有価証券報告書-第75期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 14:01
【資料】
PDFをみる
【項目】
128項目

対処すべき課題

(1) 食の安全・安心に対する課題
近年、食品への異物混入事件や食品誤表示の問題が頻発しており、食の安全・安心に対する消費者の関心は非常に高まっております。このような中、当社では、取り扱い商品の安全・安心を確保するため、平成16年より『SQF』の導入を進めており、平成26年3月時点で53ヶ所が認定を受けております。『SQF』の導入推進に加えて、従業員へのコンプライアンス教育を徹底することで、グループ全体における安全衛生・品質管理体制の確保、向上に努めております。
(2) 国内マーケットの変化およびグローバル化に対する課題
国内では、少子化・高齢化に伴い消費の減少・多様化が進み、マーケット構造が著しく変化し、競争が激化しております。一方、アジア諸国のように、急速な経済発展により、食肉需要が急増している国や地域もあります。また、TPPやEPAの影響から、食肉の需給が世界規模で大きく変化し、食肉業界もグローバル化が一段と進展することが予想されます。
このような状況下、スターゼングループがさらに成長するための課題は、国内の営業基盤をより一層強化するため、新商品の開発、新規取引先の開拓に注力することであります。さらに、食肉の輸出拡大、海外からの商品調達の強化、加えて海外での新規事業の展開も視野に入れた活動を行ってまいります。
当社は、著しく変化するマーケットに対応するため、営業本部に商品開発部を置き、迅速な新商品の投入を続けてまいります。また、発展著しいアジア市場でのビジネス展開のため、昨年10月1日にスターゼンシンガポール社を設立いたしました。今後は、国内並びに海外での新たなパートナー企業との連携強化によりボーダーレスな事業展開を推進して国内外での業績伸展に繋げてまいります。
(3) ガバナンスの強化
企業環境の変化に対応し様々なリスクに備えるため、適切な企業統治(コーポレートガバナンス)のあり方を整えることが求められております。当社では、内部統制システムの構築、社外取締役選任、さらにグループ会社全体において日常的業務管理から経営的管理までのガバナンス体制の整備、強化を継続的にすすめてまいります。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針について
会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」の内容の概要は下記のとおりです。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社株式の大規模な買付行為等の是非については、最終的に株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えており、そのために株主の皆様が適切な状況判断を行えるよう、十分な情報提供と考慮期間を設ける必要があると認識しております。
また、当社は、一概に当社株式に対しての大規模な買付行為等に対して否定的な見解を有するものではありません。しかしながら、実際に資本市場で発生する大規模な買付行為の中には、
1)当社株式の大量買付の目的が真摯に合理的な経営を目指すものではないことが明白であるもの、
2)買収者が一般株主に対し、不利益な条件で株式売却を事実上強要する恐れがあるもの、
3)買収者が、一般株主が適切に判断するために必要な情報の提供や考慮期間を用意していないもの、
4)買収者が当社取締役会に対し、買収提案および事業計画等の提示、並びに交渉機会、考慮期間を用意していないもの等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにならないものも想定されます。
そのような買付行為を行う者は、当社の会社支配に関する基本方針に照らして適当でないと判断し、企業価値ひいては株主共同の利益を確保する為に、不適切な者からの大規模な買付行為等を防止するために何らかの対抗処置を講ずる必要があると考えます。
② 会社支配に関する基本方針の実現に資する取り組み
当社では、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保するための取り組みとして、以下の施策を実施しております。
経営集団の形成に資する取り組み
平成25年度を初年度とした中期経営計画を策定し、4販社統合後の各グループ会社の目標を明確にし、その達成に向けて取り組んでおります。さらに企業価値拡大のために以下の課題に取り組んでおります。
・食肉事業への経営資源の集中・・・生産から販売までの当社の機能を活かして、国内外から厳選した食肉類を調達し、食肉及び食肉加工品の生産と販売に経営資源を集中する。
・変化に対応する営業力の強化・・・広域化する大手量販店、統合が進む地方スーパーマーケット、中食・外食企業への対応を強化するために体制を立て直し提案型営業を強化する。
・グループ経営の効率化・・・グループ全体としての業務を最適配分して効率化を図るため、グループ各社の見直しによりローコスト体制を構築する。
当社グループは、以上のような取り組みを基本として、企業価値ひいては株主共同の利益の一層の向上を追求し、さらには財務体質の強化と内部留保の充実を考慮しつつ、株主利益を重視した配当政策を実施してまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの概要
当社は、会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるための取り組みとして、平成25年5月13日開催の当社取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)の継続を決議し、平成25年6月27日開催の第74回定時株主総会において、本プランの継続についてご承認を得ております。
本プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。
本プランにおける大規模買付時の情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)は、1)事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、2)必要情報の提供完了後、対価を現金(円価)のみとする公開買付による当社全株式の買付けの場合は最長60日間、またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。ただし、対抗措置の内容については株主意思確認手続きをとった場合は、対抗措置の発動、不発動の手続きが完了するまでは、大規模買付行為は開始できません。
本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、または遵守されていても当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断する場合には、例外的に当社取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める検討可能な対抗措置をとることがあります。
このように対抗措置をとる場合、その判断の客観性および合理性を担保するために、当社取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役又は社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重します。
なお、本プランの有効期限は平成28年6月30日までに開催される当社第77回定時株主総会の終結の時までとなっております。ただし、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、または当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合にはその時点で廃止されます。
④ 本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
本プランは、1)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること、2)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること、3)株主意思を反映するものであること、4)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示、5)デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと、の理由から、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。