
使用権資産の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で、連結財政状態計算書において「有形固定資産」に含めて表示しています。
取得原価は、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整しています。使用権資産は、原資産のリース期間又は見積耐用年数のいずれか短い期間にわたり、定額法で減価償却しています。
リース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の割引現在価値で測定し、連結財政状態計算書において「その他の金融負債」に含めて表示しています。
現在価値の測定に際しては、リースの計算利子率が容易に算定できる場合、当該利子率を割引率として使用し、そうでない場合は追加借入利子率を使用しています。
当初認識後、リース負債に係る金利及び支払われたリース料を反映するよう、実効金利法に基づき帳簿価額を増減しています。
リース負債に係る金利は、リース負債残高に対して毎期一定の率の金利を生じさせる金額で、金融費用として認識しています。
金融費用は、連結損益計算書において、使用権資産の減価償却費と区別して表示しています。
なお、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースは、リース料をリース期間にわたって、定額法により純損益として認識しています。
② 貸手
リースの契約時に、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合はファイナンス・リースに、それ以外の場合はオペレーティング・リースに分類しています。
ファイナンス・リース取引においては、リース投資未回収総額の現在価値を、リース期間の起算日に収益に認識し、対応する金額をリース債権として認識しています。
オペレーティング・リース取引においては、対象の原資産を連結財政状態計算書に計上しています。
(12) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を評価しています。
減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず回収可能価額を毎年同じ時期に見積っています。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額としています。
使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。
減損損失は、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合に純損益として認識しています。
資金生成単位(又は資金生成単位グループ)について認識した減損損失は、まず当該単位(又は資金生成単位グループ)に配分したのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により他の資産に配分しています。
過年度に減損損失を認識したのれん以外の資産については、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかについて評価しています。
そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が帳簿価額を超える場合は、算定した回収可能価額と過年度の減損損失を認識しなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れています。
ただし、のれんに関する減損損失は戻し入れしません。
持分法適用会社に対する投資に減損の客観的な証拠による兆候が存在する場合には、投資全体の帳簿価額について単一の資産として減損テストを行っています。なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施していません。
(13) 売却目的で保有する非流動資産
継続的使用ではなく、売却取引により回収が見込まれる資産及び資産グループのうち、現況で直ちに売却することが可能で、当社グループの経営者が売却を確約しており、期末日後1年以内に売却が完了する予定である資産を売却目的保有に分類しています。
売却目的で保有する非流動資産は、帳簿価額と、売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定し、減価償却又は償却を中止しています。
(14) 従業員給付
当社グループは、確定給付型の企業年金基金制度、確定給付型の退職一時金制度及び確定拠出年金制度を設けています。
① 退職後給付
(a) 確定給付制度
当社グループの確定給付型制度は、確定給付制度に係る債務(以下「確定給付制度債務」という。)の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額で、確定給付負債(資産)を認識しています。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付の見積額を現在価値に割り引くことによって算定しています。この計算は、毎年、独立した年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っています。
確定給付制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額を当該確定給付制度の積立超過額あるいは資産上限額(アセットシーリング)のいずれか低い金額で測定しています。
割引率は、当社グループの確定給付制度債務に関する将来の給付支払見込日までの期間に満期が近似する優良社債の期末日時点の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度の当期勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息の純額は純損益として認識しています。
確定給付制度の再測定額は、発生した期に一括してその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
制度の改訂による従業員の過去の勤務に係る確定給付制度債務の増減は、純損益として認識しています。
(b) 確定拠出制度
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
② 短期従業員給付
賃金等の短期従業員給付は、勤務の対価として支払うと見込まれる金額を、従業員が関連する勤務を提供した時点で従業員給付費用として純損益に認識しています。
賞与は、法的債務又は推定的債務を有し、かつ、信頼性のある見積りが可能な場合に負債として認識しています。
