有価証券報告書-第73期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 15:49
【資料】
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【項目】
124項目

研究開発活動

当社グループは、社会と環境に調和した技術の創造を通して世界の人々に喜びと安心を提供するという基本理念に基づき、輸送用機器関連事業及び情報サービス事業を中心に、研究開発活動を推進しております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は15,843百万円であり、全て輸送用機器関連事業によるものであります。
マーケットインをベースに事業拡大を図る為、「オリジナリティのある開発型企業」を目指して、将来における商品及び技術の動向を予測した開発戦略に基づき、研究開発テーマを推進しております。
商品力と技術力を飛躍的に高め、お客様から信頼をいただくために、当社の強みとするモーター技術に制御技術、及び機構技術を相互に結び合わせたトップランナー商品の開発を強化し、お客様の安全・安心に関するニーズにお応えするとともに、多様化していくモビリティ社会に対し新たな価値を提供したいと考えています。
また、自動車産業は国内市場が成熟する一方で、新興国の市場は拡大しています。新興国のニーズに応えるために、開発の現地化を進めてまいります。
主要なテーマとして、将来の環境変化(地球環境保全や少子高齢化等)に対応するため、モーター技術と制御技術をコア技術としたスマートアクチュエーターの研究開発及び、そのキーとなる要素技術の開発を進めております。また、新成長分野及び将来市場の開拓に繋がる「モーター・制御・機構」技術を統合したシステム商品の研究開発を進めるとともに、先進の制御技術やセンシング技術、デバイス技術の研究として、大学やつくば市の物質・材料研究機構等と共同研究を行っております。
また、当社、群馬大学、桐生市の三者が協働し、自動運転バスや電動モビリティを用いて、地域の移動課題解決に向けたモビリティネットワーク社会実装研究の取り組みを開始しました。4月には仙台研究開発センターを開設し、自動車の変化に即応した高度に制御化された新価値商品を、産官学連携のもと、研究開発をしていきます。
また、当連結会計年度において立ち上げた主な商品は、フロントワイパーシステム、リアワイパーシステム、ウインドウォッシャーシステム、ドアミラー、パワーウインドウモーター、シートモーター、サンルーフモーター、ファンモーター、四輪用スターターモーター、電動オイルポンプ、二輪用スターターモーター、二輪用燃料ポンプ、LEDウィンカーランプ、及び各種コントローラー等があります。
現在は、機電一体化製品の充実、スマートアクチュエーターの開発や新価値の創出に向け、システム開発力を強化しています。グローバル製品開発体制につきましては、国内・海外の各研究開発拠点の計画的な拡大整備を進めています。
一方、生産技術分野においては、商品を構成する部品の競争力強化を目的に、革新的な加工技術開発や、商品付加価値向上への取り組み、廃材ゼロ化による環境負荷低減等の技術開発を推進しています。また、生産ラインの構想段階でのバーチャル検討や3Dシミュレーション等、デジタルエンジニアリングを活用し、究極のムダ取りを目指した生産システム開発に取組んでおります。さらに、インドネシア、ベトナム、中国、メキシコ拠点での設備・金型製作を通じて、グローバルでの生産技術力の強化を推し進めるとともに、技能五輪のメカトロニクス職種へのチャレンジ等を通じて若手社員の人材育成にも努めております。