有価証券報告書-第192期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
当社グループは、平成28年3月末で終了した中期経営計画「Yamaha Management Plan 2016(YMP2016)」に続き、平成28年4月からの3年間を対象とした新たな中期経営計画「NEXT STAGE 12」を策定しました。
経営ビジョン「『なくてはならない、個性輝く企業』になる」を、当社グループが中長期的に目指す姿として掲げ、来たる3年間を「ブランド力の強化と、その成果としての利益率の向上」のための期間と位置付けた上で、①楽器事業のさらなる収益力向上 ②音響機器事業の成長 ③第3の柱となる部品・装置事業の基盤確立、に取り組みます。為替の円高傾向で経済環境の不透明感が強まるなかでも収益力の着実な向上を目指し、経営目標として、最終年度の営業利益率を12%に設定しました。
1 前中期経営計画「YMP2016」レビュー
「YMP2016」では、連結売上高4,300億円、連結営業利益300億円(営業利益率7%)、ROE10%の達成を目指していました。売上高、営業利益の目標は平成27年3月期に1年前倒しで達成し、最終年度である平成28年3月期にはROE10%も達成しました。
当期間においては、エレクトロニクス事業領域で計画を上回る売上成長を実現しました。また、事業構造改革(国内営業・生産、半導体)の成果出しに加え、さらなるコストダウンの推進や主力の楽器事業の粗利改善等により、強い経営基盤の構築が進みました。
2 経営ビジョン
「なくてはならない、個性輝く企業」になる ~ブランド力を一段高め、高収益な企業へ~
「YMP2016」が数値目標を大きく上回って完了できたことから、次の高い目標にグループ一丸となって挑戦するべく、当社グループが中長期的に目指す姿を経営ビジョンとして明確にしました。
3 新中期経営計画「NEXT STAGE 12」の概要
① 位置付け
高いブランド価値を持つ企業として長期的には営業利益率20%の実現を目指し、次のステップを、「なくてはならない、個性輝く企業」へ向けて「ブランド力の強化と、その成果としての利益率の向上」に取り組む3年間と位置づけます。
② 基本戦略と経営目標
新たな価値創造と差別化で競争優位力を高めることを基本戦略とし、そのために、お客様とのつながりを一層強め、魅力品質を高めるとともに、常に新しい価値ソリューションを提案していきます。
<経営目標(3年後)>営業利益率12%(平成31年3月期)
・楽器事業のさらなる収益力向上(営業利益率15%水準へ)
・楽器に並ぶ将来の事業規模を見据えた、音響機器事業の成長(売上高実質伸長20%)
・楽器・音響機器に次ぐ、第3の柱となる部品・装置事業の基盤確立
③ 4つの重点戦略
a. 個性際立つ商品の開発
素材・解析技術から音源・信号処理・ネットワークや感性評価まで保有する幅広い技術の融合によって、他社には真似のできないユニークな価値を高い基本性能の上に実現します。
新たな研究開発の拠点「イノベーションセンター(仮称)」を建設し、約2,500人の技術者を本社地区に結集することによりシナジーの創出を加速します。
b. お客様の拡大
コンシューマー向け商品の販売網拡充や地域ニーズを踏まえた音楽普及活動を加速するほか、法人およびB2Bの顧客サポート体制・拠点拡充等を通じて、それぞれのお客様に最適なサービスとソリューションを提供することにより、お客様とのつながりを強め、広げていきます。
c. 持続的なコスト低減
製造原価の低減(生産工程再配置、調達コストダウン、新工法確立等)及び、間接業務の生産性向上を継続することにより、80億円(3年間・ネット)のコスト低減を実現します。
d. グローバル事業運営の基盤強化
グループ人材の適材適所な配置と育成を進め、国を超えた人材の活躍を推進します。
また、IT、物流、会計、スタッフの機能をグローバルに最適化し、グローバル事業運営を支える基盤を強化するとともに、業務の効率化を進めます。
4 主要事業戦略
① 楽器事業
事業規模を活かした技術開発力とマーケティングによる、さらなる収益性向上を図ります。
収益性の高い電子楽器の伸長と、モデルミックスや販売価格の見直しによる粗利改善等により利益率を改善させるほか、独自の感性評価技術による楽器の本質追求や、デジタル楽器、ハイブリッドピアノ等の新価値提供により、商品競争力の強化を加速します。
また、マーケティングと顧客アクセスを地域別に最適化し、ブランド力の向上と顧客接点の拡大を推進します。
② 音響機器事業
信号処理とネットワーク技術の強みを活かした技術革新と、顧客サポートの強化により、成長を加速させます。
業務用音響機器の領域では、パートナーとなる設備事業者の付加価値を高める音響システムを提供するとともに、システムエンジニアリング・営業スタッフを全世界で増強し、音楽ホール等に加えて店舗BGM・企業会議室等への顧客の拡大を加速します。
コンシューマー・オーディオ機器の領域では、戦略商品であるMusicCastを中心に、顧客ニーズに合った自由自在な音楽視聴スタイルの提案を進め、ブランド力の強化を図ります。
③ 部品・装置事業
部品・装置事業を第3の柱とするための基盤を確立します。
半導体メーカーからソリューションベンダーに形態を転換し、車載、ホームヘルスケア、産業機器の領域で、音の技術を中心とする快適・安心・安全なソリューションを提供することにより、売上伸長を図ります。
車載領域では、音のトータル提案に加え、環境に配慮した車社会実現に向けた熱電ソリューションの開発を進めます。また、ホームヘルスケア市場に向けて、音とセンサー技術の応用による新しいソリューションを提案します。
