訂正有価証券報告書-第100期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
- 【提出】
- 2019/08/09 16:21
- 【資料】
- PDFをみる
注記事項-金融商品、連結財務諸表(IFRS)
9.金融商品及び関連する開示
(1)営業債権及びその他の債権、その他の金融資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、営業債権及びその他の債権、並びにその他の金融資産は、デリバティブ債権を除き償却原価またはFVTPLで測定しており、その内訳は以下のとおりです。
(注) 非流動の貸付金の中には、利息の支払が債務者の業績に連動する貸付金が含まれており、FVTPLに分類されております。帳簿価額は注記25を参照願います。
従来、「持分法適用会社に対する債権」に含めて記載していた金額は、当連結会計年度では「売掛金及び受取手形」「ファイナンス・リース債権」「貸付金」にそれぞれ含めて記載しております。この表示方法の変更を反映させる為、前連結会計年度の注記の組替を行っており、流動及び非流動の「持分法適用会社に対する債権」105,995百万円、162,907百万円をそれぞれ「売掛金及び受取手形」「ファイナンス・リース債権」「貸付金」に含めて表示しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における営業債権及びその他の債権に含まれる持分法適用会社に対する債権は、それぞれ268,902百万円及び268,542百万円です。
(2)その他の投資
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるその他の投資の内訳は以下のとおりです。
(注)FVTOCIの金融資産の中には、持分法適用会社が発行する優先株式が、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ44,088百万円、38,832百万円含まれております。
その他の投資に含まれるFVTOCIの金融資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるFVTOCIの金融資産の公正価値別内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における市場性あるFVTOCIの金融資産の主な銘柄の公正価値は以下のとおりです。
市場性ないFVTOCIの金融資産は主にLNGプロジェクト6案件(サハリンⅡ、カタールガス1、アブダビ、オマーン、カタールガス3、赤道ギニア)及び鉄鉱石のジンブルバー等の金属資源関連銘柄により構成されております。
LNGプロジェクト6案件の前連結会計年度末及び当連結会計年度末における公正価値合計はそれぞれ334,591百万円及び420,624百万円です。
鉄鉱石のジンブルバー等の主要な金属資源関連銘柄の前連結会計年度末及び当連結会計年度末における公正価値合計はそれぞれ93,549百万円及び116,426百万円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、事業戦略の見直し等により認識を中止したFVTOCIの金融資産の認識中止時点の公正価値、処分に係る累積利得又は損失、認識中止銘柄に係る受取配当金は以下のとおりです。
FVTOCIの金融資産については、認識中止時にその他の資本の構成要素に計上されていた利得又は損失の累計額(税効果後)を利益剰余金に振り替えています。当該振替額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ10,111百万円及び6,502百万円です。
(3)有価証券損益
前連結会計年度及び当連結会計年度における有価証券損益は、連結子会社宛投資及び持分法適用会社に対する投資の処分等から生じています。
前連結会計年度及び当連結会計年度に計上されたFVTPLの金融資産に関連する損益は、それぞれ連結損益計算書の「その他の収益」に△1,850百万円、「収益」に11,342百万円含まれております。
(4)金融収益・金融費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における当社及び連結子会社の金融収益及び金融費用は以下のとおりです。
上記の他、主に個人融資事業に関連して償却原価で測定された金融資産に係る受取利息が、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ「その他の収益」に30,771百万円及び「収益」に33,056百万円、償却原価で測定された金融負債に係る支払利息が、それぞれ「その他の収益の原価」に8,465百万円及び「原価」に8,947百万円含まれております。
なお、償却原価で測定されている金融資産から生じる手数料収益及び費用のうち重要なものはありません。
(5)非流動に分類される金融資産及び金融負債の公正価値
変動金利付非流動債権(長期貸付金を含む)及び変動金利付長期債務の公正価値は、帳簿価額と近似値であるとみなしております。固定金利付非流動債権あるいは固定金利付長期債務の公正価値は、各連結会計年度末時点で同一の残存期間の貸出、あるいは借入を、同様な条件をもって行う場合の推定金利を用いて将来キャッシュ・フローを割引くことにより算定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において算定した金融商品の公正価値は以下のとおりです。また、当連結会計年度末における償却原価で測定されるその他の投資の帳簿価額と公正価値はそれぞれ37,191百万円、37,401百万円です。なお、流動に分類される金融資産及び金融負債、並びに前連結会計年度末における償却原価で測定されるその他の投資の公正価値は、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっているため、開示しておりません。
(*)その他の金融資産及びその他の金融負債の公正価値は、帳簿価額と近似値であるとみなしております。
営業債権及びその他の債権には貸付金等が、長期債務には借入金、社債等が含まれております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末の営業債権及びその他の債権の公正価値のうち、レベル3に分類している金額は、243,173百万円及び236,409百万円です。これらは、主に個別債権の信用スプレッド、デフォルト確率、予想損失率などの重要な観察不能インプットを基に割引キャッシュ・フロー法を用いて評価しております。その他については、主に株価や市場金利などの観察可能なインプットを基に、割引キャッシュ・フロー法を用いて公正価値を算定しており、レベル2に分類しております。
(6)リスク関連
資本管理
資本管理
当社は、持続的な企業価値の向上の為に事業資産の取得或いはその入れ替えを進める中で、資本政策においては資本効率と資金調達に係わる安定性の観点から、株主資本の水準、並びに負債・資本構成の方針を定期的に策定し、その履行状況を検証しております。なお、株主資本は連結財政状態計算書の親会社の所有者に帰属する持分合計を指します。
同時に個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から株主資本の規模の妥当性を検証しております。
当社が資本管理において用いる主な指標には、以下のものがあります。
・株主資本利益率(ROE)(注1)
・ネット有利子負債比率(ネットDER)(注2)
・リスクアセットの株主資本に対する比率(注3)
(注1)当期利益(親会社の所有者に帰属)の株主資本に対する比率であり、前連結会計年度及び当連結会計年度の株主資本利益率は、それぞれ10.9%及び10.1%となります。
