有価証券報告書-第87期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 15:03
【資料】
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【項目】
170項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「食の感動体験を創造することで世界中の人々と食をつなぎ続ける」「スターゼンと取引をしてよかったといわれる会社にしよう」「スターゼンで働いてよかったと思える会社にしよう」「仕事を通じて自ら成長しよう」を経営理念として掲げており、人々の食生活の向上に資するべく、創業以来、食肉卸売業を中核として様々な機能を強化してまいりました。
人々の豊かな食生活の実現に一層貢献するべく、グループ一丸となって食肉関連製品の安定供給と、多様化が加速する食への要望に的確に応えうる商品提供の実現に取り組んでまいります。
また、人々の生活に欠かせない「食」を扱う企業として、環境・社会・経済を巡るさまざまな課題解決に「食」を通じて取り組み、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に努めてまいります。
(2)経営環境及び経営戦略(対処すべき課題)
①経営環境
物価高による個人消費の低迷が続いているものの、訪日観光客の増加、設備投資の拡大を背景に、緩やかな回復基調で推移しております。
一方で、雇用環境の改善や各種政策の効果が期待されるものの、中東情勢の緊迫に伴うエネルギー価格の高騰や供給網の目詰まりなどが日本の経済・物価にどの程度波及するか懸念される状況にあり、先行き不透明な状況が続くものと思われます。
②長期ビジョン
当社は、10年後のありたい姿として長期ビジョン「世界中のお客様のニーズに応えるサプライチェーンの実現」を定め、その実現に向けた「中期経営計画2030」を策定しました。この長期ビジョンは、「食の感動体験を創造することで世界中の人々と食をつなぎ続ける」という経営理念をより具体化したもので、お客様の声を生産者へフィードバックし、商品・サービスを進化させるとともに、生産者や職人の技術・価値を“かたち”にしてお客様にお届けするサプライチェーンの構築を目指すものです。
③中期経営計画2030
「世界中のお客様のニーズに応えるサプライチェーンの実現」
「長期ビジョン」の実現に向けたマイルストーンとして、「中期経営計画2030」を策定しました。
中期経営計画2030では、強みのさらなる進化とグローバル市場への挑戦をテーマに掲げ3つの基本方針に取り組みます。
Ⅰ.市場シェア拡大へのアプローチ
Ⅱ.事業基盤の強靭化
Ⅲ.持続成長を支えるコーポレート機能強化
なお、「中期経営計画2030」のテーマとなる“グローバル市場への挑戦”には、基盤の構築に一定の時間がかかることから、5ヶ年の計画としております。
a.目標数値
[最終年度] 売上高 5,500億円
経常利益 160億円(うち、海外比率15%)
EBITDA 210億円
ROIC 6%以上
ROE 10%以上

以下の投資計画の実現により、償却負担は増加するものの、「成長市場」である海外市場への進出や商品力・提案力の強化により、最終年度に過去最高益を計画。
[ご参考] 直近の業績
2025年3月期実績 : 売上高4,361億円、経常利益106億円、EBITDA 123億円
2026年3月期実績 : 売上高4,482億円、経常利益110億円、EBITDA 130億円
b.投資計画
[5ヶ年計] 700億円(うち、成長投資560億円)
・国内市場向け 240億円
・海外市場向け 260億円
・DX、業務効率化 60億円
・維持更新 140億円