有給休暇は、将来の有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供した時点で負債として認識しています。
(15) 引当金
過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を認識しています。
貨幣の時間的価値が重要な場合には、債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で引当金を測定しています。
現在価値の算定に当たっては、貨幣の時間的価値及び当該債務に特有のリスクを反映した税引前の利率を割引率として使用しています。
主な引当金の計上基準は、以下のとおりです。
製品保証引当金
販売済製品の保証期間中の品質保証に関する費用、その他販売済製品の品質問題に対処する費用に充てるため、発生額を個別に見積もることができる費用については当該費用を、その他については、保証期間に基づいて売上収益に経験率(品質保証に関する費用/売上収益)を乗じて計算した額を計上しており、顧客及び販売店からの請求等に応じて取り崩しています。
(16) 収益認識
当社グループは、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(又は充足するに応じて)収益を認識する
当社グループの収益の源泉は、提供する財又はサービスの性質の違いにより、主として商品及び製品の販売と、金融サービスセグメントにおける金融サービスの提供に区分されます。
① 商品及び製品の販売
当社グループは、商品及び製品に対する支配が顧客に移転した時点で収益を認識しています。通常は、商品及び製品を顧客に引き渡した時点で、支配が顧客に移転したと判断しています。
なお、一定期間にわたりサービスを提供する取引には、主に有償の延長保証及びメンテナンスサービスの提供があり、履行義務の充足に応じて収益を認識しています。このほか、一部の契約においては、長期間の工事や開発の受託を伴うものがあり、これらについても契約に規定されている履行義務の充足に応じ、一定期間にわたり収益を認識しています。
取引価格については、顧客との契約に基づく対価により算定しています。対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。
また、主に販売店に対して、特定期間の販売実績や特定モデルの販売台数等に基づき販売奨励金を支給することがあります。この販売奨励金は、報告された販売実績に基づく支給見込額を、対応する期間の売上収益の金額から控除しています。
なお、顧客との契約には、提供した商品及び製品が合意された仕様に従っていない等の場合には無償で修理又は部品の交換等を行うことを保証する条項が含まれており、この保証に関連する費用に対して、当社グループは製品保証引当金を認識しています。製品保証引当金に関する会計方針は、(15)引当金に記載しています。
② 金融サービスの提供
金融サービスの収益のうち、債権の利息収益については、利息相当額を契約期間にわたり認識しています。ファイナンス・リースに係る債権の利息収益は、利息相当額をリース期間にわたり認識しています。オペレーティング・リースから生じる収益は、リース料総額をリース期間で按分し認識しています。
(17) 政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で測定し、認識しています。
資産に関する補助金は、繰延収益として認識し、関連資産の見積耐用年数にわたり規則的に純損益で認識しています。
収益に関する補助金は、関連費用と対応させるために必要な期間にわたり、規則的に収益として認識、表示しています。
(18) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されています。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本又はその他の包括利益として認識する項目を除き、純損益として認識しています。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率及び税法は、報告期間の末日までに制定又は実質的に制定されているものです。
また、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法上の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しています。
② 繰延税金
繰延税金は、報告期間の末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と、関連する税務基準額との差額である一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを回収できる課税所得が生じる可能性が高い範囲において認識し、繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産又は負債を認識していません。
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が高くない場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消時期をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しています。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び負債は、当連結会計年度末に制定又は実質的に制定されている法律に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される時点において適用されると予測される税率を用いて測定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しています。
なお、各四半期における法人所得税費用は、年間の見積実効税率に基づいて算定しています。
また、当社グループは、「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号「法人所得税」の改訂)」(2023年5月公表)を適用しています。
なお、当社グループは、本改訂における例外規定を適用し、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金に関して、認識及び開示を行っていません。また、当社グループは、制度対象となる構成事業体各社の直近の税務申告書、国別報告書及び財務諸表に基づきグローバル・ミニマム課税制度適用に伴う潜在的な影響を評価した結果、第2の柱の法人所得税に対する重要性があるエクスポージャーを想定していません。
(19) 1株当たり利益
