有価証券報告書-第86期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
・会社の経営の基本方針
当社グループは、「技術と信用を重んじ 一致協力して企業の生々発展に努力し広く社会に奉仕する」ことを経営理念としています。
お客様や取引先をはじめ株主・従業員・地域社会などの数多くの人々との関係の中で、企業としての社会的役割、責任を自覚した経営を行い、公正で健全な企業活動を通じて、安全で高性能・高品質な製品とサービスを提供して、社会への貢献と企業価値の拡大を図ることを経営の基本方針としています。
このような方針のもと、当社グループは特装車事業、環境事業、不動産賃貸等事業の3つを展開しています。
・中長期的な会社の経営戦略
中期経営計画 2019-21 ~To the Growth Cycle~(2019年4月1日~2022年3月31日)では、以下の基本方針のもと、グループの成長に向けた重点戦略を推進しています。
<基本方針>当社グループは、変化に柔軟に対応できるグローバルな企業となるために、生産性と利益率の向上及び社会課題への貢献と事業成長の両立のための施策を着実に実行し、上記に対し、経営資源を積極的に投入します。
<1>生産性の向上と利益体質の強化
収益基盤強化に向けた設備投資効果の最大化を図ります。また、IoTやAI等の活用を進めるとともに、より高付加価値・高品質な製品・サービスを提供します。
<2>将来の収益源の創出
海外事業の収益基盤確立、新分野の事業確立等に向け、グループの既存リソースやアライアンス、M&Aを活用しつつ、積極的に経営資源を投入します。
<3>企業品質の向上と社会的価値の深化
安全・コンプライアンスの徹底を基本とし、さらに、働き方改革と従業員育成、事業を通じた社会貢献を推進します。
<重点戦略><1>特装車事業
① 営業から設計・生産まで一気通貫、一体となった取組みで事業全体としての効率化・利益確保を図る。
② 前計画期間中までに投資した設備の活用と新たな設備投資により売上拡大・生産性向上を図る。
③ 顧客満足度の高いサービスでブランドの差別化と安定収益確保を目指す。
④ 操作の自動化・省力化、安全性など時代ニーズを捉えた製品開発を推進する。
<2>環境事業
① 独自技術・安全性等による差別化と他社との協業を推進することで、プラント受注の確保を図る。
② サービスの提案力と工事対応力を高め、安定基盤を維持する。
③ 核となる製品やシステムの新規開発を進め、新規分野への進出・事業化を図る。
<3>パーキング事業
① 立体駐車装置についてはリニューアル案件に注力し、差別化した商品の開発や提案活動を推進する。
② 時間貸し駐車場については各事業地の収益確保・新規事業地の選別受注に注力する。
③ 将来に向けた海外市場開拓と新製品開発を推進する。
<4>海外事業
① 海外拠点については収益基盤確立に向けてリソースを投入する。
② 日本・中国を含めてグループで連携したクロスボーダーな事業展開を推進し、全体最適化を図る。
<5>その他
① IoT・AI 等の活用を積極的に進め、製品・サービスの付加価値向上と社内業務の効率化・自動化を推進。
② チームで人を育てる社員育成と働き方改革を推進し、社員一人ひとりが付加価値の高い業務に集中できる環境づくりに取り組む。
③ 転換期を迎える社会の中、事業活動を通じて社会課題に取り組むことで企業としての持続的成長と付加価値向上につなげる。
・目標とする経営指標
中期経営計画 2019-21 ~To the Growth Cycle~ (2019年4月1日~2022年3月31日)の最終年度である2022年3月期に連結ベースで売上高110,000百万円以上、営業利益9,000百万円以上とすることを経営目標としています。
・経営環境及び対処すべき課題
当社グループの展開する事業セグメントには、特装車事業、環境事業、不動産賃貸等事業の3つがあります。各セグメントの連結売上高に占める割合は、主力の特装車事業が約85%、環境事業が約9%、不動産賃貸等事業が約6%となっています。
特装車事業について
当社グループの特装車事業の売上高の大半は、主に極東開発工業株式会社と日本トレクス株式会社によって構成されています。製品の主な販売先として、トラックメーカー、トラックの販売会社(ディーラー)、レンタル会社、建機商社、自治体、ユーザー(運送会社や廃棄物処理企業等)への直接販売等があります。