(注2)ネット有利子負債の株主資本に対する比率で、ネット有利子負債は有利子負債総額から現金及び現金同等物と定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除したものです。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末のネット有利子負債比率は、それぞれ0.78倍及び0.86倍となります。
(注3)リスクアセットは、営業債権や投資、固定資産などの連結財政状態計算書上の残高及び保証債務などのオフバランスシート・ポジションに、その潜在的な損失リスクに応じ当社が独自に設定したリスクウェイトを乗じることにより算出している想定損失の最大額です。
当社は定期的にこれらの指標を確認し、経営方針の策定や経営判断に活かしております。結果として、当社は、健全な財務基盤を維持することで事業推進に充分な格付けを取得しており、また、今後も格付けの維持・向上を図っていく方針です。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
リスク管理
・信用リスク
デリバティブ商品に含まれる信用リスクの偶発的特性については、当社及び一部の連結子会社における主に商品先物、商品先渡、商品スワップ、商品オプションなどのデリバティブ取引の中には、当社の格付けに応じて、担保(証拠金)の極度額が変動する条項もしくは早期解約条項が含まれている場合があります。もし、当社の格付が格下げとなった場合には、当該条項に従って、取引相手先はデリバティブ債務の全額又はその一部に相当する担保の差入を当社及び一部の連結子会社に要求することになります。
デリバティブ取引は取引先による契約不履行などの信用リスクを伴っていることから、当該リスクを最小限にするために、主として信用度の高い国際的な優良金融機関を取引先としているため、取引先の倒産などにより重大な損失が発生する可能性は極めて低いと判断しております。
デリバティブ以外の金融商品の信用リスクは、定期的に取引先の状況を確認し、適切な決裁者により承認されたクレジットライン管理を行うと共に、債権等の回収期日経過状況をモニタリングしています。これらの管理手法は、注記8「金融債権及び損失評価引当金」におけるステージ区分と概ね整合しており、特にステージ3については重点的にモニタリングを実施しております。また、必要に応じて取引先に担保などの提供を要求しております。信用リスクの集中度については、当社及び連結子会社は世界各地で様々な客先と多種多様な取引を行っており、特定の地域や取引先に対するエクスポージャーが一定程度内に収まっているか定期的にモニタリングしています。
・流動性リスク
金融市場の混乱や当社格付けの引下げ、或いは金融機関及び機関投資家の融資及び投資方針の変更は、当社及び連結子会社の資金調達に制約を課すとともに、調達コストを増大させ、当社及び連結子会社の財政状態や流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。当社及び連結子会社は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性を確保し、財務の健全性・安定性を維持すべく、主に、十分な現金及び現金同等物の保有や銀行融資枠の確保、長期資金を中心とした資金調達、並びに政府系金融機関からの借入やプロジェクトファイナンス等の活用を通じて流動性リスクの軽減を図っております。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、流動性の必要を満たすために当社及び連結子会社が有する銀行借入に係る未使用融資与信枠は、それぞれ1,237,812百万円及び1,294,984百万円となります。
・市場リスク
当社及び連結子会社は、営業活動などに伴って生じる金利、外国為替、商品価格、株価などの変動に係る市場リスクを有しております。
当社及び連結子会社は、市場リスク管理方針を策定し、様々な階層において管理体制を構築しております。特に為替リスク、商品価格リスクに関しては、各営業本部長及び海外地域本部長は各本部におけるポジション限度及び損失限度の設定、管理体制等を定めたリスク管理方針を策定し、担当役員の承認を受け、その承認内容に従って管理・報告を行う一義的な責任を負っております。また、取引部署から独立したリスク管理部署において、市場リスクの状況を管理、評価及び分析し、その結果を定期的に担当役員に報告しております。なお金利リスクに関しましては、担当役員に対し定期的に金融市場動向、資産負債構成や金利変動リスク等につき報告し、今後の方針について承認を受けております。株価リスクに関しましては時価総額の増減要因の把握を行うことにより管理しております。
① 金利リスク
当社及び連結子会社は、金利変動に係るリスク、主として変動利付の資産負債から生じる金利リスクを有しており、金利水準の上昇が、当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社及び連結子会社は、金利デリバティブ取引によりこれらの金利リスクのヘッジを行っており、その主な取引形態は金利スワップ及び金利通貨スワップです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に当社が保有する正味の変動金利性金融商品残高の金利が100ベーシス・ポイント上昇した場合、法人所得税前利益に与える影響額はそれぞれ△24,686百万円及び△27,782百万円になります。正味の変動金利性金融商品には、変動金利条件付有利子負債・融資、及び固定金利条件付であっても金利スワップ契約により実質変動金利条件付となっている有利子負債・融資、預金などで構成されております。なお、この分析は、将来にわたる残高の増減、為替変動の影響、変動金利性の借入金に係る借換時期・適用金利改定時期の分散効果等を考慮せず、その他のすべての変数を一定として計算しております。
② 為替リスク
当社及び連結子会社は、商品売買取引、金融取引などにより生じる外貨建金銭債権債務の為替リスクを有しており、為替予約、通貨スワップによりヘッジしております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末時点において重要性のある外貨建の買越売越のネットポジションに対して、日本円が1%円高となった場合に、法人所得税前利益に与える影響は、前連結会計年度末においては、米ドル△1,101百万円、伯レアル△17百万円、豪ドル23百万円、当連結会計年度末においては米ドル△259百万円、伯レアル△28百万円、豪ドル△684百万円となり、その他の包括利益に与える影響は、前連結会計年度末においては米ドル△245百万円、伯レアル△3,884百万円、当連結会計年度末においては米ドル△398百万円、伯レアル△4,148百万円、豪ドル△222百万円となります。なお、外貨建とは取引を行う会社の機能通貨と異なる通貨による買越売越を指し、買越とは当該外貨の価値が下落すると損失が発生或いは利益が減少する状態を、売越とは当該外貨の価値が上昇すると損失が発生或いは利益が減少する状態を示しています。このため在外営業活動体の換算による影響である外貨換算調整勘定は本分析の対象外です。また、本分析においては、その他の変数は一定であるとして計算しております。
③ 商品価格リスク
当社及び連結子会社は、非鉄金属、石油・ガス、食料など市況商品に係る営業活動を行っており、商品価格リスクを有しております。
