有価証券報告書-第90期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言などにより経済活動が停滞しました。消費活動の制限・自粛により個人消費は減少したものの、国内外の景気回復基調に伴い企業収益は第4四半期以降、持ち直しの動きがみられました。
当社インダストリアル機器部門に関連する住宅市場は、前年に対して新設住宅着工戸数全体では減少が続きましたが、持家の着工戸数は11月以降増加となっています。
海外経済は、米国は個人消費の堅調な推移や設備投資の増加などにより急速に回復しているものの、欧州は感染再拡大を受けて経済活動が抑制されました。
このような状況の下で、当連結会計年度の売上高は64,029百万円(前期比8.1%の減収)、営業利益は6,685百万円(同11.9%の減益)となりました。経常利益は、6,826百万円(同7.8%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,153百万円(同6.5%の減益)となりました。
(単位:百万円、%)
なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,159百万円増加し、102,538百万円となりました。当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ435百万円増加し、23,842百万円となりました。当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2,724百万円増加し、78,696百万円となりました。
(単位:百万円、%)
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(a)オフィス機器部門
「国内オフィス事業」は、文具関連製品や表示作成機「ビーポップ(Bepop)」の販売が減少しました。(売上高:7,452百万円、前年比△8.9%)
「海外オフィス事業」は、表示作成機「ビーポップ」は欧州でサイン需要による増加がみられたものの、東南アジアが中心の文具関連製品の販売が低調に推移しました。(売上高:3,926百万円、前年比△13.2%)
「オートステープラ事業」は、在宅勤務の拡大などによる取引先からの受注減により、機械・消耗品の販売が減少しました。(売上高5,683百万円、前年比△35.5%)
この結果、売上高は、17,061百万円で前連結会計年度に比べ4,453百万円(20.7%)の減収、営業利益は2,738百万円で前連結会計年度に比べ2,156百万円(44.1%)の減益となりました。
オフィス機器事業の資産は、680百万円増加し、19,465百万円となりました。
(単位:百万円、%)
(b)インダストリアル機器部門
「国内機工品事業」は、鉄筋結束機「ツインタイア」の専用消耗品の販売が引き続き堅調に推移しましたが、国内新設住宅着工戸数の減少や、取引先への営業活動の停滞などが影響し、木造建築物向け工具の販売が減少しました。(売上高:18,764百万円、前年比△6.8%)
「海外機工品事業」は、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動に制限があるものの、欧米の鉄筋結束作業の現場は稼働しており、鉄筋結束機「ツインタイア」を中心にコンクリート構造物向け工具の販売が増加しました。(売上高:15,513百万円、前年比+7.9%)
「住環境機器事業」は、主力の浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」の販売は、国内新設住宅着工戸数の減少により、新築向けの販売が減少したものの、リフォーム・リプレイスのストック市場向けの販売は増加しました。換気システムの販売は前年のブランドチェンジの影響により減少しました。(売上高:10,021百万円、前年比△8.1%)
この結果、売上高は44,300百万円で前連結会計年度に比べ1,109百万円(2.4%)の減収、営業利益は6,652百万円で前連結会計年度に比べ1,198百万円(22.0%)の増益となりました。
インダストリアル機器事業の資産は、5,240百万円増加し、33,390百万円となりました。
(単位:百万円、%)
(c)HCR機器部門
HCR機器部門は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業活動の制限により、売上は減少したものの、高付加価値車いすの販売が堅調に推移したことに加え、固定費も減少し、収益性が改善したことで、増益となりました。
この結果、売上高は2,667百万円で前連結会計年度に比べ79百万円(2.9%)の減収、営業利益は36百万円で前連結会計年度に比べ261百万円の改善となりました。
HCR機器事業の資産は、152百万円増加し、2,624百万円となりました。
(単位:百万円、%)
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。) の期末残高は、現金及び現金同等物の増減額が440百万円減少したことにより、21,421百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、8,798百万円(前連結会計年度は8,330百万円の増加)となりました。主な増加は税金等調整前当期純利益が7,032百万円、減価償却費が2,522百万円、売上債権の減少額が1,042百万円、一方で主な減少は、法人税等の支払額が2,112百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、5,349百万円(前連結会計年度は5,986百万円の減少)となりました。主な減少は、有形固定資産の取得による支出が4,943百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が3,011百万円、一方で主な増加は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が2,848百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、4,483百万円(前連結会計年度は2,411百万円の減少)となりました。主な減少は、配当金の支払額が2,248百万円、自己株式の取得による支出が1,976百万円です。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響が不透明なため、今後のキャッシュ・フローにリスクがありますが、当社グループは流動比率が高く、有利子負債も少額であり、当面問題はないと考えております。但し、新型コロナウイルス感染症の状況とグループ全社の資金状況を注視してまいります。