5 ESG
持続可能な社会の実現に向け、E(Environment 環境)、S(Social 社会)、G(Governance 企業統治)の観点から、事業戦略に基づく事業活動を通じた社会課題解決への取り組み、事業プロセスにおける環境・社会への配慮、並びにコーポレートガバナンスや内部統制強化による透明で質の高い経営を目指して、引き続き様々な取り組みを進めます。
6 投資と株主還元
創出したキャッシュを戦略投資に配分した上で、積極的な株主還元を実施していきます。
・設備投資 400億円
・戦略投資 500億円(M&Aを含む)
・戦略マーケティング・戦略研究開発投資 100億円
株主還元については、継続的かつ安定的な配当を基本としますが、将来の成長投資の為の適正な内部留保とのバランスを考慮しながら、資本効率の向上を目的とした機動的な株主還元も適宜、実施して参ります。
尚、配当については、連結配当性向30%以上を目標とします。
7 経営数値
「NEXT STAGE 12」最終年度(平成31年3月期)の経営目標を、営業利益率12%とします。
尚、財務数値目標(想定為替レート:USD115円、EUR125円)は以下の通りです。
・売上高 4,650億円
・営業利益 550億円
・ROE 10%水準
・EPS(一株利益) 200円水準
8 株式会社の支配に関する基本方針
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上させていくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合にこれに応じるべきか否かの判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付けがなされる場合、これが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付けの中には、その目的等からみて企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社株式の大量買付けを行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解することはもちろんのこと、当社グループの企業価値の源泉を理解したうえで、これらを中長期的に確保し、向上させることができなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、「感動を・ともに・創る~音・音楽を原点に培った技術と感性で新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけます。」を企業目的として掲げ、経営の効率化を追求し、グローバルな競争力と高水準の収益性を確保するとともに、コンプライアンス・環境・安全・地域社会への貢献等、企業の社会的責任を果たすことにより、企業価値・ブランド価値の向上に努めております。その実現のために、経営上の組織体制や仕組みを整備し、必要な施策を実施するとともに、適切な情報開示を行うことにより、効率的かつ透明性の高い経営の実現に取り組んでおります。当社は、株主、顧客、従業員、地域社会それぞれのステークホルダー間の利益バランスを考慮した経営に努めております。それぞれのステークホルダー間の利害を適切に調整しながら、各ステークホルダーの満足度を高めつつ、企業価値の最大化に向け努力をしております。
中期経営計画(Yamaha Management Plan 2016)では、全体を「アコースティック楽器事業」、「エレクトロニクス事業」、「教育・余暇事業」、「産業用部品・機械事業」の4つの事業領域に括り直し、それぞれの事業領域でメリハリを付けた戦略を構築して、既存事業の着実な成長と新たな事業の開発を図るとともに、各事業領域の中で、コアコンピタンスを最大限に活用して、シナジー効果の創出にも力を入れてまいります。
また、当社は、取締役会の意思決定の迅速化・監督機能強化、業務執行力強化等を図るため、執行役員制度の導入、社外取締役の選任、役員人事委員会の設置、内部監査部門の整備等をとおして積極的にコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、平成25年6月26日開催の第189期定時株主総会において「当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)の更新の件」の承認を受け、新株予約権の無償割当てを活用した方策(以下、本プラン)の更新をしております。
本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、買付等を行う者(以下、買付者等)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う期間を確保したうえで、株主に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続を定めております。
本プランは、(ⅰ)当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得、(ⅱ)当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する場合を対象とします。
買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく当社株券等に対する買付等を行う等、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を害するおそれがあると認められる場合には、当社は、当該買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権を、その時点の当社を除く全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。
