有価証券報告書-第30期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/26 15:21
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に改善の遅れもみられますが、緩やかな回復基調が続いております。また、先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復に向かうことが期待されます。
当社グループが属するエンタテインメント業界の環境としましては、音楽ビデオを含む音楽ソフトの生産金額が前年比3.5%減の2,456億57百万円(平成28年1月~12月。一般社団法人日本レコード協会調べ)、有料音楽配信売上金額が前年比12.3%増の528億86百万円(平成28年1月~12月。一般社団法人日本レコード協会調べ)となりました。映像関連市場につきましては、映像ソフトの売上金額が前年比6.1%減の2,047億27百万円(平成28年1月~12月。一般社団法人日本映像ソフト協会調べ)となったものの、映像配信市場規模は前年比10.8%増の1,696億0百万円(平成28年1月~12月。株式会社野村総合研究所推計)となり、今後も拡大することが予想されます。また、ライヴ・エンタテインメントの市場規模は、大規模会場の改修に伴う閉鎖等の影響で、前年比2.7%減の3,100億78百万円(平成28年1月~12月。一般社団法人コンサートプロモーターズ協会調べ)となりました。
このような事業環境の下、当社グループは、平成28年5月に公表いたしました「avex group 成長戦略2020~未来志向型エンタテインメント企業へ~」に基づき、成長市場への選択と集中に向けた体制構築を図るとともに、中長期的な成長を実現するために、企業理念の再設定や組織・人事制度の抜本的な見直しといった全社的な改革に取り組んでまいりました。具体的には、平成29年1月に当社の執行体制を刷新するとともに、企業理念及びマニフェストの策定、人事制度の設計、当社グループの強みを活かし事業毎の一体運営を実現するための組織再編等に取り組んでまいりました。
以上の結果、映像ソフト作品の販売及び関連ビジネスの売上が増加したことや、ライヴ動員数が増加し関連するビジネスが好調だったこと等により、売上高は1,615億92百万円(前年度比4.8%増)となったものの、一部の映像配信サービスが低調だったこと等により、営業利益は57億28百万円(同21.3%減)、固定資産の減損損失等を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は1億18百万円(同97.2%減)となりました。
セグメントの業績は、以下のとおりであります。
① 音楽事業
(単位:百万円)
平成28年
3月期
平成29年
3月期
増減
売上高61,22457,257△3,967
売上原価36,80236,582△219
売上総利益24,42220,675△3,747
売上総利益率39.9%36.1%△3.8%
販売費及び一般管理費17,83917,571△267
営業利益6,5833,104△3,479
営業利益率10.8%5.4%△5.4%
外部顧客に対する売上高58,87155,216△3,654

音楽ソフト作品の売上が減少したこと等により、売上高は572億57百万円(前年度比6.5%減)、売上高の減少に伴い、営業利益は31億4百万円(同52.9%減)となりました。
② 映像事業
(単位:百万円)
平成28年
3月期
平成29年
3月期
増減
売上高41,80143,9592,157
売上原価33,48834,051563
売上総利益8,3139,9071,593
売上総利益率19.9%22.5%2.6%
販売費及び一般管理費8,2287,655△572
営業利益852,2522,166
営業利益率0.2%5.1%4.9%
外部顧客に対する売上高41,36143,3201,958

映像ソフト作品の販売及び関連ビジネスの売上が増加したこと等により、売上高は439億59百万円(前年度比5.2%増)、営業利益は22億52百万円(前年度は85百万円)となりました。
③ マネジメント/ライヴ事業
(単位:百万円)
平成28年
3月期
平成29年
3月期
増減
売上高55,75662,9057,148
売上原価42,53248,6646,132
売上総利益13,22414,2401,015
売上総利益率23.7%22.6%△1.1%
販売費及び一般管理費11,64112,8621,220
営業利益1,5831,378△205
営業利益率2.8%2.2%△0.6%
外部顧客に対する売上高51,19560,4229,226

ライヴ動員数の増加と関連ビジネスが好調に推移したこと等により、売上高は629億5百万円(前年度比12.8%増)となったものの、販売費及び一般管理費が増加したこと等により、営業利益は13億78百万円(同13.0%減)となりました。
④ その他
(単位:百万円)
平成28年
3月期
平成29年
3月期
増減
売上高2,9763,167191
売上原価1,5761,473△102
売上総利益1,3991,693294
売上総利益率47.0%53.5%6.5%
販売費及び一般管理費2,1782,638459
営業損失△779△944△165
営業利益率---
外部顧客に対する売上高2,6942,632△61

その他の事業の売上高は31億67百万円(前年度比6.4%増)、営業損失は9億44百万円(前年度は営業損失7億79百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、242億98百万円(前連結会計年度末は211億7百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は82億19百万円(前年度は81億69百万円)となりました。
これは主に、未払金の減少45億24百万円による資金の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益36億40百万円、減価償却費36億23百万円及びたな卸資産の減少30億76百万円による資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は118億45百万円(前年度は67億78百万円)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出82億1百万円及び無形固定資産の取得による支出25億50百万円による資金の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は67億92百万円(前年度は59億69百万円の支出)となりました。
これは主に、配当金の支払額21億53百万円及び社債の償還による支出7億20百万円による資金の減少要因があったものの、長期借入れによる収入80億0百万円及び短期借入金の純増減額20億0百万円による資金の増加要因があったことによるものであります。