受注生産を基本としており、一部の例外を除き先行生産や在庫を保有することはなく、顧客からの注文を受けて製造に着手します。
主要な製品群は次のとおりです。これらに大型・中型・小型の分類があり、かつ仕様についても顧客のカスタムオーダーを細かく織り込んで生産していくため、「多品種少量生産」が当社グループにおける特装車事業の特徴となっています。
1.建設系車両(ダンプトラック、コンクリートポンプ車)
2.物流・省力関連車両(トレーラー、ウイング、バン、テールゲートリフタ、タンクローリ、散水車、給水車、粉粒体運搬車、車輛運搬車)
3.環境関連その他(ごみ収集車、脱着ボデー車、その他特殊車)
次に主要な生産拠点は次のとおりです。工場ごとに担当製品を定め、それに応じた共通及び固有の設備を設け生産活動を行っています。
神奈川県大和市 横浜工場 ダンプトラックなど
愛知県小牧市 名古屋工場 テールゲートリフタなど
愛知県豊川市 日本トレクス本社工場 トレーラー、バンなど
愛知県豊川市 日本トレクス音羽工場 ウイングなど
愛知県豊川市 日本トレクス御津工場 スワップボデーなど
兵庫県三木市 三木工場 コンクリートポンプ車、ごみ収集車など
福岡県飯塚市 福岡工場 ダンプトラックなど
特装車事業における各製品の需要動向は基本的に、1.国内のトラックの需要動向と、2.上記のそれぞれの製品分野の景気動向に影響を受けます。必ずしも一概には言えませんが、一例として建設・土木需要が好調な際は建設系車両の需要が相応に高まり、物流ニーズが強いときは物流関連車両の需要も高まります。他の製品群と比べますとごみ収集車など環境関連は比較的変動が少なく安定した分野です。
当社グループは上記の製品の中で、コンクリートポンプ車やトレーラーなど複数の製品で国内トップシェアを確保しておりますが、2位、3位の製品もあります。
同業他社と比較した当社グループの特徴は、総合的に各種特装車のラインナップを備えている点と、連結業績における特装車事業の比率が高い点が挙げられます。
特装車事業は、国内のトラックに関する排気ガス等の環境法規制や車両重量規制、あるいは自動車の型式変更のタイミングなどにおいて駆け込み需要や反動減などが生じる業界です。
ここ数年の国内のトラック需要は高水準とは言えないまでも比較的安定しており、特にトレーラやウイングなど物流関連の車両が非常に高水準で推移していましたが、直近では落ち着きが見られます。建設関連は東日本大震災後の復興需要で増加したのち、近年は低調でしたが、徐々に底打ち感が見られ、2021年3月期は前年の小型トラックに対する排ガス規制の駆け込み需要の反動減があったものの、コロナ禍においても堅調な需要がありました。
環境事業について
当社グループの環境事業は、主に地方自治体向けの廃棄物処理施設の設計施工(建設業)と、これら施設の運転受託及びメンテナンス・サービス等によって構成されています。
一般的に廃棄物処理施設の市場全体の中では焼却炉の分野が多くを占めますが、当社グループでは主に廃棄物の選別及び再資源化等のリサイクル分野を中心に手掛けており、その中ではトップクラスのシェアを確保しています。最近ではバイオガス事業の分野にも進出し、関連する事業領域の拡大を図っています。
環境事業の販売先の多くは地方自治体又は自治体が組成する清掃組合等となりますが、同業他社や建設会社がこれらの販売先から直接施設の建設を受注した際に当社がその一部の再委託先として参入する商流もあります。一部民間の産業廃棄物処理企業等にも販売しています。
当社グループでは、施設の建設から竣工後の運転、メンテナンスやサービスなど、顧客の要求する一連のサービスを網羅的に提供し、リサイクルや環境整備等の社会貢献を通じて事業の拡充に努めています。
国内の廃棄物処理施設に関する市場は、少子高齢化や地方自治体の財政難及び統廃合等を背景として今後大きな増加を期待することは困難ですが、国民の生活に必要不可欠の施設であることから、今後も施設の更新や再投資など一定の需要は継続する分野です。
