有価証券報告書-第77期(2025/04/01-2026/03/31)
c 戦略
(ⅰ)シナリオ分析
当社グループにおいて主要な売上高を占める、当社の木材流通、建材・住宅設備機器の流通、住宅(マンション・一戸建住宅)の供給の3分野における2030年の気候変動の影響について、2023年にシナリオ分析を実施しております。2026年には、日本政府が公表した「第3次気候変動影響評価報告書」を踏まえてシナリオの見直しを実施し、当社の気候変動への対応についてアップデートいたしました。
(ⅱ)シナリオ分析の結果
ア 分析結果の概要
上記シナリオ分析の結果、2℃未満シナリオについては、企業活動に伴う温室効果ガスの排出量に応じて税金を課す炭素税の導入や、エネルギー価格の上昇、住宅の高性能化等による価格高騰などが、主なリスクになると認識いたしました。これらは、再生可能エネルギーの導入促進や自社施設の省エネ化の推進等により、温室効果ガス排出量を削減することでリスクの軽減が可能です。一方で、高性能住宅の普及に伴うエネルギー関連商品の需要拡大や、国産木材の需要の増加、非住宅の木造化・木質化需要の拡大、住宅ストックビジネスの活性化など、リスクを上回る事業拡大の機会が発生することを見込んでおります。
4℃シナリオについては、温室効果ガスの排出量規制への対応コストが生じない一方、自然災害の激甚化によるサプライチェーンの分断や、平均気温の上昇による森林の生態系の変化などを、大きなリスクとして認識いたしました。また、今回のシナリオ分析においては事業インパクトの特定ができなかったものの、防災集団移転やインフラ強靭化、災害からの復興需要といったニーズが新たに発生する可能性があります。
イ 気候変動リスク・機会
当社における重要度が高い気候変動リスク及び機会は以下のとおりです。
顕在化時期は短(3年以内)、中(3年以降5年以内)、長(6年以降)の3段階、事業への関連度合いは●(大いに関連がある)、▲(関連がある)、―(あまり関連がない)の3段階、影響度は財務インパクトの大きさを鑑みて1~5の5段階で評価しています。
(ⅰ)シナリオ分析
当社グループにおいて主要な売上高を占める、当社の木材流通、建材・住宅設備機器の流通、住宅(マンション・一戸建住宅)の供給の3分野における2030年の気候変動の影響について、2023年にシナリオ分析を実施しております。2026年には、日本政府が公表した「第3次気候変動影響評価報告書」を踏まえてシナリオの見直しを実施し、当社の気候変動への対応についてアップデートいたしました。
| シナリオ | シナリオの概要 | 参照データ |
| 2℃未満 シナリオ | 2050年カーボンニュートラルを達成するシナリオ ・脱炭素化政策の推進とエネルギーの転換 ・住宅・建築物の省エネ規制の強化 ・木材利用の拡大(ウッドチェンジの拡大) | SSP1-1.9 SSP1-2.6 RCP2.6 WEO2022 STEPS(公表政策シナリオ) 第6次エネルギー基本計画 森林・林業基本計画 第3次気候変動影響評価報告書 ほか |
| 4℃ シナリオ | 化石燃料主体のまま成り行きで進むシナリオ ・異常気象の激甚化と物理的被害の増大 ・極端な暑熱環境の常態化 ・自然環境・生物相の変容 | SSP5-8.5 RCP8.5 The Future of Cooling Working on a Warmer planet 気候変動を踏まえた治水計画のあり方の提言 第3次気候変動影響評価報告書 ほか |
(ⅱ)シナリオ分析の結果
ア 分析結果の概要
上記シナリオ分析の結果、2℃未満シナリオについては、企業活動に伴う温室効果ガスの排出量に応じて税金を課す炭素税の導入や、エネルギー価格の上昇、住宅の高性能化等による価格高騰などが、主なリスクになると認識いたしました。これらは、再生可能エネルギーの導入促進や自社施設の省エネ化の推進等により、温室効果ガス排出量を削減することでリスクの軽減が可能です。一方で、高性能住宅の普及に伴うエネルギー関連商品の需要拡大や、国産木材の需要の増加、非住宅の木造化・木質化需要の拡大、住宅ストックビジネスの活性化など、リスクを上回る事業拡大の機会が発生することを見込んでおります。
