有価証券報告書-第127期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
対処すべき課題
(1) 経営方針
常に時代を先取りし、果敢に新たな事業へと挑戦し続ける創業以来の開拓者精神と積極的な創意工夫を行う姿勢は、当社グループの行動指針となっております。お取引先との信頼関係を深め、事業を創造し、社会に価値ある企業となるため、当社グループの企業理念として掲げる、当社創業者である兼松房治郎による創業主意ならびに「われらの信条」(1967年制定)を経営の基本理念としております。
創業主意 「わが国の福利を増進するの分子を播種栽培す」
「われらの信条」
・伝統的開拓者精神と積極的創意工夫をもって業務にあたり、適正利潤を確保し、企業の発展を図る。
・会社の健全なる繁栄を通じて、企業の社会的責任を果し、従業員の福祉を増進する。
・組織とルールに基づいて行動するとともに、会社を愛する精神と、社内相互の人間理解を基本として、業務を遂行する。
(2) 経営環境および対処すべき課題
当社グループは、6ヵ年の中期ビジョン「future 135」(2018年4月~2024年3月)を策定し、取組みを推進しております。2021年3月期をもって前半3ヵ年が終了しましたので、折り返しとなるタイミングにおいて、方向性を再確認いたしました。基盤となる事業における持続的成長を目指すとともに、強みを有する事業分野での事業投資により規模の拡大や付加価値の獲得を追求するという基本方針に変更はありません。一方、事業投資の進捗や新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを踏まえ、定量目標の見直しを行うとともに、SDGsやDXへの取組みの推進を重点施策に加えております。
(定量目標)
(※)親会社の所有者に帰属する当期利益
(重点施策)
① 基盤となる事業における持続的成長と、事業投資による規模拡大、付加価値獲得
基盤となる事業における持続的成長を目指すとともに、健全な財務構造のもと、資本とリスクアセットのバランスを取りつつ成長投資を実行して参ります。強みを有する事業分野において、「規模拡大」型と「付加価値」型の二軸で事業投資を推進し、当連結会計年度においては、主に次のような分野で実行いたしました。
・ 規模拡大を主とする投資としては、ドイツのプリンター販売会社の設立、ICテストハンドラー事業譲受の締結、ベトナムの鉄骨・橋梁ファブリケーターへの持分法出資などを行いました。
・ 付加価値獲得を主とする投資としては、ウェハマーキング装置商社の買収、ドライブレコーダ開発・製造企業の買収などを行いました。
後半3ヵ年につきましては、上記の施策に加え、SDGs達成に向けて、環境、社会、安全をテーマとする事業分野での投資も推進いたします。
② 技術革新への対応
現行分野の周辺において将来に向けた「イノベーション」型の開発投資を行い、IoTやAIなど先進技術を軸とした新規事業を推進・拡大いたします。
当連結会計年度においては、ヘルスケア・イノベーション投資事業有限責任組合への出資、日本市場で今後期待されるデータの流通市場の形成に向けた新プロジェクトの開始、オープンイノベーションを推進するための事業共創プラットフォームの立ち上げなどを行いました。
後半3ヵ年につきましては、上記の施策に加え、グループを挙げたDX推進にも取り組んで参ります。
③ 持続的成長を実現するための経営インフラ確立
当連結会計年度においては、主に次のような取組みを推進いたしました。
第一に、経営人材育成の一環として、社内研修制度「兼松ユニバーシティ」において、経営者としての基礎知識を習得するための既存の約10年間のカリキュラムに加え、新たに高度な経営ノウハウを取得するために、約5年間の修士課程相当であるGraduate Schoolを設けました。これにより、当社の経営人材の更なる拡充を図ります。
第二に、働き方改革の一環として、リモートワークのための在宅勤務規程を制定しました。リモートワーク環境を充実させるため全社員にノートPCやスマートフォンの配布を開始し、社内稟議の電子化や各種データのクラウド化などの社内DXも推進しております。これからも多様な働き方が実現できる環境づくりに努めて参ります。
第三に、当社そして社会の持続的成長のため、サステナビリティ推進委員会とサステナビリティ推進室を中心として、SDGsをより一層意識した事業ならびに経営に取り組んでおります。
(今後の見通し)