足元では定期的に新規受注を確保し、一定の受注残高を維持しながら複数の建設工事を同時並行で進めています。2021年3月期の環境事業の売上高は工事が竣工する物件が少ない期であったため前年度より減少しましたが、グループの重要な収益基盤と位置付けている運転受託やメンテナンス等のストックビジネスの分野では4施設の運転を新たに受託するなど堅調に推移しており、営業利益は前年度より増加しました。
不動産賃貸等事業について
当社グループの不動産賃貸等事業は、駐車場(パーキング)事業と、一部の保有不動産の賃貸による有効活用の分野に大別されます。
駐車場(パーキング)事業は主に連結子会社の極東開発パーキング株式会社が運営しており、機械式立体駐車装置の製造(建設業)と、時間貸駐車場(コインパーキング)の運営で構成されています。
機械式立体駐車装置の販売先は、マンションのデベロッパーや建設会社、管理会社、管理組合、あるいは自動車の販売会社等です。近年マンション等の駐車場設置率は徐々に低下していますが、駐車場のリニューアル工事や定期点検、アフターサービスの分野に注力しています。
時間貸駐車場(コインパーキング)は、土地を所有者から賃借し駐車場設備を設置の上、一般利用の顧客から収益を得ています。稼働状況により時間貸と月極を組み合わせた運営を行うほか、地方自治体や商業施設の駐車場の運営を受託する商流もあります。大手同業他社もある中で当社グループでは特に採算性を重視した事業運営を行っており、現下の新型コロナウイルス感染症の影響による外出抑制の影響で各事業地における稼働率が低下している状況ではあるものの、トータルコストの削減を行い利益の確保に努めています。
駐車場(パーキング)事業全体では、上記の通り時間貸駐車場(コインパーキング)の分野が減少しているものの、機械式立体駐車装置の新規販売及びこれらのメンテナンス・アフターサービス等の分野が底堅く推移しています。また、一部の保有不動産の賃貸も安定収益として業績の下支えを担っています。
新型コロナウイルス感染症の影響について
我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束までには時間を要し、厳しい環境が続くものと思われます。
当社グループでは新型コロナウイルス感染症に関する基本方針を定め、その影響を以下のとおり想定しています。
当社グループでは新型コロナウイルス感染症に関する基本方針を「お客様、地域の皆様、グループ従業員の安全確保を最優先としながら事業継続との両立を図る。」と定め、各種施策の実施により感染リスク低減を図っています。当社グループの直近の状況及び対策は次のとおりです。
1.感染者(陽性反応の判定を受けた従業員)は全員軽症で、事業活動への影響はほぼ無し。
2.テレワーク・時差出勤・マイカー通勤を実施。
3.テレビ会議・WEB会議を活用し、外出制限下でも業務を継続すべく、デジタル化を推進。
4.工場及びサービス拠点は十分な感染対策を実施しながら通常稼働。
主力の特装車事業に関しては約580億円余り(2021年3月末現在)の受注残高を有しており、これは連結特装車事業売上高の6カ月分以上に該当します。現状、工場の生産活動において大きな支障は生じていません。
今後、新型コロナウイルス感染症が長期化した場合や更なる感染拡大が発生した場合の懸念としては、次の状況が考えられます。
1.営業活動における新規商談の遅延及びキャンセル。
2.生産活動におけるトラックシャシ搬入の遅延や部品調達等サプライチェーンへの影響。
環境事業に関しては、国民等の生活に必要不可欠な公共工事という性質上、建設工事に遅延等は発生せず通常稼働しています。運転受託等についても家庭ごみの増加等により稼働率が上昇し繁忙な状況です。当セグメントに関しては業績への影響は殆どないものと見込んでいます。
不動産賃貸等事業に関しては、外出抑制によりコインパーキング事業等で客足が遠のき、各事業地において稼働率が低下する状況が続いており、売上高への影響が見られます。
このような状況のもと、当社グループでは、最終年度となる中期経営計画 2019-21 ~To the Growth Cycle~(2019年4月1日~2022年3月31日)の総纏めとして、掲げた基本方針のもとで経営目標を達成すべく引き続き重点戦略を推進し、売上・利益の確保及び企業価値の一層の向上に向けてグループ一丸となって取り組んでまいりますが、現下及び今後の動向を注視し、必要に応じて方針の修正等を検討・実施するなど、柔軟に対処いたします。