市況の変動が相対的に大きく、商品現物の受渡しが契約上義務付けられていないいわゆる派生商品(デリバティブ)取引のリスクを計測するために、一定の保有期間内に一定の確率の範囲内で起こり得る予想最大損失額であるValue at Risk(VaR)計測を用いております。VaRは、原則、保有期間10日、信頼区間99%に基づいて計測されており、商品間の相関は考慮しておりません。また、個々のリスク要素の過去の変動に基づいており、実際に発生し得る損失と大きく異なる可能性があります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるVaRはそれぞれ6,604百万円及び16,846百万円となります。
④ 株価リスク
当社及び連結子会社は、主に顧客・サプライヤーなどとの関係強化、又は投資先への各種提案を行うこと等により、事業収益追求や企業価値向上を図るため、市場性ある株式への投資を行っており、株価リスクを有しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当社ポジションを対象とし、個々の銘柄が上場する市場における代表的な株価指数が10%変動した場合、その他の包括利益に与える影響はそれぞれ97,061百万円及び83,456百万円となります。なお、法人所得税前利益に与える影響額に重要性はありません。
(7)デリバティブ取引及びヘッジ会計
ヘッジ会計を適用しているリスク・エクスポージャーのリスク区分毎のリスク管理方針については、注記9(6)リスク関連を参照願います。なお、為替リスク及び商品価格リスクに関しては、各本部において設定したポジション限度及び損失限度に基づきリスク・エクスポージャーの管理を行い、金利リスクに関しては金融市場動向、資産負債構成や金利変動リスク等を勘案して決定した方針に基づきリスク・エクスポージャーの管理を行っております。
為替リスク
当社及び連結子会社は、世界各国で多種多様な営業活動を行っており、所在国通貨以外での売買取引より生じる外貨建金銭債権債務及びファイナンス取引より生じる外貨建長期金銭債権債務などのキャッシュ・フローを固定化することを目的として、主に為替予約や通貨スワップなどのデリバティブ取引を用いてヘッジ会計を行っております。また、当社及び連結子会社は、主に在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避することを目的として、主に外貨建借入金を用いてヘッジ会計を行っております。
金利リスク
当社及び連結子会社は、変動利付長期資産・負債のキャッシュ・フローの固定化並びに固定利付長期資産・負債の公正価値の変動の相殺を目的として、主に金利スワップなどのデリバティブ取引を用いてヘッジ会計を行っております。
商品価格リスク
当社及び連結子会社は、市況商品に係る営業活動を行っており、約定残高のキャッシュ・フローを固定化することを目的として、主に商品スワップなどのデリバティブを用いてヘッジ会計を行っております。
上記リスクに対するヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、及びヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比率を設定しております。信用リスクによる影響含め、予想されるヘッジ非有効部分は僅少です。なお、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクについては、純投資の減少によりヘッジ非有効部分が発生する可能性がありますが、ヘッジ非有効部分を最小化するように為替リスク管理を行っております。
当社及び連結子会社が、リスク区分毎のリスク管理戦略に基づき決定した特定のリスク要素をヘッジ対象として指定する場合は、当該リスク要素はヘッジ対象全体から独立に識別可能な構成要素であり、当該リスク要素の変動に起因するキャッシュ・フロー又は公正価値の変動が信頼性をもって測定可能なものを指定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段の想定元本金額は以下のとおりです。
連結財政状態計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結財政状態計算書におけるヘッジ手段の帳簿価額は以下のとおりです。
公正価値ヘッジ
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における公正価値ヘッジ会計を適用しているヘッジ対象の帳簿価額及びヘッジ対象の帳簿価額に含められた公正価値ヘッジ調整累計額は下記のとおりです。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段の利得及び損失に係る調整を中止したヘッジ対象について連結財政状態計算書上に残っている公正価値ヘッジ調整累計額に重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結財政状態計算書における下記の項目の金額に重要性はありません。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金残高
・ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金残高
在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避するためにヘッジ会計を適用して認識した外貨換算調整勘定の残高は下記のとおりです。
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末のヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じた外貨換算調整勘定に重要性はありません。
連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
公正価値ヘッジ
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動及びヘッジ手段の公正価値の変動は下記のとおりです。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度における当期利益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書及び連結包括利益計算書における下記の項目の金額に重要性はありません。
・ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動及びヘッジ手段の公正価値の変動
・その他の包括利益に認識した報告期間のヘッジ損益
・当期利益に認識したヘッジ非有効部分
・キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金から当期利益への再分類修正額
在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ手段の公正価値の変動及びヘッジ会計の適用により外貨換算調整勘定として認識した金額は下記のとおりです。なお、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に近似しております。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度における当期利益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。
(8)金融資産及び負債の相殺
当社連結財政状態計算書において担保を含む認識済の金融資産及び負債のうち、相殺について法的強制力のある権利を有し、かつ純額決済する又は決済を同時に行う意図があるものについては相殺表示の対象としております。認識済の金融資産及び負債の総額、相殺額、純額及びマスターネッティング契約又は類似の契約を締結しているもののうち、デリバティブ債権及びデリバティブ債務、関連する差入現金担保等は以下のとおりです。