本プランに従った本新株予約権の無償割当ての実施または不実施等の判断については、当社取締役会の恣意的判断を排するため、独立委員会規則に従い、独立性のある社外役員等のみから構成される独立委員会の客観的な判断を経るものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、所定の場合、株主の意思を確認するための株主総会を招集し、新株予約権無償割当ての実施に関する株主の意思を確認することがあります。
独立委員会は、買付者等からの必要情報を受領してから原則として最長90日を経過するまでの間に上記の判断を行い、当社取締役会に実施・不実施の勧告をします。この期間内において、独立委員会は、必要に応じて当社取締役会からも情報・意見を取得し、判断の材料とすることがあります。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施・不実施の決議を行います。また、新株予約権無償割当ての実施に関する株主の意思を確認するための総会決議があった場合、当社取締役会はこれに従います。
本プランの発動として本新株予約権の無償割当てを実施するための要件は、下記のとおりです。買付等の下記の要件への該当性については、必ず独立委員会の判断を経て決定されることになります。
(イ)本プランに定める手続を遵守しない買付等であり、かつ本新株予約権の無償割当てを実施することが相当である場合
(ロ)以下のいずれかに該当し、かつ本新株予約権の無償割当てを実施することが相当である場合
・当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等として本プランで定められた買付等である場合
・強圧的二段階買付等株主に株式の売却を事実上強要するおそれのある買付等である場合
・買付等の条件が当社の本源的価値に鑑み不十分または不適当な買付等である場合
・当社の企業価値を生み出すうえで必要不可欠な当社のブランド並びに当社と当社株主、従業員、取引先及び顧客等との関係を破壊し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する重大なおそれをもたらす買付等である場合
本プランの運用に際しては、適用ある法令または金融商品取引所の規則等に従い、本プランの各手続の進捗状況、独立委員会による勧告等の概要、当社取締役会または株主意思確認総会の決議の概要、その他独立委員会または当社取締役会が適切と考える事項について、適時に情報開示をすることとしており、手続の透明性を確保しております。
本プランに従って本新株予約権の無償割当てがなされ、買付者等以外の株主により本新株予約権が行使された場合、または当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主に対して当社株式が交付された場合、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は、最大50%まで希釈化される可能性があります。
本プランの有効期間は、平成28年3月31日に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとしております。また、有効期間の満了前であっても、当社株主総会または当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとしております。
④ 取締役会の判断及びその判断に係る理由
本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものです。特に本プランは、(ⅰ)経済産業省及び法務省による買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること、(ⅱ)株主総会において株主の承認をもって更新されたものであり、当社取締役会は、一定の場合に、本プランの発動の是非について、株主意思確認総会において株主の意思を確認することができるものとされていること、(ⅲ)有効期間を約3年間とし、有効期限の満了前であっても、株主総会の決議により廃止が可能であること、(ⅳ)発動に際しては、独立性のある社外役員等のみから構成される独立委員会による勧告を必ず得ることとされていること、(ⅴ)予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されていること、(ⅵ)当社取締役の任期が1年であることから、毎年の取締役の選任を通じて、株主の意向を反映させることが可能なことなどにより、公正性・客観性が担保されており、高度な合理性を有し、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであって、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
なお、当社は、平成28年4月28日開催の取締役会において、本プランの有効期間満了をもって本プランを継続しないことを決議いたしました。ただし、本プランの有効期間満了後も、当社株式の大量買付行為を行なおうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関連法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)の詳細を、次の当社ウェブサイトに掲載しております。