③生産、受注及び販売の状況
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(b)受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
1)貸倒引当金
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
2)製品保証引当金
製品のアフターサービスの費用に備えるため、保証期間に従い過去の実績を基に将来の保証見込を計上しております。しかしながら、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。
3)退職給付関係
当社では、退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積り(過去における事業計画の達成状況など)に依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
5)固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高及び営業利益
当社グループの当連結会計年度の売上高は、64,029百万円で前連結会計年度に比べ5,642百万円(8.1%)の減収となりました。
当連結会計年度の営業利益は、6,685百万円で前連結会計年度に比べ900百万円(11.9%)の減益となりました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言などにより経済活動が停滞し、個人消費が落ち込んだことなどにより、すべてのセグメントで販売が減少したことなどによるものであります。
2)営業外損益及び経常利益
営業外損益は、前連結会計年度に比べ321百万円増加しました。これは、主に為替差損が前連結会計年度より317百万円減少したことによるものであります。この影響により、経常利益は6,826百万円で、前連結会計年度に比べ578百万円(7.8%)の減益にとどまりました。
3)特別損益、法人税等調整額及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、前連結会計年度に比べ297百万円減少しました。これは、前連結会計年度に投資有価証券売却益315百万円があったことによるものです。
特別損失は、前連結会計年度に比べ476百万円減少しました。これは、前連結会計年度に投資有価証券評価損を288百万円計上したことと、国内販売拠点の解体費用として固定資産廃棄損を212百万円計上したことによるものであります。
これらの影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は5,153百万円で前連結会計年度に比べ357百万円(6.5%)の減益となりました。
③財政状態の分析
1)資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ、3,159百万円増加し、102,538百万円となりました。流動資産については、受取手形及び売掛金が898百万円、現金及び預金が428百万円減少しましたが、有価証券が1,102百万円、商品及び製品が524百万円増加したことなどにより、309百万円増加しました。固定資産については、繰延税金資産が444百万円減少しましたが、建設仮勘定が3,063百万円、投資有価証券が270百万円増加したことなどにより、2,850百万円の増加となりました。
2)負債の部
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ、435百万円増加し、23,842百万円となりました。流動負債については、未払法人税等が276百万円減少しましたが、買掛金が424百万円、未払金が188百万円増加したことなどにより、236百万円増加しました。固定負債については、退職給付に係る負債が128百万円、リース債務が78百万円増加したことなどにより、198百万円増加しました。
3)純資産の部
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2,724百万円増加し、78,696百万円となりました。株主資本については、配当金の支払2,249百万円などがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が5,153百万円あったため、927百万円増加しました。
その他の包括利益累計額については、その他有価証券評価差額金が897百万円、為替換算調整勘定が776百万円、退職給付に係る調整累計額が126百万円増加したことなどにより、1,800百万円増加しました。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告・販売促進費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。
2)財務政策
運転資金及び設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから得られる資金、金融機関からの借入れにより資金を調達しております。
3)投資政策