③優先的に対処すべき課題
第88期は、「信頼と感謝の気持ちでつなぐバトン」というテーマのもと、グループ社員が一丸となり、以下の課題に取り組んでまいります。
a. 市場シェア拡大へのアプローチ
国内の食肉マーケットは、コストプッシュ型のインフレが続く中、中東情勢の悪化に伴うエネルギーコスト上昇で消費者マインドが低迷しています。また、ライフスタイルの変化により消費者ニーズはますます多様化、高度化しています。
当社グループは、国内外の強固な調達基盤や高い商品化技術・衛生水準、全国の営業拠点の情報収集力と提案力といった強みを活かし、顧客から価値で選ばれる存在になるための取り組みを進めています。
4月、ハンバーグを中心とした加工食品の製造・販売を行っている株式会社オサベフーズを子会社化しました。本株式取得により、お客様ニーズを商品化する技術や開発スピードをさらに磨き上げ、市場ニーズにマッチした商品を開発してまいります。
また、消費者視点で国産豚肉の価値を再定義し、生産者がこだわり育てた栄養豊富な豚肉をみなさまの笑顔へつなぐ新たな取り組み、「元気のばとん」を始動しました。食を通して健康になりたいという消費者に、ビタミンB1が通常豚の2倍、あっさりした味わいが特徴の国産銘柄豚の価値を提案してまいります。
海外の食肉マーケットは、人口や所得の増加で食肉需要が拡大しています。東南アジアや北米などでは、食文化の多様化から和食・和牛の需要が高まっており、日系外食や小売企業の海外進出も加速しています。
当社グループは、国内で培った食肉の商品化技術と提案力に加え、世界的に希少である日本産和牛と豪州Wagyuの供給力を有しており、現地ニーズに合わせた商品提案をスピーディーに実践することで成長市場を獲得してまいります。
昨年は豪州Wagyu肥育企業の全株式を取得したことに続き、10月にシンガポールの食肉加工販売会社を完全子会社化しました。豪州Wagyuの生産に直接関与しつつ、中国や東南アジアを中心とした第三国の販売までトータルに手掛けることで、サプライチェーンの強化に取り組んでまいります。
日本産和牛の輸出拡大には、グループ工場で生産された和牛輸出の2ブランド、「AKUNE GOLD」と「AOMORI GOLD」の販売をさらに強化します。加えて、海外営業にあたる組織を再編成し、製品設計・製造・マーケティング・営業・配送などの各工程を繋げ「オールスターゼン」で取り組みます。
海外のお客様ニーズに応えるサプライチェーンを構築し、「刺激的な体験で食を楽しく人生を豊かにする情報をグローバルに発信する和牛」という価値を世界中にお届けしてまいります。
b.事業基盤の強靭化
少子高齢化や人手不足、各種法改正から、物流コストや環境負荷低減は経営課題となっており、グループ内物流の骨太な改革とスターゼン版DX(Zeusプロジェクト)の進化に取り組んでいます。
物流改革として、新たな基幹物流拠点が8月に稼働する予定です。保管能力を既存比2.5倍に増強し、分散する在庫の集約と仕分け作業などの効率化を図ります。また、ITシステムを活用しつつ物流ルールを見直すことで、上昇するコストの抑制を図り、持続的な物流運営体制を構築します。
スターゼン版DXでは、自社のICT部隊にて自前で基幹システムの刷新が進行しています。食肉事業は業務が複雑でシステム化が困難といわれておりますが、「食肉実務部隊」と「食肉業務を知るシステム部隊」、双方の部署が協力し実業に適したオリジナルの基幹システムを構築しています。
26年3月期において、他の領域に先駆けて物流配送システムと国産鶏肉の受発注業務のシステムを刷新しました。データ連携により業務工数の削減と作業時間の短縮化が図れました。現在は輸入食肉のシステム刷新に取り組んでいます。輸入食肉は当社事業の半分を占めるコア事業であり、本システム導入によりグループ内での受発注業務が大幅に短縮化されるとともに、有用なデータ抽出と分析により、経営の意思決定の高度化や迅速化が図られます。
c.持続成長を支えるコーポレート機能強化
環境変化に対応しつつ事業戦略を実現するためには、多様な挑戦を促す人材ポートフォリオの構築が欠かせません。当社グループは、人材情報の見える化と適所適材の人材配置に取り組んでいます。今後は、社員自らの成長とチャレンジ意欲を高める評価報酬体系を整備するとともに、多様な人材の採用や能力開発に取り組んでまいります。
また、当社グループは本業を通じた社会課題の解決を目指しています。中期経営計画2030の対象期間では、特にGHG削減推進と人権対応、アニマルウェルフェア促進を重点的に取り組んでまいります。
GHG削減については2030年までに42%削減を目標としており、エネルギーコスト構造の改善とリスク低減を進めています。また、人権及びアニマルウェルフェアへの対応は、多様なパートナーとともに行動することで、社会課題の解決と持続可能な成長基盤の構築を両立します。
中期経営計画2030では、グローバルに成長する戦略を支える財務戦略としてキャッシュアロケーション計画とバランスシートマネジメント方針を掲げています。資金面では、営業キャッシュフロー拡大と有利子負債の積極的活用で成長投資を支えるとともに、DOE目標3.0%の早期達成とさらなる株主還元の拡充を実現します。
バランスシートマネジメント方針では、資本効率を意識した投資と資産効率の最大化を進めつつ、自己資本比率40%程度を維持し、財務健全性と株主還元拡充の両立を図ります。

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