なお、デリバティブ債権及びデリバティブ債務、関連する差入現金担保等を除く、マスターネッティング契約又は類似の契約を締結している金融資産及び金融負債の金額に重要性はありません。
前連結会計年度末(2018年3月31日)
当連結会計年度末(2019年3月31日)
連結財政状態計算書において、上記金融資産は流動資産及び非流動資産のその他の金融資産に、上記金融負債は流動負債及び非流動負債のその他の金融負債に含まれています。なお、金融資産と金融負債の相殺の要件を満たさないため連結財政状態計算書において相殺していない金融商品に関する相殺の権利は通常、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなるなどの特定の状況が発生した場合にのみ強制力が生じるものです。
(1)営業債権及びその他の債権、その他の金融資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、営業債権及びその他の債権、並びにその他の金融資産は、デリバティブ債権を除き償却原価またはFVTPLで測定しており、その内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度末 (2018年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) (百万円) | |
流動 | ||
営業債権及びその他の債権 | ||
売掛金及び受取手形 | 1,636,541 | 1,670,074 |
ファイナンス・リース債権 | 10,010 | 10,934 |
貸付金 | 128,022 | 135,669 |
その他の金融資産 | ||
定期預金 | 6,325 | 10,197 |
未収入金 | 84,823 | 98,143 |
デリバティブ債権 | 105,018 | 89,891 |
その他 | 47,749 | 56,276 |
損失評価引当金 | △8,556 | △12,450 |
合計 | 2,009,932 | 2,058,734 |
非流動 | ||
営業債権及びその他の債権 | ||
売掛金及び受取手形 | 40,175 | 76,234 |
ファイナンス・リース債権 | 56,772 | 50,143 |
貸付金 | 352,139 | 382,303 |
その他の金融資産 | ||
定期預金 | 922 | 466 |
未収入金 | 11,466 | 8,030 |
デリバティブ債権 | 102,710 | 104,574 |
その他 | 38,051 | 41,816 |
損失評価引当金 | △49,007 | △49,871 |
合計 | 553,228 | 613,695 |
(注) 非流動の貸付金の中には、利息の支払が債務者の業績に連動する貸付金が含まれており、FVTPLに分類されております。帳簿価額は注記25を参照願います。
従来、「持分法適用会社に対する債権」に含めて記載していた金額は、当連結会計年度では「売掛金及び受取手形」「ファイナンス・リース債権」「貸付金」にそれぞれ含めて記載しております。この表示方法の変更を反映させる為、前連結会計年度の注記の組替を行っており、流動及び非流動の「持分法適用会社に対する債権」105,995百万円、162,907百万円をそれぞれ「売掛金及び受取手形」「ファイナンス・リース債権」「貸付金」に含めて表示しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における営業債権及びその他の債権に含まれる持分法適用会社に対する債権は、それぞれ268,902百万円及び268,542百万円です。
(2)その他の投資
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるその他の投資の内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度末 (2018年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) (百万円) | |
FVTPLの金融資産 | 135,601 | 138,807 |
FVTOCIの金融資産 | 1,685,437 | 1,771,567 |
償却原価 | 3,988 | 37,191 |
合計 | 1,825,026 | 1,947,565 |
(注)FVTOCIの金融資産の中には、持分法適用会社が発行する優先株式が、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ44,088百万円、38,832百万円含まれております。
その他の投資に含まれるFVTOCIの金融資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるFVTOCIの金融資産の公正価値別内訳は以下のとおりです。
前連結会計年度末 (2018年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) (百万円) | |
市場性あり | 1,046,586 | 1,008,710 |
市場性なし | 638,851 | 762,857 |
合計 | 1,685,437 | 1,771,567 |
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における市場性あるFVTOCIの金融資産の主な銘柄の公正価値は以下のとおりです。
前連結会計年度末 (2018年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) (百万円) | |
VALE S.A. | 388,377 | 414,823 |
リクルートホールディングス | 71,402 | 85,347 |
セブン&アイ・ホールディングス | 74,363 | 68,058 |
ゴールドウィン | 13,932 | 35,202 |
国際石油開発帝石 | 43,328 | 32,640 |
Sims Metal Management Limited | 39,444 | 28,173 |
三井海洋開発 | 22,302 | 26,420 |
ヤマハ発動機 | 27,303 | 18,640 |
大和工業 | 13,499 | 13,810 |
加藤産業 | 11,745 | 11,508 |
TPV TECHNOLOGY | 5,604 | 10,985 |
東レ | 13,865 | 9,738 |
トヨタ自動車 | 10,238 | 9,731 |
三井化学 | 11,658 | 9,281 |
東京放送ホールディングス | 12,968 | 8,687 |
J-オイルミルズ | 7,624 | 8,654 |
三井不動産 | 7,745 | 8,348 |
日本ユニシス | 5,618 | 7,179 |
日本製粉 | 5,522 | 6,363 |
PT Pelat Timah Nusantara | 9,447 | 5,629 |
市場性ないFVTOCIの金融資産は主にLNGプロジェクト6案件(サハリンⅡ、カタールガス1、アブダビ、オマーン、カタールガス3、赤道ギニア)及び鉄鉱石のジンブルバー等の金属資源関連銘柄により構成されております。
LNGプロジェクト6案件の前連結会計年度末及び当連結会計年度末における公正価値合計はそれぞれ334,591百万円及び420,624百万円です。
鉄鉱石のジンブルバー等の主要な金属資源関連銘柄の前連結会計年度末及び当連結会計年度末における公正価値合計はそれぞれ93,549百万円及び116,426百万円です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、事業戦略の見直し等により認識を中止したFVTOCIの金融資産の認識中止時点の公正価値、処分に係る累積利得又は損失、認識中止銘柄に係る受取配当金は以下のとおりです。
