訂正有価証券報告書-第100期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
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注記事項-連結財務諸表の作成基準並びに重要な会計方針の要約、連結財務諸表(IFRS)
2.連結財務諸表の作成基準並びに重要な会計方針の要約
(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の全ての要件を満たすことから、第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2)機能通貨及び表示通貨
当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(3)測定の基礎
連結財務諸表は、(5)重要な会計方針の要約に記載している金融商品、確定給付型制度に係る資産及び負債、及び一部の棚卸資産等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(4)見積り及び判断の利用
連結財務諸表の作成に当たり、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定に基づく判断を利用しております。実際の結果はそれら見積りや仮定に基づく判断と異なることがあります。
見積りや仮定に基づく判断は継続して見直されます。
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある、主な会計上の見積り及び仮定は、以下のとおりです。
・非金融資産の減損、減損戻入((5)重要な会計方針の要約 「非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損」、「石油・ガス産出活動」、注記6 持分法適用会社に対する投資、注記12 有形固定資産、注記14 無形資産及び注記15 石油・ガス及び鉱物資源の探査及び評価)
・金融商品の評価 ((5)重要な会計方針の要約 「金融商品」、注記8 金融債権及び損失評価引当金、注記9 金融商品及び関連する開示及び注記25 公正価値測定)
・引当金 ((5)重要な会計方針の要約 「引当金」、「資産除去債務」、及び注記18 引当金)
・確定給付制度債務の測定 ((5)重要な会計方針の要約 「従業員給付」及び注記19 従業員給付)
・繰延税金資産の回収可能性 ((5)重要な会計方針の要約 「法人所得税」及び注記24 法人所得税)
当連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び仮定に基づく判断の変更は主に以下のとおりです。
・非金融資産の回収可能価額の測定 (注記12 有形固定資産及び注記14 無形資産)
・引当金 (注記18 引当金及び注記29 マルチグレイン事業関連引当金繰入額及び取崩額)
・金融商品の評価 (注記25 公正価値測定)
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断に関する情報は、主に以下のとおりです。
・連結子会社及び持分法適用会社の範囲 ((5)重要な会計方針の要約 「連結」、「関連会社に対する投資及び共同支配の取決め」、注記5 連結子会社及び注記6 持分法適用会社に対する投資)
・金融商品 ((5)重要な会計方針の要約 「金融商品」、注記9 金融商品及び関連する開示及び注記25 公正価値測定)
・リースの会計処理 ((5)重要な会計方針の要約 「リース取引」及び注記10 リース)
(5)重要な会計方針の要約
連結
当連結財務諸表は、当社、当社が議決権または類似の権利を通じて直接・間接に支配する連結子会社、並びに当社または連結子会社が支配するストラクチャード・エンティティ(以上を合わせて、当社及び連結子会社という)の各勘定を連結したものです。ここでストラクチャード・エンティティとは、議決権または類似の権利以外の方法により支配される事業体を意味します。また、支配とはIFRS第10号「連結財務諸表」に定めるものを意味し、当社及び連結子会社による支配の有無は、議決権または類似の権利の保有割合や投資先に関する契約内容などを勘案し総合的に判断しております。
当社の連結財務諸表には、決算日を親会社の決算日に統一することが実務上不可能であり、親会社の決算日と異なる日を決算日とする連結子会社の財務諸表が含まれております。
決算日の異なる主要な連結子会社には、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産を行う連結子会社があります。当社はノンオペレーターであり、決算に必要な各種データはオペレーターが保有しております。このため当社決算に反映させることの出来るタイミングでの各種データの入手が不可能である為、親会社の決算日に統一することが実務上不可能であり、決算日を12月末として当社連結財務諸表に含めております。同じ理由で、親会社の決算日を決算日として仮決算を行うことも実務上不可能です。
その他の連結子会社においても、当該連結子会社の所在する現地法制度上、決算日の変更が不可能であり、また現地における会計システムを取り巻く環境や事業の特性などから、親会社の決算日を決算日として仮決算を行う事が実務上不可能な連結子会社があります。当該連結子会社の決算日は、主に12月末です。
連結子会社の財務諸表を当社と異なる決算日で作成する場合、その連結子会社の決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引または事象の影響については調整を行っております。
変動後も支配を継続する連結子会社に対する持分比率の変動は、損益取引として取扱わず、資本取引として認識しております。また、連結子会社に対する支配を喪失した場合、残存持分を支配喪失時における公正価値にて評価し、評価差額を有価証券損益に認識しております。
関連会社に対する投資及び共同支配の取決め
関連会社とは、当社及び連結子会社が議決権の20%以上を所有し、投資先の財務及び営業の方針決定に重要な影響力を行使し得ない反証が存在しない会社、若しくは20%未満の保有でも重要な影響力を行使し得る会社です。関連会社に対する投資勘定については、持分法により処理しております。
共同支配の取決めとは、関連する活動に係る意思決定について支配を共有している当事者の全会一致の合意を必要とする取決めであり、共同支配を有する当事者が当該取決めに関連する資産に対する権利及び負債に対する義務を実質的に有している場合はジョイント・オペレーション、共同支配の取決めが別個の事業体を通じて組成され、共同支配を有する当事者が当該取決めに関連する純資産に対する権利を有している場合はジョイント・ベンチャーとしております。ジョイント・オペレーションは持分に応じて資産、負債、収益及び費用を認識する会計処理、ジョイント・ベンチャーは持分法による会計処理を適用しております。
主たるジョイント・オペレーションとして、豪州鉄鉱石採掘事業を営むRobe River Iron Associates J/V (持分割合33%)があります。
当社の連結財務諸表には、所在する現地法制度上、決算日の変更が不可能であり、または他の株主との関係等により決算日を統一することが実務上不可能であるため当社の決算日と異なる日を決算日とし、現地における会計システムを取り巻く環境や事業の特性などから、当社の決算日に仮決算を行う事も実務上不可能である関連会社、ジョイント・ベンチャー及びジョイント・オペレーションが含まれております。当該関連会社、ジョイント・ベンチャー及びジョイント・オペレーションの決算日は主に12月末です。
関連会社、ジョイント・ベンチャー及びジョイント・オペレーションの財務諸表を当社と異なる決算日で作成する場合、その関連会社、ジョイント・ベンチャー及びジョイント・オペレーションの決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引または事象の影響については調整を行っております。
関連会社またはジョイント・ベンチャーに該当しなくなり持分法の適用を停止した場合、残存持分を持分法停止時における公正価値にて評価し、評価差額を有価証券損益に認識しております。
持分法適用会社に対する投資の減損につきましては「非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損」を参照願います。
企業結合
当社及び連結子会社は、IFRS第3号「企業結合」に従い、全ての企業結合につき非支配持分も含めた被結合企業全体を公正価値にて測定する取得法により処理しております。取得対価及び該当する場合には非支配持分の公正価値と識別可能な資産及び負債の公正価値との差額は、取得対価が上回る場合には暖簾として認識し、下回る場合には割安購入として当期利益に認識しております。
外貨換算
海外連結子会社及び持分法適用会社の財務諸表の換算については、資産及び負債は期末日の為替レートにて円貨に換算し、収益及び費用は対応する期間の平均為替レートにて円貨に換算しております。この結果生じる換算差額は、外貨換算調整勘定としてその他の資本の構成要素に計上しております。
