有価証券報告書-第96期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 12:50
【資料】
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【項目】
118項目

対処すべき課題


平成26年4月からスタートした3ヶ年の中期経営計画における中長期ビジョン「自らの機能の強化と、成長への挑戦によって顧客により高い価値を提供する」を踏まえ、事業の拡大と経営管理基盤の強化を目指し、7つの重点戦略に取り組んでおります。
[成長事業戦略]
① 中国全土に跨る拠点網を活用した潤滑油等の販売拡大
中国経済は減速化傾向ではあるものの依然として高成長を続けており、建設機械・農業機械・空調機器等の生産増により潤滑油需要はさらに拡大することが見込まれます。当期は、既に中国全土に保有しております物流・販売体制の強化のため、産業機械潤滑油、高級潤滑油、冷凍機油原料油に組織の再編成を行いました。中国国内で出資を行っている潤滑油製品生産企業との関係維持・強化と、物流・販売体制のさらなる強化により、中国における潤滑油ビジネスの拡大に取り組んでまいります。
② 電池関連部材の拡販
電池関連市場は、環境保護の観点から用途の拡大等により成長が見込まれます。電池関連の大きな成長市場として有望である中国において、当社グループのネットワークを活用することが可能であり、製品確保のために中国国内の負極材中間製品製造業への出資を行っております。当期は、自動車関連の需要が低迷し進捗が遅れているものの、原料黒鉛から負極材・電解液などのバリューチェーンの各段階に係り取引を拡大するとともに、複合的価値の提供に取り組んでまいります。
③ 環境関連商材の中国・ベトナムマーケットでの取組み拡大
中国において省エネや汚染物質の排出削減が大きな目標とされ、東南アジア各国においても環境関連商材の需要は高まっており、当社グループの中国全土に跨るネットワークを活かし、中国・ベトナムにおいて水処理商材の取引強化を図るとともに、調達力の高い活性炭取引の用途拡大による取引拡大に取り組んでおります。
[基盤事業戦略]
④ アジア経済圏との取引拡大
アジア経済圏は今後も高い成長を見込める市場であり、取引先メーカーとの協同・連携を強化し共同投資等により海外展開を図っております。当期は、タイ・インドネシア拠点の設立および準備活動を進めており、中国および東南アジア拠点の機能を活用しアジア経済圏への取り組みを強化してまいります。
⑤ バリューチェーンの拡充
国内市場において商材によっては、需要縮小や競争力低下により業界再編が進むことが予想され、より付加価値の高い取引が必要となってきております。そのため、当社グループ固有の取引先ネットワークを活かし、川上から川下までのバリューチェーンにおいて、事業投資やOEM等により関与する領域の拡大を図っており、当期は、タイ・ミャンマーにおける難燃剤展開、中国における自動車プラスチック部品設計会社設立に参画、東南アジアにおける加工拠点の増加等に取り組んでおります。
[人事戦略]
⑥ グローバル人材の育成
海外事業展開の拡大を進めるため、成長の実現に必要な人材の採用・育成・活用を強化するとともに、海外拠点におけるナショナルスタッフの育成と登用を推進しております。
[経営管理戦略]
⑦ 経営管理体制の充実
事業投資先等のプロジェクト運営体制を強化し、海外取引拡大に向けた海外拠点体制の整備と東南アジア拠点の拡充を図っております。