基本的1株当たり四半期利益は、親会社の所有者に帰属する純損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の期中平均株式数で除して算定しています。
希薄化後1株当たり四半期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しています。
(20) 資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は資本として分類し、発行価額を資本金及び資本剰余金に含めています。
② 自己株式
当社グループが取得した自己株式は、取得原価で認識し、資本の控除項目としています。
自己株式を売却した場合は、受取対価を資本の増加として認識し、帳簿価額と受取対価の差額は資本剰余金に含めています。
以下の会計方針は、本要約四半期連結財務諸表(移行日の連結財政状態計算書を含む)に記載されているすべての期間に適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しています。
当社グループは、投資先の議決権の過半数を有していなくても、意思決定機関を実質的に支配しており、当該議決権が投資先の関連性のある活動を一方的に指図する実質上の能力を有するのに十分である場合には、投資先に対してパワーを有していると判断しています。
子会社には、当社の子会社が支配するストラクチャード・エンティティも含まれています。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失した日までの間、当社の連結財務諸表に含まれます。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えています。当社グループ間の重要な債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しています。
支配を喪失しない子会社に対する所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。
当社グループの持分及び非支配持分の帳簿価額は、持分の変動に応じ調整され、非支配持分の調整額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。
子会社に対する支配を喪失した場合には、支配喪失後も保持する持分を、支配喪失日現在の公正価値で再測定し、再測定及び持分の処分に係る利得又は損失を、純損益に認識しています。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業をいいます。
当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。
当社グループが保有する議決権は20%未満であるものの、役員の派遣及び被投資会社との重要な取引等により、重要な影響力が認められると判断される場合には、関連会社に含めています。
共同支配企業とは、当社グループを含む複数の当事者が取決めに対する契約上合意された支配を共有し、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要としており、かつ、当社グループが当該取決めの純資産に対する権利を有している企業をいいます。
関連会社及び共同支配企業への投資は、持分法によって会計処理しています。
また、連結財務諸表には、他の株主との関係等により、決算日を統一することが実務上不可能であるため、当社の決算日と異なる日を決算日とする持分法適用会社に対する投資が含まれています。当該持分法適用会社の決算日は主に6月末日であり、決算日の差異より生じる期間の重要な取引又は事象の影響については調整を行っています。
関連会社又は共同支配企業に対する重要な影響力を喪失し、持分法の適用を中止する場合は、売却持分に係る売却損益を純損益として認識するとともに、残存持分について公正価値で測定し、当該評価差額をその期の純損益として認識しています。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しています。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社グループが発行する資本持分の取得日の公正価値の合計として測定しています。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しています。
・繰延税金資産・負債及び従業員給付契約に関連する資産・負債
・被取得企業の株式に基づく報酬契約
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産又は処分グループ
移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額、及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計額が、取得日における識別可能な取得した資産と引き受けた負債の正味価額を上回る場合は、その超過額をのれんとして計上しています。反対に下回る場合には、直ちに純損益として認識しています。
当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例割合で測定するかを個々の企業結合取引ごとに選択しています。
デューデリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取得関連費用は、発生時に費用処理しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した期の末日までに完了していない場合は、完了していない項目を暫定的な金額で報告しています。
取得日から1年以内の測定期間に入手した新たな情報が、取得日時点で認識された金額の測定に影響を及ぼすものである場合には、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。
段階的に達成される企業結合の場合、当社グループが以前に保有していた被取得企業の資本持分は取得日の公正価値で再評価され、発生した利得又は損失があれば純損益又はその他の包括利益に認識しています。
条件付対価は取得時に公正価値で認識し、認識後の公正価値変動は、上記測定期間中の測定に該当する場合には取得対価を修正し、そうでない場合には公正価値の変動として純損益に認識しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
当社グループ各社の財務諸表は、当該企業の機能通貨で作成しています。機能通貨以外の通貨(外貨)での取引は、取引日の為替レート又はそれに近似するレートで機能通貨に換算しています。