外貨建取引は、取引日における為替レートにて当社及び連結子会社の各機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債、公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートにて機能通貨に換算しており、この結果生じる換算差額は、原則として当期利益に認識しております。外貨建取得原価にて測定される非貨幣性項目は、取引日の為替レートにて換算しております。
現金同等物
現金同等物は、随時現金化が可能であり、価値変動に重要なリスクが無い流動性の高い短期投資(取得日からの償還期日が3ヶ月以内)をいい、預金時から3ヶ月以内に満期の到来する定期預金、取得日から3ヶ月以内に満期の到来する譲渡性預金、政府短期証券及びコマーシャル・ペーパーを含めております。
棚卸資産
棚卸資産は、主に販売用の商品及び原材料からなり、個々の棚卸資産に代替性がない場合は個別法により、また個々の棚卸資産に代替性がある場合は主として総平均法により、原価を算定し、原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い額により測定を行っております。また、主に近い将来販売し、価格変動により利益を獲得する目的で取得した棚卸資産については、販売費用控除後の公正価値で測定し、販売費用控除後の公正価値の変動は当期利益に認識しております。
金融商品
非デリバティブ金融資産
営業債権及びその他の債権は発生日に、それ以外の金融資産の通常の購入については約定日に、それぞれ公正価値にて認識しております。金融資産の認識の中止にあたっては、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、かつ、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転している場合に認識の中止をしております。
当社及び連結子会社は、負債性の非デリバティブ金融資産の内、契約上のキャッシュ・フローを回収することを事業目的とし、かつ特定の期日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせるものを償却原価で測定しております。
償却原価は実効金利法を用いて測定し、償却原価で測定される資産については減損の評価を行っております。減損については「金融資産の減損」を参照願います。
当社及び連結子会社は、資本性金融資産、並びに資本性金融資産以外の償却原価測定の要件を満たさない非デリバティブ金融資産を公正価値で測定し、評価差額を当期利益に認識(以下、FVTPL)しております。但し投資先との取引関係の維持または強化による収益基盤の拡大を主な目的として保有する資本性金融資産については、その評価差額をその他の包括利益に認識(以下、FVTOCI)することを当初認識時に選択しております。
FVTOCIの金融資産の認識を中止した場合、連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素の累積額を利益剰余金に直接振り替えており、当期利益に認識しておりません。なお、FVTOCIの金融資産から生じる受取配当は原則として当期利益に認識しております。
非デリバティブ金融負債
当社及び連結子会社は、非デリバティブ金融負債として社債及び借入金、営業債務及びその他の債務を有しております。当社及び連結子会社が発行した社債はその発行日に当初認識しています。その他の非デリバティブ金融負債は取引日に、公正価値から当該負債の発行に直接起因する取引コストを加算又は減算して当初認識しております。当初認識後、実効金利法に基づき償却原価で測定しております。
当社及び連結子会社は、非デリバティブ金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消または失効となった場合に、当該負債の認識を中止しております。
金融資産の減損
当社及び連結子会社は、償却原価で測定する金融資産について、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、12か月の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を測定し、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合、全期間の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を測定しております。ただし、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」から生じた営業債権及び契約資産については、信用リスクの著しい増大の有無は判定せず、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を測定しております。
信用リスクの著しい増大の判定及び予想信用損失の測定にあたっては、合理的で裏付け可能な定量的情報及び定性的情報の両方を考慮しております。これには、過去の信用損失の実績、期日経過の情報、及び内部信用格付けなどの内部情報の他、合理的に利用可能な将来予測情報が含まれます。これらの情報をもとに算定したデフォルト確率、デフォルト時損失率、割引率及びエクスポージャーの関数で損失評価引当金を測定しております。なお、原則として、契約上の支払期日を30日超過している場合には、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していると判断しております。
発行者又は債務者の重大な財務的困難や期日経過を含む契約違反等の事象を用いて債務不履行を判断しております。報告日時点で、債務者が法的整理下にあり経営破綻の状態に陥っている場合や、経営破綻には至っていないが財務状況の悪化等により債務の弁済に重大な問題が生じている場合、利息又は元本の支払いについて原則として90日超の延滞が生じている場合等は債務不履行に該当し、信用減損の客観的な証拠が存在すると判断しております。信用減損金融資産については、信用減損金融資産以外の金融資産にかかる損失評価引当金と同様の方法で測定する以外に、最新の情報、事象に基づき、予想される将来のキャッシュ・フローを当初の実効金利で割引いた現在価値もしくは担保に依存しているものは担保の公正価値に基づき個別に予想信用損失を見積り、損失評価引当金を算定しております。
法的整理等による切捨てがあった場合、債務者の資産状況、支払能力などから全額が回収できないことが明らかになった場合、一定期間取引停止後弁済がない場合等、金融資産の全部又は一部を回収できないと合理的に判断される場合は、当該金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
損失評価引当金の繰入額及び戻入額は当期利益に認識しております。
金融収益及び金融費用
受取利息、支払利息、受取配当金及びヘッジ手段から生じる損益から構成されております。受取利息及び支払利息は実効金利法を用いて発生時に認識し、受取配当金は当社及び連結子会社の受領権が確定した日に認識しております。ヘッジ手段から生じる損益につきましては、「デリバティブ取引及びヘッジ活動」を参照願います。
デリバティブ取引及びヘッジ活動
当社及び連結子会社は、営業活動などに伴って生じる通貨、金利、商品などに係る相場変動リスクにさらされております。これらのリスクを回避あるいは軽減するために、為替予約、通貨及び金利スワップ、商品先物、商品先渡、商品オプション及び商品スワップなどのデリバティブ取引を利用し、資産・負債、確定契約、見込取引の公正価値若しくはキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジしております。また、デリバティブ取引及び外貨建借入金などのデリバティブ取引以外の金融商品を利用し、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジしております。
当社及び連結子会社は、全てのデリバティブ取引を契約条項の当事者となった時点で公正価値にて資産または負債として当初認識しております。当初認識後はデリバティブ取引を公正価値で測定し、その変動は以下の様に会計処理しております。
・公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の公正価値変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブ取引のうちヘッジが有効である部分については、ヘッジ対象からの損益がヘッジ手段からの損益と相殺されるよう、同一勘定科目に合わせて使用しており、主に支払利息として当期利益に認識しております。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブ取引のうちヘッジが有効である部分については、キャッシュ・フロー・ヘッジとして公正価値の変動額をその他の包括利益に認識し、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが損益に影響を与えた時点で損益への再分類を行い、主に支払利息や雑損益を調整しております。
・在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避するためにヘッジ手段として指定されたデリバティブ取引及びデリバティブ取引以外の金融商品から生じる為替差損益については、ヘッジが有効である部分につきその他の包括利益に含まれる外貨換算調整勘定として認識し、当該在外営業活動体宛て投資の全部又は一部が売却された時、もしくは当該在外営業活動体の清算時に損益への再分類を行い、主に有価証券損益を調整しております。ヘッジが有効でない部分及び有効性評価から除外した部分については、公正価値の変動額を主に雑損益として当期利益に認識しております。