前連結会計年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) (百万円) | |
認識中止時の公正価値 | 42,434 | 35,778 |
処分に係る累積利得又は損失 | 15,985 | 10,452 |
認識中止銘柄に係る受取配当金 | 2,115 | 829 |
FVTOCIの金融資産については、認識中止時にその他の資本の構成要素に計上されていた利得又は損失の累計額(税効果後)を利益剰余金に振り替えています。当該振替額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ10,111百万円及び6,502百万円です。
(3)有価証券損益
前連結会計年度及び当連結会計年度における有価証券損益は、連結子会社宛投資及び持分法適用会社に対する投資の処分等から生じています。
前連結会計年度及び当連結会計年度に計上されたFVTPLの金融資産に関連する損益は、それぞれ連結損益計算書の「その他の収益」に△1,850百万円、「収益」に11,342百万円含まれております。
(4)金融収益・金融費用
前連結会計年度及び当連結会計年度における当社及び連結子会社の金融収益及び金融費用は以下のとおりです。
前連結会計年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) (百万円) | 当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) (百万円) | |
受取利息 | ||
償却原価で測定される金融資産 | 38,936 | 46,777 |
デリバティブ | △2,420 | △3,401 |
合計 | 36,516 | 43,376 |
受取配当金 | ||
FVTOCIの金融資産 | 84,793 | 105,922 |
支払利息 | ||
償却原価で測定される金融負債 | △68,174 | △85,187 |
デリバティブ | 1,686 | 5,071 |
合計 | △66,488 | △80,116 |
上記の他、主に個人融資事業に関連して償却原価で測定された金融資産に係る受取利息が、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ「その他の収益」に30,771百万円及び「収益」に33,056百万円、償却原価で測定された金融負債に係る支払利息が、それぞれ「その他の収益の原価」に8,465百万円及び「原価」に8,947百万円含まれております。
なお、償却原価で測定されている金融資産から生じる手数料収益及び費用のうち重要なものはありません。
(5)非流動に分類される金融資産及び金融負債の公正価値
変動金利付非流動債権(長期貸付金を含む)及び変動金利付長期債務の公正価値は、帳簿価額と近似値であるとみなしております。固定金利付非流動債権あるいは固定金利付長期債務の公正価値は、各連結会計年度末時点で同一の残存期間の貸出、あるいは借入を、同様な条件をもって行う場合の推定金利を用いて将来キャッシュ・フローを割引くことにより算定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において算定した金融商品の公正価値は以下のとおりです。また、当連結会計年度末における償却原価で測定されるその他の投資の帳簿価額と公正価値はそれぞれ37,191百万円、37,401百万円です。なお、流動に分類される金融資産及び金融負債、並びに前連結会計年度末における償却原価で測定されるその他の投資の公正価値は、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっているため、開示しておりません。
前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) | |||
帳簿価額 (百万円) | 公正価値 (百万円) | 帳簿価額 (百万円) | 公正価値 (百万円) | |
非流動債権 | ||||
営業債権及びその他の債権並びに その他の金融資産(*) | 553,228 | 553,483 | 613,695 | 613,695 |
非流動負債 | ||||
長期債務(1年以内返済予定分を除 く)並びにその他の金融負債(*) | 3,645,991 | 3,714,586 | 3,881,152 | 3,949,398 |
(*)その他の金融資産及びその他の金融負債の公正価値は、帳簿価額と近似値であるとみなしております。
営業債権及びその他の債権には貸付金等が、長期債務には借入金、社債等が含まれております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末の営業債権及びその他の債権の公正価値のうち、レベル3に分類している金額は、243,173百万円及び236,409百万円です。これらは、主に個別債権の信用スプレッド、デフォルト確率、予想損失率などの重要な観察不能インプットを基に割引キャッシュ・フロー法を用いて評価しております。その他については、主に株価や市場金利などの観察可能なインプットを基に、割引キャッシュ・フロー法を用いて公正価値を算定しており、レベル2に分類しております。
(6)リスク関連
資本管理
資本管理
当社は、持続的な企業価値の向上の為に事業資産の取得或いはその入れ替えを進める中で、資本政策においては資本効率と資金調達に係わる安定性の観点から、株主資本の水準、並びに負債・資本構成の方針を定期的に策定し、その履行状況を検証しております。なお、株主資本は連結財政状態計算書の親会社の所有者に帰属する持分合計を指します。
同時に個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から株主資本の規模の妥当性を検証しております。
当社が資本管理において用いる主な指標には、以下のものがあります。
・株主資本利益率(ROE)(注1)
・ネット有利子負債比率(ネットDER)(注2)
・リスクアセットの株主資本に対する比率(注3)
(注1)当期利益(親会社の所有者に帰属)の株主資本に対する比率であり、前連結会計年度及び当連結会計年度の株主資本利益率は、それぞれ10.9%及び10.1%となります。
(注2)ネット有利子負債の株主資本に対する比率で、ネット有利子負債は有利子負債総額から現金及び現金同等物と定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除したものです。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末のネット有利子負債比率は、それぞれ0.78倍及び0.86倍となります。
(注3)リスクアセットは、営業債権や投資、固定資産などの連結財政状態計算書上の残高及び保証債務などのオフバランスシート・ポジションに、その潜在的な損失リスクに応じ当社が独自に設定したリスクウェイトを乗じることにより算出している想定損失の最大額です。
当社は定期的にこれらの指標を確認し、経営方針の策定や経営判断に活かしております。結果として、当社は、健全な財務基盤を維持することで事業推進に充分な格付けを取得しており、また、今後も格付けの維持・向上を図っていく方針です。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定を除く)はありません。
リスク管理
・信用リスク
