有価証券報告書-第61期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金が5,105百万円、建設仮勘定が500百万円、未収入金が314百万円それぞれ増加し、機械装置及び運搬具(純額)が1,019百万円、商品及び製品が865百万円、建物及び構築物(純額)が597百万円、電子記録債権が305百万円それぞれ減少したことなどにより、108,212百万円(前連結会計年度末比2,834百万円増)となりました。
当連結会計年度末における負債は、未払法人税等が580百万円、電子記録債務が397百万円それぞれ増加し、支払手形及び買掛金が420百万円減少したことなどにより、21,535百万円(前連結会計年度末比695百万円増)となりました。
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が2,997百万円増加し、前連結会計年度末と比較してEURと人民元を除く海外連結子会社の記帳通貨において円高となった結果、為替換算調整勘定が1,138百万円減少したことなどにより、86,677百万円(前連結会計年度末比2,139百万円増)となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末から0.2ポイント減少し、79.8%となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末から25円18銭増加し、1,067円58銭となりました。
(2) 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、長期化する米中貿易摩擦による影響に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため各国が実施した渡航禁止や都市封鎖などにより経済活動が大きく停滞しました。新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、回復のペースは緩やかなものに留まっています。米国では都市封鎖解除後に雇用が回復し個人消費も持ち直しました。欧州では生産及び輸出が4月を底に回復基調にありましたが感染拡大を止められず、再び経済活動が停滞しました。アジアでは世界に先駆けて経済活動を再開した中国で経済の回復が持続しました。
日本経済は、緊急事態宣言解除後は個人消費、生産及び輸出とも持ち直しましたが、企業の設備投資が弱含むなど本格的な回復までには時間がかかる見通しです。
当社グループ関連の事業環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による半導体業界や電子部品業界の需要の落ち込みはほとんどなかったものの、自動車関連分野の需要が低迷し、全体として軟調に推移しました。
このような状況のもと、当社グループは新型コロナウイルス感染症対策をとるとともに、国内外において主力製品及び新規事業製品の拡販に注力した営業活動を継続的に展開し、生産・供給体制の拡充を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は76,904百万円(前連結会計年度比4.2%減)、営業利益は7,217百万円(前連結会計年度比6.9%減)、経常利益は7,021百万円(前連結会計年度比13.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,536百万円(前連結会計年度比27.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
① 電子デバイス事業
当事業では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による自動車業界の需要低迷等により、自動車関連入力デバイスを中心に出荷が低調に推移し、全体として売上げは前年を下回りました。
入力デバイスは、薄型ノートパソコン用タッチパッドの出荷が好調に推移しましたが、主力の自動車向けキースイッチの出荷は期の後半回復したものの振るわず、全体として売上げは低調でした。
ディスプレイ関連デバイスは、液晶接続用コネクターの出荷が引き続き低調に推移し、光学用途向け視野角制御フィルム(VCF)の出荷も横ばいで、全体として売上げは落ち込みました。
コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターの出荷が順調に推移しましたが、売上げは前年並みとなりました。
この結果、当事業の売上高は18,037百万円(前連結会計年度比8.6%減)、セグメント利益(営業利益)は889百万円(前連結会計年度比45.9%減)となりました。
② 精密成形品事業
当事業では、半導体関連容器やキャリアテープ関連製品の堅調な出荷が続きましたが、全体として売上げは前年並みとなりました。
半導体関連容器は、半導体業界の底堅い需要を背景に300mmウエハー用出荷容器などの出荷が堅調に推移し、売上げを伸ばしました。
OA機器用部品は、レーザープリンター及び複写機用ローラの需要が年明けから回復に転じたものの伸び悩み、売上げは低調でした。
キャリアテープ関連製品は、自動車用及びスマートフォン用の電子部品需要が好調を維持し、売上げを伸ばしました。
シリコーンゴム成形品は、主力のメディカル関連製品の出荷が横ばいで、全体として売上げは伸び悩みました。
この結果、当事業の売上高は34,160百万円(前連結会計年度比2.1%増)、セグメント利益(営業利益)は5,517百万円(前連結会計年度比7.6%増)となりました。
③ 住環境・生活資材事業
当事業では、塩ビ関連製品の市場環境が非常に厳しい中、価格改定や生産効率化に努め、新規事業製品の拡販を推し進めましたが、食品包装資材や建設資材、自動車関連の素材系製品が需要低迷の影響を受けて、全体として売上げは前年を下回りました。
