有価証券報告書-第99期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 13:08
【資料】
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【項目】
132項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費を下支えに緩やかな成長を続けましたが、中国をはじめとする一部新興国及び資源国等は成長の鈍化が続きました。わが国経済は、昨年11月の米国大統領選後の円安・株高への推移、原料価格の高騰等を背景に、企業収益や雇用環境の改善が見られる等、緩やかな回復基調で推移しましたが、依然として所得環境、個人消費に力強さを欠く状況となりました。
このような環境の下、当社グループは海外において、メキシコの冷間圧造用鋼線の製造・販売会社「Kobelco CH Wire Mexicana, S.A. de C.V.」が本格稼働を開始しました。更に、マレーシアの合金鉄プロジェクト「Pertama Ferroalloys SDN.BHD.」が生産を開始し、中国における電子材料用部品の需要拡大への対応を目的として、中国・蘇州市にあるアルミ加工拠点「神商精密器材(蘇州)有限公司」の設備増強を推し進めました。国内においても、㈱神戸製鋼所より溶材流通会社「エヌアイウエル㈱」を株式取得により子会社化(併せて社名を「エスシーウエル㈱」に変更)するなどの販売体制の強化を進めてまいりました。このような活動を通じてグローバルビジネス展開の基盤拡充を図り、メーカー商社の特色を活かしたビジネスを積極的に推進してまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は769,481百万円(前連結会計年度比2.8%減)、営業利益は4,819百万円(同17.3%減)、経常利益は5,248百万円(同11.3%減)となり、インド子会社の固定資産減損損失等の特別損失を合計1,121百万円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は2,970百万円(同14.7%減)となりました。
事業セグメント別の主な営業状況は、以下のとおりであります。
①鉄鋼
鋼板製品は在庫調整が進んだこと等により、国内向けは取扱量が増加しましたが、価格は市況の低迷により下落しました。また、輸出向けは取扱量が減少し、円高の影響等により価格が下落しました。線材製品は国内外ともに取扱量は横ばいでしたが、価格は国内においては下振れ、輸出向けにおいては円高等により、それぞれ下落しました。
これらにより売上高は283,364百万円(前連結会計年度比4.2%減)、セグメント利益は2,644百万円(同15.5%減)となりました。
②鉄鋼原料
輸入鉄鋼原料は価格は横ばいでしたが取扱量は減少しました。冷鉄源も価格は横ばいでしたが、取扱量が減少しました。また、合金鉄、チタン原料は取扱量が減少しました。
これらにより売上高は227,707百万円(前連結会計年度比5.4%減)、セグメント利益は1,042百万円(同33.6%増)となりました。
③非鉄金属
銅製品は地金価格下落の影響を受けましたが、空調用銅管、自動車向け端子材用銅板条、半導体向け銅板条の取扱量が増加しました。アルミ製品は液晶及び半導体製造装置用アルミ加工品の取扱量は増加しましたが、ハードディスク用アルミ板条、鉄道車両用及びOA用アルミ部材の取扱量が減少しました。また、非鉄原料はアルミ地金の取扱量は減少しましたが、銅スクラップ等の取扱量が増加しました。
これらにより売上高は200,061百万円(前連結会計年度比3.8%減)、セグメント利益は1,425百万円(同23.3%増)となりました。
④機械・情報
機械製品は化学会社向けプロセス機器、製鉄所・機械工場向け設備及び部品等の取扱いは増加しましたが、タイヤ機械、建設機械(クレーン)用部品等の取扱いが減少しました。情報関連商品は太陽電池関連機材、ハードディスク関連機材等の取扱いが減少しました。
これらにより売上高は68,170百万円(前連結会計年度比4.9%増)となりましたが、国内子会社での追加原価発生等により、セグメント利益は112百万円(同83.6%減)となりました。
⑤溶材
溶接材料は国内の取扱量は建築鉄骨向けが堅調に推移し、建設機械向けは横ばいとなりましたが、造船、化工機向け、輸出が減少したことにより、全体では取扱量が減少しました。溶接関連機器は鉄骨溶接ロボットシステム、汎用溶接機の取扱いが好調に推移しましたが、生産材料は横ばいでした。
これらにより売上高は42,542百万円(前連結会計年度比10.2%増)、セグメント利益は271百万円(同28.0%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ406百万円減少し、16,490百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5,875百万円となり、前連結会計年度に比べ8,213百万円増加しました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,126百万円、仕入債務の増加額6,397百万円などの増加要因と、売上債権の増加額11,424百万円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△1,318百万円となり、前連結会計年度に比べ2,111百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出946百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、△4,575百万円となり、前連結会計年度に比べ9,144百万円減少しました。これは主に、長期借入金返済による支出4,396百万円によるものであります。