・会社の経営の基本方針
当社グループは、「技術と信用を重んじ 一致協力して企業の生々発展に努力し広く社会に奉仕する」ことを経営理念としています。
お客様や取引先をはじめ株主・従業員・地域社会などの数多くの人々との関係の中で、企業としての社会的役割、責任を自覚した経営を行い、公正で健全な企業活動を通じて、安全で高性能・高品質な製品とサービスを提供して、社会への貢献と企業価値の拡大を図ることを経営の基本方針としています。
このような方針のもと、当社グループは特装車事業、環境事業、不動産賃貸等事業の3つを展開しています。
・中長期的な会社の経営戦略
中期経営計画 2019-21 ~To the Growth Cycle~(2019年4月1日~2022年3月31日)では、以下の基本方針のもと、グループの成長に向けた重点戦略を推進しています。
<基本方針>当社グループは、変化に柔軟に対応できるグローバルな企業となるために、生産性と利益率の向上及び社会課題への貢献と事業成長の両立のための施策を着実に実行し、上記に対し、経営資源を積極的に投入します。
<1>生産性の向上と利益体質の強化
収益基盤強化に向けた設備投資効果の最大化を図ります。また、IoTやAI等の活用を進めるとともに、より高付加価値・高品質な製品・サービスを提供します。
<2>将来の収益源の創出
海外事業の収益基盤確立、新分野の事業確立等に向け、グループの既存リソースやアライアンス、M&Aを活用しつつ、積極的に経営資源を投入します。
<3>企業品質の向上と社会的価値の深化
安全・コンプライアンスの徹底を基本とし、さらに、働き方改革と従業員育成、事業を通じた社会貢献を推進します。
<重点戦略><1>特装車事業
① 営業から設計・生産まで一気通貫、一体となった取組みで事業全体としての効率化・利益確保を図る。
② 前計画期間中までに投資した設備の活用と新たな設備投資により売上拡大・生産性向上を図る。
③ 顧客満足度の高いサービスでブランドの差別化と安定収益確保を目指す。
④ 操作の自動化・省力化、安全性など時代ニーズを捉えた製品開発を推進する。
<2>環境事業
① 独自技術・安全性等による差別化と他社との協業を推進することで、プラント受注の確保を図る。
② サービスの提案力と工事対応力を高め、安定基盤を維持する。
③ 核となる製品やシステムの新規開発を進め、新規分野への進出・事業化を図る。
<3>パーキング事業
① 立体駐車装置についてはリニューアル案件に注力し、差別化した商品の開発や提案活動を推進する。
② 時間貸し駐車場については各事業地の収益確保・新規事業地の選別受注に注力する。
③ 将来に向けた海外市場開拓と新製品開発を推進する。
<4>海外事業
① 海外拠点については収益基盤確立に向けてリソースを投入する。
② 日本・中国を含めてグループで連携したクロスボーダーな事業展開を推進し、全体最適化を図る。
<5>その他
① IoT・AI 等の活用を積極的に進め、製品・サービスの付加価値向上と社内業務の効率化・自動化を推進。
② チームで人を育てる社員育成と働き方改革を推進し、社員一人ひとりが付加価値の高い業務に集中できる環境づくりに取り組む。
③ 転換期を迎える社会の中、事業活動を通じて社会課題に取り組むことで企業としての持続的成長と付加価値向上につなげる。
・目標とする経営指標
中期経営計画 2019-21 ~To the Growth Cycle~ (2019年4月1日~2022年3月31日)の最終年度である2022年3月期に連結ベースで売上高110,000百万円以上、営業利益9,000百万円以上とすることを経営目標としています。
・経営環境及び対処すべき課題
当社グループの展開する事業セグメントには、特装車事業、環境事業、不動産賃貸等事業の3つがあります。各セグメントの連結売上高に占める割合は、主力の特装車事業が約85%、環境事業が約9%、不動産賃貸等事業が約6%となっています。
特装車事業について
当社グループの特装車事業の売上高の大半は、主に極東開発工業株式会社と日本トレクス株式会社によって構成されています。製品の主な販売先として、トラックメーカー、トラックの販売会社(ディーラー)、レンタル会社、建機商社、自治体、ユーザー(運送会社や廃棄物処理企業等)への直接販売等があります。