デリバティブ商品に含まれる信用リスクの偶発的特性については、当社及び一部の連結子会社における主に商品先物、商品先渡、商品スワップ、商品オプションなどのデリバティブ取引の中には、当社の格付けに応じて、担保(証拠金)の極度額が変動する条項もしくは早期解約条項が含まれている場合があります。もし、当社の格付が格下げとなった場合には、当該条項に従って、取引相手先はデリバティブ債務の全額又はその一部に相当する担保の差入を当社及び一部の連結子会社に要求することになります。
デリバティブ取引は取引先による契約不履行などの信用リスクを伴っていることから、当該リスクを最小限にするために、主として信用度の高い国際的な優良金融機関を取引先としているため、取引先の倒産などにより重大な損失が発生する可能性は極めて低いと判断しております。
デリバティブ以外の金融商品の信用リスクは、定期的に取引先の状況を確認し、適切な決裁者により承認されたクレジットライン管理を行うと共に、債権等の回収期日経過状況をモニタリングしています。これらの管理手法は、注記8「金融債権及び損失評価引当金」におけるステージ区分と概ね整合しており、特にステージ3については重点的にモニタリングを実施しております。また、必要に応じて取引先に担保などの提供を要求しております。信用リスクの集中度については、当社及び連結子会社は世界各地で様々な客先と多種多様な取引を行っており、特定の地域や取引先に対するエクスポージャーが一定程度内に収まっているか定期的にモニタリングしています。
・流動性リスク
金融市場の混乱や当社格付けの引下げ、或いは金融機関及び機関投資家の融資及び投資方針の変更は、当社及び連結子会社の資金調達に制約を課すとともに、調達コストを増大させ、当社及び連結子会社の財政状態や流動性に悪影響を及ぼす可能性があります。当社及び連結子会社は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性を確保し、財務の健全性・安定性を維持すべく、主に、十分な現金及び現金同等物の保有や銀行融資枠の確保、長期資金を中心とした資金調達、並びに政府系金融機関からの借入やプロジェクトファイナンス等の活用を通じて流動性リスクの軽減を図っております。なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、流動性の必要を満たすために当社及び連結子会社が有する銀行借入に係る未使用融資与信枠は、それぞれ1,237,812百万円及び1,294,984百万円となります。
・市場リスク
当社及び連結子会社は、営業活動などに伴って生じる金利、外国為替、商品価格、株価などの変動に係る市場リスクを有しております。
当社及び連結子会社は、市場リスク管理方針を策定し、様々な階層において管理体制を構築しております。特に為替リスク、商品価格リスクに関しては、各営業本部長及び海外地域本部長は各本部におけるポジション限度及び損失限度の設定、管理体制等を定めたリスク管理方針を策定し、担当役員の承認を受け、その承認内容に従って管理・報告を行う一義的な責任を負っております。また、取引部署から独立したリスク管理部署において、市場リスクの状況を管理、評価及び分析し、その結果を定期的に担当役員に報告しております。なお金利リスクに関しましては、担当役員に対し定期的に金融市場動向、資産負債構成や金利変動リスク等につき報告し、今後の方針について承認を受けております。株価リスクに関しましては時価総額の増減要因の把握を行うことにより管理しております。
① 金利リスク
当社及び連結子会社は、金利変動に係るリスク、主として変動利付の資産負債から生じる金利リスクを有しており、金利水準の上昇が、当社及び連結子会社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社及び連結子会社は、金利デリバティブ取引によりこれらの金利リスクのヘッジを行っており、その主な取引形態は金利スワップ及び金利通貨スワップです。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に当社が保有する正味の変動金利性金融商品残高の金利が100ベーシス・ポイント上昇した場合、法人所得税前利益に与える影響額はそれぞれ△24,686百万円及び△27,782百万円になります。正味の変動金利性金融商品には、変動金利条件付有利子負債・融資、及び固定金利条件付であっても金利スワップ契約により実質変動金利条件付となっている有利子負債・融資、預金などで構成されております。なお、この分析は、将来にわたる残高の増減、為替変動の影響、変動金利性の借入金に係る借換時期・適用金利改定時期の分散効果等を考慮せず、その他のすべての変数を一定として計算しております。
② 為替リスク
当社及び連結子会社は、商品売買取引、金融取引などにより生じる外貨建金銭債権債務の為替リスクを有しており、為替予約、通貨スワップによりヘッジしております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末時点において重要性のある外貨建の買越売越のネットポジションに対して、日本円が1%円高となった場合に、法人所得税前利益に与える影響は、前連結会計年度末においては、米ドル△1,101百万円、伯レアル△17百万円、豪ドル23百万円、当連結会計年度末においては米ドル△259百万円、伯レアル△28百万円、豪ドル△684百万円となり、その他の包括利益に与える影響は、前連結会計年度末においては米ドル△245百万円、伯レアル△3,884百万円、当連結会計年度末においては米ドル△398百万円、伯レアル△4,148百万円、豪ドル△222百万円となります。なお、外貨建とは取引を行う会社の機能通貨と異なる通貨による買越売越を指し、買越とは当該外貨の価値が下落すると損失が発生或いは利益が減少する状態を、売越とは当該外貨の価値が上昇すると損失が発生或いは利益が減少する状態を示しています。このため在外営業活動体の換算による影響である外貨換算調整勘定は本分析の対象外です。また、本分析においては、その他の変数は一定であるとして計算しております。
③ 商品価格リスク
当社及び連結子会社は、非鉄金属、石油・ガス、食料など市況商品に係る営業活動を行っており、商品価格リスクを有しております。
市況の変動が相対的に大きく、商品現物の受渡しが契約上義務付けられていないいわゆる派生商品(デリバティブ)取引のリスクを計測するために、一定の保有期間内に一定の確率の範囲内で起こり得る予想最大損失額であるValue at Risk(VaR)計測を用いております。VaRは、原則、保有期間10日、信頼区間99%に基づいて計測されており、商品間の相関は考慮しておりません。また、個々のリスク要素の過去の変動に基づいており、実際に発生し得る損失と大きく異なる可能性があります。前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるVaRはそれぞれ6,604百万円及び16,846百万円となります。
④ 株価リスク
当社及び連結子会社は、主に顧客・サプライヤーなどとの関係強化、又は投資先への各種提案を行うこと等により、事業収益追求や企業価値向上を図るため、市場性ある株式への投資を行っており、株価リスクを有しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当社ポジションを対象とし、個々の銘柄が上場する市場における代表的な株価指数が10%変動した場合、その他の包括利益に与える影響はそれぞれ97,061百万円及び83,456百万円となります。なお、法人所得税前利益に与える影響額に重要性はありません。
(7)デリバティブ取引及びヘッジ会計
ヘッジ会計を適用しているリスク・エクスポージャーのリスク区分毎のリスク管理方針については、注記9(6)リスク関連を参照願います。なお、為替リスク及び商品価格リスクに関しては、各本部において設定したポジション限度及び損失限度に基づきリスク・エクスポージャーの管理を行い、金利リスクに関しては金融市場動向、資産負債構成や金利変動リスク等を勘案して決定した方針に基づきリスク・エクスポージャーの管理を行っております。
