有価証券報告書-第93期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 16:43
【資料】
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【項目】
144項目

対処すべき課題

1 会社の経営の基本方針
当社グループは、「たゆみない創造と革新を続け、豊かで楽しい安全な社会づくりに貢献する」を基本理念として定め、当社グループが求め、向かう企業像を明示しております。この基本理念の実現に向け、今後さらに、人々に喜ばれる製品・サービスの創造に努め、世界の国々における取引を通じ関係者の繁栄を図ってまいります。
そして、この理念に基づき、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、株主をはじめとする様々なステークホルダーと良好な関係を築き、社会動向などを踏まえ、透明・公正な意思決定を行い、適宜必要な施策を実施してまいります。
2 中長期的な会社の経営戦略、対処すべき課題及び目標とする経営指標
2018年度を最終年度とした中期経営計画が終了したことに伴い、2019年度から2021年度までの3か年を対象期間とした新中期経営計画を策定し、2019年4月よりスタートしております。
経 営 指 針2018年度2019年度2020年度2021年度
(実績)(計画)(計画)(計画)
売上高営業利益率(%)2.52.54.05.0
営業利益 (億円)7.618.0013.0016.90
自己資本当期純利益率(ROE)(%)△0.91.93.34.3
総資産当期純利益率(ROA)(%)△0.71.42.33.0
連結売上高(億円)310315328340
海外売上高比率(%)37.642.046.050.0

<新中期経営計画の経営方針>ア.グループガバナンスの強化
「事業間の連携強化と経営幹部の育成」を中期経営計画の根幹とし、事業の垣根を越え、業務上の問題を早期に検出し、問題に対して実効的に対応できる組織・仕組みづくりを目指してまいります。また、経営幹部の任命基準を設定し、評価・研修制度を整え、ジョブローテーションも行いながら経営幹部をはじめ従業員の育成を行ってまいります。これらの施策の実行により株主の皆様をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様からの信頼回復に努めてまいります。
なお、麗声東莞における不適切な会計処理に対し、弊社が取りまとめた再発防止策は次のとおりです。
(ア)ガバナンスに関する取組み
a.グループガバナンス体制の強化
b.グループ会社経営幹部の育成
(イ)コンプライアンスに関する取組み
a.全役職員のコンプライアンス意識の徹底
b.弊社内部通報窓口の拡充
(ウ)モニタリング体制(内部統制・内部監査)に関する取組み
a.実効性のある内部監査の実施
b.専門スタッフの育成
c.全社統制機能の見直しと拡充
(エ)コミュニケーションに関する取組み
a.コミュニケーションの改善
イ.収益力の強化
本中期経営計画でも引き続き、強みの部分に経営資源を集中し、「精密分野でのカテゴリーNo.1の実現」を目指してまいります。その中で、接続端子事業とプレシジョン事業は、グループの成長エンジンとしての事業拡大をねらい、電子事業は黒字体質の定着化を図る一方で、時計事業は赤字体質からの脱却を最優先に全力で取り組んでまいります。
ウ.リズムブランド価値向上 ~ステークホルダーとの関係強化~
株主・投資家の皆様、お客様、地域・社会、従業員、当社をとりまくすべてのステークホルダーに信頼され、社会にとって必要不可欠な会社を目指してまいります。
エ.ROEの改善 ~事業利益確保と資産効率化~
ROAの目標値を定め、事業利益の拡大と資産効率化を推進してまいります。また、接続端子・プレシジョン事業の成長分野への重点投資とM&Aの推進、資産の効率化等による財務体質強化により「事業利益確保」「資産効率化」を両輪に財務体質強化とROE改善を推進してまいります。
オ.各事業の状況
(ア)時計事業
国内販売につきましては、ギフト・中高級品を中心とした新型開発を強化し、新型売上の拡大とヒット商品の創出を目指してまいります。また、営業改革として、営業手法の見直しと人材育成を行い、お客様との信頼関係を高めてまいります。また、商品・販売両面の取り組み強化により、リズムブランドの認知浸透を目指してまいります。
海外販売につきましては、更なる成長が見込める中国・米国・アジアにおけるインターネット向け製品の販売強化と人材・新型商品力強化による拡大を目指してまいります。
生産面につきましては、昨今の国際情勢、経営環境の変化を踏まえ、最適な生産体制の追求による合理化や生産性向上についても検討課題としてまいります。
時計事業全体としましては、業務改革による最適な人員配置、事業拠点の統合、在庫削減による資産効率化等の構造改革を実行し、収益力の向上を図ってまいります。
(イ)接続端子事業
自動車・二輪向けのプレス部品および成形・複合品等に強みのある当事業は、グループのネットワークを活かし、更なる営業活動強化、海外への拡販に努めるとともに、家電民生用機器についても売上拡大を図ってまいります。
生産面では、各拠点での内製化推進や半自動化・自動化による利益率向上と、お客様にご満足いただける品質の確保に継続的に取り組んでまいります。
また、将来に向けた基盤作りのため、海外を中心に設備投資とローカルスタッフの強化、充実に努めてまいります。
(ウ)プレシジョン事業
強みである高難度・高品質成形部品の売上拡大を基本政策とし、更なる拡大を目指して技術のレベルアップに挑戦し、お客様からの信頼度向上に努めてまいります。不足技術の強化に加え、新素材の研究と実用化に取り組みます。
国内では、従来の工作機械部品、車載カメラ部品の売上拡大に加えて、新領域の新規受注に取り組みます。生産面においては、昨年度に竣工した工作機械部品の新工場を本格稼働させ、生産能力の最大化を進めることと、本年度竣工する金型・成形工場の最大限の活用に努めてまいります。
海外では、ベトナムでの既存品の安定拡張に加えて、新領域の受注拡大に取り組み、プラスチック精密部品におけるベトナムNo.1に挑戦してまいります。また、中国においては品質管理プロセスの再構築による工程能力改善で、お客様に更にご満足いただける品質の確保と受注拡大に取り組んでまいります。
(エ)電子事業
前中期経営計画で完遂した構造改革を維持しつつ、収益力の改善、技術力の向上、人材の育成に取り組んでまいります。
営業面においては、引き続き、新規案件、新規顧客の獲得に重点的に取り組んでまいります。
生産面では、国内、ベトナム、中国の3拠点の役割を再編し、生産体制のスリム化と効率化を進め、コスト競争力を向上させてまいります。
また、接続端子事業、プレシジョン事業を含めた3事業の連携を強化し、新ビジネスの獲得に取り組んでまいります。電子事業が中心となって推進し、営業、技術、生産におけるシナジー効果の創出を図ります。
株主還元につきましては、安定配当、概ね30%の配当性向を基本とし、状況に応じて自己株式の取得も実施してまいります。また、当社グループ各社では、女性や外国人をはじめとする多様な人財が最大限に活躍できる環境整備に努めてまいります。さらに、収益性向上に向けた施策を積極的に展開するとともに、企業価値、株主価値の向上に努めてまいります。
株主の皆様におかれましては、今後ともより一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。