次連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症による不透明感は残るものの、ワクチン接種の進捗に応じて経済活動の正常化が各国において進み、世界経済はコロナ危機前の水準に回復するものと思われます。一方、我が国経済は、ワクチン普及の遅れも影響し、経済活動の正常化は主要国の中では緩やかなものに留まる見込みです。
このような環境のもと、中期ビジョン「future 135」の4年目にあたる2022年3月期に関しましては、収益7,000億円、営業活動に係る利益280億円、税引前利益280億円、親会社の所有者に帰属する当期利益150億円を見込んでおります。
(※)親会社の所有者に帰属する当期利益
セグメントの業績見通しおよび成長戦略は、次のとおりであります。
電子・デバイス
企業におけるIT投資需要の増加が期待されるICTソリューション事業や、前期における一過性のコスト増がなくなるモバイル事業などで回復を見ており、収益は当連結会計年度比239億円増加の2,500億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比16億円増加の192億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比5億円増加の90億円を見込んでおります。
リモートワークの普及・浸透によるテレワーク市場の拡大、AI・IoT、ロボティクスおよび5G普及による関連技術・サービス市場の創出・拡大、国内企業によるDXの取組みの加速という事業環境において、デスクトップ仮想化(VDI)を始めとするソリューションや回線等のサービス提供によりICTソリューション事業、モバイル事業での収益基盤の強化を図ります。また、ICTソリューション事業、モバイル事業では関連ソリューションを、半導体部品・装置や電子機器・電子材料事業では関連商材を取り扱うことで新たな価値提供による収益機会の拡大を図ります。さらに、ベンチャー企業を含むソリューション提供企業へのイノベーション投資、M&Aを促進し、既存ビジネスとのシナジーによる収益拡大に取り組んで参ります。
食料
当連結会計年度において外食需要の低迷や在庫調整等の影響を受けた畜産事業・食品事業を中心に回復を見ており、収益は当連結会計年度比154億円増加の2,600億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比20億円増加の35億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比8億円増加の23億円を見込んでおります。
食品事業は、消費者の高齢化と健康志向の高まり、食品業界における人材不足と人件費増加、アジアにおける食品需要拡大と量から質への転換という事業環境において、安全・安心で新鮮な農産物の産地開発、世界適所での簡便で美味しく調理可能な加工食品の開発・商品化、DXを活用した選別・加工の省力化と品質改善、日本的な高品質、安全・安心な食品を供給する仕組みづくりと地産地消ビジネスの拡大に取り組んで参ります。
畜産事業は、TPP11、日欧EPA、日米TAG等による輸入関税率低下を受けた畜産物の輸入量拡大、アジア市場における畜産物に対する需要の拡大、安全・安心に対する消費者意識の高まりという事業環境において、国内販売力強化のため、畜産グループ内の機能強化に向けた事業投資やM&Aを推進し、規模の拡大を目指します。また、アジア市場での畜産事業拡大に向け、日本におけるビジネスモデルの横展開を図ります。さらに、既存サプライヤーとの取組み深化および新産地開拓により安全・安心で付加価値の高い、安定供給可能な商品の開発を進めて参ります。
食糧事業は、世界的な需要拡大、異常気象の常態化、品質への要望の高まり、新技術の導入という事業環境において、グローバルネットワークを活かした供給地域の多様化と、需要が拡大する中国・アジア市場の取り込みを進めて参ります。また、配合飼料・肥料・大豆・牧草等の商品生産拠点における品質の向上、IoT技術やゲノム編集技術等による取引先の生産効率の向上に寄与して参ります。
鉄鋼・素材・プラント
設備投資需要の回復が見込まれる工作機械・産業機械事業での増益が期待でき、鋼管事業の事業環境も回復途上にあると見ており、収益は当連結会計年度比132億円増加の1,100億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比13億円増加の31億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比4億円増加の25億円を見込んでおります。