期末日における外貨建貨幣性項目は、報告期間の期末日の為替レートで機能通貨に換算しています。公正価値で測定する外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日における為替レートで機能通貨に換算しています。
換算及び決済より生じる換算差額は、純損益で認識しています。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品から生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しています。
② 在外営業活動体
在外の連結子会社、関連会社及び共同支配企業(以下「在外営業活動体」という。)の資産及び負債については報告期間の期末日の為替レート、収益及び費用については、為替レートが著しく変動している場合及び超インフレ経済下にある在外活動営業体を除き、期中平均為替レートを用いて円貨に換算しています。
なお、超インフレ経済下の在外営業活動体の財務諸表は、インフレーションの影響を反映させており、収益及び費用は期末日の為替レートにより表示通貨に換算しています。
その結果生じた換算差額は、その他の包括利益として認識の上、その他の資本の構成要素に含めています。在外営業活動体を処分し、支配、重要な影響力又は共同支配企業の取決めを喪失した場合は、この在外営業活動体に関連する換算差額の累積額を純損益に振り替えています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期日の到来する短期投資から構成されています。
(5) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産(金融サービスに係る債権を除く)
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について契約の当事者となった時点で当初認識しています。なお、金融資産の通常の方法による売買は、取引日において認識又は認識の中止を行っています。
金融資産は当初認識時に以下のとおり分類しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収を目的とした事業モデルの中で金融資産が保有されていること。
・契約上のキャッシュ・フローが元本及び元本残高に対する利息のみであること。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
以下の要件をともに満たす場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的とした事業モデルの中で金融資産が保有されていること。
・契約上のキャッシュ・フローが元本及び元本残高に対する利息のみであること。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
投資先との取引関係の維持又は強化を主な目的として保有する株式などの資本性金融資産については、当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定し、当該指定を継続的に適用しています。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
(a)から(c)以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される金融資産は公正価値で測定していますが、それ以外の金融資産は取得に直接起因する取引コストを公正価値に加算した金額で測定し、当初に認識しています。
重要な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で測定しています。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
(a) 償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価により測定しています。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額はその他の包括利益として認識しています。減損に係る利得又は損失、利息収益及び為替差損益は純損益として認識しています。
当該金融資産の認識を中止した場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額をその他の資本の構成要素から純損益に組替調整しています。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額はその他の包括利益として認識しています。
当該金融資産の認識を中止した場合は、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えています。
なお、当該金融資産からの配当金については、純損益として認識しています。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当該金融資産の公正価値の事後的な変動額は、純損益として認識しています。
(ⅲ)金融資産の減損
当社グループでは、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しています。
金融資産のステージ分類
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、損失評価引当金の認識・測定に当たっては、金融資産に係る信用リスクの著しい増加の有無及び信用減損の有無によって金融資産を以下のステージに分類しています。
ステージ1:信用リスクの著しい増加が見受けられない。
ステージ2:信用リスクの著しい増加が見受けられるが、信用減損は見受けられない。
ステージ3:信用リスクの著しい増加、信用減損がともに顕在化している。
期末日時点で金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合(ステージ1)、期末日後12ヶ月以内に発生する可能性がある債務不履行から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)に基づいて損失評価引当金を算定しています。一方、期末日時点で金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合(ステージ2及び3)には、当該金融資産の予想存続期間にわたり発生する可能性のあるすべての債務不履行から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)に基づいて損失評価引当金を算定しています。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、ステージ1とステージ2を区分せず、常に全期間の予想信用損失に基づいて損失評価引当金を算定しています。