・トレーディング目的等のデリバティブ取引
当社及び一部の連結子会社は、一定の限度を設け、収益獲得を目的としてデリバティブ取引を活用したトレーディングを行っております。トレーディング目的のデリバティブ取引については、公正価値の変動額をその他の収益として当期利益に認識しております。
金融資産及び負債の相殺
金融資産及び金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ、純額で決済する、または決済を同時に行う意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額にて表示しております。
リース取引
当社及び連結子会社は、ファイナンス・リース事業、並びにオペレーティング・リースによる賃貸事業を行っております。資産の所有に伴うほとんどすべてのリスクと経済価値を借手に移転するリースは、ファイナンス・リースとして分類しております。ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースとして分類しております。
ファイナンス・リースでは、リース期間にわたり純投資額に対して一定の率で未稼得収益を取り崩すことで収益認識しております。オペレーティング・リースに係る収益は、リース期間にわたり均等に収益認識しております。
当社及び連結子会社は、種々の固定資産を賃借しております。オペレーティング・リースに係る費用は、リース期間にわたり均等に認識しております。
有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した後の金額で表示しております。
減価償却を行わない土地及び建設仮勘定を除き、有形固定資産の減価償却については、主に建物に対しては2年から50年、機械及び装置に対しては3年から30年、船舶及び航空機に対しては3年から20年の範囲で見積耐用年数に基づき、主として定額法にて減価償却を行っております。鉱業権については主として生産高比例法にて減価償却しております。
投資不動産
投資不動産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した後の金額で表示しております。
投資不動産については主として2年から50年の範囲で見積耐用年数に基づき、主として定額法にて償却を行っております。
無形資産
無形資産には子会社の取得により生じた暖簾が含まれております。
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、耐用年数を確定できる無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した後の金額で、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産は償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した後の金額で表示しております。
ソフトウエアについては主として5年にわたって定額法により償却しております。
非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損
当社及び連結子会社は、非金融資産(有形固定資産、投資不動産及び無形資産)及び持分法適用会社に対する投資について四半期ごとに減損の兆候の有無を判定しており、減損の兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は回収可能価額の見積りを行っております。ただし、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産については毎年減損テストを実施しております。なお、持分法適用会社に対する投資については、投資の総額を単一の資産として減損テストを実施しております。回収可能価額は資産または資金生成単位の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額として算定しており、また、資産が他の資産または資産グループからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合、資産は減損しているものとし、回収可能価額まで減額し連結損益計算書上の損失として認識しております。
暖簾以外の資産については、過年度に認識した減損損失が、もはや存在しないまたは減少している可能性を示す兆候の有無に関して、四半期ごとに判定を行っております。こうした兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、最後に減損損失が認識されて以降、資産の回収可能価額の決定に用いた仮定に変更がある場合にのみ、当該資産の戻入後の資産の帳簿価額が、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後または償却累計額控除後)を超えない範囲で過去に認識した減損損失を連結損益計算書上の利益として戻入れております。なお、暖簾の減損損失は戻入を行っておりません。
石油・ガス産出活動
石油・ガスの産出活動は成功成果法に基づいて会計処理しております。利権鉱区取得費用、試掘井の掘削・建設費用、開発井の掘削費用及び関連生産設備は資産に計上し、生産高比例法により償却しております。試掘井に係る費用は事業性がないことが判明した時点で、地質調査費用等のその他の探鉱費用は発生時点で費用化しております。
確認利権鉱区に関連する資産は、企業環境の変化や経済事象の発生により帳簿価額の回収可能性が損なわれたと推定される場合には減損処理の要否を検討し、減損したと判定された鉱区の資産については、回収可能価額に基づいて評価損を認識しております。未確認利権鉱区に関連する資産は、減損の兆候があった時点で減損処理の要否を検討し、減損が発生している場合には損失認識しております。当社及び連結子会社は、未確認利権鉱区における権益の残存期間、近隣鉱区の売買事例、探鉱活動、地震探査等の様々な要因を勘案し、総合的に減損の要否を判定しております。
鉱物採掘活動
鉱物の探鉱費用は鉱物の採掘活動の商業採算性が確認されるまで発生時に費用認識しております。商業採算性が確認された後に発生した採掘活動に関する費用については、開発費用とともに資産に計上し、確認鉱量及び推定鉱量に基づき生産高比例法または定額法により償却しております。
露天採掘法による鉱物の採掘活動においては、鉱床に到達するために表土及びその他の廃石を除去する必要があり、これらの廃石を除去するための支出は剥土コストと呼ばれております。鉱物の産出開始前の開発段階で発生した剥土コストは原則として開発費用の一部として資産化しております。鉱物の産出開始後においても廃石の除去は継続されますが、産出開始後に発生した剥土コストの内、当該連結会計年度中に採掘される鉱物に関連するものは棚卸資産の構成要素とみなされる変動産出費用として、鉱物の売却に関連する収益が計上された期間に原価の一部として費用認識されます。一方、産出開始後に発生した剥土コストの内、翌連結会計年度以降に採掘される鉱物に関連するものは固定資産に計上し、関連する鉱物の確認鉱量及び推定鉱量に基づき生産高比例法または定額法により償却しております。
引当金
当社及び連結子会社は、過去の事象の結果として現在の法的債務または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性をもって見積ることが可能である場合に引当金を認識しております。引当金は報告期間の末日における現在の債務を決済するために要する支出の最善の見積額により計上しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合には、当該負債に固有のリスクを反映させた現在の税引前割引率を用いて引当金を現在価値に割引計算しております。時の経過による引当金の増加は金融費用として認識しております。
資産除去債務
当社及び連結子会社は、主として石炭・鉄鉱石や石油・ガスの採掘等に関する設備の撤去に係る費用等を認識しております。資産除去債務は引当金として負債認識する一方、同額を資産化し、時間の経過に伴い当該負債を毎期現在価値まで増額するとともに、資産化された金額を関連する資産の耐用年数にわたって償却しております。
従業員給付
当社及び一部の連結子会社は、確定給付型の退職年金及び退職一時金制度を採用しております。これらの制度に係る年金費用は、予測単位積増方式を用いた保険数理計算に基づき算定しております。また、制度資産の公正価値と保険数理計算により算定された確定給付制度債務の差額である給付制度の積立状況を連結財政状態計算書上で資産及び負債として認識し、確定給付制度の再測定を資本の部のその他の資本の構成要素で認識し、発生時にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
また、当社及び一部の連結子会社は、確定拠出型の年金制度を採用しております。確定拠出型年金制度への拠出は、従業員が役務を提供した期間に費用として認識しております。
収益認識
収益の主要な区分における具体的な認識基準は以下のとおりです。