受注生産を基本としており、一部の例外を除き先行生産や在庫を保有することはなく、顧客からの注文を受けて製造に着手します。
主要な製品群は次のとおりです。これらに大型・中型・小型の分類があり、かつ仕様についても顧客のカスタムオーダーを細かく織り込んで生産していくため、「多品種少量生産」が当社グループにおける特装車事業の特徴となっています。
1.建設系車両(ダンプトラック、コンクリートポンプ車)
2.物流・省力関連車両(トレーラー、ウイング、バン、テールゲートリフタ、タンクローリ、散水車、給水車、粉粒体運搬車、車輛運搬車)
3.環境関連その他(ごみ収集車、脱着ボデー車、その他特殊車)
次に主要な生産拠点は次のとおりです。工場ごとに担当製品を定め、それに応じた共通及び固有の設備を設け生産活動を行っています。
神奈川県大和市 横浜工場 ダンプトラックなど
愛知県小牧市 名古屋工場 テールゲートリフタなど
愛知県豊川市 日本トレクス本社工場 トレーラー、バンなど
愛知県豊川市 日本トレクス音羽工場 ウイングなど
愛知県豊川市 日本トレクス御津工場 スワップボデーなど
兵庫県三木市 三木工場 コンクリートポンプ車、ごみ収集車など
福岡県飯塚市 福岡工場 ダンプトラックなど
特装車事業における各製品の需要動向は基本的に、1.国内のトラックの需要動向と、2.上記のそれぞれの製品分野の景気動向に影響を受けます。必ずしも一概には言えませんが、一例として建設・土木需要が好調な際は建設系車両の需要が相応に高まり、物流ニーズが強いときは物流関連車両の需要も高まります。他の製品群と比べますとごみ収集車など環境関連は比較的変動が少なく安定した分野です。
当社グループは上記の製品の中で、コンクリートポンプ車やトレーラーなど複数の製品で国内トップシェアを確保しておりますが、2位、3位の製品もあります。
同業他社と比較した当社グループの特徴は、総合的に各種特装車のラインナップを備えている点と、連結業績における特装車事業の比率が高い点が挙げられます。
特装車事業は、国内のトラックに関する排気ガス等の環境法規制や車両重量規制、あるいは自動車の型式変更のタイミングなどにおいて駆け込み需要や反動減などが生じる業界です。
ここ数年の国内のトラック需要は高水準とは言えないまでも比較的安定しており、特にトレーラやウイングなど物流関連の車両が非常に高水準で推移していましたが、直近では落ち着きが見られます。建設関連は東日本大震災後の復興需要で増加したのち、近年は低調でしたが、徐々に底打ち感が見られ、2021年3月期は前年の小型トラックに対する排ガス規制の駆け込み需要の反動減があったものの、コロナ禍においても堅調な需要がありました。
環境事業について
当社グループの環境事業は、主に地方自治体向けの廃棄物処理施設の設計施工(建設業)と、これら施設の運転受託及びメンテナンス・サービス等によって構成されています。
一般的に廃棄物処理施設の市場全体の中では焼却炉の分野が多くを占めますが、当社グループでは主に廃棄物の選別及び再資源化等のリサイクル分野を中心に手掛けており、その中ではトップクラスのシェアを確保しています。最近ではバイオガス事業の分野にも進出し、関連する事業領域の拡大を図っています。
環境事業の販売先の多くは地方自治体又は自治体が組成する清掃組合等となりますが、同業他社や建設会社がこれらの販売先から直接施設の建設を受注した際に当社がその一部の再委託先として参入する商流もあります。一部民間の産業廃棄物処理企業等にも販売しています。
当社グループでは、施設の建設から竣工後の運転、メンテナンスやサービスなど、顧客の要求する一連のサービスを網羅的に提供し、リサイクルや環境整備等の社会貢献を通じて事業の拡充に努めています。
国内の廃棄物処理施設に関する市場は、少子高齢化や地方自治体の財政難及び統廃合等を背景として今後大きな増加を期待することは困難ですが、国民の生活に必要不可欠の施設であることから、今後も施設の更新や再投資など一定の需要は継続する分野です。