化石エネルギーの需要減少など世界的なエネルギー市場構造の変化、欧米、アジア、中国など主要国で展開される貿易摩擦の激化、SDGsに代表される世界的な環境問題への意識の高まりという事業環境において、再生可能エネルギービジネスへの取組みを加速化し、通商問題リスク軽減のための高機能商材、独自規格商品の取扱い拡大と事業パートナーとの関係強化による新たなビジネススキームの構築を進めて参ります。
車両・航空
航空宇宙事業は契約の端境期となるため低調に推移すると見ており、収益は当連結会計年度比11億円減少の700億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比7億円減少の14億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比6億円減少の9億円を見込んでおります。
新興国の自動車・二輪車需要の長期的な増加、CASE、MaaS進化に伴う新需要出現、グローバル化に伴う航空需要の拡大、先進国政府および民間の開発・先行投資による宇宙ビジネスの拡大、100年に1度と言われる技術革新、IT化の急速な流れで勃興するモビリティの多様化という事業環境において、グローバルネットワークを活かした既存案件の磨き、付加価値獲得と新規投資の実行を進めて参ります。また、パーツアウト、MRO事業を中心とした民間航空機アフターマーケット事業の深耕と規模の拡大を図ります。さらに、北米シリコンバレーの投資拠点を核にスタートアップとの協業を推進し、新規ビジネスを創出して参ります。
(業績見通し算定にあたっての前提条件)
・為替レート : 1米ドル=105円
・金利水準 : 横這い
(注意事項)
上記の見通し等の将来に関する記述は、当社グループが有価証券報告書提出日現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいて記載しており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があることにご留意ください。
常に時代を先取りし、果敢に新たな事業へと挑戦し続ける創業以来の開拓者精神と積極的な創意工夫を行う姿勢は、当社グループの行動指針となっております。お取引先との信頼関係を深め、事業を創造し、社会に価値ある企業となるため、当社グループの企業理念として掲げる、当社創業者である兼松房治郎による創業主意ならびに「われらの信条」(1967年制定)を経営の基本理念としております。
創業主意 「わが国の福利を増進するの分子を播種栽培す」
「われらの信条」
・伝統的開拓者精神と積極的創意工夫をもって業務にあたり、適正利潤を確保し、企業の発展を図る。
・会社の健全なる繁栄を通じて、企業の社会的責任を果し、従業員の福祉を増進する。
・組織とルールに基づいて行動するとともに、会社を愛する精神と、社内相互の人間理解を基本として、業務を遂行する。
(2) 経営環境および対処すべき課題
当社グループは、6ヵ年の中期ビジョン「future 135」(2018年4月~2024年3月)を策定し、取組みを推進しております。2021年3月期をもって前半3ヵ年が終了しましたので、折り返しとなるタイミングにおいて、方向性を再確認いたしました。基盤となる事業における持続的成長を目指すとともに、強みを有する事業分野での事業投資により規模の拡大や付加価値の獲得を追求するという基本方針に変更はありません。一方、事業投資の進捗や新型コロナウイルス感染症拡大の影響などを踏まえ、定量目標の見直しを行うとともに、SDGsやDXへの取組みの推進を重点施策に加えております。
(定量目標)
(当初最終年度目標) 2024年3月期 | (見直し後最終年度目標)2024年3月期 | 2021年3月期実績 | |
連結当期利益※ | 250億円 | 200億円 | 133億円 |
ROE | 13%~15% | 10%~12% | 9.7% |
配当性向(総還元性向) | 25%~30% | 30%~35% | 37.6% |
(※)親会社の所有者に帰属する当期利益
(重点施策)
① 基盤となる事業における持続的成長と、事業投資による規模拡大、付加価値獲得
基盤となる事業における持続的成長を目指すとともに、健全な財務構造のもと、資本とリスクアセットのバランスを取りつつ成長投資を実行して参ります。強みを有する事業分野において、「規模拡大」型と「付加価値」型の二軸で事業投資を推進し、当連結会計年度においては、主に次のような分野で実行いたしました。