顧客との契約から生じる収益
顧客との契約から生じる収益について、5ステップアプローチ(①顧客との契約の識別、②契約における履行義務の識別、③取引価格の算定、④取引価格を契約における履行義務に配分、⑤企業が履行義務の充足時に収益を認識)に基づき、契約の履行義務を充足した時点で収益を認識しております。なお、履行義務の識別にあたっては、本人か代理人かの検討を行っており、自らの約束の性質が、特定された財またはサービスを自ら提供する履行義務である場合には、本人として収益を対価の総額で認識しており、それらの財またはサービスが他の当事者によって提供されるように手配する履行義務である場合には、代理人として収益を手数料または報酬の額もしくは対価の純額で認識しております。
当社及び連結子会社は、財の販売について、多種多様な商品の販売、金属・化学品・食料・物資などの幅広い製品の販売、石炭・鉄鉱石・石油・ガスなどの販売、不動産の開発販売などを行っており、国内取引においては、引渡、検収、出荷等により、貿易取引においては、インコタームズによる危険及び費用の移転等により、顧客が財に対する支配を獲得した時点で収益を認識しています。また、サービスの提供について、物流ロジスティクスサービス、情報通信サービス、技術支援などの多種多様な役務提供に対する対価として手数料を受け取る取引、さまざまな商品売買取引に関する手数料を受け取る取引等を行っており、契約から識別されたサービスについての履行義務が充足された時点、もしくは充足するにつれて収益を認識しております。
なお、一定の期間に亘り履行義務が充足される取引については、進捗度を合理的に測定できる場合に限り、履行義務の充足につれて進捗度を測定して収益を認識しています。進捗度を合理的に測定できないが、履行義務の充足に要したコストの回収が見込まれる場合には、合理的な測定ができるようになるまで、発生したコストの範囲内でのみ収益を認識しております。
その他の収益
その他の収益には、主として、不動産、鉄道車両、船舶、航空機及び機械装置のリース事業に係る収益、トレーディング目的で行われた商品デリバティブ取引と金融デリバティブ取引に係る収益、FVTPL投資に係る収益、並びに融資事業に係る収益が含まれております。リース取引に係る収益認識については「リース取引」を、デリバティブ取引に係る収益認識については、「デリバティブ取引及びヘッジ活動」をそれぞれ参照願います。
法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されています。繰延税金は、会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除を反映し、一時差異、繰越欠損金または繰越税額控除が解消すると見込まれる年度の実効税率に基づき算出しております。繰延税金資産については回収可能性に問題がある場合を除き認識しております。
連結子会社及び持分法適用会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来に一時差異が解消しない可能性が高い場合を除いて、繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産または負債の測定にあたってはマネジメントが予測する解消手段に係る税率を用いて算出しております。
豪州の拡大石油資源利用税の導入において、2010年5月1日現在で保有する同法の対象事業資産の税務上の簿価を同時点の公正価値まで引き上げ、将来的にその償却額を税務上損金算入する市場価値法が認められています。豪州の連結子会社及び持分法適用会社の石油事業はこの市場価値法を適用しております。石油資源利用税は会計上法人所得税とみなされて、IAS第12号「法人所得税」に基づく税効果会計の適用を受けるため、会計上の簿価と税務上の簿価との乖離額に対して、回収可能と見込めないと判断した部分を除き繰延税金資産を計上しています。その回収可能性の判断においては、ロイヤリティや同法上の繰越欠損金に対し法定利率を乗じることにより発生が見込まれる増加額など、同法により規定されている様々な税務減算項目を考慮しております。
法人所得税の不確実な税務ポジションについては、税務当局による調査により税務ポジションが維持できない可能性が高い場合に、連結財務諸表における税務債務として認識しております。
1株当たり当期利益
親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益は当期利益(親会社の所有者に帰属)を発行済普通株式(自己株式を除く)の加重平均株数で除して算出し、親会社の所有者に帰属する希薄化後1株当たり当期利益は潜在株式に該当する証券による希薄化効果の影響を勘案して算出しております。
(6)新たに適用を開始した基準書及び解釈指針
当社及び連結子会社は、当連結会計年度期首より以下の基準書を適用しております。
IFRS第9号「金融商品」(2014年7月改訂)
本基準の適用による、当社及び連結子会社における償却原価で測定する金融資産の減損の認識方法については、「(5) 重要な会計方針の要約」の「金融商品」に記載しております。
本基準の適用にあたっては、経過措置に従い、過去の期間を修正再表示しておりません。本基準の適用が連結財務諸表に与える影響は軽微です。
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
本基準の適用による、当社及び連結子会社における収益認識方法については、「(5) 重要な会計方針の要約」の「収益認識」に記載しております。
本基準の経過措置に従い、適用開始による累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用しておりますが、以下を除き、本基準の適用が連結財務諸表に与える影響は軽微です。
従来、IAS第18号「収益」に従い、財またはサービスの提供に関する重要なリスク及び経済価値に対するエクスポージャーを有していないことから代理人として収益を純額で認識していた取引のうち、顧客に財またはサービスが移転される前に当社が当該財またはサービスを支配している取引については、上述のとおり本基準では本人としての取引と判断されることから、収益を総額で認識しております。この結果、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当連結会計年度の連結損益計算書において、収益及び原価が、それぞれ、2,054,731百万円増加しております。
また、当連結会計年度より、顧客との契約から認識した収益について、収益及びキャッシュ・フローの性質等がどのように経済的要因の影響を受けるのかを描写する区分で分解した金額を、注記22「収益」で開示しております。このため、連結損益計算書上、従来、収益は「商品売買による収益」、「役務提供による収益」及び「その他の収益」、原価は「商品販売に係る原価」、「役務提供に係る原価」及び「その他の収益の原価」にそれぞれ、区分表示していましたが、当連結会計年度より、「収益」及び「原価」に集約しています。
連結持分変動計算書「会計方針の変更による累積的影響額」の内訳
IFRS第9号及びIFRS第15号の適用により、利益剰余金の2018年4月1日残高は、それぞれ、2,857百万円、678百万円減少し、当該影響額は連結持分変動計算書上、「会計方針の変更による累積的影響額」として表示しております。
(7)未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設または改訂は以下のとおりであり、2019年3月31日現在において当社はこれらを適用しておりません。
IFRS第16号「リース」は、借手にとって、オペレーティング・リースとファイナンス・リースの現行の区分がなくなり、原則としてすべてのリース契約について、使用権資産の認識及びリース料の支払に関するリース負債の認識が要求されます。また、リース負債の元本部分の支払が財務活動に分類されることから、営業活動によるキャッシュ・フローが増加します。
本基準の経過措置に従い、適用開始による累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用するため、比較情報の修正再表示は行わない予定です。
本基準の適用により、2019年4月1日に連結財政状態計算書の有形固定資産と長期債務(1年内返済予定を含む)がそれぞれ約2,500億円増加する見込です。また、翌連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローが約500億円増加し、財務活動によるキャッシュ・フローが同額減少する見込みです。なお、翌連結会計年度の連結損益計算書における売上総利益等各項目に与える重要な影響は見込まれません。
IFRS第3号「企業結合」(2018年10月改訂)及びIFRS第17号「保険契約」の適用による影響は現時点では合理的に見積ることはできません。
(8) 組替
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の表示形式に合わせ、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の数値を一部組替えて表示しております。
(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨の記載