足元では定期的に新規受注を確保し、一定の受注残高を維持しながら複数の建設工事を同時並行で進めています。2021年3月期の環境事業の売上高は工事が竣工する物件が少ない期であったため前年度より減少しましたが、グループの重要な収益基盤と位置付けている運転受託やメンテナンス等のストックビジネスの分野では4施設の運転を新たに受託するなど堅調に推移しており、営業利益は前年度より増加しました。
不動産賃貸等事業について
当社グループの不動産賃貸等事業は、駐車場(パーキング)事業と、一部の保有不動産の賃貸による有効活用の分野に大別されます。
駐車場(パーキング)事業は主に連結子会社の極東開発パーキング株式会社が運営しており、機械式立体駐車装置の製造(建設業)と、時間貸駐車場(コインパーキング)の運営で構成されています。
機械式立体駐車装置の販売先は、マンションのデベロッパーや建設会社、管理会社、管理組合、あるいは自動車の販売会社等です。近年マンション等の駐車場設置率は徐々に低下していますが、駐車場のリニューアル工事や定期点検、アフターサービスの分野に注力しています。
時間貸駐車場(コインパーキング)は、土地を所有者から賃借し駐車場設備を設置の上、一般利用の顧客から収益を得ています。稼働状況により時間貸と月極を組み合わせた運営を行うほか、地方自治体や商業施設の駐車場の運営を受託する商流もあります。大手同業他社もある中で当社グループでは特に採算性を重視した事業運営を行っており、現下の新型コロナウイルス感染症の影響による外出抑制の影響で各事業地における稼働率が低下している状況ではあるものの、トータルコストの削減を行い利益の確保に努めています。
駐車場(パーキング)事業全体では、上記の通り時間貸駐車場(コインパーキング)の分野が減少しているものの、機械式立体駐車装置の新規販売及びこれらのメンテナンス・アフターサービス等の分野が底堅く推移しています。また、一部の保有不動産の賃貸も安定収益として業績の下支えを担っています。
新型コロナウイルス感染症の影響について
我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束までには時間を要し、厳しい環境が続くものと思われます。
当社グループでは新型コロナウイルス感染症に関する基本方針を定め、その影響を以下のとおり想定しています。
当社グループでは新型コロナウイルス感染症に関する基本方針を「お客様、地域の皆様、グループ従業員の安全確保を最優先としながら事業継続との両立を図る。」と定め、各種施策の実施により感染リスク低減を図っています。当社グループの直近の状況及び対策は次のとおりです。
1.感染者(陽性反応の判定を受けた従業員)は全員軽症で、事業活動への影響はほぼ無し。
2.テレワーク・時差出勤・マイカー通勤を実施。
3.テレビ会議・WEB会議を活用し、外出制限下でも業務を継続すべく、デジタル化を推進。
4.工場及びサービス拠点は十分な感染対策を実施しながら通常稼働。
主力の特装車事業に関しては約580億円余り(2021年3月末現在)の受注残高を有しており、これは連結特装車事業売上高の6カ月分以上に該当します。現状、工場の生産活動において大きな支障は生じていません。
今後、新型コロナウイルス感染症が長期化した場合や更なる感染拡大が発生した場合の懸念としては、次の状況が考えられます。
1.営業活動における新規商談の遅延及びキャンセル。
2.生産活動におけるトラックシャシ搬入の遅延や部品調達等サプライチェーンへの影響。
環境事業に関しては、国民等の生活に必要不可欠な公共工事という性質上、建設工事に遅延等は発生せず通常稼働しています。運転受託等についても家庭ごみの増加等により稼働率が上昇し繁忙な状況です。当セグメントに関しては業績への影響は殆どないものと見込んでいます。
不動産賃貸等事業に関しては、外出抑制によりコインパーキング事業等で客足が遠のき、各事業地において稼働率が低下する状況が続いており、売上高への影響が見られます。
このような状況のもと、当社グループでは、最終年度となる中期経営計画 2019-21 ~To the Growth Cycle~(2019年4月1日~2022年3月31日)の総纏めとして、掲げた基本方針のもとで経営目標を達成すべく引き続き重点戦略を推進し、売上・利益の確保及び企業価値の一層の向上に向けてグループ一丸となって取り組んでまいりますが、現下及び今後の動向を注視し、必要に応じて方針の修正等を検討・実施するなど、柔軟に対処いたします。