有価証券報告書-第59期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、有形固定資産全体で主に当社糸魚川工場の製造設備の増強により1,906百万円、投資有価証券が1,022百万円、受取手形及び売掛金が870百万円、電子記録債権が483百万円、原材料及び貯蔵品が476百万円それぞれ増加し、現金及び預金が1,133百万円減少したことなどにより、107,032百万円(前連結会計年度末比3,365百万円増)となりました。
当連結会計年度末における負債は、主に当社において仕入債務等の決済手段の変更を進めたことにより支払手形及び買掛金が1,268百万円減少し、電子記録債務が1,051百万円増加したほか、未払金が802百万円減少し、流動負債のその他が766百万円増加したことなどにより、26,472百万円(前連結会計年度末比315百万円増)となりました。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して全ての海外連結子会社の記帳通貨において円高となった結果、為替換算調整勘定が1,452百万円減少しましたが、利益剰余金が4,880百万円増加したことなどにより、80,560百万円(前連結会計年度末比3,049百万円増)となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末から0.5ポイント増加し、75.1%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末から41円13銭増加し、989円44銭となりました。
(2) 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、先進国を中心に緩やかな景気拡大基調が続きましたが、保護主義的な経済政策の台頭やそれに伴う通商摩擦の懸念が増大するなど、先行きに不透明感が生じました。米国では輸出が減少する傾向がみられたものの、雇用環境の改善が続き、個人消費も底堅く推移しました。欧州では内需は底堅さを維持しましたが、一部の国での政治不安などにより景気減速の兆しが見られました。アジアでは、全体として景気は底堅く推移したものの、中国での景気減速が顕在化し始めました。
日本経済は、企業の輸出・生産・設備投資及び個人消費が堅調に推移しましたが、本年に入って、海外経済の減速を主因として先行きに不透明感が増してきました。
当社グループ関連の事業環境につきましては、半導体業界の活況が継続し、自動車関連分野の需要も総じて順調に推移しました。
このような状況のもと、当社グループは国内外において主力製品及び新規事業製品の拡販に注力した営業活動を継続的に展開し、生産・供給体制の拡充を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は85,460百万円(前連結会計年度比7.7%増)、営業利益は8,153百万円(前連結会計年度比13.1%増)、経常利益は8,026百万円(前連結会計年度比10.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,049百万円(前連結会計年度比10.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
① 電子デバイス事業
当事業では、自動車関連入力デバイスを中心に順調な出荷が続き、全体として売上げは前年を上回りました。
主力の入力デバイスは、自動車電装スイッチの種類や搭載車種の増加により、キースイッチとタッチスイッチの出荷が好調に推移しました。また、薄型ノートパソコン用タッチパッドは、従来製品の出荷が終息する中、新規製品が立ち上がりました。ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターが低調でしたが、視野角制御フィルム(VCF)は新規の光学用途製品の売上げが加わり伸びました。コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターがスマートフォン用部品の需要回復により出荷が伸びました。
この結果、当事業の売上高は20,699百万円(前連結会計年度比5.9%増)、セグメント利益(営業利益)は1,492百万円(前連結会計年度比2.4%減)となりました。
② 精密成形品事業
当事業では、半導体関連容器の出荷が好調に推移し、全体として売上げは前年を上回り、利益も伸びました。
半導体関連容器は、半導体業界の旺盛な需要を背景に300mmウエハー用及び小口径ウエハー用製品の高水準な出荷が継続し、売上げを大きく伸ばしました。OA機器用部品は、主力のレーザープリンター用現像ローラの需要が伸びず、売上げは横ばいでした。キャリアテープ関連製品は、高級スマートフォン用電子部品の需要回復があったものの、売上げは前年を下回りました。シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品が堅調に推移して、売上げを伸ばしました。
この結果、当事業の売上高は37,089百万円(前連結会計年度比7.9%増)、セグメント利益(営業利益)は5,904百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。
③ 住環境・生活資材事業
当事業では、塩ビ関連製品の市場環境が非常に厳しい中、価格改定や生産効率化に努める一方、新規事業製品の拡販を推し進めて、全体として売上げは前年を上回り、利益も大きく伸ばしました。