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の全ての要件を満たすことから、第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
(2)機能通貨及び表示通貨
当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で、百万円未満を四捨五入して表示しております。
(3)測定の基礎
連結財務諸表は、(5)重要な会計方針の要約に記載している金融商品、確定給付型制度に係る資産及び負債、及び一部の棚卸資産等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(4)見積り及び判断の利用
連結財務諸表の作成に当たり、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定に基づく判断を利用しております。実際の結果はそれら見積りや仮定に基づく判断と異なることがあります。
見積りや仮定に基づく判断は継続して見直されます。
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある、主な会計上の見積り及び仮定は、以下のとおりです。
・非金融資産の減損、減損戻入((5)重要な会計方針の要約 「非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損」、「石油・ガス産出活動」、注記6 持分法適用会社に対する投資、注記12 有形固定資産、注記14 無形資産及び注記15 石油・ガス及び鉱物資源の探査及び評価)
・金融商品の評価 ((5)重要な会計方針の要約 「金融商品」、注記8 金融債権及び損失評価引当金、注記9 金融商品及び関連する開示及び注記25 公正価値測定)
・引当金 ((5)重要な会計方針の要約 「引当金」、「資産除去債務」、及び注記18 引当金)
・確定給付制度債務の測定 ((5)重要な会計方針の要約 「従業員給付」及び注記19 従業員給付)
・繰延税金資産の回収可能性 ((5)重要な会計方針の要約 「法人所得税」及び注記24 法人所得税)
当連結財務諸表の金額に重要な影響を与える見積り及び仮定に基づく判断の変更は主に以下のとおりです。
・非金融資産の回収可能価額の測定 (注記12 有形固定資産及び注記14 無形資産)
・引当金 (注記18 引当金及び注記29 マルチグレイン事業関連引当金繰入額及び取崩額)
・金融商品の評価 (注記25 公正価値測定)
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針の適用に際して行った判断に関する情報は、主に以下のとおりです。
・連結子会社及び持分法適用会社の範囲 ((5)重要な会計方針の要約 「連結」、「関連会社に対する投資及び共同支配の取決め」、注記5 連結子会社及び注記6 持分法適用会社に対する投資)
・金融商品 ((5)重要な会計方針の要約 「金融商品」、注記9 金融商品及び関連する開示及び注記25 公正価値測定)
・リースの会計処理 ((5)重要な会計方針の要約 「リース取引」及び注記10 リース)
(5)重要な会計方針の要約
連結
当連結財務諸表は、当社、当社が議決権または類似の権利を通じて直接・間接に支配する連結子会社、並びに当社または連結子会社が支配するストラクチャード・エンティティ(以上を合わせて、当社及び連結子会社という)の各勘定を連結したものです。ここでストラクチャード・エンティティとは、議決権または類似の権利以外の方法により支配される事業体を意味します。また、支配とはIFRS第10号「連結財務諸表」に定めるものを意味し、当社及び連結子会社による支配の有無は、議決権または類似の権利の保有割合や投資先に関する契約内容などを勘案し総合的に判断しております。
当社の連結財務諸表には、決算日を親会社の決算日に統一することが実務上不可能であり、親会社の決算日と異なる日を決算日とする連結子会社の財務諸表が含まれております。
決算日の異なる主要な連結子会社には、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産を行う連結子会社があります。当社はノンオペレーターであり、決算に必要な各種データはオペレーターが保有しております。このため当社決算に反映させることの出来るタイミングでの各種データの入手が不可能である為、親会社の決算日に統一することが実務上不可能であり、決算日を12月末として当社連結財務諸表に含めております。同じ理由で、親会社の決算日を決算日として仮決算を行うことも実務上不可能です。
その他の連結子会社においても、当該連結子会社の所在する現地法制度上、決算日の変更が不可能であり、また現地における会計システムを取り巻く環境や事業の特性などから、親会社の決算日を決算日として仮決算を行う事が実務上不可能な連結子会社があります。当該連結子会社の決算日は、主に12月末です。
連結子会社の財務諸表を当社と異なる決算日で作成する場合、その連結子会社の決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引または事象の影響については調整を行っております。
変動後も支配を継続する連結子会社に対する持分比率の変動は、損益取引として取扱わず、資本取引として認識しております。また、連結子会社に対する支配を喪失した場合、残存持分を支配喪失時における公正価値にて評価し、評価差額を有価証券損益に認識しております。
関連会社に対する投資及び共同支配の取決め
関連会社とは、当社及び連結子会社が議決権の20%以上を所有し、投資先の財務及び営業の方針決定に重要な影響力を行使し得ない反証が存在しない会社、若しくは20%未満の保有でも重要な影響力を行使し得る会社です。関連会社に対する投資勘定については、持分法により処理しております。
共同支配の取決めとは、関連する活動に係る意思決定について支配を共有している当事者の全会一致の合意を必要とする取決めであり、共同支配を有する当事者が当該取決めに関連する資産に対する権利及び負債に対する義務を実質的に有している場合はジョイント・オペレーション、共同支配の取決めが別個の事業体を通じて組成され、共同支配を有する当事者が当該取決めに関連する純資産に対する権利を有している場合はジョイント・ベンチャーとしております。ジョイント・オペレーションは持分に応じて資産、負債、収益及び費用を認識する会計処理、ジョイント・ベンチャーは持分法による会計処理を適用しております。
主たるジョイント・オペレーションとして、豪州鉄鉱石採掘事業を営むRobe River Iron Associates J/V (持分割合33%)があります。
当社の連結財務諸表には、所在する現地法制度上、決算日の変更が不可能であり、または他の株主との関係等により決算日を統一することが実務上不可能であるため当社の決算日と異なる日を決算日とし、現地における会計システムを取り巻く環境や事業の特性などから、当社の決算日に仮決算を行う事も実務上不可能である関連会社、ジョイント・ベンチャー及びジョイント・オペレーションが含まれております。当該関連会社、ジョイント・ベンチャー及びジョイント・オペレーションの決算日は主に12月末です。
関連会社、ジョイント・ベンチャー及びジョイント・オペレーションの財務諸表を当社と異なる決算日で作成する場合、その関連会社、ジョイント・ベンチャー及びジョイント・オペレーションの決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引または事象の影響については調整を行っております。
関連会社またはジョイント・ベンチャーに該当しなくなり持分法の適用を停止した場合、残存持分を持分法停止時における公正価値にて評価し、評価差額を有価証券損益に認識しております。
持分法適用会社に対する投資の減損につきましては「非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損」を参照願います。
企業結合
当社及び連結子会社は、IFRS第3号「企業結合」に従い、全ての企業結合につき非支配持分も含めた被結合企業全体を公正価値にて測定する取得法により処理しております。取得対価及び該当する場合には非支配持分の公正価値と識別可能な資産及び負債の公正価値との差額は、取得対価が上回る場合には暖簾として認識し、下回る場合には割安購入として当期利益に認識しております。
外貨換算
海外連結子会社及び持分法適用会社の財務諸表の換算については、資産及び負債は期末日の為替レートにて円貨に換算し、収益及び費用は対応する期間の平均為替レートにて円貨に換算しております。この結果生じる換算差額は、外貨換算調整勘定としてその他の資本の構成要素に計上しております。
外貨建取引は、取引日における為替レートにて当社及び連結子会社の各機能通貨に換算しております。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債、公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートにて機能通貨に換算しており、この結果生じる換算差額は、原則として当期利益に認識しております。外貨建取得原価にて測定される非貨幣性項目は、取引日の為替レートにて換算しております。
現金同等物