4℃シナリオについては、温室効果ガスの排出量規制への対応コストが生じない一方、自然災害の激甚化によるサプライチェーンの分断や、平均気温の上昇による森林の生態系の変化などを、大きなリスクとして認識いたしました。また、今回のシナリオ分析においては事業インパクトの特定ができなかったものの、防災集団移転やインフラ強靭化、災害からの復興需要といったニーズが新たに発生する可能性があります。
イ 気候変動リスク・機会
当社における重要度が高い気候変動リスク及び機会は以下のとおりです。
| 大分類 | 分類 | 項目 | 顕在化時期 | 事業への関連度合い | 影響度 | 対策 | ||
| 建材 住設 | 木材 | 住宅 | ||||||
| 移行 リスク (2℃ 未満シナリオ) | 政策・ 法規制 | 炭素税の導入 | 長 | ● | ● | ● | 5 | (全体) ・事業活動における温室効果ガス排出量の削減 ・調達先の多角化による安定調達の推進 |
| 市場 | エネルギー価格の 動向 | 短~中 | ● | ● | ● | 4 | (全体) ・自社施設の省エネ化の推進等 ・自家消費型再エネの拡大 | |
| 市場 政策・ 法規制 | 住宅の高性能化等による価格の高騰に伴う新設住宅着工戸数の減少 | 短~中 | ● | ● | ● | 5 | (建材・住設) ・エネルギー関連商品の供給の拡大、流通シェアの拡大 (木材) ・木造非住宅市場の開拓 (住宅) ・中古マンション買取再販事業等の強化 | |
| 政策・ 法規制 市場 | 森林保護政策の強化と消費者の嗜好変化 | 長 | ― | ● | ▲ | 5 | (木材) ・国産木材の供給体制の強化 ・森林認証材の取り扱いの強化 | |
| 物理 リスク (4℃シナリオ) | 急性 | 自然災害の激甚化によるサプライチェーン分断リスク | 短 | ● | ● | ▲ | 5 | (建材・住設)(木材) ・施設の強靭化と最適配置 ・被災リスクを踏まえた調達先の多角化 |
| 慢性 | 気温上昇による生産性の低下と空調費等のコスト増加 | 中~長 | ● | ● | ● | 3 | (全体) ・施設環境の改善投資 (住宅) ・酷暑日等を想定した適正な工程管理 | |
| 慢性 | 気温上昇による森林生態系への影響 | 長 | ― | ● | ▲ | 5 | (木材) ・調達先の多角化等 | |
| 機会 (2℃未満シナリオ) | 資源の 効率性 | エネルギー関連商品の供給 | 短~中 | ● | ― | ▲ | 5 | (建材・住設) ・業務提携、M&A等による供給の拡大 |
| 市場 | 国産木材の利活用 | 短~中 | ― | ● | ● | 5 | (木材) ・設備投資、業務提携、M&A等による供給体制の強化 (住宅) ・一戸建住宅への国産木材の標準仕様化 | |
| 製品・ サービス | 非住宅建築物の木造化・木質化 | 短~中 | ▲ | ● | ▲ | 5 | (木材) ・戦略的協業による領域の拡大 ・木造化へのワンストップ支援の提供 ・独自商品による内外装の木質化の提案 | |
| 市場 | 住宅ストック ビジネス | 短~中 | ― | ― | ● | 5 | (住宅) ・木質化リノベーションのブランド化による中古マンション買取再販事業強化 ・M&A等によるマンション総合管理や賃貸管理事業の拡大 | |
| 市場 | 暮らし領域における木材利用 | 長 | ― | ● | ― | 5 | (木材) ・異業種・ブランドとのコラボレーションによる独自技術「Gywood®」の多用途展開 ・研究開発体制の強化 | |
顕在化時期は短(3年以内)、中(3年以降5年以内)、長(6年以降)の3段階、事業への関連度合いは●(大いに関連がある)、▲(関連がある)、―(あまり関連がない)の3段階、影響度は財務インパクトの大きさを鑑みて1~5の5段階で評価しています。