為替リスク
当社及び連結子会社は、世界各国で多種多様な営業活動を行っており、所在国通貨以外での売買取引より生じる外貨建金銭債権債務及びファイナンス取引より生じる外貨建長期金銭債権債務などのキャッシュ・フローを固定化することを目的として、主に為替予約や通貨スワップなどのデリバティブ取引を用いてヘッジ会計を行っております。また、当社及び連結子会社は、主に在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避することを目的として、主に外貨建借入金を用いてヘッジ会計を行っております。
金利リスク
当社及び連結子会社は、変動利付長期資産・負債のキャッシュ・フローの固定化並びに固定利付長期資産・負債の公正価値の変動の相殺を目的として、主に金利スワップなどのデリバティブ取引を用いてヘッジ会計を行っております。
商品価格リスク
当社及び連結子会社は、市況商品に係る営業活動を行っており、約定残高のキャッシュ・フローを固定化することを目的として、主に商品スワップなどのデリバティブを用いてヘッジ会計を行っております。
上記リスクに対するヘッジ会計の適用にあたっては、ヘッジされているリスクに起因するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動が、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、及びヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。また、ヘッジ手段とヘッジ対象の経済的関係性及びリスク管理戦略に照らして適切なヘッジ比率を設定しております。信用リスクによる影響含め、予想されるヘッジ非有効部分は僅少です。なお、在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクについては、純投資の減少によりヘッジ非有効部分が発生する可能性がありますが、ヘッジ非有効部分を最小化するように為替リスク管理を行っております。
当社及び連結子会社が、リスク区分毎のリスク管理戦略に基づき決定した特定のリスク要素をヘッジ対象として指定する場合は、当該リスク要素はヘッジ対象全体から独立に識別可能な構成要素であり、当該リスク要素の変動に起因するキャッシュ・フロー又は公正価値の変動が信頼性をもって測定可能なものを指定しております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段の想定元本金額は以下のとおりです。
リスク区分 | 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) | ||||
公正価値 ヘッジ | キャッシュ・フロー・ヘッジ | 在外営業活動体に対する純投資ヘッジ | 公正価値 ヘッジ | キャッシュ・フロー・ヘッジ | 在外営業活動体に対する純投資ヘッジ | |
(十億円) | (十億円) | (十億円) | (十億円) | (十億円) | (十億円) | |
為替 | 61 | 239 | 1,301 | 65 | 270 | 1,535 |
金利 | 563 | 408 | - | 566 | 414 | - |
商品価格 | - | 17 | - | - | 49 | - |
合計 | 624 | 664 | 1,301 | 631 | 733 | 1,535 |
連結財政状態計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結財政状態計算書におけるヘッジ手段の帳簿価額は以下のとおりです。
リスク 区分 | 勘定科目 | 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) | ||||||||||
公正価値 ヘッジ | キャッシュ・フロー・ヘッジ | 在外営業活動体に対する純投資ヘッジ | 公正価値 ヘッジ | キャッシュ・フロー・ヘッジ | 在外営業活動体に対する純投資ヘッジ | ||||||||
(百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | ||||||||
為替 | その他の金融資産(流動) | 12 | 2,652 | 2,537 | 62 | 2,308 | 564 | ||||||
その他の金融資産(非流動) | - | 1,157 | 671 | - | 2,151 | 3,759 | |||||||
金利 | その他の金融資産(流動) | - | 38 | - | 105 | 416 | - | ||||||
その他の金融資産(非流動) | 57,351 | 8,402 | - | 64,771 | 3,493 | - | |||||||
商品価格 | その他の金融資産(流動) | - | 7 | - | - | 684 | - | ||||||
その他の金融資産(非流動) | - | - | - | - | 117 | - | |||||||
合計 | 57,363 | 12,256 | 3,208 | 64,938 | 9,169 | 4,323 |
リスク 区分 | 勘定科目 | 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) | ||||||||||
公正価値 ヘッジ | キャッシュ・フロー・ヘッジ | 在外営業活動体に対する純投資ヘッジ | 公正価値 ヘッジ | キャッシュ・フロー・ヘッジ | 在外営業活動体に対する純投資ヘッジ | ||||||||
(百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | ||||||||
為替 | 1年以内に返済予定の 長期債務 | 6,629 | - | 69,412 | 5,125 | - | 141,769 | ||||||
その他の金融負債(流動) | 57 | 2,049 | 4,088 | - | 998 | 7,075 | |||||||
長期債務 (1年内返済予定分を除く) | 37,202 | - | 927,075 | 35,447 | - | 914,997 | |||||||
その他の金融負債(非流動) | 69 | 692 | 9,917 | 51 | 1,152 | 2,946 | |||||||
金利 | その他の金融負債(流動) | - | 33 | - | - | 8 | - | ||||||
その他の金融負債(非流動) | - | 1,853 | - | - | 1,135 | - | |||||||
商品価格 | その他の金融負債(流動) | - | 367 | - | - | 765 | - | ||||||
その他の金融負債(非流動) | - | 799 | - | - | 239 | - | |||||||
合計 | 43,957 | 5,793 | 1,010,492 | 40,623 | 4,297 | 1,066,787 |
公正価値ヘッジ
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における公正価値ヘッジ会計を適用しているヘッジ対象の帳簿価額及びヘッジ対象の帳簿価額に含められた公正価値ヘッジ調整累計額は下記のとおりです。
リスク区分 | 勘定科目 | 前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) | ||
帳簿価額 | 公正価値ヘッジ 調整累計額 | 帳簿価額 | 公正価値ヘッジ 調整累計額 | ||