当期の主な設備投資の内容は、吉井倉庫及び大阪支店新社屋等本社販売系で28億、国内の生産設備で15億円、タイ工場の生産能力増強で3億円、国内拠点など本社販売関連で2億円となりました。研究開発では、全セグメント共通の耐久試験室・計測器・分析設備の投資を行いました。
4)配当政策
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要政策のひとつとして位置づけ、事業の成長を図り、事業利益を追求することにより、業績に裏付けされた成果の配分を安定的に行うことを基本方針としております。
2019年3月期より、連結決算を基準に「配当性向40%下限、純資産配当率3.0%を目指す」ことを配当方針としております。2021年3月期の配当は、前期より2円増配の48円としております。この結果当期は、配当性向が44.4%、純資産配当率が3.0%となっております。
5)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言などにより経済活動が停滞しました。消費活動の制限・自粛により個人消費は減少したものの、国内外の景気回復基調に伴い企業収益は第4四半期以降、持ち直しの動きがみられました。
当社インダストリアル機器部門に関連する住宅市場は、前年に対して新設住宅着工戸数全体では減少が続きましたが、持家の着工戸数は11月以降増加となっています。
海外経済は、米国は個人消費の堅調な推移や設備投資の増加などにより急速に回復しているものの、欧州は感染再拡大を受けて経済活動が抑制されました。
このような状況の下で、当連結会計年度の売上高は64,029百万円(前期比8.1%の減収)、営業利益は6,685百万円(同11.9%の減益)となりました。経常利益は、6,826百万円(同7.8%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,153百万円(同6.5%の減益)となりました。
(単位:百万円、%)
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 前期比 | ||
| 増減額 | 増減率 | |||
| 売上高 | 64,029 | 69,671 | △5,642 | △8.1 |
| 営業利益 | 6,685 | 7,586 | △900 | △11.9 |
| 経常利益 | 6,826 | 7,405 | △578 | △7.8 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,153 | 5,510 | △357 | △6.5 |
| 1株当たり当期純利益 | 105.79円 | 112.66円 | △6.87円 | ― |
| 営業利益率 | 10.4 | 10.9 | △0.5ポイント | |
| ROE | 6.7 | 7.4 | △0.7ポイント | |
なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
| 売上為替差 | △216百万円 |
| 原価為替差 | +253百万円 |
| 数量減少 | △2,718百万円 |
| 売価増加 | +493百万円 |
| 原価減少 | +385百万円 |
| 販管費減少 | +902百万円 |
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,159百万円増加し、102,538百万円となりました。当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ435百万円増加し、23,842百万円となりました。当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2,724百万円増加し、78,696百万円となりました。
(単位:百万円、%)
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 前連結会計年度末比 | ||
| 増減額 | 増減率 | |||
| 総資産 | 102,538 | 99,378 | +3,159 | +3.2 |
| 純資産 | 78,696 | 75,972 | +2,724 | +3.6 |
| 自己資本比率 | 76.7 | 76.3 | +0.4ポイント | |
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(a)オフィス機器部門
「国内オフィス事業」は、文具関連製品や表示作成機「ビーポップ(Bepop)」の販売が減少しました。(売上高:7,452百万円、前年比△8.9%)
「海外オフィス事業」は、表示作成機「ビーポップ」は欧州でサイン需要による増加がみられたものの、東南アジアが中心の文具関連製品の販売が低調に推移しました。(売上高:3,926百万円、前年比△13.2%)
「オートステープラ事業」は、在宅勤務の拡大などによる取引先からの受注減により、機械・消耗品の販売が減少しました。(売上高5,683百万円、前年比△35.5%)
この結果、売上高は、17,061百万円で前連結会計年度に比べ4,453百万円(20.7%)の減収、営業利益は2,738百万円で前連結会計年度に比べ2,156百万円(44.1%)の減益となりました。
オフィス機器事業の資産は、680百万円増加し、19,465百万円となりました。
(単位:百万円、%)
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 前期比 | ||
| 増減額 | 増減率 | |||
| 売上高 | 17,061 | 21,515 | △4,453 | △20.7 |
| 営業利益 | 2,738 | 4,895 | △2,156 | △44.1 |
| 営業利益率 | 16.1 | 22.8 | △6.7ポイント | |
(b)インダストリアル機器部門