http://jp.yamaha.com/
経営ビジョン「『なくてはならない、個性輝く企業』になる」を、当社グループが中長期的に目指す姿として掲げ、来たる3年間を「ブランド力の強化と、その成果としての利益率の向上」のための期間と位置付けた上で、①楽器事業のさらなる収益力向上 ②音響機器事業の成長 ③第3の柱となる部品・装置事業の基盤確立、に取り組みます。為替の円高傾向で経済環境の不透明感が強まるなかでも収益力の着実な向上を目指し、経営目標として、最終年度の営業利益率を12%に設定しました。
1 前中期経営計画「YMP2016」レビュー
「YMP2016」では、連結売上高4,300億円、連結営業利益300億円(営業利益率7%)、ROE10%の達成を目指していました。売上高、営業利益の目標は平成27年3月期に1年前倒しで達成し、最終年度である平成28年3月期にはROE10%も達成しました。
当期間においては、エレクトロニクス事業領域で計画を上回る売上成長を実現しました。また、事業構造改革(国内営業・生産、半導体)の成果出しに加え、さらなるコストダウンの推進や主力の楽器事業の粗利改善等により、強い経営基盤の構築が進みました。
2 経営ビジョン
「なくてはならない、個性輝く企業」になる ~ブランド力を一段高め、高収益な企業へ~
「YMP2016」が数値目標を大きく上回って完了できたことから、次の高い目標にグループ一丸となって挑戦するべく、当社グループが中長期的に目指す姿を経営ビジョンとして明確にしました。
3 新中期経営計画「NEXT STAGE 12」の概要
① 位置付け
高いブランド価値を持つ企業として長期的には営業利益率20%の実現を目指し、次のステップを、「なくてはならない、個性輝く企業」へ向けて「ブランド力の強化と、その成果としての利益率の向上」に取り組む3年間と位置づけます。
② 基本戦略と経営目標
新たな価値創造と差別化で競争優位力を高めることを基本戦略とし、そのために、お客様とのつながりを一層強め、魅力品質を高めるとともに、常に新しい価値ソリューションを提案していきます。
<経営目標(3年後)>営業利益率12%(平成31年3月期)
・楽器事業のさらなる収益力向上(営業利益率15%水準へ)
・楽器に並ぶ将来の事業規模を見据えた、音響機器事業の成長(売上高実質伸長20%)
・楽器・音響機器に次ぐ、第3の柱となる部品・装置事業の基盤確立
③ 4つの重点戦略
a. 個性際立つ商品の開発
素材・解析技術から音源・信号処理・ネットワークや感性評価まで保有する幅広い技術の融合によって、他社には真似のできないユニークな価値を高い基本性能の上に実現します。
新たな研究開発の拠点「イノベーションセンター(仮称)」を建設し、約2,500人の技術者を本社地区に結集することによりシナジーの創出を加速します。
b. お客様の拡大
コンシューマー向け商品の販売網拡充や地域ニーズを踏まえた音楽普及活動を加速するほか、法人およびB2Bの顧客サポート体制・拠点拡充等を通じて、それぞれのお客様に最適なサービスとソリューションを提供することにより、お客様とのつながりを強め、広げていきます。
c. 持続的なコスト低減
製造原価の低減(生産工程再配置、調達コストダウン、新工法確立等)及び、間接業務の生産性向上を継続することにより、80億円(3年間・ネット)のコスト低減を実現します。
d. グローバル事業運営の基盤強化
グループ人材の適材適所な配置と育成を進め、国を超えた人材の活躍を推進します。
また、IT、物流、会計、スタッフの機能をグローバルに最適化し、グローバル事業運営を支える基盤を強化するとともに、業務の効率化を進めます。
4 主要事業戦略
① 楽器事業
事業規模を活かした技術開発力とマーケティングによる、さらなる収益性向上を図ります。
収益性の高い電子楽器の伸長と、モデルミックスや販売価格の見直しによる粗利改善等により利益率を改善させるほか、独自の感性評価技術による楽器の本質追求や、デジタル楽器、ハイブリッドピアノ等の新価値提供により、商品競争力の強化を加速します。
また、マーケティングと顧客アクセスを地域別に最適化し、ブランド力の向上と顧客接点の拡大を推進します。
② 音響機器事業
信号処理とネットワーク技術の強みを活かした技術革新と、顧客サポートの強化により、成長を加速させます。
業務用音響機器の領域では、パートナーとなる設備事業者の付加価値を高める音響システムを提供するとともに、システムエンジニアリング・営業スタッフを全世界で増強し、音楽ホール等に加えて店舗BGM・企業会議室等への顧客の拡大を加速します。
コンシューマー・オーディオ機器の領域では、戦略商品であるMusicCastを中心に、顧客ニーズに合った自由自在な音楽視聴スタイルの提案を進め、ブランド力の強化を図ります。
③ 部品・装置事業
部品・装置事業を第3の柱とするための基盤を確立します。
半導体メーカーからソリューションベンダーに形態を転換し、車載、ホームヘルスケア、産業機器の領域で、音の技術を中心とする快適・安心・安全なソリューションを提供することにより、売上伸長を図ります。
車載領域では、音のトータル提案に加え、環境に配慮した車社会実現に向けた熱電ソリューションの開発を進めます。また、ホームヘルスケア市場に向けて、音とセンサー技術の応用による新しいソリューションを提案します。
5 ESG
持続可能な社会の実現に向け、E(Environment 環境)、S(Social 社会)、G(Governance 企業統治)の観点から、事業戦略に基づく事業活動を通じた社会課題解決への取り組み、事業プロセスにおける環境・社会への配慮、並びにコーポレートガバナンスや内部統制強化による透明で質の高い経営を目指して、引き続き様々な取り組みを進めます。
