有価証券報告書-第98期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 13:01
【資料】
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【項目】
133項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、米国を中心に緩やかに回復しているものの、中国をはじめとした一部新興国経済は減速基調が続きました。わが国経済は、企業収益の改善を背景に設備投資の増加や雇用・所得環境の好転等、緩やかな回復基調で推移しましたが、資源価格下落の長期化や年明け以降の急速な円高・株安の影響などにより、足もとの景気は厳しい状況となりました。
このような環境の下、当社グループは、海外においては、韓国における非鉄金属部門の取引拡大を目的にアルミ板切断加工・卸売事業会社をグループ会社化し、また、ミャンマーの市場調査・情報収集を目的とした当社支店を同国に開設しました。更にメキシコにおいては、冷間圧造用鋼線の製造・販売会社が稼働を開始し、溶接設備ユニットの製造・販売会社も設立・稼働しました。一方、国内においては新たに非鉄卸売事業会社をグループ会社化するなど、販売体制の強化・拡充を進めてまいりました。このような活動を通じてグローバルビジネス展開の基盤拡充を図り、メーカー商社の特色を活かしたビジネスを積極的に推進してまいりました。
しかしながら、当連結会計年度の業績につきましては、主要需要家である鉄鋼、半導体、空調、電機等各業界向けの取扱いが減少した結果、売上高は791,342百万円(前連結会計年度比9.1%減)、営業利益は5,831百万円(同14.1%減)、経常利益は5,908百万円(同10.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,480百万円(同12.4%減)となりました。
事業セグメント別の主な営業状況は、以下のとおりであります。
①鉄鋼
鋼板製品は円安効果により輸出向けの取扱量が増加しましたが、市況の著しい低迷により価格が下落し、国内においては取扱量が減少し、価格も下落しました。線材製品は国内向けの取扱量は微減となりましたが、輸出向けは好調な米国の自動車需要等に支えられ取扱量は増加し、為替の影響により価格も上昇しました。
これらにより売上高は295,790百万円(前連結会計年度比1.1%減)、セグメント利益は3,129百万円(同11.5%減)となりました。
②鉄鋼原料
輸入鉄鋼原料は取扱量が減少し、価格も下落しました。冷鉄源は鉄スクラップの取扱量が増加しました。合金鉄は取扱量が減少しましたが、チタン原料は取扱量が増加しました。
これらにより売上高は240,819百万円(前連結会計年度比21.3%減)、セグメント利益は779百万円(同53.8%増)となりました。
③非鉄金属
銅製品は自動車向け端子材用銅板条、半導体向け銅板条、空調用銅管の取扱量が減少しました。アルミ製品は自動車用アルミ部材、液晶製造装置用アルミ加工品の取扱量は増加しましたが、輸出用缶材、鉄道車両用アルミ部材の取扱量が減少しました。また、非鉄原料は銅・アルミスクラップの取扱量が減少しました。
これらにより売上高は207,948百万円(前連結会計年度比0.8%減)、セグメント利益は1,156百万円(同16.3%減)となりました。
④機械・情報
機械製品は大型圧縮機、金属成膜装置等の取扱いは増加しましたが、タイヤ機械、小型蒸気発電機、電源車等の取扱いが減少しました。情報関連商品は、液晶用電子材料の取扱いは増加しましたが、太陽電池関連機材の取扱いが減少しました。
これらにより売上高は65,001百万円(前連結会計年度比6.2%減)、セグメント利益は689百万円(同6.9%減)となりました。
⑤溶材
溶接材料は造船、建築鉄骨向けの取扱量が増加しましたが、化工機、建設機械向けが減少し、輸出は中国の造船、化工機向けの取扱量が減少しました。溶接関連機器は汎用溶接機、鉄骨溶接ロボットシステムの取扱量が増加しましたが、生産材料は溶剤原料、ステンレスフープ材の取扱量が減少しました。
これらにより売上高は38,593百万円(前連結会計年度比3.9%減)、セグメント利益は212百万円(同55.6%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,692百万円減少し、16,897百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、△2,337百万円となり、前連結会計年度に比べ636百万円減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益5,640百万円、売上債権の減少額8,911百万円などの増加要因と、仕入債務の減少額12,865百万円などの減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△3,429百万円となり、前連結会計年度に比べ1,797百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,153百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、4,568百万円となり、前連結会計年度に比べ553百万円減少しました。これは主に、長期借入れによる収入9,108百万円、長期借入金の返済による支出7,906百万円によるものであります。