「国内機工品事業」は、鉄筋結束機「ツインタイア」の専用消耗品の販売が引き続き堅調に推移しましたが、国内新設住宅着工戸数の減少や、取引先への営業活動の停滞などが影響し、木造建築物向け工具の販売が減少しました。(売上高:18,764百万円、前年比△6.8%)
「海外機工品事業」は、新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動に制限があるものの、欧米の鉄筋結束作業の現場は稼働しており、鉄筋結束機「ツインタイア」を中心にコンクリート構造物向け工具の販売が増加しました。(売上高:15,513百万円、前年比+7.9%)
「住環境機器事業」は、主力の浴室暖房換気乾燥機「ドライファン」の販売は、国内新設住宅着工戸数の減少により、新築向けの販売が減少したものの、リフォーム・リプレイスのストック市場向けの販売は増加しました。換気システムの販売は前年のブランドチェンジの影響により減少しました。(売上高:10,021百万円、前年比△8.1%)
この結果、売上高は44,300百万円で前連結会計年度に比べ1,109百万円(2.4%)の減収、営業利益は6,652百万円で前連結会計年度に比べ1,198百万円(22.0%)の増益となりました。
インダストリアル機器事業の資産は、5,240百万円増加し、33,390百万円となりました。
(単位:百万円、%)
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 前期比 | ||
| 増減額 | 増減率 | |||
| 売上高 | 44,300 | 45,409 | △1,109 | △2.4 |
| 営業利益 | 6,652 | 5,454 | +1,198 | +22.0 |
| 営業利益率 | 15.0 | 12.0 | +3.0ポイント | |
(c)HCR機器部門
HCR機器部門は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業活動の制限により、売上は減少したものの、高付加価値車いすの販売が堅調に推移したことに加え、固定費も減少し、収益性が改善したことで、増益となりました。
この結果、売上高は2,667百万円で前連結会計年度に比べ79百万円(2.9%)の減収、営業利益は36百万円で前連結会計年度に比べ261百万円の改善となりました。
HCR機器事業の資産は、152百万円増加し、2,624百万円となりました。
(単位:百万円、%)
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 前期比 | ||
| 増減額 | 増減率 | |||
| 売上高 | 2,667 | 2,746 | △79 | △2.9 |
| 営業利益 | 36 | △224 | +261 | ― |
| 営業利益率 | 1.4 | △8.2 | +9.6ポイント | |
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。) の期末残高は、現金及び現金同等物の増減額が440百万円減少したことにより、21,421百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、8,798百万円(前連結会計年度は8,330百万円の増加)となりました。主な増加は税金等調整前当期純利益が7,032百万円、減価償却費が2,522百万円、売上債権の減少額が1,042百万円、一方で主な減少は、法人税等の支払額が2,112百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、5,349百万円(前連結会計年度は5,986百万円の減少)となりました。主な減少は、有形固定資産の取得による支出が4,943百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が3,011百万円、一方で主な増加は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が2,848百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、4,483百万円(前連結会計年度は2,411百万円の減少)となりました。主な減少は、配当金の支払額が2,248百万円、自己株式の取得による支出が1,976百万円です。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響が不透明なため、今後のキャッシュ・フローにリスクがありますが、当社グループは流動比率が高く、有利子負債も少額であり、当面問題はないと考えております。但し、新型コロナウイルス感染症の状況とグループ全社の資金状況を注視してまいります。
③生産、受注及び販売の状況
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| オフィス機器 | 16,827 | △21.9 |
| インダストリアル機器 | 46,941 | +13.3 |
| HCR機器 | 2,650 | △2.1 |
| 合計 | 66,419 | +1.1 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(b)受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
(c)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| オフィス機器 | 17,061 | △20.7 |
| インダストリアル機器 | 44,300 | △2.4 |
| HCR機器 | 2,667 | △2.9 |
| 合計 | 64,029 | △8.1 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
1)貸倒引当金
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
2)製品保証引当金
