有価証券報告書-第42期(平成31年2月1日-令和2年1月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比709,815千円増加し、6,147,171千円となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金、原材料及び貯蔵品等が増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比3,339,597千円増加し、8,997,175千円となりました。その主な要因は、設備投資に伴う有形固定資産の増加及び持分法による投資利益の計上により、投資有価証券が増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比481,441千円増加し、3,050,141千円となりました。その主な要因は、設備投資に伴い未払金が増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比1,011,825千円増加し、2,512,274千円となりました。その主な要因は、リース債務、長期借入金が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比2,556,144千円増加し、9,581,930千円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が増加したことによるものであります。
ロ.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、良好な雇用情勢とともに個人所得の情勢も改善傾向が続くとともに、個人消費も緩やかに成長した一方、長引く米中貿易摩擦の影響により、一部の外需に陰りが見え、景気に対する先行きの不透明感が徐々に強まった状況にありました。
当社グループの主要な販売先であります半導体業界におきましても、一定の水準での生産は維持していたものの、スマートフォン向け等の実需面での低迷や、米中貿易摩擦の長期化を背景に、多くの会社が設備投資に慎重な姿勢を見せており、さらに半導体価格が下落したことも受け、WSTS(World Semiconductor Trade Statistics:世界半導体市場統計)が2019年11月に予測した2019年の半導体市場予測によると、市場全体ではドルベースで前年比△12.8%と二桁のマイナス成長となるものと予測されており、市場全体に閉塞感の漂う状況にありました。
このような状況下、当社グループといたしましては、停滞する環境下においても業績の拡大路線を継続させるべく、主に台湾・韓国を中心とする東アジア地域に向けて、新たに市場が見込まれる先端半導体向け新規材料の販売及び市場投入に注力するとともに、それらに対応した生産設備の導入や人員増強等により、製造・開発・品質管理体制の一層の強化と効率化に取り組み、生産性の向上及び新規製品製造のための体制構築を積極的に図ってまいりました。
一方、利益面に関しましても、競争力の確保と将来に向けた事業基盤の強化を図るため、全社を挙げての経費削減に継続して取り組むとともに、中期経営計画における経営方針に基づき、顧客からの高純度化ニーズ及び差別化への対応を推し進めることにより一層の収益向上を図ってまいりました。
その結果、売上高は8,267,457千円(前年同期比6.1%増)、営業利益は2,326,925千円(同8.1%増)となり、また、持分法による投資利益の計上等により経常利益は3,744,290千円(同27.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,939,792千円(同29.7%増)となりました。
なお、当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ22,744千円増加し、1,618,491千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,809,921千円(前年同期比398,630千円の収入の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上3,744,290千円、減価償却費642,186千円等のプラス要因が、持分法による投資利益1,324,993千円、法人税等の支払額688,008千円等のマイナス要因を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1,564,332千円(同319,705千円の支出の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,405,010千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は226,179千円(前年同期は269,826千円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払額349,852千円等が長期借入金の収支のプラス198,783千円を上回ったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであります。
イ.生産実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式、用途等は必ずしも一様ではないことから、記載しておりません。
ロ.受注状況
生産実績と同様の理由に加え、受注生産形態をとらない製品が多いことから、記載しておりません。
ハ. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 高純度化学化合物事業 | 8,267,457 | +6.1 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 日本エア・リキード(同) | 3,115,432 | 40.0 | 2,821,341 | 34.1 |
| TOPCO Scientific Co., Ltd. | 1,774,432 | 22.8 | 2,149,006 | 26.0 |
| SK Tri Chem Co., Ltd. | 160,805 | 2.1 | 895,261 | 10.8 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 5 会計方針に関する事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ6.1%増の8,267,457千円となりました。その主な要因は、当社グループの主要な販売先であります半導体業界におきましては、市場全体に閉塞感の漂う状況であったものの、拡大路線を継続させるべく、主に台湾・韓国を中心とする東アジア地域に向けて、先端半導体向け新規材料の販売及び市場投入に注力した結果、当社グループの化学材料の出荷が増加したこと等によるものであります。
(売上総利益)
売上総利益は、売上高の増加等に伴い同10.0%増の3,952,678千円となりました。売上総利益率は製品ミックスの改善等により、前連結会計年度の46.1%から当連結会計年度は47.8%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、同13.0%増の1,625,752千円となりました。その主な要因は、研究開発費及び人件費等の増加等により一般管理費が増加したことによるものであります。その結果、営業利益は同8.1%増の2,326,925千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、持分法による投資利益の計上等により、同69.6%増の1,451,270千円となりました。
営業外費用は、シンジケートローン手数料の減少等により、同55.9%減の33,905千円となりました。その結果、経常利益は同27.7%増の3,744,290千円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損益は、特別利益及び特別損失ともに計上がありませんでした。その結果、税金等調整前当期純利益は同27.7%増の3,744,290千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加えた税金費用は804,497千円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は同29.7%増の2,939,792千円となりました。
ロ.財政状態の分析
当社グループの財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 イ.財政状態の状況」に記載しております。
ハ.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
ニ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主な資金需要は事業上必要な運転資金や設備投資であり、資金については銀行等金融機関の借入によって調達する方針としております。なお、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保することを目的として、取引銀行2行と総額3,000,000千円のシンジケートローン契約を締結しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、重要な設備の新設等の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
ホ.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、最新の外部、内部環境を反映させた、今後の3年間の中期経営計画(毎年見直すローリング方式)を策定し、事業に取り組んでおります。2020年1月期の計画値と実績値の結果は以下のとおりであります。
| 2020年1月期計画 | 2020年1月期実績 | 計画比 | ||
| 売上高 | (百万円) | 8,830 | 8,267 | △563 |
| 営業利益 | (百万円) | 2,290 | 2,326 | +36 |
| 経常利益 | (百万円) | 3,260 | 3,744 | +484 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | (百万円) | 2,470 | 2,939 | +469 |
| 売上高営業利益率 | (%) | 25.9 | 28.1 | +2.2 |
売上高に関しては、最終顧客の設備投資が縮小・先送りされたこと等の要因により、当初見込んでいた製品の出荷が減少したこともあり期初計画を下回る結果となりました。一方、利益面に関しては、製品ミックスが改善したこと、全社を挙げて経費削減に取り組んだこと等により、売上高営業利益率が見込みよりも増加し、営業利益は期初計画を上回る結果となりました。また、韓国関係会社SK Tri Chem Co., Ltd.の業績が当初の想定以上に好調に推移したことによる持分法投資利益の計上等により、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても期初計画を上回る結果となりました。
当社グループでは、安定した売上成長を図り、規模の拡大を目指しながらも、経営の効率化を推し進めることで確実に利益をあげられる強靭な企業体質の構築に努めてまいりたいと考えていることから、特に、売上高及び売上高営業利益率を重視すべき経営指標としております。なお、売上高営業利益率に関しては25%超の水準を維持することを目標としております。