有価証券報告書-第98期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/28 13:01
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【項目】
133項目

対処すべき課題

今後のわが国経済の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善傾向は続くものの、消費税再増税や円高の進行など下振れ懸念もあり、不透明感が増しつつあります。海外景気につきましても、一部新興国では回復基調は窺えず依然として留意する必要があります。
このような状況の下、当社グループは「神戸製鋼グループの中核となるグローバル商社を目指す」を長期経営ビジョンとし、その実現に向け全体戦略を定め、各施策を推し進めております。平成28年度は新たな中期経営計画の開始年度にあたり、良いスタートをきるためにも、各施策を一層推し進めてまいります。対処すべき課題は以下のとおりです。
①グローバルビジネスの加速
(ⅰ)海外グローバル拠点の拡充
海外3大拠点(米国、タイ、中国)のより一層の充実を進めており、米国拠点と深い繋がりのあるメキシコの販売会社は、自動車産業の成長を背景にビジネス拡大を図っております。タイにつきましては、同国内3カ所の物流拠点を中心に物流ネットワークを構築し、更なるビジネス拡大を図ってまいります。中国におきましても、自動車・液晶パネル業界等への対応強化を図っております。アセアン・インド地域につきましては、シンガポールに設置した地域統括機能の拡充により、域内サポート機能の強化を図ってまいります。
(ⅱ)海外取引比率の向上
海外取引比率を長期的には50%まで高めることを目指してまいります。
②商社機能の強化
国内においては、非鉄金属材料及び加工品の卸売事業会社「中山金属㈱」の株式を取得し、同社の海外子会社3社「Nakayama Co.,(Shanghai) Ltd.」(中国)、「Nakayama Metal Ltd.」(タイ)、「PT. Nakayama」(インドネシア)も含めグループ会社化しました。韓国においても、国内子会社「コベルコ筒中トレーディング㈱」が筒中金属産業㈱の現地法人「KTN Co., Ltd.」の株式を取得し、グループ会社化しました。
メキシコにおいては、冷間圧造用鋼線(CHワイヤー)の製造・販売会社 「Kobelco CH Wire Mexicana, S.A. de C.V.」が稼働を開始しました。また、溶接設備ユニットの製造・販売会社「SC Tech de Mexico, S.A. de C.V.」を設立し、既に稼働を開始しております。引続きM&Aの継続的な実施も含め、事業運営型ビジネスの一層の拡大を図ってまいります。また、メーカー商社として積極的な提案を行うとともに、成長分野への進出を図ってまいります。
③経営基盤の充実
(ⅰ)人材の確保と育成
グローバルビジネスに対応するため、幅広い人材の採用や活用、若手社員の海外派遣研修、ナショナルスタッフの日本研修など、将来に向けた人材の確保と育成を積極的に実施してまいります。
(ⅱ)財務体質の強化
事業運営投資拡大に対応すべく資金調達力の強化、グループ内の資金効率の向上を図るとともに、自己資本の更なる充実を目指してまいります。
(ⅲ)経営システムの充実
各国において幅広く活用できる情報共有環境を整備し、グローバルネットワークの構築を目指してまいります。