6 投資と株主還元
創出したキャッシュを戦略投資に配分した上で、積極的な株主還元を実施していきます。
・設備投資 400億円
・戦略投資 500億円(M&Aを含む)
・戦略マーケティング・戦略研究開発投資 100億円
株主還元については、継続的かつ安定的な配当を基本としますが、将来の成長投資の為の適正な内部留保とのバランスを考慮しながら、資本効率の向上を目的とした機動的な株主還元も適宜、実施して参ります。
尚、配当については、連結配当性向30%以上を目標とします。
7 経営数値
「NEXT STAGE 12」最終年度(平成31年3月期)の経営目標を、営業利益率12%とします。
尚、財務数値目標(想定為替レート:USD115円、EUR125円)は以下の通りです。
・売上高 4,650億円
・営業利益 550億円
・ROE 10%水準
・EPS(一株利益) 200円水準
8 株式会社の支配に関する基本方針
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上させていくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合にこれに応じるべきか否かの判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付けがなされる場合、これが当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付けの中には、その目的等からみて企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社株式の大量買付けを行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解することはもちろんのこと、当社グループの企業価値の源泉を理解したうえで、これらを中長期的に確保し、向上させることができなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付けに対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、「感動を・ともに・創る~音・音楽を原点に培った技術と感性で新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけます。」を企業目的として掲げ、経営の効率化を追求し、グローバルな競争力と高水準の収益性を確保するとともに、コンプライアンス・環境・安全・地域社会への貢献等、企業の社会的責任を果たすことにより、企業価値・ブランド価値の向上に努めております。その実現のために、経営上の組織体制や仕組みを整備し、必要な施策を実施するとともに、適切な情報開示を行うことにより、効率的かつ透明性の高い経営の実現に取り組んでおります。当社は、株主、顧客、従業員、地域社会それぞれのステークホルダー間の利益バランスを考慮した経営に努めております。それぞれのステークホルダー間の利害を適切に調整しながら、各ステークホルダーの満足度を高めつつ、企業価値の最大化に向け努力をしております。
中期経営計画(Yamaha Management Plan 2016)では、全体を「アコースティック楽器事業」、「エレクトロニクス事業」、「教育・余暇事業」、「産業用部品・機械事業」の4つの事業領域に括り直し、それぞれの事業領域でメリハリを付けた戦略を構築して、既存事業の着実な成長と新たな事業の開発を図るとともに、各事業領域の中で、コアコンピタンスを最大限に活用して、シナジー効果の創出にも力を入れてまいります。
また、当社は、取締役会の意思決定の迅速化・監督機能強化、業務執行力強化等を図るため、執行役員制度の導入、社外取締役の選任、役員人事委員会の設置、内部監査部門の整備等をとおして積極的にコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、平成25年6月26日開催の第189期定時株主総会において「当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)の更新の件」の承認を受け、新株予約権の無償割当てを活用した方策(以下、本プラン)の更新をしております。
本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、買付等を行う者(以下、買付者等)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う期間を確保したうえで、株主に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続を定めております。
本プランは、(ⅰ)当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得、(ⅱ)当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する場合を対象とします。
買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく当社株券等に対する買付等を行う等、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主共同の利益を害するおそれがあると認められる場合には、当社は、当該買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権を、その時点の当社を除く全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。