金融資産の全部又は一部について回収の合理的な見込みがないものと判断される場合には、当該金融資産の全部又は一部の帳簿価額を直接償却しています。
金融資産に係る損失評価引当金の繰入額は、純損益で認識しています。損失評価引当金を減額する事象が発生した場合は、損失評価引当金の戻入額を純損益で認識しています。
(ⅳ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にのみ金融資産の認識を中止しています。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について契約の当事者となった時点で当初認識し、償却原価で測定する金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。
金融負債は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される金融負債は公正価値で測定していますが、それ以外の金融負債は取得に直接起因する取引コストを公正価値から控除した金額で測定し、当初に認識しています。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しています。
償却原価で測定する金融負債については、実効金利法による償却原価により測定しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しています。
金融保証契約は、当初認識後、以下のいずれか高い方の金額で測定しています。
・上記①(ⅲ)金融資産の減損に従って算定した損失評価引当金の金額
・当初測定額からIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」の原則に従って認識した収益の累計額を控除した額
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中において特定された債務が履行により消滅、免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しています。
③ 金融資産及び金融負債の相殺表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書で相殺し、純額で表示しています。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替リスク及び金利リスクを管理する目的で、為替予約、通貨スワップ契約及び金利スワップ契約などのデリバティブ取引を行っています。
デリバティブは契約の当事者となった時点の公正価値で当初認識し、その後も公正価値で事後測定しています。公正価値の変動額は純損益として認識しています。
なお、上記デリバティブについて、ヘッジ会計を適用しているものはありません。
(6) 金融サービス事業に係る債権
金融サービス事業に係る債権(以下「金融債権」という。)は、連結財政状態計算書において、元本残高、未稼得利息収入及び損失評価引当金を加味した純額で表示しています。
金融債権のポートフォリオは主に当社グループの事業の性質と金融債権の特性を質的側面から考慮して決定しており、以下の3つに分類しています。
① 消費者向け販売金融債権
消費者向け販売金融債権は、主に、消費者との割賦契約に係る債権により構成され、クレジットカードのリボルビング払い債権を含んでいます。
これらの債権は、取得時に所定の信用基準を満たした顧客に対してのみ認識されます。また、取得後、当社グループは割賦代金の回収及び契約の履行について責任を有します。
割賦債権の契約期間は主に5年から15年です。当該債権は償却原価から損失評価引当金を控除して計上しています。
② ディーラー向け販売金融債権
ディーラー向け販売金融債権は、主に、ディーラーの在庫購入のための融資に係る債権から構成され、当社グループはディーラーの与信を管理しています。
これらの債権は、取得時に所定の信用基準を満たしたディーラーに対してのみ認識されます。また、取得後、当社グループは卸売代金の回収及び契約の履行について責任を有します。
当該債権は償却原価から損失評価引当金を控除して計上しています。
③ ファイナンス・リース債権
ファイナンス・リース債権は、主にゴルフカーのリース契約に係る債権です。リースの契約期間は主に3年から6年です。
当該債権は、取得時に所定の信用基準を満たした顧客に対してのみ認識され、取得後、当社グループはリース資産の所有権を引き受けます。また、当社グループはリース料債権の回収及び契約の履行について責任を有します。
当該債権は残存価額を含む将来キャッシュ・フローの割引現在価値で計上しています。
(7) 金融サービス事業に係る損失評価引当金
当社グループは、金融債権について、報告日ごとに予想信用損失を見積り、予想信用損失に対して損失評価引当金を計上しています。
販売金融債権に対する予想信用損失は、信用リスク評価プロセスの一環として行われている体系的かつ継続的なレビュー及び評価、過去の損失の実績、ポートフォリオの規模及び構成、現在の経済的な事象及び状況、担保資産の見積公正価値及びその十分性、経済状況の動向などの将来予測情報、並びにその他の関連する要因に基づき、ポートフォリオ別に測定しています。
① 消費者向け販売金融債権
消費者向け販売金融債権については、債務不履行となる確率の変化や延滞日数を指標として当該販売金融債権の信用リスクが著しく増大したか否かを判定しています。30日超期日経過の場合には、その信用リスクは著しく増大したものとみなしています。期末日時点で、販売金融債権に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。一方、期末日時点で、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、その販売金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。債務者による債務不履行又は延滞等の契約違反等、販売金融債権が信用減損している証拠がある場合に信用減損していると判断し、過去の貸倒実績や将来の回収可能価額などをもとに、その販売金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。
予想信用損失の算定にあたっては、リスク特性に基づいてグルーピングした上で、経済状況に合致した算定モデルを適用し、過去の実績に基づく債務不履行の確率と債務不履行時損失率をもとに、現在の状況、失業率等のマクロ経済要因等の将来の経済状況の予測を反映させています。
内部管理規程に基づき、相当期間の延滞、もしくは、顧客が契約上の義務を期日に履行できないことが明らかになった場合に、債務不履行と判断しています。
② ディーラー向け販売金融債権
