有価証券報告書-第156期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/21 14:00
【資料】
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【項目】
162項目
人材の多様性の確保を含む人材育成方針及び社内環境整備方針
当社グループは、2020年9月に制定した「グローバル人材マネジメントポリシー」を通じて、グローバルベースでの人材マネジメントに関するビジョンを示し、全ての人事施策の拠り所とすることで、新たな価値創造に向けた人材マネジメントを実現します。
このポリシーで掲げる目指す個と組織の姿はそれぞれ以下のとおりであります。
目指す個の姿(Top Tier Professionalism)
グループの理念やビジョンに共感し、高い志を持ち、自律的な成長を続け、進取の精神で、グローバルフィールドで新たな価値創造に挑戦する人材集団
目指す組織の姿(Great Place to Work)
個々人がイキイキと、新たな価値を生み出し続けるGreat Place to Workをグローバルに築き上げ、世界に人材を輩出する「挑戦の場」として選ばれ続ける組織


当社グループには、性別や国籍の違いだけでなく、様々なライフスタイル、多様な価値観を持つ社員が在籍していることから、このポリシーでは、Diversity, Equity & Inclusionを「価値創造、イノベーション、競争力の源泉」と位置づけており、その推進を妨げるあらゆるバリアを撤廃し、多様な人材の「知」のミックスを活かして、ビジョンの実現を追求します。
中期経営計画「SHIFT 2023」においては、以下4つの方針を掲げ、各施策を推進してきました。
・「グローバル人材マネジメントポリシー」を具現化する人材マネジメント改革
・Diversity, Equity & Inclusionの推進
・グローバル適所適材の推進
・健康経営と働き方改革
<「グローバル人材マネジメントポリシー」を具現化する人材マネジメント改革>当社において2021年度に導入した新人事制度を軸に、人材の確保・育成、配置・登用等の各局面で個々人が最大限に力を発揮できる環境整備に取組み、管理職層には職務等級制度を導入し、キャリア採用の拡充や海外拠点における幹部ポジションへの現地採用社員の積極登用を含め、個々人の属性に捉われず、専門性やスキルを重視した、ベストタレントの最適配置を通じた組織パフォーマンスの最大化を目指しております。なお、重要な経営資本である人材の育成に関しては、「グローバル人材マネジメントポリシー」において、「人材育成の精神を大切にし、アンテナ高く学び続けながら、主体的に成長していく個人をサポートする」と掲げているとおり、年齢・ポジションに関わらず学び続けることを大切にし、多様な分野で活躍する個々人が、それぞれのグローバルフィールドで必要とされる知識・スキルを主体的に学べる環境を構築しております。具体的には、当社においては、それぞれのプロフェッショナリズムを徹底的に高め、発揮するための「キャリア開発研修」や、組織と個人の成長につなげていくために、部下一人ひとりと向き合い、動機付け、多様多彩な人材を束ねる「ピープルマネジメント力」を強化する研修を実施しております。さらには、事業経営に必要な知識・スキルを習得する機会として、長期・選抜プログラムを継続実施しており、多くの人材が当社グループの価値向上に向けて、それぞれのフィールドで活躍できるよう、人材育成の強化に努めております。
当社は、Diversity, Equity & Inclusionを「価値創造、イノベーション、競争力の源泉」と位置づけ、国籍、性別、年齢、性的指向、性自認など、属性や従来の価値観にとらわれず、多様な個々人がそれぞれの力を最大限に発揮し、新たな価値や革新を生み出し続ける環境づくりに取組み、競争優位性を持つための必要不可欠な経営戦略として推進しています。
Diversity, Equity & Inclusionを組織に定着させるための継続的な社内啓発の一環としては、2021年度から、Diversity, Equity & Inclusion関連プログラムを集中的に展開する期間(Diversity Weeks)を設け、経営陣によるメッセージ発信や各種研修、社員座談会、特例子会社とのコラボイベントやフェムテック展示会などを実施しております。なお、当社では、女性の活躍推進をDiversity, Equity & Inclusionの重要な柱と捉えております。ライフイベントとキャリア形成の両立支援の観点から、法定を上回る水準での各種制度の整備などの「ハード面」の取組に加え、長時間労働の是正や有給休暇取得の促進、社員の意識改革など、「ソフト面」の取組を同時に推進しています。このような取組が評価され、当社は、「プラチナくるみん」、2つ星の「えるぼし」企業、2023年度には「Nextなでしこ共働き・共育て支援企業」として認定されました。
(具体的な取組事例)
・子のみを帯同する海外駐在員への支援制度
・仕事と育児・介護の両立支援ハンドブック
・育児コンサルタントサービス、介護の専門家による個別相談会
・保育施設との提携
・アンコンシャスバイアス等に関する各種研修の実施
・LGBTQ+への取組(同性パートナーに福利厚生・人事制度を適用可、ユニバーサルトイレの設置等)
<健康経営と働き方改革>社員一人ひとりが最大限に力を発揮するためには、心身の「健康」が最重要であり、これを基盤としてこそ、新たな価値創造を続けていくことができるという考えのもと、「イキイキワクワク健康経営宣言」を策定しております。
加えて、高い付加価値を生み出すアウトプット志向の働き方を実践していくため、テレワーク制度とコアタイムの無いスーパーフレックス制度を導入しており、多様な個々人が最大限の力を発揮するとともに組織としてのアウトプットを最大化できる働き方を追求しております。このような制度の定着と意識改革等における全社レベルの取組が評価され、当社は、2019年に総務省が選定する「テレワーク先駆者100選」、2020年には「厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」に選出されました。
2022年度には、従業員意識調査(3年に一回)をエンゲージメントサーベイ(年一回)に置き換え、個と組織のつながりや社員の自発的貢献意欲を調査するとともに、社員による全社横断ワーキンググループを立ち上げ、改善が必要な分野の特定と対応に着手しております。
こうした取組によって、多様な人材の力を競争力の源泉として活かし、当社グループとして、新たな価値の創造に挑戦し、さらなる成長ならびに企業価値の向上を図っていきます。