有価証券報告書-第61期(令和1年9月1日-令和2年8月31日)

【提出】
2020/11/26 13:32
【資料】
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【項目】
150項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「患者のためになり、医師の役に立つ製品の開発・生産・提供を通して世界の人々の幸福に貢献する」ことを理念に、専門的医療機器を開発から販売まで一貫して手掛け、広く世界に提供しております。更に「順法精神と独創技術を持ち将来利益を確保する」を経営基本方針に掲げて、将来利益の最大化に努めております。
(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
高齢化の進展及び医療技術の高度化は医療費の急増をもたらすことから、先進各国では医療費抑制政策が次々と打ち出されております。これらの医療制度改革に対応すべく、経営の効率化や経費削減が推し進められ、医療機関のコスト意識はより一層高まっております。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行に伴い、グローバルでの経済活動が抑制され、医療現場の逼迫に伴う一時的な外科手術・医療処置の減少が見込まれるなど、引き続き厳しい状況が続くものと考えられます。一方で、中長期的には感染症予防のための使い捨て化促進、ならびに新技術及び新製品出現による手術の適応拡大に伴う需要の拡大、さらに新興市場においては、医療インフラの整備及び所得向上による需要の拡大も予想されます。
このような環境におきまして、当社グループは、今後も「世界一の品質」を経営の中核に据え、時々刻々と変化する状況に対して、柔軟かつ機動的な対応を図り、経営の健全性を維持するとともに企業価値の増大を目指してまいります。
売上面については、開発・営業が一体となった「技術営業」をベースに、①新興市場のGDP増加、症例数増加に伴う医療機器分野での消耗品需要の増加、ならびに②先進市場における術式の変化及び手術の適応拡大に伴う新たな医療機器へのニーズの増大をより先鋭な方法で捕捉する施策を実施してまいります。
新興市場の当面のターゲットは、中国、インド、ASEANといったアジアの成長著しい巨大市場ですが、海外の販売拠点を通じて、地域に根差した販売・マーケティング活動を推進するとともに、現地ユーザーニーズの把握及び販売網の整備に努めてまいります。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によりマーケティング活動が制約されるなかでKOL (Key Opinion Leader)によるWEBセミナーを活用した新規顧客の開拓など、新たな営業スタイルの確立を目指してまいります。
先進市場向けの売上拡大については、新製品の開発・投入により実現してまいります。これまで新製品発売件数に重きが置かれていた当社の新製品開発体制について、開発テーマの優先順位付けを行い、「選択と集中」の方針をより鮮明化し、新たな独創技術の獲得、コア技術の深化及び上市スピードの向上を図ります。さらにドイツ子会社が有する技術を早期に当社グループのコア技術とすべく、引き続き連携を強化し、Co-R&Dによる歯科分野での新製品開発を進めてまいります。これらの活動を通じて、「良い製品」による「良い治療」を世界中の医療現場に普及させることで、世界の医療の質向上に貢献してまいります。
生産面については、各海外生産拠点に対する技術伝承を確実なものとし「世界一の品質」を揺るぎないものとするための体制構築を実施していく所存です。特にベトナム生産拠点であるMANI HANOI CO.,LTD.においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による受注の減少により、一時的な生産調整を余儀なくされておりますが、生産設備の自動化・省人化を進めることで生産効率を改善し、原価低減を図ってまいります。また、医療機器メーカーとして、安定的な製品供給体制の構築にも努めてまいります。
一方、海外でのオペレーションの拡大に伴い、海外拠点におけるガバナンスや内部統制の強化、ひいてはグループ内のコミュニケーションの活性化を通じたグループとしての企業文化の共有・浸透も優先的な課題として認識し、積極的に取組んでまいる所存です。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
企業価値を増大するために、営業利益伸び率を重要な経営指標と考えております。また、効率経営の指標として、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率につきましても重要視しております。