ディーラー向け販売金融債権については、内部におけるリスク評価を基礎として信用状況別に債権を区分しています。この区分の変化を指標として、販売金融債権に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したか否かを判定しています。なお、30日超期日経過の場合には、その信用リスクは著しく増大したものとみなしています。期末日時点で、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、12ヶ月の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。
一方、期末日時点で、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、その販売金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。債務者の財務状況の著しい悪化、債務者による債務不履行又は延滞等の契約違反等、販売金融債権が信用減損している証拠がある場合に信用減損していると判断し、過去の貸倒実績や将来の回収可能価額などをもとに、その販売金融債権の回収に係る全期間の予想信用損失を個別に見積もって当該販売金融債権に係る損失評価引当金の額を算定しています。
予想信用損失の見積りにあたっては、過去の実績に基づく債務不履行の確率と債務不履行時損失率をもとに、現在及び将来の経済状況の予測を反映させています。
内部管理規程に基づき、相当期間の延滞、もしくは、顧客が契約上の義務を期日に履行できないことが明らかになった場合に、債務不履行と判断しています。
③ ファイナンス・リース債権
ファイナンス・リース債権については、常に全期間の予想信用損失を見積もって損失評価引当金の額を算定しています。内部管理規程に基づき、相当期間の延滞、もしくは、顧客が契約上の義務を期日に履行できないことが明らかになった場合に、債務不履行と判断しています。
(8) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しています。
正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額です。
取得原価は、主として総平均法に基づいて算定しており、購入原価、加工費及び現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいます。
(9) 有形固定資産
原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
取得原価には、当該資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び設置していた場所の原状回復費用が含まれ、維持及び修理のための支出は発生時の費用として認識しています。
それぞれの見積耐用年数に応じて、定額法で減価償却しています。
残存価額、見積耐用年数及び償却方法は各連結会計年度の末日には見直しを行い、必要に応じ変更しています。
主な有形固定資産の見積耐用年数は以下のとおりです。
建物及び構築物 主に2年~75年
機械及び装置 主に2年~22年
連結財政状態計算書上の有形固定資産には、リース取引による使用権資産を含みます。
使用権資産の会計処理については「(11)リース」に記載しています。
(10) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却せず、減損テストを毎年実施し、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
のれんの減損損失は純損益において認識され、その後の戻し入れは行っていません。
減損については「(12)非金融資産の減損」に記載しています。
② 無形資産
原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。
それぞれの見積耐用年数に応じて、定額法で償却しています。
見積耐用年数及び償却方法は各連結会計年度の末日には見直しを行い、必要に応じ変更しています。
(a) 開発資産
開発活動による支出は、その開発を完成させる技術上の実行可能性に加えて、その成果を使用又は売却する意図・能力及びそのための技術、財務その他の資源を利用でき、かつ将来の経済的便益を得られる可能性が高く、その支出を信頼性をもって測定可能な場合に、無形資産として認識しています。
見積耐用年数は、主に5年から10年です。
(b) その他の無形資産
その他の無形資産は主にソフトウェアであり、その見積耐用年数は主に5年です。
(11) リース
当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定しています。
契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでいると判定しています。
① 借手
契約がリースであるか又はリースを含んでいる場合、リース開始日において使用権資産及びリース負債を認識しています。
使用権資産の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で、連結財政状態計算書において「有形固定資産」に含めて表示しています。
取得原価は、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整しています。使用権資産は、原資産のリース期間又は見積耐用年数のいずれか短い期間にわたり、定額法で減価償却しています。
リース負債はリース開始日現在で支払われていないリース料の割引現在価値で測定し、連結財政状態計算書において「その他の金融負債」に含めて表示しています。
現在価値の測定に際しては、リースの計算利子率が容易に算定できる場合、当該利子率を割引率として使用し、そうでない場合は追加借入利子率を使用しています。
当初認識後、リース負債に係る金利及び支払われたリース料を反映するよう、実効金利法に基づき帳簿価額を増減しています。
リース負債に係る金利は、リース負債残高に対して毎期一定の率の金利を生じさせる金額で、金融費用として認識しています。
金融費用は、連結損益計算書において、使用権資産の減価償却費と区別して表示しています。
なお、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースは、リース料をリース期間にわたって、定額法により純損益として認識しています。
② 貸手
リースの契約時に、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合はファイナンス・リースに、それ以外の場合はオペレーティング・リースに分類しています。