現金同等物は、随時現金化が可能であり、価値変動に重要なリスクが無い流動性の高い短期投資(取得日からの償還期日が3ヶ月以内)をいい、預金時から3ヶ月以内に満期の到来する定期預金、取得日から3ヶ月以内に満期の到来する譲渡性預金、政府短期証券及びコマーシャル・ペーパーを含めております。
棚卸資産
棚卸資産は、主に販売用の商品及び原材料からなり、個々の棚卸資産に代替性がない場合は個別法により、また個々の棚卸資産に代替性がある場合は主として総平均法により、原価を算定し、原価と正味実現可能価額のうちいずれか低い額により測定を行っております。また、主に近い将来販売し、価格変動により利益を獲得する目的で取得した棚卸資産については、販売費用控除後の公正価値で測定し、販売費用控除後の公正価値の変動は当期利益に認識しております。
金融商品
非デリバティブ金融資産
営業債権及びその他の債権は発生日に、それ以外の金融資産の通常の購入については約定日に、それぞれ公正価値にて認識しております。金融資産の認識の中止にあたっては、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、または金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、かつ、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転している場合に認識の中止をしております。
当社及び連結子会社は、負債性の非デリバティブ金融資産の内、契約上のキャッシュ・フローを回収することを事業目的とし、かつ特定の期日に元本及び元本残高に係る利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせるものを償却原価で測定しております。
償却原価は実効金利法を用いて測定し、償却原価で測定される資産については減損の評価を行っております。減損については「金融資産の減損」を参照願います。
当社及び連結子会社は、資本性金融資産、並びに資本性金融資産以外の償却原価測定の要件を満たさない非デリバティブ金融資産を公正価値で測定し、評価差額を当期利益に認識(以下、FVTPL)しております。但し投資先との取引関係の維持または強化による収益基盤の拡大を主な目的として保有する資本性金融資産については、その評価差額をその他の包括利益に認識(以下、FVTOCI)することを当初認識時に選択しております。
FVTOCIの金融資産の認識を中止した場合、連結財政状態計算書のその他の資本の構成要素の累積額を利益剰余金に直接振り替えており、当期利益に認識しておりません。なお、FVTOCIの金融資産から生じる受取配当は原則として当期利益に認識しております。
非デリバティブ金融負債
当社及び連結子会社は、非デリバティブ金融負債として社債及び借入金、営業債務及びその他の債務を有しております。当社及び連結子会社が発行した社債はその発行日に当初認識しています。その他の非デリバティブ金融負債は取引日に、公正価値から当該負債の発行に直接起因する取引コストを加算又は減算して当初認識しております。当初認識後、実効金利法に基づき償却原価で測定しております。
当社及び連結子会社は、非デリバティブ金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消または失効となった場合に、当該負債の認識を中止しております。
金融資産の減損
当社及び連結子会社は、償却原価で測定する金融資産について、信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合、12か月の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を測定し、信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合、全期間の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を測定しております。ただし、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」から生じた営業債権及び契約資産については、信用リスクの著しい増大の有無は判定せず、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で損失評価引当金を測定しております。
信用リスクの著しい増大の判定及び予想信用損失の測定にあたっては、合理的で裏付け可能な定量的情報及び定性的情報の両方を考慮しております。これには、過去の信用損失の実績、期日経過の情報、及び内部信用格付けなどの内部情報の他、合理的に利用可能な将来予測情報が含まれます。これらの情報をもとに算定したデフォルト確率、デフォルト時損失率、割引率及びエクスポージャーの関数で損失評価引当金を測定しております。なお、原則として、契約上の支払期日を30日超過している場合には、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していると判断しております。
発行者又は債務者の重大な財務的困難や期日経過を含む契約違反等の事象を用いて債務不履行を判断しております。報告日時点で、債務者が法的整理下にあり経営破綻の状態に陥っている場合や、経営破綻には至っていないが財務状況の悪化等により債務の弁済に重大な問題が生じている場合、利息又は元本の支払いについて原則として90日超の延滞が生じている場合等は債務不履行に該当し、信用減損の客観的な証拠が存在すると判断しております。信用減損金融資産については、信用減損金融資産以外の金融資産にかかる損失評価引当金と同様の方法で測定する以外に、最新の情報、事象に基づき、予想される将来のキャッシュ・フローを当初の実効金利で割引いた現在価値もしくは担保に依存しているものは担保の公正価値に基づき個別に予想信用損失を見積り、損失評価引当金を算定しております。
法的整理等による切捨てがあった場合、債務者の資産状況、支払能力などから全額が回収できないことが明らかになった場合、一定期間取引停止後弁済がない場合等、金融資産の全部又は一部を回収できないと合理的に判断される場合は、当該金融資産の帳簿価額を直接償却しております。
損失評価引当金の繰入額及び戻入額は当期利益に認識しております。
金融収益及び金融費用
受取利息、支払利息、受取配当金及びヘッジ手段から生じる損益から構成されております。受取利息及び支払利息は実効金利法を用いて発生時に認識し、受取配当金は当社及び連結子会社の受領権が確定した日に認識しております。ヘッジ手段から生じる損益につきましては、「デリバティブ取引及びヘッジ活動」を参照願います。
デリバティブ取引及びヘッジ活動
当社及び連結子会社は、営業活動などに伴って生じる通貨、金利、商品などに係る相場変動リスクにさらされております。これらのリスクを回避あるいは軽減するために、為替予約、通貨及び金利スワップ、商品先物、商品先渡、商品オプション及び商品スワップなどのデリバティブ取引を利用し、資産・負債、確定契約、見込取引の公正価値若しくはキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジしております。また、デリバティブ取引及び外貨建借入金などのデリバティブ取引以外の金融商品を利用し、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクをヘッジしております。
当社及び連結子会社は、全てのデリバティブ取引を契約条項の当事者となった時点で公正価値にて資産または負債として当初認識しております。当初認識後はデリバティブ取引を公正価値で測定し、その変動は以下の様に会計処理しております。
・公正価値ヘッジ
ヘッジ対象の公正価値変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブ取引のうちヘッジが有効である部分については、ヘッジ対象からの損益がヘッジ手段からの損益と相殺されるよう、同一勘定科目に合わせて使用しており、主に支払利息として当期利益に認識しております。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ対象のキャッシュ・フローの変動リスクをヘッジする目的で保有するデリバティブ取引のうちヘッジが有効である部分については、キャッシュ・フロー・ヘッジとして公正価値の変動額をその他の包括利益に認識し、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが損益に影響を与えた時点で損益への再分類を行い、主に支払利息や雑損益を調整しております。
・在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避するためにヘッジ手段として指定されたデリバティブ取引及びデリバティブ取引以外の金融商品から生じる為替差損益については、ヘッジが有効である部分につきその他の包括利益に含まれる外貨換算調整勘定として認識し、当該在外営業活動体宛て投資の全部又は一部が売却された時、もしくは当該在外営業活動体の清算時に損益への再分類を行い、主に有価証券損益を調整しております。ヘッジが有効でない部分及び有効性評価から除外した部分については、公正価値の変動額を主に雑損益として当期利益に認識しております。
・トレーディング目的等のデリバティブ取引
