有価証券報告書-第39期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 13:14
【資料】
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【項目】
133項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境は、日本においては円安や原油安の恩恵を受けた大企業を中心に収益の拡大傾向が続きましたが、輸出や個人消費は依然として弱く、実質の経済成長は停滞が見込まれる状況となりました。
これに対し米国経済においては個人消費が下支えし、やや減速感があるものの緩やかな景気拡大が続きました。
また、欧州においては、EUでは難民問題をはじめ各国の状況が経済に影を落としながらも全体としては緩やかな景気回復が続きましたが、ロシアでは原油安や経済制裁の影響により景気低迷が続き、厳しい状態が続きました。
一方、中国においては、GDP等主要経済指標で減速傾向が鮮明になりましたが、政府による景気テコ入れ等により底堅く推移しました。
このような状況の中、当社グループは、新製品開発、新規市場の開拓に注力し、お客様や社会における多様なニーズやその変化に対応してまいりました。また、引き続き成長分野に対する積極的な投資を行うことで、他社との差別化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は40,253百万円(前連結会計年度比1.9%増)、営業利益は1,143百万円(前連結会計年度比32.6%減)、経常利益は1,014百万円(前連結会計年度比10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は448百万円(前連結会計年度比174.5%増)となりました。
セグメントの概要は、次のとおりであります。
①計測・計量機器事業
日本においては、計量機器では従来からの製品分野での売上伸長に加え、当連結会計年度に日本アビオニクス㈱から譲り受けた工業計測機器の売上が加わり、売上を伸ばしました。また、計測機器では、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)の売上が堅調だったほか、A/D・D/A変換器や電子銃等でも売上を伸ばしました。
米州においては、計測機器・計量機器とも、現地通貨ベースで堅調な売上となっており、これに加え前年同期と比べ米ドルに対し円安になっていることから、円換算額の売上高も大きく伸びました。
アジア・オセアニアにおいては、中国で計測機器の売上が、韓国やインドで計量機器の売上が伸びました。
これらの結果、計測・計量機器事業の売上高は25,933百万円(前連結会計年度比6.9%増)、営業利益は1,432百万円(前連結会計年度比1.1%減)となりました。
②医療・健康機器事業
日本においては、前期は消費税率引き上げの影響等により売上を落としておりましたが、今期は医療機器・健康機器とも新製品が寄与し、売上を伸ばしました。しかしながら、円安の影響で海外生産品の原価が上がったこと等により収益が悪化しました。
米州における健康機器は、当連結会計年度に設立したカナダの現地法人A&D Instruments Canada Inc.の売上が加わり、売上が伸びました。しかし米国では現地通貨ベースで売上が減少し、全体では減益となりました。
欧州における健康機器は、ロシアでの値上げ等によって現地通貨ベースでの売上高は伸び、更に販管費等の削減等によって利益率が改善しております。これにより、露ルーブルの価値が日本円に対して下がり円換算した売上高が大きく減少しているものの、収益は改善しております。
これらの結果、医療・健康機器事業の売上高は14,319百万円(前連結会計年度比6.1%減)、営業利益は1,020百万円(前連結会計年度比43.6%減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローが2,908百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△2,270百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△832百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額が△273百万円発生した結果、5,224百万円(前連結会計年度比8.2%減)となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,908百万円(前連結会計年度比157.6%増)となりました。これは主に減価償却費が1,384百万円、税金等調整前当期純利益が990百万円、売上債権の減少が405百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,270百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,264百万円、無形固定資産の取得による支出が723百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は832百万円(前連結会計年度は995百万円の獲得)となりました。これは長期借入金で借入れによる収入が4,005百万円、返済による支出が3,042百万円と、差し引き963百万円の収入があったものの、短期借入金につきましては純減額として1,013百万円の支出、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が546百万円、配当金の支払が258百万円等あったことによるものであります。