有価証券報告書-第82期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/30 13:56
【資料】
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【項目】
140項目

研究開発活動

当社グループ(当社及び連結子会社)は、誰もが楽しめるような新しい驚きや楽しさを持った娯楽を提案することで、世界中の一人でも多くの人々を笑顔にしたいとの考えのもと、様々な企業・団体などの協力を得て、ゲーム専用機のハードウェア及びソフトウェアの研究開発活動を積極的に行っています。また、スマートデバイス向けアプリケーションにおいても、世界中の多くの人が楽しめるゲームの企画や開発、運営に取り組んでいます。
ハードウェアにおいては、半導体メモリーなどの記憶媒体、液晶などの表示装置、電子部品など要素技術の調査研究及びタッチパネルやセンサーなどのインターフェイス技術、無線通信などのネットワーク技術、セキュリティ技術、クラウドコンピューティング技術、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)及びMR(複合現実)技術、深層学習技術、ビッグデータ解析技術など、様々な技術のホームエンターテインメント分野への応用可能性について、研究開発活動を引き続き行っています。また、社内での調査・研究のみならず社外にも積極的に目を向け、新しい遊びの創出につながる技術の発掘について、日々様々な可能性を模索しています。なお、これまで同様、末永く安心して楽しんでいただくための耐久性、安全性、品質並びに性能の向上、多様な周辺機器の設計や開発、コストダウンなどのテーマにも取り組んでいます。
ソフトウェアにおいては、ハードウェアの機能を十分に活かした商品企画や、映像・音響・シナリオなどを活かしたゲームデザイン、プログラム開発に注力しています。
また、デジタルビジネスの拡大に対応するため、各ソフトウェアの様々なネットワーク機能やニンテンドーeショップなどの、多分野にわたるネットワークサービスを支えるシステムインフラの拡張にも力を入れています。加えて、スマートデバイス向けソフトウェアの研究開発体制を構築し、スマートデバイス向けのアプリケーションソフトウェアの企画、開発及びバックエンドサーバーシステムの開発を推進しています。
部品調達・製造工程においては、生産協力会社との連携、協力のもと、新しい試験方法や新技術を使った部品の量産化に加え、関連法規に適合するための研究やノウハウの蓄積を行っています。
その他、次世代によりよい環境を残していくために、オフィスにおける環境配慮はもちろん、エネルギー効率に配慮した設計、環境負荷のより少ない構成部材の選定、リサイクルのしやすい包装材の選定など、常に環境負荷の低減に配慮した商品開発に取り組んでいます。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は1,021億円であり、主な研究開発活動の成果については以下のとおりです。なお、当社グループは単一セグメントのため、セグメントに関連付けた記載を行っていません。
Nintendo Switchハードウェアでは、色鮮やかな有機ELディスプレイを搭載した「Nintendo Switch(有機ELモデル)」の発売、ゲーム機本体及びその周辺機器の各種特別仕様やカラーバリエーションの追加、ソフトウェア開発環境や各種ネットワークサービスの継続改善等を行いました。対応ソフトウェアでは、プログラミングの経験がない人でも、様々な特徴を持った「ノードン」というキャラクターをナビゲーションに沿って繋いでいくだけで、普段は遊ぶだけのゲームを自分で作ってプログラミングの世界を体験できる『ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング』、Joy-Conをゴルフクラブの様に振って楽しめる本格的な操作に加えて、パワフルなショットやライバルの邪魔をするショットなどのスペシャルショットを駆使したスリリングな対戦や、カップインまでの速さを競う「スピードゴルフ」など、多彩なゴルフを楽しめる『マリオゴルフ スーパーラッシュ』などを発売しました。また、「星のカービィ」シリーズの最新作『星のカービィ ディスカバリー』、19年ぶりのシリーズ最新作『メトロイド ドレッド』に加えて、『おすそわける メイドインワリオ』、『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』、『マリオパーティ スーパースターズ』、『ミートピア(Miitopia)』、『やわらかあたま塾 いっしょにあたまのストレッチ』などのタイトルを発売しました。
モバイルビジネスの分野においては、『ファイアーエムブレム ヒーローズ』や『どうぶつの森 ポケットキャンプ』、『マリオカート ツアー』などのゲームアプリのサービスを継続して運営しています。
さらに、Nintendo Switchでオンラインの対戦や協力プレイを楽しむなどの様々なサービスを受けることができるNintendo Switch Onlineにおいて、基本のサービスに加えて「NINTENDO 64」などのタイトルや『あつまれ どうぶつの森』などの有料追加コンテンツが遊べる『Nintendo Switch Online + 追加パック』のサービスを開始しました。また、『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』や『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』等のサービスにおける配信タイトルの追加を行いました。その他、ニンテンドーeショップの対応する国や地域を拡大した他、「ニンテンドーアカウント」に基づく各種サービスの仕様検討や継続改善等を行いました。
その他では、amiiboのラインアップの充実を進めたほか、4種類のゲームと『ゼルダの伝説』をモチーフにした時計機能を搭載した『ゲーム&ウオッチ ゼルダの伝説』を発売しました。
また、任天堂プラットフォーム向けゲーム開発者専用サイトである「Nintendo Developer Portal」にて、個人も含めたゲーム開発者が、世界中のお客様に新しいエンターテインメントを発信するサポートを継続して行っています。
この他にも、人々のQOL(Quality of Life、生活の質)を楽しく向上させるための新たな製品など、将来に向けた様々な製品やサービスの開発を進めています。