・ 規模拡大を主とする投資としては、ドイツのプリンター販売会社の設立、ICテストハンドラー事業譲受の締結、ベトナムの鉄骨・橋梁ファブリケーターへの持分法出資などを行いました。
・ 付加価値獲得を主とする投資としては、ウェハマーキング装置商社の買収、ドライブレコーダ開発・製造企業の買収などを行いました。
後半3ヵ年につきましては、上記の施策に加え、SDGs達成に向けて、環境、社会、安全をテーマとする事業分野での投資も推進いたします。
② 技術革新への対応
現行分野の周辺において将来に向けた「イノベーション」型の開発投資を行い、IoTやAIなど先進技術を軸とした新規事業を推進・拡大いたします。
当連結会計年度においては、ヘルスケア・イノベーション投資事業有限責任組合への出資、日本市場で今後期待されるデータの流通市場の形成に向けた新プロジェクトの開始、オープンイノベーションを推進するための事業共創プラットフォームの立ち上げなどを行いました。
後半3ヵ年につきましては、上記の施策に加え、グループを挙げたDX推進にも取り組んで参ります。
③ 持続的成長を実現するための経営インフラ確立
当連結会計年度においては、主に次のような取組みを推進いたしました。
第一に、経営人材育成の一環として、社内研修制度「兼松ユニバーシティ」において、経営者としての基礎知識を習得するための既存の約10年間のカリキュラムに加え、新たに高度な経営ノウハウを取得するために、約5年間の修士課程相当であるGraduate Schoolを設けました。これにより、当社の経営人材の更なる拡充を図ります。
第二に、働き方改革の一環として、リモートワークのための在宅勤務規程を制定しました。リモートワーク環境を充実させるため全社員にノートPCやスマートフォンの配布を開始し、社内稟議の電子化や各種データのクラウド化などの社内DXも推進しております。これからも多様な働き方が実現できる環境づくりに努めて参ります。
第三に、当社そして社会の持続的成長のため、サステナビリティ推進委員会とサステナビリティ推進室を中心として、SDGsをより一層意識した事業ならびに経営に取り組んでおります。
(今後の見通し)
次連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症による不透明感は残るものの、ワクチン接種の進捗に応じて経済活動の正常化が各国において進み、世界経済はコロナ危機前の水準に回復するものと思われます。一方、我が国経済は、ワクチン普及の遅れも影響し、経済活動の正常化は主要国の中では緩やかなものに留まる見込みです。
このような環境のもと、中期ビジョン「future 135」の4年目にあたる2022年3月期に関しましては、収益7,000億円、営業活動に係る利益280億円、税引前利益280億円、親会社の所有者に帰属する当期利益150億円を見込んでおります。
2021年3月期実績 | 2022年3月期見通し | |
連結当期利益※ | 133億円 | 150億円 |
ROE | 9.7% | 10.4% |
配当性向(総還元性向) | 37.6% | 33.4% |
(※)親会社の所有者に帰属する当期利益
セグメントの業績見通しおよび成長戦略は、次のとおりであります。
電子・デバイス
企業におけるIT投資需要の増加が期待されるICTソリューション事業や、前期における一過性のコスト増がなくなるモバイル事業などで回復を見ており、収益は当連結会計年度比239億円増加の2,500億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比16億円増加の192億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比5億円増加の90億円を見込んでおります。
リモートワークの普及・浸透によるテレワーク市場の拡大、AI・IoT、ロボティクスおよび5G普及による関連技術・サービス市場の創出・拡大、国内企業によるDXの取組みの加速という事業環境において、デスクトップ仮想化(VDI)を始めとするソリューションや回線等のサービス提供によりICTソリューション事業、モバイル事業での収益基盤の強化を図ります。また、ICTソリューション事業、モバイル事業では関連ソリューションを、半導体部品・装置や電子機器・電子材料事業では関連商材を取り扱うことで新たな価値提供による収益機会の拡大を図ります。さらに、ベンチャー企業を含むソリューション提供企業へのイノベーション投資、M&Aを促進し、既存ビジネスとのシナジーによる収益拡大に取り組んで参ります。
