有価証券報告書-第76期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 13:40
【資料】
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【項目】
158項目

対処すべき課題


文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末時点の情報を踏まえ判断したものであり、今後の様々な要因により記載内容と異なる可能性があります。
(1)経営の基本方針
日本ユニシスグループは、以下の企業理念に基づき、これからも社会の期待と要請に応えてまいります。
<日本ユニシスグループ 企業理念>・わたしたちが社会に果たすべきこと
すべての人たちとともに、人と環境にやさしい社会づくりに貢献します
・わたしたちが目指すこと
社会の期待と要請に対する感性を磨き、そのためにICTが貢献できることを考え抜く集団になります
・わたしたちが大切にすること
1.高品質・高技術の追求
社会に役立つ最新の知識を有するとともに、技量を高めます
2.個人の尊重とチームワークの重視
相手の良い点を見いだし、それを伸ばすことを奨励し合い、互いの強みを活かします
3.社会・お客様・株主・社員にとり魅力ある会社
ステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、企業価値向上に努めます

(2)経営環境および経営戦略
当社グループを取り巻く外部環境として、異業種からの参入による競争の激化や、デジタル社会への急激な変化が予想されており、ビジネスモデルのさらなる変革が求められております。このような環境も踏まえ、当社グループは持続的な成長に向け、2018年度から始まる3年間を対象とした中期経営計画「Foresight in sight® 2020」を策定いたしました。
持続的成長企業として価値を提供し続けるために、中期経営計画で当社グループの存在意義を「顧客・パートナーと共に社会を豊かにする価値を提供し、社会課題を解決する企業」として再定義しております。これを実現するために、当社グループは業種・業態の垣根を越え、さまざまな企業をつなぐビジネスエコシステムを創る中核となり、デジタルトランスフォーメーションを実現するプラットフォームを提供してまいります。
<注力領域>上記の方針に基づき、社会課題の解決が期待され、中長期的成長が見込まれる市場において、顧客・パートナーと共に日本ユニシスグループのアセットが活用できる領域を注力領域として定め、経営リソースを集中しております。
日本ユニシスグループは注力領域を軸に、顧客・パートナーと共に社会を豊かにする価値を提供し、社会課題を解決する企業を目指してまいります。
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(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、今中期経営計画の最終年度である2021年3月期において、営業利益率の向上と注力領域におけるビジネス拡大を重点指標とし、営業利益率:連結8%以上、売上高:連結3,200億円、注力領域における売上高:連結600億円を計画しております。また、今中期経営計画期間において、ROEは12%~15%を目標とし、連結配当性向は40%を目処に株主還元の強化に努めております。
営業利益率においては2020年3月期に8.4%となり、中期経営計画のターゲットである8%以上を前倒しで達成いたしました。最終年度である2021年3月期においても、引き続き、指標達成に向けて尽力してまいります。
10年間(2010年度~2019年度)の売上高・営業利益の推移
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(4)対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は、世の中のデジタル化が急速な進展を見せるなか、ITサービ
スに対する顧客ニーズの高度化・多様化が進み、異業種の参入により競争が激化するなど、益々厳
しくなっております。
また、昨今はグローバルな社会的課題解決にむけ、Society5.0の実現を通じたSDGsの達成や
ESG(環境・社会・ガバナンス)の視点を取り入れた経営を実践することで、サステナブルな社会
の構築に貢献することが企業に求められており、これらに対応する活動を強化していくことが、持
続的な企業価値の向上につながると認識しております。
このような中、当社グループは「顧客・パートナーと共に社会を豊かにする価値を提供し、社
会課題を解決する企業」として、業種・業態の垣根を越え、さまざまな企業をつなぐビジネスエコ
システムを創る中核となり、デジタルトランスフォーメーションを実現するプラットフォームの提
供企業となることを目指した中期経営計画「Foresight in sight® 2020」を策定し、これを達
成すべく、以下の重点施策に取り組んでおります。
①注力領域の選択と集中
前中期経営計画期間に創出した新たなサービスビジネスの拡大と収益化を加速するため、社
会課題に対する解決が期待され、中長期的成長が見込まれる市場において、顧客・パートナー
と共に日本ユニシスグループのアセットが活用できる領域を注力領域として定め、経営リソー
スを集中してまいります。
②顧客の付加価値向上を目指した関係性強化
従来からの主力ビジネスであるICTの構築・運用は、クラウドサービスの拡大によりスピード
や価格の競争が激化しており、より生産性の高いサービス型・導入型のモデルへシフトし、顧
客の業務を支えてまいります。加えて、企業が単独で競争優位を築くことが難しくなるビジネ
ス環境において事業のデジタルトランスフォーメーションや、ビジネスエコシステムによる新
たな事業の創出を共に成し遂げることで、顧客のビジネス戦略パートナーとなるための関係性
強化に取り組んでまいります。
③ビジネスを支えるプラットフォーム提供力の強化
顧客はデジタルトランスフォーメーションによる競争優位の獲得を目指しています。こうし
た顧客に価値提供するためには、ビジネスの組み合わせでサービスを素早く創ることができ、それを運用していく仕組みが求められます。今後は社会課題を見据えた価値創造プロセスを強
化し、日本ユニシスグループが保有するアセットを社外パートナーや顧客、外部サービスとつ
なげプラットフォームとして提供し、ビジネスエコシステムを形成してまいります。
④風土改革
時代の変化に素早く対応できる企業・組織能力の向上と、自ら価値を創造しビジネスエコシ
ステムをデザインできる力を高めるために社員のスキル変革を推進し、チャレンジを推奨する
風土改革、ダイバーシティ&インクルージョン、業務プロセス・制度改革を実行してまいりま
す。
⑤投資戦略
オープンイノベーションによる新ビジネスの創出を加速するため、注力領域や先端技術を中
心として、成長に必要となる戦略投資を行ってまいります。また、プラットフォームをはじめ
とするサービス開発投資への取り組みを継続・推進してまいります。
また、新型コロナウィルス感染症拡大に起因する勤務形態の制約や経済活動の自粛・停滞の長
期化により、進行中のシステム開発スケジュールの遅延や顧客の情報システム投資の見直しなど
が生じ、当社グループの事業活動に影響が出る可能性があります。このような中、当社グループ
は、社会における感染症拡大の防止に努めるとともに、社員、協力会社、お客様、お取引先の安全
確保を最優先に、テレワークの活用など働き方改革を更に進め、お客様の業務継続、リモートワ
ークやデジタルトランスフォーメーションを全力で支援し、レジリエントな社会の実現に向けた
取り組みを加速させてまいります。
なお、当社グループの持続的な成長のためには、事業戦略とともに、それを支える強固な経営基盤が必要であると考えており、コーポレートガバナンス体制をさらに充実させるとともに、取
締役会で決議した業務の適正を確保するための体制(内部統制システム)に基づき、特にコンプ
ライアンス意識の浸透・徹底に留意しつつ、引続き適正な業務運営を実施してまいります。
また、今後のグループ連携の更なる強化や事業の成長に伴い、ビジネスリスクの多様化が想定
されており、当社グループとしては、現行のビジネスリスクマネジメントを更に拡充し、対応し
てまいります。