本プランに従った本新株予約権の無償割当ての実施または不実施等の判断については、当社取締役会の恣意的判断を排するため、独立委員会規則に従い、独立性のある社外役員等のみから構成される独立委員会の客観的な判断を経るものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、所定の場合、株主の意思を確認するための株主総会を招集し、新株予約権無償割当ての実施に関する株主の意思を確認することがあります。
独立委員会は、買付者等からの必要情報を受領してから原則として最長90日を経過するまでの間に上記の判断を行い、当社取締役会に実施・不実施の勧告をします。この期間内において、独立委員会は、必要に応じて当社取締役会からも情報・意見を取得し、判断の材料とすることがあります。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して、新株予約権の無償割当ての実施・不実施の決議を行います。また、新株予約権無償割当ての実施に関する株主の意思を確認するための総会決議があった場合、当社取締役会はこれに従います。
本プランの発動として本新株予約権の無償割当てを実施するための要件は、下記のとおりです。買付等の下記の要件への該当性については、必ず独立委員会の判断を経て決定されることになります。
(イ)本プランに定める手続を遵守しない買付等であり、かつ本新株予約権の無償割当てを実施することが相当である場合
(ロ)以下のいずれかに該当し、かつ本新株予約権の無償割当てを実施することが相当である場合
・当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等として本プランで定められた買付等である場合
・強圧的二段階買付等株主に株式の売却を事実上強要するおそれのある買付等である場合
・買付等の条件が当社の本源的価値に鑑み不十分または不適当な買付等である場合
・当社の企業価値を生み出すうえで必要不可欠な当社のブランド並びに当社と当社株主、従業員、取引先及び顧客等との関係を破壊し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する重大なおそれをもたらす買付等である場合
本プランの運用に際しては、適用ある法令または金融商品取引所の規則等に従い、本プランの各手続の進捗状況、独立委員会による勧告等の概要、当社取締役会または株主意思確認総会の決議の概要、その他独立委員会または当社取締役会が適切と考える事項について、適時に情報開示をすることとしており、手続の透明性を確保しております。
本プランに従って本新株予約権の無償割当てがなされ、買付者等以外の株主により本新株予約権が行使された場合、または当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主に対して当社株式が交付された場合、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は、最大50%まで希釈化される可能性があります。
本プランの有効期間は、平成28年3月31日に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとしております。また、有効期間の満了前であっても、当社株主総会または当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとしております。
④ 取締役会の判断及びその判断に係る理由
本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものです。特に本プランは、(ⅰ)経済産業省及び法務省による買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること、(ⅱ)株主総会において株主の承認をもって更新されたものであり、当社取締役会は、一定の場合に、本プランの発動の是非について、株主意思確認総会において株主の意思を確認することができるものとされていること、(ⅲ)有効期間を約3年間とし、有効期限の満了前であっても、株主総会の決議により廃止が可能であること、(ⅳ)発動に際しては、独立性のある社外役員等のみから構成される独立委員会による勧告を必ず得ることとされていること、(ⅴ)予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されていること、(ⅵ)当社取締役の任期が1年であることから、毎年の取締役の選任を通じて、株主の意向を反映させることが可能なことなどにより、公正性・客観性が担保されており、高度な合理性を有し、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであって、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
なお、当社は、平成28年4月28日開催の取締役会において、本プランの有効期間満了をもって本プランを継続しないことを決議いたしました。ただし、本プランの有効期間満了後も、当社株式の大量買付行為を行なおうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関連法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)の詳細を、次の当社ウェブサイトに掲載しております。
http://jp.yamaha.com/