為替 | その他の投資 | (百万円) 82,971 | (百万円) 3,387 | (百万円) 157,203 | (百万円) △827 |
1年以内に返済予定の 長期債務 | - | - | - | - | |
金利 | 1年以内に返済予定の 長期債務 | - | - | 10,106 | 106 |
長期債務 (1年返済予定分を除く) | 619,870 | 57,325 | 630,135 | 74,635 |
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるヘッジ手段の利得及び損失に係る調整を中止したヘッジ対象について連結財政状態計算書上に残っている公正価値ヘッジ調整累計額に重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の連結財政状態計算書における下記の項目の金額に重要性はありません。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金残高
・ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金残高
在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における在外営業活動体に対する純投資の為替変動リスクを回避するためにヘッジ会計を適用して認識した外貨換算調整勘定の残高は下記のとおりです。
リスク区分 | ヘッジ会計を適用して認識した 外貨換算調整勘定の残高 | |||
前連結会計年度末 (2018年3月31日) | 当連結会計年度末 (2019年3月31日) | |||
為替 | (百万円) △108,065 | (百万円) △125,783 |
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末のヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じた外貨換算調整勘定に重要性はありません。
連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
公正価値ヘッジ
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動及びヘッジ手段の公正価値の変動は下記のとおりです。
リスク区分 | 前連結会計年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | ||
ヘッジ対象の 価値の変動 | ヘッジ手段の 公正価値の変動 | ヘッジ対象の 価値の変動 | ヘッジ手段の 公正価値の変動 | |
為替 | (百万円) 1,567 | (百万円) △1,602 | (百万円) 1,791 | (百万円) △1,872 |
金利 | △413 | 413 | △14,425 | 14,425 |
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度における当期利益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書及び連結包括利益計算書における下記の項目の金額に重要性はありません。
・ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動及びヘッジ手段の公正価値の変動
・その他の包括利益に認識した報告期間のヘッジ損益
・当期利益に認識したヘッジ非有効部分
・キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金から当期利益への再分類修正額
在外営業活動体に対する純投資ヘッジ
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ手段の公正価値の変動及びヘッジ会計の適用により外貨換算調整勘定として認識した金額は下記のとおりです。なお、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の価値の変動はヘッジ手段の公正価値の変動に近似しております。
リスク区分 | 前連結会計年度 (自 2017年4月 1日 至 2018年3月31日) | |||
ヘッジ手段の 公正価値の変動 | ヘッジ会計の適用に より外貨換算調整勘定 として認識した金額 | 外貨換算調整勘定から 再分類された損益の 主な計上科目 | 外貨換算調整勘定から 再分類された金額 | |
為替 | (百万円) 43,125 | (百万円) 42,034 | 有価証券損益 | (百万円) 25 |
リスク区分 | 当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | |||
ヘッジ手段の 公正価値の変動 | ヘッジ会計の適用に より外貨換算調整勘定として認識した金額 | 外貨換算調整勘定から 再分類された損益の 主な計上科目 | 外貨換算調整勘定から 再分類された金額 | |
為替 | (百万円) △33,616 | (百万円) △32,875 | 有価証券損益 | (百万円) 9,375 |
また、前連結会計年度及び当連結会計年度における当期利益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はありません。
(8)金融資産及び負債の相殺
当社連結財政状態計算書において担保を含む認識済の金融資産及び負債のうち、相殺について法的強制力のある権利を有し、かつ純額決済する又は決済を同時に行う意図があるものについては相殺表示の対象としております。認識済の金融資産及び負債の総額、相殺額、純額及びマスターネッティング契約又は類似の契約を締結しているもののうち、デリバティブ債権及びデリバティブ債務、関連する差入現金担保等は以下のとおりです。
なお、デリバティブ債権及びデリバティブ債務、関連する差入現金担保等を除く、マスターネッティング契約又は類似の契約を締結している金融資産及び金融負債の金額に重要性はありません。
前連結会計年度末(2018年3月31日)
金融資産 | 金融負債 | |||
認識済の金融資産及び負債の総額 | (百万円) 601,595 | (百万円) 520,222 | ||
連結財政状態計算書で相殺した金融資産及び負債の総額 | △364,383 | △364,383 | ||
連結財政状態計算書に表示された金融資産及び負債の純額 | 237,212 | 155,839 | ||
連結財政状態計算書で相殺対象としなかった関連する金額(担保含む) | △42,083 | △42,083 | ||
純額によるエクスポージャー | 195,129 | 113,756 |
当連結会計年度末(2019年3月31日)
金融資産 | 金融負債 | |||
認識済の金融資産及び負債の総額 | (百万円) 736,129 | (百万円) 632,507 | ||
連結財政状態計算書で相殺した金融資産及び負債の総額 | △501,950 | △501,950 | ||
連結財政状態計算書に表示された金融資産及び負債の純額 | 234,179 | 130,557 | ||
連結財政状態計算書で相殺対象としなかった関連する金額(担保含む) | △31,595 | △31,595 | ||
純額によるエクスポージャー | 202,584 | 98,962 |
連結財政状態計算書において、上記金融資産は流動資産及び非流動資産のその他の金融資産に、上記金融負債は流動負債及び非流動負債のその他の金融負債に含まれています。なお、金融資産と金融負債の相殺の要件を満たさないため連結財政状態計算書において相殺していない金融商品に関する相殺の権利は通常、倒産その他の事由により取引先が債務を履行できなくなるなどの特定の状況が発生した場合にのみ強制力が生じるものです。