有価証券報告書-第51期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 14:22
【資料】
PDFをみる
【項目】
106項目

研究開発活動

当社グループの研究開発は、以下11ジャンルの製品開発と技術研究所での次世代研究の2本立てで進めており、製品開発は、日本と中国での二極体制で行っております。
① 車内小物用品、オートスポーツ用品
② ワイパー
③ チャイルドシート、ジュニアシート、チャイルド用品
④ 自動車メーカー向け純正用品
⑤ ルーフキャリア、ルーフBOX、ロッドホルダー
⑥ タイヤチェーン
⑦ 芳香剤(Sai、BLANG)
⑧ ケミカル用品、消臭剤、エアコンフィルター
⑨ エレクトロニクス製品(エンジンスターター、カーセキュリティ、スマホ関連用品)
⑩ ライティング製品(HID、LEDバルブ、ハロゲンバルブ)
⑪ スノーボード、ビンディング、ブーツ
製品開発部門と技術研究所には「機械系」「ケミカル系」「繊維系」「エレクトロニクス系」「ソフトウェア系」「光学系」および「知財系」「開発サポート系」の技術者が総勢100数名所属していますが、市場競争力のある製品をスピーディーに生み出すため体制は年度毎に見直しております。製品開発は「ユーザーニーズ・ウォンツを取り込むこと」を主体に、製品毎にプランナー・デザイナー・エンジニアがそれぞれに関わり合った形で行われ、どの製品ジャンルにおいても競争力の強い製品に仕上げるために、「安全・安心品質」と「お客様が認める価値を創出」をテーマに、「技術融合でオンリーカーメイトな新用品」の開発を目指しております。
一方、当社連結子会社である中国の快美特汽車精品(深セン)有限公司では日本人技術指導者と中国人技術者の総勢30数名の体制で、中国国内ならびに日本国内向けの製品開発を行っております。
新製品は「車内小物用品」「芳香剤」「消臭剤」「ケミカル用品」を中心として毎年春と秋に発売しており、当連結会計年度も多数の新製品を発売しました。「車内小物用品」はカーボン調デザインを採用した増設ソケット、灰皿、滑り止めシート等が好調に推移しました。「オートスポーツ用品」は米国向けに純正シフトノブを発売しました。また、自動車メーカー向け純正用品は、内突R対応の灰皿を発売しました。
「ワイパー」は日本車のフラットワイパー純正採用増加に対応するため、撥水替えゴムを発売しました。「芳香剤」は、エアコン風を利用して香りを広げるウインドパス機構を採用した「ブラング・グランリキッド」シリーズを発売しました。「消臭剤」は、消臭・除菌・ウイルス除去効果のある「ドクターデオ」に加えて、消臭効果200%(従来比)の「ドクターデオプレミアム」シリーズを発売しました。「ケミカル」は、ユーザー体感性能を持った高機能ホイールケア製品「グランズ」シリーズを発売しました。
「エレクトロニクス製品」ではタッチスタートルーターを機能向上した「TE-BT2」を発売しました。「ライティング製品」においては、雨、霧、雪道で見易さを発揮する保安基準適合の純正交換球「GIGA H.I.D. レインクリア」の開発を完了し、コンバージョンに最高の明るさを提供するパワープラスシリーズを追加しました。また、LED製品は、交換型LEDバルブを順次刷新し、更に超高輝度で保安基準適合のLEDヘッドライトバルブ「ゴールダー」3品番を発売しました。高い放熱性能を持ったLEDチップを安全に駆動させることで、安心の3年間保証を実現しました。ハロゲン製品は、当社独自のシェードレス構造に加え、従来よりも細い封体で更に発光効率を上げたパワーフォーカススリムシリーズとワイドな配光を実現するワイドパワーバルブを発売しました。
「ルーフキャリア」「チャイルドシート」「スノーボード用ビンディング」は、国内市場に留まらずグローバル戦略製品と位置付けております。これらの製品は海外営業と一体になった開発を進めており、「ルーフキャリア」はアルミエアロベースステー「フラッシュタイプ」に続き、平成27年「スルータイプ」4種類を発売しベーシックキャリアのラインナップの充実をしました。アタッチメントではアーチ型カットラインでクルマとの一体感を追求したBOX「WEDGE」を発売し日本、米国とも市場に受け入れられ好調に推移しています。「スノーボード用ビンディング」はハニカムストラップを開発、あらゆる環境下でも柔軟に装着できるプラスチック素材を採用し、フィット感向上と長時間滑走でも疲労を蓄積しにくくしました。また足首部分のレスポンス向上により、耐ハイスピード性向上により、幅広いユーザー様から支持され好調に推移しました。「チャイルドシート」は中国の法制化対応を進めており「サラット3ステップ」、と「サラットクルーズ」、「クルットNT2」、「クルット3i」、及び「スイングムーン」で、平成26年9月から実施されているCCC(中国強制認証)を取得して中国国内で発売中です。チャイルドシート衝突試験機は、ECE R44/04の認証をテスト出来る体制が整い、当該設備を使用して平成27年10月に、「クルット4s」の国交省によるECE認証を取得しました。さらに、より条件の厳しい国内外の消費者テストを見据えることで世界最高レベルの安全性を有するチャイルドシートづくりを進めており、平成26年1月に国土交通省より発表された「新安全基準」取得のための設備も順次導入中です。
技術研究所はアプリ・スマホ連携機器・ロボット開発を中心に研究を行っております。
スマホ連携機器としては、平成27年東京モーターショーで参考出品したチャイルドシートやルーフキャリアのセンシングや電動化などの開発を継続。安全運転支援アプリ「DriveMate SafetyCam」のアップデートを行い、ユーザーログからお客様の安心・安全を提供できるビックデータ研究にも取り組んでいます。また、大分県警察本部と共同開発した安全運転支援アプリ「ドラさぽ」では、交通安全への功績として、民間企業では唯一平成28年2月に表彰され、新たな取り組みをスタートしています。
特許や実用新案の出願も積極的に進めており、当連結会計年度における出願件数は23件(国内16件、海外7件)、登録済み件数は91件(国内82件、海外9件)です。なお、意匠並びに商標の登録件数は780件(国内475件、海外305件)です。
当連結会計年度における研究開発費の実績は、車関連事業で1,329,245千円、アウトドア・レジャー・スポーツ関連事業で39,856千円、合計1,369,101千円であります。