当社及び一部の連結子会社は、一定の限度を設け、収益獲得を目的としてデリバティブ取引を活用したトレーディングを行っております。トレーディング目的のデリバティブ取引については、公正価値の変動額をその他の収益として当期利益に認識しております。
金融資産及び負債の相殺
金融資産及び金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ、純額で決済する、または決済を同時に行う意図が存在する場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額にて表示しております。
リース取引
当社及び連結子会社は、ファイナンス・リース事業、並びにオペレーティング・リースによる賃貸事業を行っております。資産の所有に伴うほとんどすべてのリスクと経済価値を借手に移転するリースは、ファイナンス・リースとして分類しております。ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースとして分類しております。
ファイナンス・リースでは、リース期間にわたり純投資額に対して一定の率で未稼得収益を取り崩すことで収益認識しております。オペレーティング・リースに係る収益は、リース期間にわたり均等に収益認識しております。
当社及び連結子会社は、種々の固定資産を賃借しております。オペレーティング・リースに係る費用は、リース期間にわたり均等に認識しております。
有形固定資産
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した後の金額で表示しております。
減価償却を行わない土地及び建設仮勘定を除き、有形固定資産の減価償却については、主に建物に対しては2年から50年、機械及び装置に対しては3年から30年、船舶及び航空機に対しては3年から20年の範囲で見積耐用年数に基づき、主として定額法にて減価償却を行っております。鉱業権については主として生産高比例法にて減価償却しております。
投資不動産
投資不動産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した後の金額で表示しております。
投資不動産については主として2年から50年の範囲で見積耐用年数に基づき、主として定額法にて償却を行っております。
無形資産
無形資産には子会社の取得により生じた暖簾が含まれております。
無形資産の測定においては原価モデルを採用し、耐用年数を確定できる無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した後の金額で、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産は償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した後の金額で表示しております。
ソフトウエアについては主として5年にわたって定額法により償却しております。
非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損
当社及び連結子会社は、非金融資産(有形固定資産、投資不動産及び無形資産)及び持分法適用会社に対する投資について四半期ごとに減損の兆候の有無を判定しており、減損の兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は回収可能価額の見積りを行っております。ただし、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産については毎年減損テストを実施しております。なお、持分法適用会社に対する投資については、投資の総額を単一の資産として減損テストを実施しております。回収可能価額は資産または資金生成単位の処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額として算定しており、また、資産が他の資産または資産グループからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合、資産は減損しているものとし、回収可能価額まで減額し連結損益計算書上の損失として認識しております。
暖簾以外の資産については、過年度に認識した減損損失が、もはや存在しないまたは減少している可能性を示す兆候の有無に関して、四半期ごとに判定を行っております。こうした兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、最後に減損損失が認識されて以降、資産の回収可能価額の決定に用いた仮定に変更がある場合にのみ、当該資産の戻入後の資産の帳簿価額が、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額(減価償却累計額控除後または償却累計額控除後)を超えない範囲で過去に認識した減損損失を連結損益計算書上の利益として戻入れております。なお、暖簾の減損損失は戻入を行っておりません。
石油・ガス産出活動
石油・ガスの産出活動は成功成果法に基づいて会計処理しております。利権鉱区取得費用、試掘井の掘削・建設費用、開発井の掘削費用及び関連生産設備は資産に計上し、生産高比例法により償却しております。試掘井に係る費用は事業性がないことが判明した時点で、地質調査費用等のその他の探鉱費用は発生時点で費用化しております。
確認利権鉱区に関連する資産は、企業環境の変化や経済事象の発生により帳簿価額の回収可能性が損なわれたと推定される場合には減損処理の要否を検討し、減損したと判定された鉱区の資産については、回収可能価額に基づいて評価損を認識しております。未確認利権鉱区に関連する資産は、減損の兆候があった時点で減損処理の要否を検討し、減損が発生している場合には損失認識しております。当社及び連結子会社は、未確認利権鉱区における権益の残存期間、近隣鉱区の売買事例、探鉱活動、地震探査等の様々な要因を勘案し、総合的に減損の要否を判定しております。
鉱物採掘活動
鉱物の探鉱費用は鉱物の採掘活動の商業採算性が確認されるまで発生時に費用認識しております。商業採算性が確認された後に発生した採掘活動に関する費用については、開発費用とともに資産に計上し、確認鉱量及び推定鉱量に基づき生産高比例法または定額法により償却しております。
露天採掘法による鉱物の採掘活動においては、鉱床に到達するために表土及びその他の廃石を除去する必要があり、これらの廃石を除去するための支出は剥土コストと呼ばれております。鉱物の産出開始前の開発段階で発生した剥土コストは原則として開発費用の一部として資産化しております。鉱物の産出開始後においても廃石の除去は継続されますが、産出開始後に発生した剥土コストの内、当該連結会計年度中に採掘される鉱物に関連するものは棚卸資産の構成要素とみなされる変動産出費用として、鉱物の売却に関連する収益が計上された期間に原価の一部として費用認識されます。一方、産出開始後に発生した剥土コストの内、翌連結会計年度以降に採掘される鉱物に関連するものは固定資産に計上し、関連する鉱物の確認鉱量及び推定鉱量に基づき生産高比例法または定額法により償却しております。
引当金
当社及び連結子会社は、過去の事象の結果として現在の法的債務または推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性をもって見積ることが可能である場合に引当金を認識しております。引当金は報告期間の末日における現在の債務を決済するために要する支出の最善の見積額により計上しております。貨幣の時間価値の影響が重要である場合には、当該負債に固有のリスクを反映させた現在の税引前割引率を用いて引当金を現在価値に割引計算しております。時の経過による引当金の増加は金融費用として認識しております。
資産除去債務
当社及び連結子会社は、主として石炭・鉄鉱石や石油・ガスの採掘等に関する設備の撤去に係る費用等を認識しております。資産除去債務は引当金として負債認識する一方、同額を資産化し、時間の経過に伴い当該負債を毎期現在価値まで増額するとともに、資産化された金額を関連する資産の耐用年数にわたって償却しております。
従業員給付
当社及び一部の連結子会社は、確定給付型の退職年金及び退職一時金制度を採用しております。これらの制度に係る年金費用は、予測単位積増方式を用いた保険数理計算に基づき算定しております。また、制度資産の公正価値と保険数理計算により算定された確定給付制度債務の差額である給付制度の積立状況を連結財政状態計算書上で資産及び負債として認識し、確定給付制度の再測定を資本の部のその他の資本の構成要素で認識し、発生時にその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
また、当社及び一部の連結子会社は、確定拠出型の年金制度を採用しております。確定拠出型年金制度への拠出は、従業員が役務を提供した期間に費用として認識しております。
収益認識
収益の主要な区分における具体的な認識基準は以下のとおりです。
顧客との契約から生じる収益
顧客との契約から生じる収益について、5ステップアプローチ(①顧客との契約の識別、②契約における履行義務の識別、③取引価格の算定、④取引価格を契約における履行義務に配分、⑤企業が履行義務の充足時に収益を認識)に基づき、契約の履行義務を充足した時点で収益を認識しております。なお、履行義務の識別にあたっては、本人か代理人かの検討を行っており、自らの約束の性質が、特定された財またはサービスを自ら提供する履行義務である場合には、本人として収益を対価の総額で認識しており、それらの財またはサービスが他の当事者によって提供されるように手配する履行義務である場合には、代理人として収益を手数料または報酬の額もしくは対価の純額で認識しております。
