有価証券報告書-第97期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 10:12
【資料】
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【項目】
150項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 会社の経営の基本方針
① 当社グループは半導体製造装置及び計測機器メーカーとして、顧客の生産性向上に寄与する最先端の製品開発とカスタマーサポートに注力している。企業成長の必須条件である「安全・健康」、「品質」、「環境・省エネルギー」、「全員力」を行動指針として、これまで培ってきた精密測定技術と精密加工技術を活かし、優れた半導体製造装置と計測機器を開発・供給することを通じ、顧客、株主の皆様、従業員、地域社会、国際社会等広く社会に貢献していく。
② 当社グループは、「世界中の優れた技術・知恵・情報を融合して世界No.1の商品を創り出し、皆様と共に大きく成長していく」ことを企業理念としている。「WIN-WINの仕事で世界No.1の商品を創ろう」をモットーに、コーポレートブランド「ACCRETECH」のもとで、当社の培ってきたコア・テクノロジーを応用することに加え、世界No.1の商品創りという共通の目的をもつ国内外の会社及び個人と“WIN-WIN”の関係を築くことにより、世界No.1の製品開発体制を構築して真のグローバル・カンパニーとなるべく努力している。
③ 当社は経営体制として、半導体社、計測社、業務会社の三つの社内カンパニー制と執行役員制を採用している。各カンパニーは、完結した組織として責任と権限を有し、それぞれの顧客に対し機動的かつ迅速に対応することにより、顧客満足の向上と業績拡大を目指している。
(2) 目標とする経営指標
技術革新がハイレベルかつハイスピードで進行する事業環境の下、成長分野において最先端技術を駆使した世界No.1商品を提供し続けることにより高収益・高効率体質を確立することを目指しており、内部資金を有効に活用し成長のための投資を効果的に行うことで資本効率を維持向上させることに努める。長期指標を「ROE10%以上」とし、その結果として一株当たり利益の長期的な上昇ひいては企業価値の長期的な上昇を実現することが経営上重要であると考えている。
なお、中期的には「連結営業利益22,000百万円」(2021年3月期までに達成)を目標としている。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
① 成長戦略の推進と業績の拡大
最先端技術を駆使した世界No.1商品を不断に提供し続けるため、品質向上と生産革新を継続的に推進し、高収益・高効率の企業体質確立に努めており、その成果も着実に顕れているが、今後とも強化された企業体質を活かして成長戦略を進め、一層の業績拡大を図っていく所存である。
一方で、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響は深刻さを増し、世界的な消費の落ち込みや世界各国の顧客の工場、製品、部材等の搬送、人の移動等に停滞、混乱が生じており、その影響を見極めるのは非常に困難な状況にある。当社グループとしては、社員の感染防止に留意しつつ、通常通りの工場操業、営業所・サービスステーション業務等を維持している。
② 継続的な利益還元
企業価値を高め、株主の皆様へ継続的に利益還元を図ることが経営の重要な課題と認識し、業績の更なる改善と安定化に努めていく所存である。
③ コーポレート・ガバナンスの充実
企業価値の向上には、国際社会から信頼される企業市民として公正で透明性の高い経営活動を展開していくためのコーポレートガバナンスの充実が不可欠と認識し、「コーポレートガバナンス基本方針」に以下の方針を掲げて、取り組んでいく所存である。
ⅰ 透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うため、取締役会の役割・責務の適切な遂行に努める。
ⅱ 株主の権利を尊重し、株主の平等性の確保に努める。
ⅲ 中長期的な株主利益を尊重する投資方針の株主との建設的な対話に努める。
ⅳ 株主以外のステークホルダーとの適切な協働に努める。
ⅴ 適切な情報開示と透明性の確保に努める。
④ グローバルな経営体制の構築
海外子会社による現地営業が定着し、海外売上高が連結売上高の過半を占めるようになった中、中国、タイ等では現地生産も行われるようになった。このような状況下、現地経営幹部の積極的登用、生産面における現地調達体制の確立、現地・本社間の経営情報の共有化等の方策を通じて、グローバル化に対応する経営体制の構築を図ることが経営の重要な課題であると認識し、その実現を目指していく所存である。