ファイナンス・リース取引においては、リース投資未回収総額の現在価値を、リース期間の起算日に収益に認識し、対応する金額をリース債権として認識しています。
オペレーティング・リース取引においては、対象の原資産を連結財政状態計算書に計上しています。
(12) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、報告期間の末日ごとに減損の兆候の有無を評価しています。
減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず回収可能価額を毎年同じ時期に見積っています。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額としています。
使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いています。
減損損失は、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合に純損益として認識しています。
資金生成単位(又は資金生成単位グループ)について認識した減損損失は、まず当該単位(又は資金生成単位グループ)に配分したのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により他の資産に配分しています。
過年度に減損損失を認識したのれん以外の資産については、その回収可能価額の算定に使用した想定事項に変更が生じた場合等、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が存在しているかについて評価しています。
そのような兆候が存在する場合は、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、その回収可能価額が帳簿価額を超える場合は、算定した回収可能価額と過年度の減損損失を認識しなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額とのいずれか低い方を上限として、減損損失を戻し入れています。
ただし、のれんに関する減損損失は戻し入れしません。
持分法適用会社に対する投資に減損の客観的な証拠による兆候が存在する場合には、投資全体の帳簿価額について単一の資産として減損テストを行っています。なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施していません。
(13) 売却目的で保有する非流動資産
継続的使用ではなく、売却取引により回収が見込まれる資産及び資産グループのうち、現況で直ちに売却することが可能で、当社グループの経営者が売却を確約しており、期末日後1年以内に売却が完了する予定である資産を売却目的保有に分類しています。
売却目的で保有する非流動資産は、帳簿価額と、売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定し、減価償却又は償却を中止しています。
(14) 従業員給付
当社グループは、確定給付型の企業年金基金制度、確定給付型の退職一時金制度及び確定拠出年金制度を設けています。
① 退職後給付
(a) 確定給付制度
当社グループの確定給付型制度は、確定給付制度に係る債務(以下「確定給付制度債務」という。)の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額で、確定給付負債(資産)を認識しています。確定給付制度債務は、制度ごとに区別して、従業員が過年度及び当年度において提供したサービスの対価として獲得した将来給付の見積額を現在価値に割り引くことによって算定しています。この計算は、毎年、独立した年金数理人によって予測単位積増方式を用いて行っています。
確定給付制度が積立超過である場合には、確定給付資産の純額を当該確定給付制度の積立超過額あるいは資産上限額(アセットシーリング)のいずれか低い金額で測定しています。
割引率は、当社グループの確定給付制度債務に関する将来の給付支払見込日までの期間に満期が近似する優良社債の期末日時点の市場利回りに基づき算定しています。
確定給付制度の当期勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息の純額は純損益として認識しています。
確定給付制度の再測定額は、発生した期に一括してその他の包括利益で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
制度の改訂による従業員の過去の勤務に係る確定給付制度債務の増減は、純損益として認識しています。
(b) 確定拠出制度
確定拠出制度については、確定拠出制度に支払うべき拠出額を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
② 短期従業員給付
賃金等の短期従業員給付は、勤務の対価として支払うと見込まれる金額を、従業員が関連する勤務を提供した時点で従業員給付費用として純損益に認識しています。
賞与は、法的債務又は推定的債務を有し、かつ、信頼性のある見積りが可能な場合に負債として認識しています。
有給休暇は、将来の有給休暇の権利を増加させる勤務を従業員が提供した時点で負債として認識しています。
(15) 引当金
過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、その債務の金額について信頼性をもって見積ることができる場合に、引当金を認識しています。
貨幣の時間的価値が重要な場合には、債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で引当金を測定しています。
現在価値の算定に当たっては、貨幣の時間的価値及び当該債務に特有のリスクを反映した税引前の利率を割引率として使用しています。
主な引当金の計上基準は、以下のとおりです。
製品保証引当金
販売済製品の保証期間中の品質保証に関する費用、その他販売済製品の品質問題に対処する費用に充てるため、発生額を個別に見積もることができる費用については当該費用を、その他については、保証期間に基づいて売上収益に経験率(品質保証に関する費用/売上収益)を乗じて計算した額を計上しており、顧客及び販売店からの請求等に応じて取り崩しています。
(16) 収益認識
当社グループは、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に(又は充足するに応じて)収益を認識する
当社グループの収益の源泉は、提供する財又はサービスの性質の違いにより、主として商品及び製品の販売と、金融サービスセグメントにおける金融サービスの提供に区分されます。
① 商品及び製品の販売
当社グループは、商品及び製品に対する支配が顧客に移転した時点で収益を認識しています。通常は、商品及び製品を顧客に引き渡した時点で、支配が顧客に移転したと判断しています。
