有価証券報告書-第48期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/29 12:35
【資料】
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【項目】
110項目

対処すべき課題

当社における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)経営方針
当社は、世界をリードするクリーンエアーシステムの技術を確立し、株主、従業員、関連会社に利益を還元し社会貢献することを目標としております。当社の技術は研究・実験に基づき、今まで蓄積された技術力で顧客ニーズに合致した製品を連続的に創造する専業メーカーとして堅実な成長を続けております。また、社員の評価は創造性を第一としております。
(2)経営戦略等
当社は、電子工業分野やバイオロジカル分野向けに開発した多数の標準機種・準標準機種を有しますので、これらの販売を促進することで、生産効率の向上を図っております。一方、クリーンエアーシステムの専業メーカーとして、個々の顧客ニーズに応じた製品の設計・製造を行うことも特徴の一つです。
市場の要求を取り込み、クリーンエアーシステムを基に新製品を開発、販売することで、市場の拡大及び当社ブランドの確立を目指しております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な利益を確保し、成長することを目標としております。継続的な成長を目指し新製品の開発に注力し、また生産性の向上やサービス業務の拡大に取り組んでおります。「営業利益」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。
(4)経営環境
国内では新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言による工事進行の中断や延期による影響等を受けましたが、設備投資は徐々に回復しております。当社では人と人との接触を減らしエアロゾル感染を防ぐ工夫をしながら、草加(埼玉)、加須(埼玉)、伊勢崎(群馬)の3工場及び協力会社が一体となり感染症対策機器の生産と出荷に注力しております。電子工業分野では、半導体関連の製造装置メーカーは堅調でしたが、自動車部品、電子材料関連の設備投資が停滞し、再開の動きは緩やかです。一方、バイオロジカル分野では、令和2年度厚生労働省第二次補正予算による補助金交付により病院、薬局、福祉施設、クリニック及びPCR検査施設等への新型コロナウイルス感染症に関連する感染症対策機器、クリーンルーム及び関連消耗品の導入が拡大しております。
また海外では、ベトナム、中国、韓国、台湾等における据付業務が2020年の年初から停滞したものの、同年7月以降は徐々に再開しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社における事業環境は、バイオロジカル分野では、感染症対策への補助金は一服するものの引き続き病院・医療・介護関連への設備導入が見込まれ、薬品の物流倉庫及び食品工業分野への投資が復調する見込みです。また、再生医療やがんの免疫治療への設備投資も見込まれます。一方、電子工業分野では、5Gへの移行に伴い半導体やデータセンター、スマートフォン及びそれら電子部品の生産拡大による設備投資の復調と増加が見込まれます。また、EV及びFCV自動車の製造環境クリーン化、AIやIoT関連分野への投資も期待されます。そのような状況において当社が優先的に対処すべき主な取り組みは、以下のとおりです。
① 研究開発は、特徴付けを考慮し、SDGsに関連する感染症対策製品、省エネルギー化及び食品分野関連装置等を主にしており、具体的には「生菌を用いた空気清浄装置の浮遊菌除去効果の検証」「陰圧排気ユニットの開発」等に取り組み、特徴を有する新製品の拡販に努めてまいります。
② 2021年1月に完成した越谷工場を稼働し、感染症対策製品の生産量拡大とエアーシャワーの生産効率向上に取り組みます。
③ クリーンパーティション等の感染症対策製品の販売増加に伴い、HEPA(高性能)フィルターの交換需要増が見込まれるため、HEPAフィルターの増産と拡販に取り組みます。
④ 2020年12月に完成した本社ショールームを有効活用し、代理店説明会及び勉強会等を開催し拡販いたします。
⑤ コロナ禍における営業活動・海外対応の新取組を検討します。
⑥ 生産管理システムを活用し、合理的な生産管理に取り組み、確実な納期対応と製造コスト低減を目指します。
⑦ サービスセンターは、関西以外の営業拠点へのサービスセンター拡張に向け体制の充実を図り、顧客満足度を高めてまいります。