当社及び連結子会社は、財の販売について、多種多様な商品の販売、金属・化学品・食料・物資などの幅広い製品の販売、石炭・鉄鉱石・石油・ガスなどの販売、不動産の開発販売などを行っており、国内取引においては、引渡、検収、出荷等により、貿易取引においては、インコタームズによる危険及び費用の移転等により、顧客が財に対する支配を獲得した時点で収益を認識しています。また、サービスの提供について、物流ロジスティクスサービス、情報通信サービス、技術支援などの多種多様な役務提供に対する対価として手数料を受け取る取引、さまざまな商品売買取引に関する手数料を受け取る取引等を行っており、契約から識別されたサービスについての履行義務が充足された時点、もしくは充足するにつれて収益を認識しております。
なお、一定の期間に亘り履行義務が充足される取引については、進捗度を合理的に測定できる場合に限り、履行義務の充足につれて進捗度を測定して収益を認識しています。進捗度を合理的に測定できないが、履行義務の充足に要したコストの回収が見込まれる場合には、合理的な測定ができるようになるまで、発生したコストの範囲内でのみ収益を認識しております。
その他の収益
その他の収益には、主として、不動産、鉄道車両、船舶、航空機及び機械装置のリース事業に係る収益、トレーディング目的で行われた商品デリバティブ取引と金融デリバティブ取引に係る収益、FVTPL投資に係る収益、並びに融資事業に係る収益が含まれております。リース取引に係る収益認識については「リース取引」を、デリバティブ取引に係る収益認識については、「デリバティブ取引及びヘッジ活動」をそれぞれ参照願います。
法人所得税
法人所得税は、当期税金と繰延税金から構成されています。繰延税金は、会計上の資産・負債と税務上の資産・負債との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除を反映し、一時差異、繰越欠損金または繰越税額控除が解消すると見込まれる年度の実効税率に基づき算出しております。繰延税金資産については回収可能性に問題がある場合を除き認識しております。
連結子会社及び持分法適用会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来に一時差異が解消しない可能性が高い場合を除いて、繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産または負債の測定にあたってはマネジメントが予測する解消手段に係る税率を用いて算出しております。
豪州の拡大石油資源利用税の導入において、2010年5月1日現在で保有する同法の対象事業資産の税務上の簿価を同時点の公正価値まで引き上げ、将来的にその償却額を税務上損金算入する市場価値法が認められています。豪州の連結子会社及び持分法適用会社の石油事業はこの市場価値法を適用しております。石油資源利用税は会計上法人所得税とみなされて、IAS第12号「法人所得税」に基づく税効果会計の適用を受けるため、会計上の簿価と税務上の簿価との乖離額に対して、回収可能と見込めないと判断した部分を除き繰延税金資産を計上しています。その回収可能性の判断においては、ロイヤリティや同法上の繰越欠損金に対し法定利率を乗じることにより発生が見込まれる増加額など、同法により規定されている様々な税務減算項目を考慮しております。
法人所得税の不確実な税務ポジションについては、税務当局による調査により税務ポジションが維持できない可能性が高い場合に、連結財務諸表における税務債務として認識しております。
1株当たり当期利益
親会社の所有者に帰属する基本的1株当たり当期利益は当期利益(親会社の所有者に帰属)を発行済普通株式(自己株式を除く)の加重平均株数で除して算出し、親会社の所有者に帰属する希薄化後1株当たり当期利益は潜在株式に該当する証券による希薄化効果の影響を勘案して算出しております。
(6)新たに適用を開始した基準書及び解釈指針
当社及び連結子会社は、当連結会計年度期首より以下の基準書を適用しております。
基準書 | 基準名 | 概要 |
IFRS第9号 | 金融商品(2014年7月改訂) | 金融商品の減損に予想損失モデルを導入 |
IFRS第15号 | 顧客との契約から生じる収益 | 顧客との契約からの収益認識に関する会計処理を規定 |
IFRS第9号「金融商品」(2014年7月改訂)
本基準の適用による、当社及び連結子会社における償却原価で測定する金融資産の減損の認識方法については、「(5) 重要な会計方針の要約」の「金融商品」に記載しております。
本基準の適用にあたっては、経過措置に従い、過去の期間を修正再表示しておりません。本基準の適用が連結財務諸表に与える影響は軽微です。
IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
本基準の適用による、当社及び連結子会社における収益認識方法については、「(5) 重要な会計方針の要約」の「収益認識」に記載しております。
本基準の経過措置に従い、適用開始による累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用しておりますが、以下を除き、本基準の適用が連結財務諸表に与える影響は軽微です。
従来、IAS第18号「収益」に従い、財またはサービスの提供に関する重要なリスク及び経済価値に対するエクスポージャーを有していないことから代理人として収益を純額で認識していた取引のうち、顧客に財またはサービスが移転される前に当社が当該財またはサービスを支配している取引については、上述のとおり本基準では本人としての取引と判断されることから、収益を総額で認識しております。この結果、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当連結会計年度の連結損益計算書において、収益及び原価が、それぞれ、2,054,731百万円増加しております。
また、当連結会計年度より、顧客との契約から認識した収益について、収益及びキャッシュ・フローの性質等がどのように経済的要因の影響を受けるのかを描写する区分で分解した金額を、注記22「収益」で開示しております。このため、連結損益計算書上、従来、収益は「商品売買による収益」、「役務提供による収益」及び「その他の収益」、原価は「商品販売に係る原価」、「役務提供に係る原価」及び「その他の収益の原価」にそれぞれ、区分表示していましたが、当連結会計年度より、「収益」及び「原価」に集約しています。
連結持分変動計算書「会計方針の変更による累積的影響額」の内訳
IFRS第9号及びIFRS第15号の適用により、利益剰余金の2018年4月1日残高は、それぞれ、2,857百万円、678百万円減少し、当該影響額は連結持分変動計算書上、「会計方針の変更による累積的影響額」として表示しております。
(7)未適用の新たな基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設または改訂は以下のとおりであり、2019年3月31日現在において当社はこれらを適用しておりません。
基準書 | 基準名 | 強制適用時期 | 当社適用年度 | 新設または改訂の概要 |
IFRS第16号 | リース | 2019年1月1日 | 2020年3月期 | リース取引に関する包括的見直し |
IFRS第3号 | 企業結合(2018年10月改訂) | 2020年1月1日 | 2021年3月期 | 「事業」の定義を改訂 |
IFRS第17号 | 保険契約 | 2021年1月1日 | 2022年3月期 | 保険契約に関する包括的見直し |
IFRS第16号「リース」は、借手にとって、オペレーティング・リースとファイナンス・リースの現行の区分がなくなり、原則としてすべてのリース契約について、使用権資産の認識及びリース料の支払に関するリース負債の認識が要求されます。また、リース負債の元本部分の支払が財務活動に分類されることから、営業活動によるキャッシュ・フローが増加します。
本基準の経過措置に従い、適用開始による累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用するため、比較情報の修正再表示は行わない予定です。
本基準の適用により、2019年4月1日に連結財政状態計算書の有形固定資産と長期債務(1年内返済予定を含む)がそれぞれ約2,500億円増加する見込です。また、翌連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローが約500億円増加し、財務活動によるキャッシュ・フローが同額減少する見込みです。なお、翌連結会計年度の連結損益計算書における売上総利益等各項目に与える重要な影響は見込まれません。
IFRS第3号「企業結合」(2018年10月改訂)及びIFRS第17号「保険契約」の適用による影響は現時点では合理的に見積ることはできません。
(8) 組替
当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の表示形式に合わせ、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の数値を一部組替えて表示しております。