ラッピングフィルム等包装資材関連製品は、スーパー向けが堅調だった反面、外食産業向けが落ち込み、全体的に出荷が振るわず、売上げは低調でした。
塩ビパイプ関連製品は、国内需要の低迷により受注量を確保できず、売上げは前年を下回りました。
機能性コンパウンドは、ロボットケーブル用の出荷低調が続き、自動車用の需要も減速したため、振るいませんでした。
外装材関連製品は、価格改定、新規取引先への拡販等により秋口まで好調を維持したものの、需要が一段落して、売上げは横ばいでした。
新規事業製品のうち、導電性ポリマーは、スマートフォン部品用途及び自動車用電子部品用途の受注が増え、順調に売上げが伸びました。
この結果、当事業の売上高は17,736百万円(前連結会計年度比6.7%減)、セグメント利益(営業利益)は539百万円(前連結会計年度比6.2%増)となりました。
④ その他
工事関連では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による需要低迷の影響により、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件、公共施設の内装物件の受注が減少し、全体として、売上げは前年を下回りました。なお、上記各事業に含まれない新規事業開発関連をその他に含めております。
この結果、その他の売上高は6,969百万円(前連結会計年度比13.6%減)、セグメント利益(営業利益)は272百万円(前連結会計年度比43.2%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子デバイス | 16,113 | 83.8 |
| 精密成形品 | 32,375 | 96.0 |
| 住環境・生活資材 | 9,546 | 91.1 |
| その他 | 3,540 | 82.1 |
| 合 計 | 61,575 | 90.9 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
受注生産はその他の一部においてのみ行っております。
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| その他 | 2,918 | 79.2 | 522 | 104.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 電子デバイス | 18,037 | 91.4 |
| 精密成形品 | 34,160 | 102.1 |
| 住環境・生活資材 | 17,736 | 93.3 |
| その他 | 6,969 | 86.4 |
| 合 計 | 76,904 | 95.8 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先はありません。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び流動性に係る情報
① 現金及び現金同等物
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、45,948百万円(前連結会計年度末比4,272百万円の増加)となりました。
なお、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は6,905百万円の増加(前連結会計年度は3,059百万円の増加)となりました。
② 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、10,641百万円(前連結会計年度比2,952百万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益6,402百万円、減価償却費3,511百万円、減損損失633百万円の計上、たな卸資産の減少650百万円、仕入債務の増加314百万円などの増加要因のほか、法人税等の支払い1,353百万円、売上債権の増加317百万円などの減少要因によるものであります。
③ 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出2,785百万円、定期預金の増加808百万円による減少などにより、3,736百万円の減少(前連結会計年度比893百万円の支出減)となりました。
④ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金は、主に配当金の支払い1,536百万円により、1,691百万円の減少(前連結会計年度比121百万円の支出減)となりました。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、財務体質の健全性確保と、研究開発投資や生産設備投資及びM&Aなどを行うための資金需要に対応してまいります。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は主に当社の親会社である信越化学工業株式会社からの借入により調達を行う方針としております。
当社の配当政策としましては、株主の皆様への利益還元を経営上の課題として認識し、業績に応じた中期的に安定的な配当を継続してまいります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定の策定について、過去の実績や現状に応じて合理的に判断しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は見積り特有の不確実性を有しているため、実際の結果とは大きく異なる可能性があります。このうち、当連結会計年度において特に重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。
その他、当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。