なお、一定期間にわたりサービスを提供する取引には、主に有償の延長保証及びメンテナンスサービスの提供があり、履行義務の充足に応じて収益を認識しています。このほか、一部の契約においては、長期間の工事や開発の受託を伴うものがあり、これらについても契約に規定されている履行義務の充足に応じ、一定期間にわたり収益を認識しています。
取引価格については、顧客との契約に基づく対価により算定しています。対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。
また、主に販売店に対して、特定期間の販売実績や特定モデルの販売台数等に基づき販売奨励金を支給することがあります。この販売奨励金は、報告された販売実績に基づく支給見込額を、対応する期間の売上収益の金額から控除しています。
なお、顧客との契約には、提供した商品及び製品が合意された仕様に従っていない等の場合には無償で修理又は部品の交換等を行うことを保証する条項が含まれており、この保証に関連する費用に対して、当社グループは製品保証引当金を認識しています。製品保証引当金に関する会計方針は、(15)引当金に記載しています。
② 金融サービスの提供
金融サービスの収益のうち、債権の利息収益については、利息相当額を契約期間にわたり認識しています。ファイナンス・リースに係る債権の利息収益は、利息相当額をリース期間にわたり認識しています。オペレーティング・リースから生じる収益は、リース料総額をリース期間で按分し認識しています。
(17) 政府補助金
政府補助金は、当社グループが補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で測定し、認識しています。
資産に関する補助金は、繰延収益として認識し、関連資産の見積耐用年数にわたり規則的に純損益で認識しています。
収益に関する補助金は、関連費用と対応させるために必要な期間にわたり、規則的に収益として認識、表示しています。
(18) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されています。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本又はその他の包括利益として認識する項目を除き、純損益として認識しています。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しています。税額の算定に使用する税率及び税法は、報告期間の末日までに制定又は実質的に制定されているものです。
また、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法上の解釈に基づき税務ポジションが発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しています。
② 繰延税金
繰延税金は、報告期間の末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と、関連する税務基準額との差額である一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを回収できる課税所得が生じる可能性が高い範囲において認識し、繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しています。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産又は負債を認識していません。
・企業結合取引ではなく、取引時に会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えず、かつ、取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異とを生じさせない取引から発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な将来に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が高くない場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消時期をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しています。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び負債は、当連結会計年度末に制定又は実質的に制定されている法律に基づいて、当該資産が実現される又は負債が決済される時点において適用されると予測される税率を用いて測定しています。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ、法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しています。
なお、各四半期における法人所得税費用は、年間の見積実効税率に基づいて算定しています。
また、当社グループは、「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール(IAS第12号「法人所得税」の改訂)」(2023年5月公表)を適用しています。
なお、当社グループは、本改訂における例外規定を適用し、経済協力開発機構が公表した第2の柱モデルルールを導入するために制定又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税に係る繰延税金に関して、認識及び開示を行っていません。また、当社グループは、制度対象となる構成事業体各社の直近の税務申告書、国別報告書及び財務諸表に基づきグローバル・ミニマム課税制度適用に伴う潜在的な影響を評価した結果、第2の柱の法人所得税に対する重要性があるエクスポージャーを想定していません。
(19) 1株当たり利益
基本的1株当たり四半期利益は、親会社の所有者に帰属する純損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の期中平均株式数で除して算定しています。
希薄化後1株当たり四半期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しています。
(20) 資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は資本として分類し、発行価額を資本金及び資本剰余金に含めています。
② 自己株式
当社グループが取得した自己株式は、取得原価で認識し、資本の控除項目としています。
自己株式を売却した場合は、受取対価を資本の増加として認識し、帳簿価額と受取対価の差額は資本剰余金に含めています。