食料
当連結会計年度において外食需要の低迷や在庫調整等の影響を受けた畜産事業・食品事業を中心に回復を見ており、収益は当連結会計年度比154億円増加の2,600億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比20億円増加の35億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比8億円増加の23億円を見込んでおります。
食品事業は、消費者の高齢化と健康志向の高まり、食品業界における人材不足と人件費増加、アジアにおける食品需要拡大と量から質への転換という事業環境において、安全・安心で新鮮な農産物の産地開発、世界適所での簡便で美味しく調理可能な加工食品の開発・商品化、DXを活用した選別・加工の省力化と品質改善、日本的な高品質、安全・安心な食品を供給する仕組みづくりと地産地消ビジネスの拡大に取り組んで参ります。
畜産事業は、TPP11、日欧EPA、日米TAG等による輸入関税率低下を受けた畜産物の輸入量拡大、アジア市場における畜産物に対する需要の拡大、安全・安心に対する消費者意識の高まりという事業環境において、国内販売力強化のため、畜産グループ内の機能強化に向けた事業投資やM&Aを推進し、規模の拡大を目指します。また、アジア市場での畜産事業拡大に向け、日本におけるビジネスモデルの横展開を図ります。さらに、既存サプライヤーとの取組み深化および新産地開拓により安全・安心で付加価値の高い、安定供給可能な商品の開発を進めて参ります。
食糧事業は、世界的な需要拡大、異常気象の常態化、品質への要望の高まり、新技術の導入という事業環境において、グローバルネットワークを活かした供給地域の多様化と、需要が拡大する中国・アジア市場の取り込みを進めて参ります。また、配合飼料・肥料・大豆・牧草等の商品生産拠点における品質の向上、IoT技術やゲノム編集技術等による取引先の生産効率の向上に寄与して参ります。
鉄鋼・素材・プラント
設備投資需要の回復が見込まれる工作機械・産業機械事業での増益が期待でき、鋼管事業の事業環境も回復途上にあると見ており、収益は当連結会計年度比132億円増加の1,100億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比13億円増加の31億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比4億円増加の25億円を見込んでおります。
化石エネルギーの需要減少など世界的なエネルギー市場構造の変化、欧米、アジア、中国など主要国で展開される貿易摩擦の激化、SDGsに代表される世界的な環境問題への意識の高まりという事業環境において、再生可能エネルギービジネスへの取組みを加速化し、通商問題リスク軽減のための高機能商材、独自規格商品の取扱い拡大と事業パートナーとの関係強化による新たなビジネススキームの構築を進めて参ります。
車両・航空
航空宇宙事業は契約の端境期となるため低調に推移すると見ており、収益は当連結会計年度比11億円減少の700億円、営業活動に係る利益は当連結会計年度比7億円減少の14億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当連結会計年度比6億円減少の9億円を見込んでおります。
新興国の自動車・二輪車需要の長期的な増加、CASE、MaaS進化に伴う新需要出現、グローバル化に伴う航空需要の拡大、先進国政府および民間の開発・先行投資による宇宙ビジネスの拡大、100年に1度と言われる技術革新、IT化の急速な流れで勃興するモビリティの多様化という事業環境において、グローバルネットワークを活かした既存案件の磨き、付加価値獲得と新規投資の実行を進めて参ります。また、パーツアウト、MRO事業を中心とした民間航空機アフターマーケット事業の深耕と規模の拡大を図ります。さらに、北米シリコンバレーの投資拠点を核にスタートアップとの協業を推進し、新規ビジネスを創出して参ります。
(業績見通し算定にあたっての前提条件)
・為替レート : 1米ドル=105円
・金利水準 : 横這い
(注意事項)
上記の見通し等の将来に関する記述は、当社グループが有価証券報告書提出日現在入手している情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいて記載しており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があることにご留意ください。