製品のアフターサービスの費用に備えるため、保証期間に従い過去の実績を基に将来の保証見込を計上しております。しかしながら、実際の保証費用が見積りと異なる場合は、引当金の追加計上が必要になる可能性があります。
3)退職給付関係
当社では、退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積り(過去における事業計画の達成状況など)に依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
5)固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高及び営業利益
当社グループの当連結会計年度の売上高は、64,029百万円で前連結会計年度に比べ5,642百万円(8.1%)の減収となりました。
当連結会計年度の営業利益は、6,685百万円で前連結会計年度に比べ900百万円(11.9%)の減益となりました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言などにより経済活動が停滞し、個人消費が落ち込んだことなどにより、すべてのセグメントで販売が減少したことなどによるものであります。
2)営業外損益及び経常利益
営業外損益は、前連結会計年度に比べ321百万円増加しました。これは、主に為替差損が前連結会計年度より317百万円減少したことによるものであります。この影響により、経常利益は6,826百万円で、前連結会計年度に比べ578百万円(7.8%)の減益にとどまりました。
3)特別損益、法人税等調整額及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、前連結会計年度に比べ297百万円減少しました。これは、前連結会計年度に投資有価証券売却益315百万円があったことによるものです。
特別損失は、前連結会計年度に比べ476百万円減少しました。これは、前連結会計年度に投資有価証券評価損を288百万円計上したことと、国内販売拠点の解体費用として固定資産廃棄損を212百万円計上したことによるものであります。
これらの影響により、親会社株主に帰属する当期純利益は5,153百万円で前連結会計年度に比べ357百万円(6.5%)の減益となりました。
③財政状態の分析
1)資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ、3,159百万円増加し、102,538百万円となりました。流動資産については、受取手形及び売掛金が898百万円、現金及び預金が428百万円減少しましたが、有価証券が1,102百万円、商品及び製品が524百万円増加したことなどにより、309百万円増加しました。固定資産については、繰延税金資産が444百万円減少しましたが、建設仮勘定が3,063百万円、投資有価証券が270百万円増加したことなどにより、2,850百万円の増加となりました。
2)負債の部
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ、435百万円増加し、23,842百万円となりました。流動負債については、未払法人税等が276百万円減少しましたが、買掛金が424百万円、未払金が188百万円増加したことなどにより、236百万円増加しました。固定負債については、退職給付に係る負債が128百万円、リース債務が78百万円増加したことなどにより、198百万円増加しました。
3)純資産の部
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ2,724百万円増加し、78,696百万円となりました。株主資本については、配当金の支払2,249百万円などがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が5,153百万円あったため、927百万円増加しました。
その他の包括利益累計額については、その他有価証券評価差額金が897百万円、為替換算調整勘定が776百万円、退職給付に係る調整累計額が126百万円増加したことなどにより、1,800百万円増加しました。
④経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び広告・販売促進費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は様々な営業費用の一部として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めております。
2)財務政策
運転資金及び設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから得られる資金、金融機関からの借入れにより資金を調達しております。
3)投資政策
当期の主な設備投資の内容は、吉井倉庫及び大阪支店新社屋等本社販売系で28億、国内の生産設備で15億円、タイ工場の生産能力増強で3億円、国内拠点など本社販売関連で2億円となりました。研究開発では、全セグメント共通の耐久試験室・計測器・分析設備の投資を行いました。
4)配当政策
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要政策のひとつとして位置づけ、事業の成長を図り、事業利益を追求することにより、業績に裏付けされた成果の配分を安定的に行うことを基本方針としております。
2019年3月期より、連結決算を基準に「配当性向40%下限、純資産配当率3.0%を目指す」ことを配当方針としております。2021年3月期の配当は、前期より2円増配の48円としております。この結果当期は、配当性向が44.4%、純資産配当率が3.0%となっております。
5)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑥セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。