ラッピングフィルムなどの包装資材関連製品は、一部の価格改定ができましたが、全体的に出荷が振るわず、売上げは前年並みでした。塩ビパイプ関連製品は、市場競争が激しい中、一部の価格改定ができましたが、出荷量が伸びず、売上げは横ばいでした。機能性コンパウンドは、ロボットケーブル用が好調な出荷を継続したものの、自動車用の需要が若干減速したため、売上げは前年並みでした。外装材関連製品は、市場低迷ながら災害復旧向けの需要もあり、また、新規取引先への拡販、価格改定、製品ラインナップ拡充により、売上げを大きく伸ばしました。新規事業製品である導電性ポリマーは、帯電防止材用途や電子部品用途で大きく伸長しました。
この結果、当事業の売上高は19,931百万円(前連結会計年度比6.6%増)、セグメント利益(営業利益)は535百万円(前連結会計年度比19.4%増)となりました。
④ その他
工事関連では、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件、公共施設の内装物件の受注が増え、全体として、売上げは伸びました。なお、上記各事業に含まれない新規事業開発関連をその他に含めております。なお、上記各事業に含まれない新規事業開発関連をその他に含めております。
この結果、その他の売上高は7,740百万円(前連結会計年度比15.3%増)、セグメント利益(営業利益)は220百万円(前連結会計年度比28.9%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子デバイス | 19,728 | 107.8 |
| 精密成形品 | 35,558 | 103.7 |
| 住環境・生活資材 | 10,714 | 103.6 |
| その他 | 4,356 | 114.2 |
| 合 計 | 70,358 | 105.4 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
受注生産はその他の一部においてのみ行っております。
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| その他 | 4,414 | 142.8 | 864 | 160.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子デバイス | 20,699 | 105.9 |
| 精密成形品 | 37,089 | 107.9 |
| 住環境・生活資材 | 19,931 | 106.6 |
| その他 | 7,740 | 115.3 |
| 合 計 | 85,460 | 107.7 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先はありません。
(3) キャッシュ・フローの状況
① 現金及び現金同等物
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、40,802百万円(前連結会計年度末比1,179百万円の減少)となりました。
なお、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は2,752百万円の増加(前連結会計年度は4,009百万円の増加)となりました。
② 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、9,498百万円(前連結会計年度比1,050百万円の収入増)となりました。 これは、税金等調整前当期純利益8,026百万円、減価償却費3,790百万円、関係会社株式評価損561百万円の計上などの増加要因のほか、法人税等の支払い1,987百万円、売上債権の増加1,730百万円、たな卸資産の増加740百万円などの減少要因によるものであります。
前連結会計年度との差異の主な要因は、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の増加と関係会社株式評価損の計上による収入増のほか、運転資金増減(売上債権、たな卸資産及び仕入債務の増減合計額)及び退職給付に係る負債の減少による収入減であります。
③ 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金は、主に有形固定資産の取得による支出6,596百万円により、6,745百万円の減少(前連結会計年度比2,308百万円の支出増)となりました。
前連結会計年度との差異の主な要因は、当社糸魚川工場の製造設備の増強による支出増であります。
④ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金は、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,740百万円、配当金の支払い1,143百万円などにより、3,204百万円の減少(前連結会計年度比1,534百万円の支出増)となりました。
前連結会計年度との差異の主な要因は、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式を取得したことによる支出増であります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、財務体質の健全性確保と、研究開発投資や生産設備投資及びM&Aなどを行うための資金需要に対応してまいります。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は主に当社の親会社である信越化学工業株式会社からの借入により調達を行う方針としております。
当社糸魚川工場の製造設備の増強に係る資金は、内部資金によるものであります。